※この記事は2024年1月19日に加筆修正しました
CVTオイルとCVTフルードは同じものを指す
いきなり余談ですが、
「CVTオイル」と「CVTフルード」は同じものを指しています。
正しくは「CVTフルード」です。
CVTフルードは車の無段変速機(CVT)の中に入っている非常に重要な油脂ですが、メンテナンスに関してはエンジンオイルの交換ほどはっきりとしていません。
各自動車メーカーの推奨する交換時期も違っていたり、なかには無交換でかまわないとするメーカーやディーラーもあります。
では、なぜCVTフルードの交換に関して、各メーカーや各ディーラーでの交換推奨時期が違うのでしょうか。
今回はCVTフルードの交換時期や交換距離などについてお話していきます。
ただし、この記事の中で推奨しているCVTフルードの交換時期や交換距離などは、あくまでも整備士としての僕自身の経験などから
「自分の車ならそうする」
という整備士の個人的な意見として参考にしてください。
▼CVTに関するまとめ記事はこちら▼
【CVTまとめ】フルード交換・異音・運転方法などを解説
CVTフルードの交換時期はどれくらいの期間?
CVTフルードとは(基礎知識編)
そもそもCVTとは?
CVT(Continuously Variable Transmission)とは、車の変速機のひとつです。
C(コンティニュアスリー)
V(バリアブル)
T(トランスミッション)
車の変速機は、ギアとギアの組み合わせでエンジンの力を効率よくタイヤに伝えるためのものですが、そもそもCVTの場合はギアがないタイプの変速機です。
段階がなく変速をしていけるので「無段変速機」などと呼ばれています。
CVTフルードはCVT専用のオイル
CVTには「CVTフルード」と呼ばれる専用のオイルが使われていますが、油圧を伝える役割をする液体は「オイル」ではなく「フルード」と呼びます。
ブレーキフルードとか
パワーステアリングフルードとかですね。
これまでのオートマチックには、「ATフルード」とか「ATF」と呼ばれるフルードが使用されていました。
ATフルードとCVTフルードにはそれぞれ違った性能が求められるため、基本的には共通のフルードは使うことができません。
メーカーでもATとCVT、それぞれ専用のフルードを使うよう推奨しています。
CVTフルードに求められる性能とは
現在主流なCVTは、金属製のスチールベルトと自動的に幅を変えることができる二つのプーリーと呼ばれる部品で構成されています。
CVTは無段変速機なので、このプーリーとスチールベルトのつながるポイントが変化することで自由にギア比を変えることができます。
ところが、スチールベルトとプーリーが直接触れている部分は、エンジンの力を伝える場所なので、ここが滑ってしまうとうまく動力を伝えることができません。
そのため、CVTフルードはこれまでのATフルードのように潤滑(滑らせる)するだけの機能ではうまくいきません。
ATフルードとは全く正反対の「滑らせない機能」が求めらるのがCVTフルードの大事な機能なのです。
CVTフルードは、ATフルードとは真逆の「滑らせない機能」
が求められる特殊なフルードです。
CVTフルードの交換時期はどれくらい?
基本的にはCVTフルードの交換に関しては期間ではなく距離を目安にしています。
エンジンオイルも交換の目安を同じく距離にしていますが、CVTフルードも走っただけ汚れて劣化していくものです。
ただし、年間走行距離があまりにも少ない場合は距離よりも期間を優先してもいいかもしれません。
たとえば、年間の走行距離が5,000㎞の車だと、五年間で25,000㎞しか走っていないことになります。
この場合、距離を基準に考えると交換するにはまだ早いでのですが、交換してしまってもいいかもしれません。
なぜなら、CVTフルードもオイルやフルードの仲間ですから時間が経てば劣化していきます。
おそらく、新車から五年経過で走行が25,000㎞の状態だと、ディーラーにCVTフルードの交換を依頼しても「まだ交換しなくていいですよ」と言われるでしょう。
ここで僕が『五年たったら交換しましょう』と奨めるのは、長くその車に乗りたいと考えている方への「念のため」くらいのニュアンスです。交換目安の基本はあくまで走行距離を目安にします。
CVTフルードの交換距離は平均で何万㎞くらい?
