オイル漏れをしている車はすでに走行距離も多く、メーカーの保証も切れているような年式の車が多いです。
いっぽう、車の買取業界ではオイルが漏れている車だとわかった上で高く買い取りをすることがあります。

今回は、愛車がオイル漏れをしていて、修理しようか車を売ってしまおうかと迷っている方に向けて
✔ オイル漏れした車を高く買取る業者がいる理由
✔ オイル漏れした車に安い買取額しか提示しない業者とは?
✔ オイル漏れをしていても効率よく高く車を売るコツ
といった内容でお話していきます。
オイル漏れをしたままの車は売れるの?
オイル漏れした車を整備工場が買い取る理由
オイル漏れにもさまざまな原因があり、エンジン内部での「内部漏れ」や、パッキンなどのゴム部品の劣化による「外部漏れ」などもあり、修理費用も様々です。
特に外部からオイル漏れしている場合は、それなりの設備と修理ノウハウを持った整備工場であれば修理することができます。
自社で修理すれば中古車としての価値をあげられる
中古車を販売している業者にも大きく二つわけられ、主に販売で収益を得ている業者と、整備部門があり、車検や整備でも収益がある業者です。
オイル漏れをしている車でも自社で修理することができるなら、むしろ安く中古車を仕入れることができるメリットになるのです。
つまり、自社整備工場を持っている中古車販売業者はオイル漏れをしている車でもしっかりと修理することで、買い取った車の商品価値を上げることができます。

オイル漏れをしている車にも高い買取額を提示できるのは、こういった自社修理工場を有する業者なのです。
海外ではオイル漏れに寛容な地域も。だからオイル漏れは評価に関係しない
日本の車検制度では一定レベル以上のオイル漏れは車検に合格しません。
オイル漏れに高額な修理費がかかる場合、日本の場合だと廃車になってしまうケースでも、発展途上国などでは問題なく使われ続けています。
【関連記事】車検に合格できない車を高く売るコツ|オークション代行の仕組みとは
とくに実用的に使われるようなトラックやワンボックスカー、軽トラック、四駆のSUV、トヨタ車ならほぼ全般的にブランドとしての信頼性も高いことで、かなり需要があります。

え・・?
まさかそんな車に高価買取額が?!みたいなことがあります。
日本の常識では考えられないことが海外ではあるのです。
そのままはまずい!オイル漏れを放置するデメリット
オイル漏れが水漏れを起こすことがある?!
オイル漏れをしたままで放置すると、漏れたオイルがほかの部品を傷めてしまうことがあります。
とくにエンジンオイルが漏れると、冷却水のように蒸発して乾くことはないので、オイル漏れをしている個所から下にどんどんと滴っていきます。
ゴムホースや樹脂の部品などにエンジンオイルが付着したままでいると、ゴムがブヨブヨにふやけていったり樹脂製部品の強度が劣化してしまうことがあります。
整備士としてオイル漏れ修理をしていてよくあるパターンなのですが、オイル漏れを長期間放置していたために、冷却水の通路であるゴムホースにオイルが付着して劣化、水漏れが始まるというケースです。
契約中の駐車場から苦情がくる?
漏れたオイルが駐車場に滴り落ちることで黒いシミになります。
雨の日などは、このオイルのシミが虹色になってどんどん広がっていきます。月極駐車場の場合などは、となりの駐車場の契約者から管理会社に苦情が入ることもあります。
また、駐車場を解約するときに、清掃費を請求されることはなかなかありませんが、次の契約者のためにキレイにしておいてほしいと言われてしまうこともあるでしょう。
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オイル漏れでも高く売るコツとは
オイル漏れをしている車だけではありませんが、車を売ろうか迷っているならまずは買取専門店などに車の買取査定を依頼します。
そのときに、少しでも査定士から高く評価してもらうコツとして、その車を大事にし、丁寧に扱ってきたという印象を査定士に持ってもらうことです。
とはいえ、査定士に嘘は厳禁です・・・
漏れ方のひどいオイル漏れがある場合は、「オイル漏れしてるみたいです」と先に伝えておくことも大事です。
車を買取りを完了するには売買契約書を交わしますが、車の評価に関する重要な内容を黙ったまま契約すると契約違反になってしまうこともあります。
「隠れたる瑕疵(かし)」という、オーナー本人すら知らなかったことに関しては契約違反にはなりませんが、車検に合格しないレベルのオイル漏れを査定に出す直前に洗浄するなどの隠蔽はNGです。
指摘されるまえにこちらから伝えておくほうが、かえって査定士もオーナーさんに不信感を持たないというメリットがあります。

