路肩に車を寄せようと、ついギリギリまで幅寄せをしていたら
ガリッ
とホイールを縁石にぶつけてしまった・・・!
こんな経験は結構あるとおもいます。
ですが、問題はそのあと。
どれくらいのダメージをタイヤやホイールが受けているかは「ケースバイケース」なのでなんともいません。
タイヤを見てみると、ぶつけた部分がまるでコブのようにぷっくりとなっていることがあります。
実はこれ、非常に危険なタイヤバーストの一歩手前の「ピンチカット」という状態なのです。
皮肉なことに、前輪タイヤが大事な役割をしているぶん、損傷を受けやすいのも前輪なので、ピンチカットはどうしても前輪にできることが多いです。
それだけではなく、ほかにも意外な理由でピンチカットができることもあります。
ピンチカットが起きる原因とは
あまり知られていないことですが、タイヤのサイドウォールの部分はあまり強くなく、少しの衝撃で内部のワイヤーが切れてしまいます。
同じくらいの衝撃を路面と直接触れている、トレッド面で受けても問題ないことがほとんどですが、サイドウォールの部分はタイヤの構造上、薄くて弱いのです。
もしもサイドウォールが縁石などにぶつかってしまうと、サイドウォールが腫れあがったように変形してしまいます。
これは「ピンチカット」と言われる状態で、本来の強度はないため、いっきにタイヤがバーストしてしまう原因になってしまうことがあります。
<h3>ピンチカットがおきるとどうなる?</h3>
ピンチカットができた状態でも、そのまま走行することはできます。
ただし、もしも同じ部分に衝撃があると、サイドウォールは簡単に裂けてしまい、前輪タイヤの場合はハンドル操作ができない状態になります。
とくに速度が上がっている状態からのタイヤのバーストは非常に危険で、ハンドルもブレーキ操作もできないため、センターラインをオーバーしていく可能性もあります。
ピンチカットの原因は縁石にタイヤをぶつけるだけじゃない
扁平率が高いタイヤはピンチカットしやすい?
かなり以前のお話で恐縮ですが、トヨタのエスティマにドレスアップのために扁平率の高いタイヤを履かせるのが流行ったことがあります。
ところが、本来の荷重では耐えられないくらいエスティマの場合は重かったのでタイヤがバーストするような事例があったようです。
はじめはその報告をタイヤメーカーの営業さんから聞いたときは、タイヤに問題があると感じましたが、実際は、タイヤの扁平率が高く(薄い形状のタイヤ)なるほどに荷重に耐えられるキャパシティーが低くなるのです。
空気圧の管理はタイヤの重要メンテナンス
たかがタイヤの空気圧とあなどっているユーザーさんもかなりおられますが、タイヤの空気圧は意外に早く抜けていきます。
二か月の放置で30%も下がる?
タイヤがパンクしてなくても、タイヤのゴムの粒子のあいだなどから空気は抜けていきます。
タイヤのサイズや扁平率によってタイヤの内部に充填されている空気の容量は違うので、一概には言えませんが、たった二か月でタイヤの空気圧が規定値よりはるかに下回るくらい抜けてしまっていることもあります。
ピンチカットとゴムの経年劣化が最悪の結果に・・・
サイドウォールにできたピンチカットは修理できませんし、タイヤが劣化してくると、ゴムが劣化することでひび割れが進み、エア漏れの原因になることもあります。
つまり、タイヤが経年劣化することで、タイヤバーストのリスクがさらに高まっていきます。
ピンチカットを起こしたタイヤは、まるで時限爆弾のように、バーストする確率を高めつづけているといえます。
バーストしたタイヤがブレーキになる??
前輪タイヤのどちらかがバーストすると、車体はバーストしたタイヤにより不安定な状態になります。
本来のタイヤは円形であるため、抵抗なく路面を転がっていますが、バーストして破裂したタイヤは非常に大きな抵抗となります。
すると、バーストしたほうのタイヤはまともに転がらず、ブレーキをかけたように車の片方だけを止めるように作用します。
すると、反対側の正常なタイヤとの抵抗の差が、車体に加わっているベクトルを大きく変化させ、結果的には、バーストしているタイヤのほうに車がスピンするようになることが多いです。
たとえば、走行中に右前輪タイヤがバーストしたばあい、右側の前輪にだけブレーキがかかったようになるため、車体の左側の慣性が右側よりも大きくなり、車体は右に大きくスピンすることがあります。
まとめ
ピンチカットはタイヤがバーストする危険性もある非常に危険な状態ですが、その直接的な原因は、タイヤの側面であるサイドウォールに衝撃を加えることでおきます。
ほかにも、タイヤの空気圧管理が不十分だと、サイドウォールの奥にあるカーカスに負担をかけやすくなり、ピンチカットが起きやすい状態になってしまいます。
タイヤの外側部分は、側面にダメージを受けやすいので、そのぶん目視で異常を探すこともできます。
定期的な空気圧のチェックはタイヤの異常を見つけるきっかけになることも多く、タイヤショップやガソリンスタンドなどでエアチェックを依頼するといいでしょう。
また、自分で洗車をする際には、タイヤの外周を洗う際にも目視で異常がないかを探すこともできます。
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