CVTフルードに関しては、走行距離を基準にして交換していくことが基本です。
ただ、各メーカーによって交換距離が違ってくることがあり、余計に情報が交錯してしまうこともあるようです。
各メーカーで推奨する距離が違いますが、
僕なら一回目のCVTフルード交換は40,000㎞未満でディーラー系に依頼しますかね。高いですけど。
関連記事▶CVTフルード交換の費用を知りたい!その効果は?頻度はどれくらい?
1回目のCVTフルード交換はディーラーがいい理由
なぜ一回目はディーラーがいいのか? これには「メーカー特別保証」の問題が関係しています。
以前、僕自身がディーラーとやり取りした経験ですが、特別保証期間が切れていない時期に
純正ではないCVTフルードを交換するから交換要領に関する資料を送ってほしいと依頼したことがありました。
するとディーラーのサービスフロントの方から、
CVTに関しては指定したフルード以外を使用した場合、
メーカー保証の対象外になる場合があります。
と言われたことがあります。
(うわ・・汚ねぇな・・・・)
内心はそう毒づいてしまいました。
ようするに、ディーラー以外で整備した場合は正しい油脂類を使用してないかもしれないから壊れても保証しないよって言ってるわけです。
たしかに油脂の選択間違いもあり得ますし、利益優先で汎用のATフルードをぶち込む整備工場もあるらしいので、間違いじゃないですけど。
というわけで一回目のCVTフロード交換は、はなにかあったらスムーズに保証してもらわないといけないのでディーラー系で交換するのがおすすめです。
CVTフルードを無交換で走り続けるとどうなるのか
CVTフルードを交換せずに走り続けていると、燃費も少しづつ悪くなります。
また、CVTの内部からの音も大きくなってきたり、今までしなかった異音もするようになってきます。
それでも交換をせずに走り続けると、最終的にはCVTの内部が壊れたり、CVTのスチールベルトが切れたりすることもあるようです。
【外部リンク】トヨタ エスティマ ACR50W 走行不能 CVT スチールベルト切れた・・・
僕の勤務する整備工場ではCVTのベルトが切れた事例はありませんが、異音や滑りは結構ありました。
不具合が発生するタイミングとしては、100,000㎞をオーバーしたあたりからぽつぽつと起きます。
また、どんな使用条件なのかもかなり大きな要素となりますので、大人しい運転なら無交換で18万キロなんて車両もありました。
ちなみに、スチールベルトがバラバラになったトヨタ ヴォクシーのCVTを分解した、非常に興味深い動画もありました ↓
【関連記事】車のCVTは故障が多い?!壊れやすい車種や症状や前兆・寿命について
【メーカー別】CVTフルードの交換距離は?
トヨタ車のCVTフルード交換時期
トヨタ純正CVTフルード | |
CVTF TC | CVTF FE |
WS | – |
基本的にはトヨタの車両はCVTフルードの交換は無交換、またはシビアコンディションでは100,000㎞毎となっています。
ですが、面白いことにトヨタ系のディーラーでCVTフルードの交換を推奨してバンバン獲得しているところもあります。
メーカーとディーラーのメンテナンスに対する見解の違いや
ホンネと建前というのは整備士の僕にはよくわかります。
トヨタの小型車のCVTフルード交換時期
おもにヴィッツなどの、1,500cc以下の小型車に採用されているCVTがあります。
トヨタで「Super CVT-i」と呼ばれていタイプのCVTはメーカーでは基本的に無交換となっています。
ですが、トヨタ系のディーラーでも交換を推奨しているところもあり、車検に出せば交換しませんか?と普通に言ってきます。
ヴィッツ、オーリス、ラクティス、ポルテ、スペイド、シエンタ(HV以外)、イスト、プロボックス、サクシード、カローラルミオン、カローラフィールダー、カローラアクシオなど
トヨタの中型クラス以上のCVTフルード交換時期
ヴォクシィ・ノア兄弟(エスクァイア含む)エスティマ、アルファード、ヴェルファイアのそれぞれハイブリッドモデルも無交換またはシビアコンディションは100,000㎞毎となっています。
初回はディーラーで交換を依頼し、「交換しなくていい」と断られた場合は、大手の自動車整備工場など、知識を豊富に持っていそうな整備工場などで交換を依頼しましょう。
おすすめする距離は初回で40,000㎞未満、以降は40,000㎞毎くらいがいいでしょう。
とくに重量がある「アル・ベル兄弟」は早めに交換するほうが賢明だとおもいます。
アル・ベル兄弟とは??