「この人、なんかいろいろ隠してるのかな?」
と思われるほうが、査定士も警戒して買取額をを控えめにされてしまう可能性もあります。
【関連記事】オイル漏れを言わないまま売却。瑕疵担保責任に問われる事例
車検が近くても問題なし
その一方で、査定のまえにオイル漏れ修理をしてきても、車の買取査定額を大きくUPさせることはできません。
それと同じで、車検をして買取査定を依頼しても車検費用を回収することは難しく、むしろ車検直前でも大きなマイナスポイントにはなりません。
もちろん、車検がかなり長く残っている場合はプラス評価となりますが、実際に車検にかかった整備費ほどの査定額にはになりません。
車検をする前に売るほうが得?
たとえば、車検が長く残っている車を、車検の長さも含めた評価として買取をしたとします。
買い取った車の車検は日に日に短くなっていきますので、次の買い手が見つからなければ車検期間はどんどん短くなり商品価値は下がっていってしまうのです。
それに対して、もうすぐ車検が切れるという状態の車だと、買取したらすぐに「一時抹消」という手続きをとってしまうことができます。
この状態なら、中古車として買い手が見つかった時点で自社工場や契約している整備工場で車検を実施でき、「この車は車検をつけてお渡しできます」という、買い手にも嬉しい状態で販売できるのです。
そのうえ、年度末をまたぐ場合は一時抹消をしておかないと4月になると自動車税もかかってしまうので、車検切れよりも先に一時抹消をしてしまいたいという事情もあるのです。
なので買取業者にとっては車検が長く残っていても買取額を上げることは難しいのです。
修理費は回収できない
ユーザーさんが自分で整備工場を選び、そこでオイル漏れ修理を完了させてから車を売ろうとする場合は、残念ながらオイル漏れにあてた修理代金分の査定額のアップは見込めません。
なぜなら、他の整備工場が行ったオイル漏れ修理は、どの程度の精度や確実性で行われているのかがわかりにくいからです。

「4万円かけてオイル漏れ修理をしてもらいました」
とユーザーさんが言っても、
本当に4万円分の意味のあるオイル漏れ修理かどうかわからないのです。
それならば、自社の整備工場や、信頼のおける取引先の整備工場に、車を買い取ってからあらためてオイル漏れ修理をしてもらうほうが、安くて確実なのです。
もしも4万円分のコストを買い取った車にかけられるのなら、2万円でオイル漏れ修理をして、残りの2万円でボティコーティングをしたりするはずです。
つまり、「最近4万円分のオイル漏れ修理をしました」という明細書を提示してきても、せいぜ半額ほどの査定額アップとなってしまいます。(※金額はあくまでもイメージです)
洗車をすると査定額が上がる?!
車の外観をキレイにしておくメリット
車を査定士に見せる前に洗車をしておくと、いくつかのメリットがあります。
なかには「洗車なんかしたら小さなキズとか凹みがバレるじゃないか!」とおっしゃる方もおられますが、それは逆です。
泥はねなどでボディの状態がわかりにくい状態は査定士からは「キズとかがわかりにくいな。こんな状態のままで走るようなオーナーの車だからキズは多いはず」となります。
つまり、キズの有無も「多分あるはず」という評価になってしまうのです。
それに対して、車をきれいに洗車し、室内もある程度、掃除機をかけておけば、査定士は「このオーナーさんは車を丁寧に扱っているのかな?」と思ってもらえます。

査定士も整備士も車を見て人を判断することがあります。
丁寧に扱っているであろう車を見れば、この人は大嘘はつかないと思うかもです。
オイル漏れをしているかどうかの確認は、査定士によってチェックの仕方が違ってきますが、エンジンルームをチェックしてみて、ある程度のエンジン周辺のコンディションはチェックします。
外観や室内がきれいだと、商品価値の大半は問題ないだろうと思ってもらえます。
あとはエンジンオイルの交換距離が極端にオーバーしていないかどうかなどは、元整備士の査定士ならチェックするかもしれません。
オイル漏れに強い買取業者を探す
「ディーラーにそのまま下取り」はもったいない・・
車を売るならディーラーに出すのが一番もったいない売り方です。とくに、そのディーラーが扱っていない車種や、他社の車ならなおさらです。
しぶしぶ買取するケースもありますが、オイル漏れもしていることがわかれば「オイル漏れもあるんで値段が付きません」などと言われてしまうこともあります。
ディーラーの営業マンは新車を売ることに専念したい
本音をいえば、ディーラーは買い取った車を中古車で販売するような時間の余裕はあまりなく、とにかく自社で新車を販売することに注力したいのです。
なかには、自社で買取をしたくないがために、低めの査定額を提示する営業マンもいます。

