「エンジンオイルならディーラーじゃなくてもいいけど、
CVTフルードはやっぱディーラーじゃないとダメでしょ?」
という意見はよく聞く意見ですね。
僕の整備工場でもこんな質問はよく受けます。
僕もお客様にはちょっと言いにくいことですが、
CVTフルードの交換は
ディーラー、
オートバックスなどのカー用品店、
ピット作業を受け付けているガソリンスタンド、
どこに依頼するのがおススメなのか、
ディーラーには意外なデメリットがあることも含めてお話していきます。
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CVTフルード交換はディーラーも嫌がる?!
意外かもしれませんが、CVTフルードの交換を「無交換でいいです」とか「まだ換えなくていいですから」と説明するディーラーも結構あります。
理由はいろいろですが、ただ単にメーカー側から「必要ないと説明しろ」と言われているだけで、明確な説明をしないケースもあります。
車種によっては専用の交換するチェンジャーが必要だったり、ひどく手間がかかる場合はとくにディーラーのメカニックさんも嫌がることも多いからです。
ですが、積極的にCVTフルード交換を受注するようになったディーラーも以前よりも増えたように思います。
それでは、あらためてディーラーでCVTフルードの交換を依頼するメリットなどについて考えてみましょう。
ディーラーでCVTフルードを交換するメリット・デメリット
この場合は、CVTフルードの交換を引き受けてくれるディーラーでのお話となります。
まずメリットを言えば、純正のCVTフルードやそれに準ずるフルードをキチンと選択して使ってくれることでしょうか。
また、交換作業の手順に対してもメーカーが推奨するやり方で交換するので、より確実に作業をしてくれるといえます。
とくにオートマチックに関しては、エンジンよりも扱いが難しく、誤った交換方法ではかえって不調を招くことになってしまいます。
もしも不調が起きてしまった場合もしっかりと保証をしてくれそうだと感じるとおもいます。
とくに新車から五年、または10万キロのメーカー特別保証は、ただしい整備をしておかないと、不具合が発生しても、ディーラーでの整備履歴がまったくない場合だと保証を受けられないケースもあります。
また、ディーラーが指定していない社外品のCVTフルードを使用した場合もCVTから不調があっても保証されないケースもあります。
ここまでの話だとディーラーに依頼するほうが、いいことづくめに感じるかもしれません。
しかし、デメリットもあります、まず、フルードの交換料金が高く設定されていることが多いということ。
車検を依頼したときに交換を勧められて依頼すると、車検の基本工賃が高いうえにCVTフルードなどの交換を一緒にすると、小型車クラスの車でも10万円は軽く超えてしまうでしょう。
また、手軽に作業を依頼することができないことも多く、予約が必要だったり、かなり時間がかかるからと、車を預けないといけないこともあります。
CVTフルード交換をオートバックスに依頼するメリット・デメリット
実はオートバックスの公式ホームページではCVTフルードの交換についてのページがありませんでした。
そこで、オートバックスに直接行ってみてベンチマークしてみました。
店内のオートマチックフルードのポップの中にCVTフルードの交換に関することが少しだけ書かれていました。
ただし、料金や具体的な交換時期などはなく、「交換しないと汚れていきますよ」みたいな消極的なことしか掲示されていませんでした。
オートバックスグループ専用の車種別のデータブックがあり、CVTフルードの適合表もありましたので、経験者が確認すれば、どんなフルードが使えるのかも確認できるはずです。
オートバックスやイエローハットなどのカー用品店にCVTフルードの依頼をするメリットといえば、これはディーラーの「遅い」「高い」のちょうど逆の「早い」「安い」ということでしょうか。
なかなか時間を割いて整備を依頼する時間が取れない場合だと、定休日があって予約も必要なディーラーよりも手軽にメンテナンスを頼めることが大きいでしょう。
ただし、CVTフルード交換という作業に対する慣熟度でいえば、ディーラーのほうがはるかに数をこなしていることも確かです。
そのメーカーならではの注意点などもメーカーから直接周知されていることもあるため、オートバックスなどのカー用品店では知らないケースもあります。
作業をしたあとの不具合が出てしまった場合もしっかりとした対応ができかねるケースもあります。
また、メーカーの特別保証がCVTにも十万キロまたは五年ありますが、カー用品店で作業を受けてすぐに不具合が出てしまった場合などは保証の対象から外れてしまうケースもあります。
万一壊れてしまったときの修理費は非常に高額になるCVTですので、この部分でもディーラーより不利になるでしょう。
CVTフルード交換をガソリンスタンドに依頼するメリット・デメリット
ガソリスタンドでもCVTフルード交換を依頼することができます。
この場合は、フルードチェンジャーをATFチェンジャーを使ってするケースも多いので、交換作業を受けてくれる車種もレベルゲージがある車種に限ることが多いです。
ガソリンスタンドのメリットは手軽さ
ガソリンスタンドにCVTフルード交換を依頼するメリットは、なんといっても作業を依頼できる機会が非常に多いということでしょう。
なにせ、ガソリンを給油する際に、時間が取れればそのままピット受付で依頼できるので、仕事の帰りに少し時間が取れるから給油のついでにフルード交換をしてもらう、という手軽さがあります。
これはかなり大事な要素と言えます。
というのも、メンテナンスをしないといけないと思っていてもなかなか時間が取れずにずるずると走っていると、大幅に距離がオーバーしてしまうケースもよくあることです。
メンテナンスの大事な要素の中に「適切な頻度を守る」ということもありますので、時間が取れない方にとっては、もしかしたら、最も頼りにしている方もいるかもしれません。
デメリットは作業者のスキルのバラつき
ガソリンスタンドではアルバイトさんがピットの作業もこなすケースもあります。それ自体は悪くないのですが、やはり知識不足は否めないことも多々あります。
もちろんガソリンスタンドだけの問題ではありません。ディーラーでも経験の足りない若いメカニックはいますし、カー用品店でも同じ。
ただ、作業を経験する頻度や教育する先輩との接触時間などもあり、最も整備士としての作業を覚えにくい環境と言えます。
なかにはガソリンスタンドでも素晴らしいスキルを持ったサービスマンもいますが、店長クラスの勤続年数が長い方や、もともと他の整備工場での経験者など、数は少ないです。
これらを考えると、しっかりとしたスキルを持ったサービスマンがいると分かれば作業を依頼するといいでしょう。
結局は、整備のレベルや正確さは「店」ではなく「人」なのです。
ディーラーからの風当たりもスタンドは厳しい?
CVTの場合は、メーカーからの特別保証のことがありますので、CVTフルードを交換してすぐの不調などはとくにディーラーのメカニックは警戒しています。
ガソリンスタンドのステッカーが貼られている場合などは、故障の原因に関連があるのではと一番に疑われます。
保証が効くかどうかはその時のケースバイケースなのでなんとも言えませんが、保証が受けられるまでに時間がかかることもあるかもしれません。
最後に・・・
CVTフルードの交換に関しては、新車から購入してメーカーの特別保証の期間が残っているのなら、
初回のCVTフルード交換は、少し値段も高く時間もかかる場合もありますが、ディーラーに依頼するのが無難と言えます。
ただし、ディーラーによっては(マツダとかスバルとか)「無交換でいいので作業は受け付けていません」と断られる場合もあります。
その場合は、信頼できる整備工場に相談するのもいいでしょう。
また、メーカーの特別保証の保証期間がすでに切れているのなら、オートバックスやガソリンスタンドに依頼してもいいかもしれません。
ただし、走行距離が六万キロ以上走っている場合や、すでに不具合が見られる場合などは依頼を断られることもあります。
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