アルファードとヴェルファイアの二車種を
整備士たちはこう言うこともあります(笑)
ノアとヴォクシーで「ノア・ボク」とかもありますねw
トヨタのハイブリッドカーのCVTフルード交換時期
プリウスやアクア、SAI、カムリHVなど
こちらもやはりメーカー推奨は「無交換またはシビアコンディションなら100,000㎞毎」となっています。これらの車両もCVTなのでCVTフルードの交換ができます。
駆動用のモーターはけっこうトルクがありますので、CVTもそれなりに負担がかかっていますが、パワートレインをうまく使い分けている賢い車です。
それでもCVTフルードは交換するほうが望ましいとは思います。
初回は40,000㎞、二回目以降は50,000~70,000㎞前後、運転の条件などで交換を早めるなりするといいでしょう。
簡単な下抜きで交換できるのでディーラー以外の整備工場でも交換作業を受けてくれるでしょう。
ホンダのCVTフルード交換時期
ホンダ純正CVTフルード | |
ウルトラ HMMF | ウルトラ HCF-2 |
HMMFを使用する車種
メーカー、ディーラーともに40,000㎞ごとでの交換を推奨していて、フィットなどの一部のモデルでは「HMMF」などのフルードの交換を促すランプがメーター内で点灯することもります。
この場合も40,000kmで点灯することが多いです。
↑ 整備士の僕がおすすめするCVTフルードの交換時期も同じです。
ちなみに初代フィットなどで頻発していたCVTの発進時のガクガクと振動するジャダに関しては、さまざまな整備工場でも効果が確認できている添加剤があります。
僕の勤務する整備工場でも使うことがある「SOD-1 plus」で、ホンダ車のジャダに悩む方にはオススメです。
SOD-1 plus(プラス)はホンダ車のCVTジャダ改善に高評価
N-BOX、N-BOX SLASH、N-WGN、N-ONE、N-VAN,フィット、フィットHV、オデッセイ、ステップワゴン、フリード、フリードスパイク、CR-V、ヴェゼル、シビック、インサイト、S660など
新しいCVTにはウルトラHCF-2が指定されている
ホンダの新型CVTには「HCF-2」というタイプの純正CVTフルードが指定されています。これまで指定されてきた「HMMF」との互換性はなく、それぞれのCVTにのみ使用できます。
車種 | 型式 |
N-VAN | JJ1/JJ2 |
N-BOX | JF3/JF |
N-WGN | JH3/JH4 |
ヴェゼル | RU1/RU2 |
オデッセイ | RC1/RC2 |
グレイス | GM6/GM9 |
CR-V | RW1/RW2 |
シビック | FK7 |
ステップワゴン/スパーダ | RK1/RK2/RK5/RK6
スポンサーリンク
RP1/RP2/RP3/RP4/RP5 |
フィット | GK3/GK4/GK5/GK6 |
フリード/フリードハイブリッド | GB5/GB6 |
日産車のCVTフルード交換時期
日産純正フルード | |
NS-2 | NS-3 |
日産車のCVTフルード交換時期
日産車に関してはCVTフルードの交換はディーラーのみの交換がいいかもしれません。
僕自身、初代のセレナのCVTで大変な目にあってますので(笑)
ディーラー系のホームページでも「ATFは40,000㎞ごと」とだけありましたので、CVTフルードに関しては直接の明言をさけていると判断できました。
初期のCVTが出たころ、日産ディーラーでは不具合に対する対応に追われていたそうです。
できれば初期のCVTはなにもしないほうがいいと僕自身も思いますが、
初期型以外のCVTに関しては走行距離が少ないうちにディーラーで交換してもいいでしょう。
↑ これはある日産車の取扱説明書ですがエクストロイドCVTは100,000㎞毎、HyperCVTは60,000㎞毎の交換となっています。