さすがに、
「ウチで下取りするのはもったいないですよ」
などとは言ってくれませんけどね。
買取専門店はライバルと競合してくれる
ディーラーと対象的なのが、車買取の専門店で、オイル漏れをしていても、どのメーカーでも、年式が古くても、その車の価値を豊富な販売ルートで評価しようとします。
オイル漏れしても四駆は強い
例えば、海外での需要の高いクロカン四駆などの車種の場合、オイル漏れはマイナス評価にはなりにくく、高値で取引されています。
これは他の買取店もわかっていることなので、即決で買取たいため、ライバル店に負けないくらいの査定額をいきなり提示してきます。
車検制度が無い国や地域に輸出されるケース
そもそも車検がない国もあり、とくに発展途上国では日本車に対する評価が高く、オイル漏れに対するネガティブなイメージもかなり薄いです。
丈夫で性能もよく、部品の供給もしっかりしていることで、モータリゼーションが急速に進んでいるような国ではオイル漏れなど気にしていません。
このような地域で需要の高い車種は、「カローラ」とか「軽トラック」「ハイエース」などの、実用性が高かったり、車種としてのブランドが確率されていると高値になることが多いです。
廃車でも驚きの高価買取りのケース
オイル漏れがひどく、修理するのが困難な車でも高く売ることができるケースがあります。
廃車になっても価値がある車種の場合は、驚くほどの買取額が提示されます。
リサイクルパーツとしての価値
オイル漏れをしている車とはいえ、外観のボディ周りや足回り、コンピューターなどの電子部品は問題なく使えます。
つまり、一台の車としては「修理コストのかかる車」として価値がなくなってしまっても、それぞれのパーツの需要はあります。
板金修理でよくある圧縮修理のドナーになる?
車をぶつけたりで板金修理をする場合、保険を使って修理をする場合は新品の部品で修理していきますが、ユーザーが自費で板金修理を依頼するは「少しでも安く仕上げてほしい」と依頼されることもあります。
その場合、板金工場は中古部品を多用することでトータルの修理費を抑えようとしますので、中古パーツの需要がかなりあるのです。
とくに、人気車種や販売台数が多いコンパクトカーなどの実用的な車種は社用車としても使われているため、需要があります。
日本車は海外からの需要が多い
先程もお話しましたが、近年は海外へ輸出される日本車が増えています。
「日本車は壊れにくい」「日本車は高性能」「日本車は整備しやすい」
発展途上国での日本車の評価は非常に高く、日本車に乗っていることが、現地では一種のステータスになることさえあります。
【関連記事】車検に合格しない車でも海外では高く評価されている
余談ですが、僕自身も中東に旅行をしたことがありますが、タクシーはほぼ日本車、SUVもほぼランドクルーザーしか走っていないという、日本人もビックリの日本車人気でした。
現地での修理には中古パーツの需要が高く、足回りやミッションなどをまるごと交換することで作業時間の短縮を図っています。
日本車のエンジンの意外な需要
発展途上国では、日本車のエンジンが船のエンジンとして再利用されることも多く、とくにディーゼルエンジンは重宝されています。
つまり、激しいオイル漏れをしていても、事故などで大破していようが、エンジンそのものが使うことができれば需要があります。
この場合、古いタイプのエンジンのほうが壊れにくく、たとえば、ハイエースのディーゼルエンジンの場合だと200系より古い100系のハイエースに搭載されていた機械式の噴射ポンプのタイプのエンジンが需要があります。
200系のハイエースのディーゼルエンジンは電子制御のコモンレールになっていて、粗悪な燃料では壊れやすかったり、故障したときのパーツが高価なのです。

もちろん200系のハイエースも非常に人気が高いです。
オイル漏れしている車を高く売るなら・・・
オイル漏れ修理をする前に考えること
気に入った車なら、オイル漏れをしていてもまだまだ乗りたいと考えると思います。
ですが、その「気に入っている」という、あなたの想いの強さは、どれくらいの出費に対して「お金の問題じゃない」と言えるでしょうか。
オイル漏れはひどい状態になると車検に合格しませんので、オイル漏れ修理と車検が重なった場合、かなりの出費を覚悟しなければなりません。
【関連記事】車検に合格できない車を高く売るコツ|オークション代行の仕組みとは
また、一度オイル漏れが始まると、まるでイタチごっこのように、あっちこっちとオイル漏れの修理に追われることが多いです。
つまり、「高額な修理が続いてもずっと乗るんだ!」という、覚悟というか、決意のようなものも必要になります。
オークション形式で愛車の価格を調べてみる
買取業者に査定すると、その後もしつこく電話がかかってくることがあり、気軽に愛車の買取額を調べるのが面倒に感じてしまいます。
一社の買い取り査定サイトに査定を依頼したはずなのに、複数の業者からそれぞれ
「ぜひ当社に売ってください」みたいな電話があります。
中には、
「オイル漏れしているので・・買取額はこれが限界の高値ですよ」
などと買い叩いてくる業者もいます。
ですが、オイル漏れと買取価格は必ずしも連動しているとは限りません。
なによりも買取業者との知識の差に対抗するためには、
複数の業者にオークション形式であなたの車の価値を決めてもらうことをおすすめします。
つまりそれぞれの業者に『同じ土俵にあがってもらう』というわけです。
そこで僕がおすすめするオークション代行サービスが、
最大8000社の買取業者が、あなたの車に対して査定額を提示してくれるユーカーパックです。
【関連記事】オークション代行サービスとは?メリットやデメリットは?
ユーカーパックのおすすめポイントとしては
・業者との電話連絡はなく、電話があるのはユーカーパックだけ
・スマホから査定依頼ができるので「いつでも」「どこでも」が便利
・直接査定してからオークションが開始されるので「契約直前の買い叩き」がない
・査定後の業者からの勧誘電話も一切なし
などなど。
より多くの買い取り業者に愛車を見せることが大事
オイル漏れをしていても高価買取になるケースも多く、そのためには優れた独自の販売ルートを持っている業者に買い取りしてもらうことが非常に大事です。
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