ただ、日産のディーラーではカストロールのCVTフルードで交換していることろもありますので依頼すれば交換作業をしてくれると思います。ステッカーを見ると40,000㎞毎の交換を薦めていました。
セレナ、エクストレイル、ティーダ、ティアナ、キューブ、ノート、ウィングロード、スカイライン、NV150AD、マーチ、ジューク、エクストレイル、ブルーバードシルフィ、フーガなど
日産車の軽自動車のCVTフルード交換時期
三菱と共同開発したため、フルードの交換時期は三菱軽自動車と準じます。
※初代ルークスはスズキOEM車です。
デイズ、デイズルークス
ダイハツ車のCVTフルードの交換時期
ダイハツ純正フルード | |
アミックスCVTフルードDC | アミックスCVTフルードDFE |
ダイハツの純正CVTフルードは「アミックス」で統一されています。公式サイトや整備書の中ではCVTフルードの交換は50,000㎞毎となっています。
一回目の交換はやや早めでもいいように思います。おもに加速と減速を頻繁に繰り返す街乗りがメインなら40,000㎞前後でもいいでしょう。
【外部リンク】ダイハツ公式サイトCVTフルードに関するページ>>
ミラ、ミライース、ミラトコット、タント、ウェイク、ムーヴ、ムーブキャンバス、キャスト、ミラココアなど
ダイハツの小型車クラス以上のCVTフルード交換時期
ダイハツ車として販売されている小型車のなかにはベースがトヨタ車である車種もありますので、CVTフルードの交換に関してもトヨタ車として考えるとわかりやすいです。
トール、ブーン、メビウス(プリウスαのOEM)、アルティス(カムリOEM)
スズキ車のCVTフルード交換時期
スズキ純正CVTフルード | |
CVTF グリーン1 | CVTF グリーン2 |
CVTフルード 3320 |
スズキに関してはCVTフルードの交換はかなり消極的で、基本的には無交換となっています。
ですが、抜いたフルードを見ても交換が望ましいと感じました。初回は使用条件などで判断しますが、おすすめは40,000㎞前後でしょうか。
ただ、スズキ車の場合はディーラーではほとんどCVTフルードの交換作業を受けていないようなので、信頼できる整備工場に相談するといいでしょう。
2020年5月21日追記
スズキのディーラーのオイル交換のステッカーにCVTフルード交換に関する項目が増えていました。
お客様からの要望などもあって、CVTフルードの交換をディーラーとしても受注するようになっていっているのでしょう。
貨物車を除く、ほとんどの軽自動車、小型車
アルト、アルトワークス、アルトラパン、イグニス、クロスビー、スペーシア、スイフト、ソリオ、ハスラー、バレーノ、MRワゴン、SX4、ワゴンR、ワゴンRスマイルなど
【関連記事】スズキのディーラーでCVTオイル(フルード)交換を断られる理由とは
マツダ車のCVTフルード交換時期
マツダ純正CVTフルード | |
Mobile CVTF 3320 | – |
マツダ車のCVT車に関しても「無交換」とだけしか説明がありませんし、各ディーラーのホームページなどにもほぼ記載されていません。
僕の整備工場でも交換したことはありませんので、データがありません。今後、問い合わせをしてみることがあるかもしれませんので、その都度加筆していきます。
スバル車のCVTフルード交換時期
スバル純正CVTフルード | |
iCVT FG | スバル CVTF リニアトロニック用 |
スバル CVTF リニアトロニックⅡ | – |
スバル系のカーディーラーのホームーページではCVTフルードの交換距離には40,000㎞毎と記載されています。
ただし、その対象となる車種は、同じトヨタ傘下のダイハツの軽自動車をOEMとして販売していることに合わせているようです。
スバル独自のCVTを搭載する、レガシィ、レヴォーグ、インプレッサ、フォレスターなどの車種に関しては、独自の交換サイクルで答えていると思われます。
無交換でもほぼ問題なく、もしもCVTの本体が壊れたら「まるごと載せ替え」とだけ宣告されるんでしょうね・・。
当工場でもスバル系の普通車のCVTフルードの交換実績はありませんので、なんともいえません。
ただ、スバルのCVTの場合、スチールベルトではなくチェーンタイプを採用していて、コストはかかるものの強度、耐久性に優れるとのことです。
スバル車の軽自動車のCVTフルード交換時期
スバルの軽自動車は「スバルオリジナルの軽」と「中身はダイハツ車の軽」と大きく分けて2種類あります。
2012年の2月末をもってスバルオリジナルの軽自動車は生産を終了しました。それ以降の軽自動車はすべてダイハツの軽自動車が名前を変えて販売される「OEM車」となります。
そのため、2012年3月以降のダイハツからのOEM供給のスバルの軽自動車なら基本的にはCVTフルードの交換もダイハツ車と同じでいいということになります。
そのため50,000kmまたは、4年ごと(どちらか早い方で実施)となっています。
おそらくですが、スバル系ディーラーの現場サイドはCVTフルードはあまり交換したくないのが本音なんだと思います。
整備士ってね、成功体験よりも失敗体験で物事を判断しがちな人種なんですよ。
「やったことのないことはやりたくない」
と考えるメカニックさん、ディーラーにもかなりいます。
もしも交換を断られた場合はカーショップや、ダイハツのディーラーに依頼してもいいかもしれません。
ステラ(ムーブのOEM)
プレオ+(ミライースのOEM)
シフォン(タントのOEM)
スバル車のトヨタOEMのCVTフルード交換時期
スバルではトヨタ車をスバル車の名前を付けて販売しています。これらの車種もCVTフルードの交換に関してはトヨタ車として判断するといいでしょう。
BRZ(86のOEM)、ジャスティ(ルーミー/タンクのOEM)、トレジア(ラクティスのOEM)など
また、スバルの公式ホームページでもトヨタ系のOEM車に対するCVTフルードの交換サイクルについて少し触れています。
【外部リンク】スバル公式メンテナンスに関するページ>>
ミツビシのCVTフルード交換時期
三菱純正CVTフルード | |
CVTF J1 | CVTF J4 |
CVTフルード J4+ | ATF SPⅢ |
基本的には他のメーカーのCVTフルード交換時期と同じでいいでしょう。
ただ、「デリカD5」と言う名のスズキソリオだったりと、OEM車はオリジナルのメーカーに合わせたほうがいいでしょう。
デリカ、アウトランダー、エクリプスクロス、RVR、デリカD:2、ミラージュ
、ekワゴンなど貨物系の軽自動車以外の全車
まとめ
CVTフルード交換を推奨しないディーラーの本音とは
もしも「新車で買ってから、10万キロも走らないし5年も乗らない」という車との付き合い方をするなら、CVTフルードの交換は必要ないかもしれません。
メーカーも「あまりCVTに長持ちされても新車が売れない」という本音がちらちら見えるときもあります。
CVTを製造しているメーカー(注1)はそれぞれありますが、ほとんど同じ機構を使っているメーカーのものを採用しているにも関わらず、CVTフルードの交換時期にバラつきがあります。
ディーラーによってCVTフルードの交換時期にばらつきがあるのは、いろんな思惑があってのことだと推測できます。
最近の整備業界は、車の進化や、構成部品の変化で整備からの収益が少なくなってきています。
それはディーラーも同じことで、メーカーから「無交換でいい」と説明があるCVTフルードの交換を積極的にすすめる事情もそこにあるのです。
その一方で、ディーラーも含め、積極的に収益にしようとしてCVTフルードの交換を勧める場合の交換時期は少し早すぎない?と感じることも確かです。
20,000㎞毎のCVTフルード交換を否定はしませんが
実際に抜いたオイルを見ると、
「さすがにちょっと早いかな?」
と感じることはあります。
以上が整備士としての僕の個人的な意見です。
今回は自分の車ならそうするだろうな、という視点で記事にしてみました。
「CVTオイルは交換しなくていい」と主張する人たちの話
CVTフルードの交換に関して、常連のお客様以外には言わない「整備士の本音」の部分をつづった記事も書いてみました。
▼関連記事▼
「CVTオイルが無交換な理由を知りたい」というお客様にお答えしたときの話
↑ 僕の本音が出すぎて
ヤバい内容かもしれません(笑)
その他の関連記事 ↓
▶CVTフルード交換はディーラーがベスト?オートバックスやガソスタはダメ?
▶CVTから異音が出ていても下取りや買取りはできる?高く売るコツとは
注1
■トヨタの関連会社でもある「アイシン」がトヨタ系のCVTを主に設計・製造
■日産、三菱、スズキが出資している「JATCO」(ジャトコ)
■ホンダは自社開発
■マツダはアイシン製などを採用
■ダイハツは内製
■スバルの普通車で水平対向エンジン搭載車などは自社開発製、軽自動車はダイハツのOEM車
【外部リンク】アイシン | ATF/CVTF油種対応早見表:国産車編
コメント
はじめまして。
去年の9月に、ホンダのN-WGN L Honda SENSINGに買い換えました。
積算走行距離は、まだ3700kmぐらいです。
CVTに関してですが、メンテナンスノートで確認すると、『60,000kmごと』となっておりました。
しかし、今の私の乗り方のペースだと、60.000km走行するには15.6年かかりそうなので、
車検ごとに交換することを考えています。
実はN-WGNは3台目の自動車で、2台目がライフUA-JB5。1台目がトゥデイE-JA2だったのですが、共にATFは車検ごとに換えていました。
年間の走行距離が極端に少ない人は、距離よりも期間を優先して考えるほうが
良いのではないかと思っています。
かーこ様
コメントをありがとうございます。
お返事が遅くなりま申し訳ございません。
CVTフルードの交換サイクルについてですが、
最近のホンダ車は60,000㎞毎なのですね。
新車のメンテナンスノートで確認しておきます。
貴重な情報をありがとうございました。
>実はN-WGNは3台目の自動車で、
>2台目がライフUA-JB5。
>1台目がトゥデイE-JA2だったのですが、
>共にATFは車検ごとに換えていました。
>年間の走行距離が極端に少ない人は、
>距離よりも期間を優先して考えるほうが
>良いのではないかと思っています。
↑ そうですね。
僕も年間走行距離が少ない車両に関しては、
一定の間隔でフルードの交換をしてもいいと思っています。
やはり油脂類は車に注入された状態では時間の経過とともに劣化していきます。
調子よく長く愛車に乗るためには、油脂類の管理は大事ですね。
N-WAGONに乗り換えをされたということで、
安全で快適なカーライフを楽しんでくださいね。
初めまして
CVTオイルの交換をしようか迷っているレガシィ アウトバックに乗っている者です。
3万キロを越えたので少し早いですがCVTを変えようかとSUBARU Dに聞いたらまだ早いですと言われました笑
スバルホームページに記載がないとのことでしたが、サイトで見た気がするので探したらありましたのでURLを貼っておきます
https://www.subaru.jp/afterservice/maintenance/04.html
車に長く乗りたいと考えているのですが5年経過時や4万キロ時点でFRのデフオイルの他に交換したほうが良いものがあればお教え願いたいです。
タカハシ様
コメントと貴重な情報をありがとうございます。
確認してみましたが、確かにスバルの公式ページにCVTフルードについての記述がありました。
さっそくこの記事も加筆修正しておきます。
おそらく、このページで40,000㎞毎で交換を推奨している理由は、
同じトヨタの傘下であるスバルなりの配慮もあるのではないでしょうか。
まったく同じ車種であるダイハツOEMのモデルに対して
公式ページで記述がないと誤解をうんでしまいますね。
そのため、自社開発のオリジナルのCVTを搭載するアウトバックに対してだけは、
独自の交換サイクルを主張するのかもしれません。
僕の勤務する整備工場でもCVT搭載のレガシィやレヴォーグも車検で入庫しますが、
走行距離が多くてもCVTフルードを無交換のままで問題なく走行できていることが多いので、
スバルのチェーン駆動のCVTの耐久性はかなり高そうです。
>車に長く乗りたいと考えているのですが
>5年経過時や4万キロ時点でFRのデフオイルの他に
>交換したほうが良いものがあればお教え願いたいです。
↑ 上記の状態なら、とくに交換が望ましいフルードはないと思います。
ちなみに、僕自身もインプレッサWRXに乗っていましたが、
リアデフオイルのほうが汚れるのが早い印象でした。
なので、街乗りなどの旋回する頻度が高いようなら
リアのデフオイルだけ早めに交換するのもおすすめです。
また、LSD仕様かどうかでも交換するサイクルや
使用するデフオイルも気をつけるといいでしょう。
返信ありがとうございます!
TOYOTAとの兼ね合いはありますよね…
中古で買って1年ほどしか経っておらずあと3年は中古車保証が付いているので今のうちにCVTF全量交換しておいたほうが後々良いのかなと思っています。
ですがレヴォーグ等が多走行距離でも走れているというお話を聞いて少し戸惑いが出てきました
アドバイスありがとうございます!
郊外住みなので街乗り4 郊外6くらいで週末しかアウトバックに乗らないのですが(全オーナーの使い方が不明なのもあるので)
Rデフは近々(来春の18ヶ月点検にでも)交換しておきたいと思います
LSD?については近いうちにDの担当に聞いておきます
デフオイルの種類については純正のものをDで入れてもらおうかと思っています。
タカハシ様
>中古で買って1年ほどしか経っておらず
>あと3年は中古車保証が付いているので
>今のうちにCVTF全量交換しておいたほうが
>後々良いのかなと思っています。
↑
そうですね。
できれば交換はディーラーで純正フルードを使うほうが無難ですね。
とくにトランスミッションに関するクレームは
どの整備工場やディーラーも神経質な部分もありますし。
>レヴォーグ等が多走行距離でも走れている
>というお話を聞いて少し戸惑いが出てきました
↑
どれくらいの距離をトータルで走るのかにもよりますが
心配ならディーラーで交換作業を受けてくれるようなら
早めに交換してもいいですね。
気持ちの問題もありますし、交換したことで
安心感を持つことができますよね。
>Rデフは近々(来春の18ヶ月点検にでも)
>交換しておきたいと思います
↑
そうですね。
いいと思います。
ディーラーもデフオイルに関しては
早めの交換でも受けてくれるとおもいます。
それから、デフを少しでもいたわるためには
左右のタイヤの空気圧をそろえておくと
デフに余計な負担を与えずにすみますよ。
またなにかご質問や
記事にしてほしいテーマなどがあればご遠慮なくコメントくださいね。
それでは。
CVTFについて色々と漁っていたら
https://www.chibasubaru.com/service/mission_oile/
という地方SUBARUのページを見つけました
独自CVTのリニアトロニックは10万キロと記載がありました
これはもう無交換推奨みたいに捉えてもよいのでしょうか?
また同ページにAWDミッション+デフで3万弱という金額ですがCVTFの全量交換ってこの程度の価格なのでしょうか?
少し期間が空いてしまいましたが再度アドバイスよろしくお願いします!
あ、FRデフについては3月に変えます
タカハシ様
スバルの場合、自社開発のCVTにはそれなりの耐久性があると考えているのでしょう。
なので、フルードの交換は100,000キロで充分だと考えているのではないでしょうか。
おそらくですが、この走行距離では交換はできなくなっている可能性もあるので、12万キロ前後で乗り換えるようなユーザーなら無交換でも大丈夫と言う意味ではないでしょうか。
もしもディーラー以外でもフルードの交換を受けてくれるのであれば100,000キロ未満の早い段階でフルード交換してもいいかもしれませんね。
とは言え、ディーラーで純正のフルードで交換してもらう方が無難ですね。
>同ページにAWDミッション+デフで3万弱という金額ですが
>CVTFの全量交換ってこの程度の価格なのでしょうか?
添付いただいたスバルディーラーのホームページをチェックしましたが、BRZを除けば、基本的はレガシィやレヴォーグ、フォレスターなど、スバル自社開発の車種はほぼ4WDです。
そうですね、この価格表だと、前後のデフとミッション(CVT)の合計3箇所のギアオイルとフルードをセットで交換するということなのでしょうね。
CVT車の場合は、フロントデフ、CVT、リアデフの3箇所にそれぞれのフルードが入っています。
フロントとリアのデフはギアオイルがそれぞれ入っていて、CVTには専用のCVTフルードということです。
CVTとデフの交換距離が違っていますので、ミッション(CVT)とデフを同時に交換する必要はないように思います。
僕なら、CVTだけ交換、デフだけ交換という感じで交換のサイクルは分けて管理するとおもいます。
CVTフルードに関してはどれくらいの走行距離をトータルで乗りたいのかで、交換サイクルを変えてもいいかもしれませんが、デフオイルに関しては40,000キロで交換もいいのではないでしょうか。
再度のアドバイスありがとうございます!
みんからで同じBS9の前期(B)型に乗られている方が4万キロ(2019/3月)でディーラーにCVTFを全量交換してもらったようです
それから2年以上も普通に走れているようなので交換するなら今かなぁとも思いますが、しかし個体差もあるわけで…
今3.7万キロで1年走行距離が1万2千キロ程度…新型アウトバックの後期が出るまであと3年、約7万キロ
それの中古車を待つと6-8年、おそらく12万キロ程度で乗り換えるのではないかなぁとは思いますが、それまで大きな故障がないとも言えないので…
でも3万円(8万kで変えたら計6万円)でCVTの故障を抑えられるなら変えるべきですよね
再度、Dの営業に聞いてメカニックの方が交換OKなら変えようかなと思います。
ディーラー以外でCVTF変えて保証範囲外?になっても嫌なのでDで断られたら諦めようかと思います。
度々の相談へのアドバイスありがとうございました!!!
タカハシ様
>みんからで同じBS9の前期(B)型に乗られている方が
>4万キロ(2019/3月)でディーラーに
>CVTFを全量交換してもらったようです
↑ 情報共有をありがとうございます。
スバルディーラーでもレガシィのCVTフルードの交換を受けることがあるんですね。
トヨタ傘下ということも関係しているでしょうか。
少しづつ「トヨタ化」しているような印象を受けますね。
>今3.7万キロで1年走行距離が1万2千キロ程度…
>新型アウトバックの後期が出るまであと3年、約7万キロ
>それの中古車を待つと6-8年、
>おそらく12万キロ程度で乗り換えるのではないかなぁとは思います
↑ タカハシ様の使用条件であれば、おそらく一度フルード交換をしておけば
予定通りの走行距離まで低いリスクで乗れるのではないでしょうか。