ディーラーでエンジンオイル交換を依頼すると、ほぼ全国共通のエンジンオイルを勧められることがほとんどです。
たとえば、トヨタ系のディーラーなら「キャッスル」、
ホンダ系のディーラーなら「ウルトラ」、
スズキ系なら「エクスター」など。
そのメーカーの車に適合したエンジンオイルは何種類か用意されているものの、
ディーラーでオイル交換をすると選択肢がほとんどないことも確かです。
それに対して、オートバックスをはじめとする、カー用品店では、
エンジンオイル用の陳列棚には所せましと4リットル缶などで豊富なラインナップがあります。
今回は、自動車ディーラーで扱っている純正オイルの品質はどれくらいのものなのか、
カー用品店でオイル交換をするほうがコスパがいいのかも考えていきます。
ディーラーのエンジンオイルの品質は?
メーカー保証の根拠となるのが純正オイル
車の部品の中には、純正品よりも社外品のほうが性能がいい、と考えているユーザーさんも少なくありません。
たしかにカーナビなどは一部のハイエンドなモデルを除けば、社外品のカーナビのほうが安くて高性能です。
ただ、エンジンオイルに関してはそうとも言い切れません。
なぜなら、純正オイルは、そのエンジンの性能を引き出すことを前提にしています。
そのうえ、エンジン本体はメーカーの特別保証として、5年10万㎞が約束されていますが、
その保証の前提として、「純正オイルまたはそれに相当するオイルを使用していること」となるからです。
つまり、ディーラーで推奨して使用されるエンジンオイルが粗悪なためにエンジンが短命になるということは絶対にあってはならないわけです。
いいかえれば、「メーカー保証を確実なものにするだけの性能を有している」とも言えます。
ディーラーの収益体制が純正オイルの印象を悪くしている?
純正オイルについて否定的に考えるユーザーさんに言わせると「純正のエンジンオイルは可もなく不可もない」なのだそうです。
たしかにその意見を否定しきれない部分はありますが、純正オイルのイメージの悪さはそのままディーラーに対するイメージの悪さにも関係しているように感じます。
たとえば、新車販売の際にエンジンオイルを「オイルキープ」と称して買い上げさせて定期点検などと同じように、ユーザーの囲い込みに利用しています。
誰でもそうですが、お願いされて売り込まれると、儲けている商品のような印象を持ってしまいます。
「それって、じつは値段からすると割高な商品なの?」というイメージになるのかもしれません。
実際はそんなことはなく、新車から廃車まで純正オイルを使い続けている車の車検を担当したこともありますが、エンジンのコンディションが悪いこともありませんでした。
純正オイルがベストではない?
とはいいつつ、純正のエンジンオイルは採算度外視でブレンドされた最高品質のエンジンオイルでもありません。
きちんと利益を出して、それでいてエンジン性能をしっかりと引き出すためのコストとのバランスも考えられています。
それに対して、海外ブランドのエンジンオイルなどは、値段もそれなりに高価なものでありつつ、
化学合成油をベースに添加剤なども使用され、純正オイルよりも高いバランスをとったものに仕上がっています。
スポーツカーや過酷なレースに使用されるエンジンオイルは純正をそのまま使うことは少ないのも同じ理由で、
オーバークオリティなものを希望するユーザーもいますので、商売としても成り立つのです。
金額ではなく、いかに愛車のエンジンのコンディションを長く保ってくれるのかに重きをおいているユーザーさんもいます。
つまり、エンジンのことをとことん考えると、純正オイルよりは高価なオイルを使用することが、コスト面ではベストではないにしても、エンジンにはベストなのかもしれません。
ディーラーのエンジンオイルはどんな種類がある?
そのメーカーのすべての車種をカバー
たとえば、トヨタディーラーにいけば、すべてのトヨタディーラーで販売している車種に対応しているエンジンオイルが用意されてなければならないことになります。
とくにエンジンの性能にも様々なものが要求されるため、「より低燃費」「より高出力」を実現するためにフリクションロスを下げるためや
低温時から高温時まで、一定の粘度を維持するための安定性も求められます。
トヨタ純正オイル
トヨタの純正オイルは「キャッスル」というブランドで統一されて使用されてきました。
ここ2000年以降は粘度が『5W-30』のものが主流で、この一種のエンジンオイルだけでかなりの車種をカバーしていました。
ただ、低燃費を追求するにはもう少しフリクションロスの少ないオイルが求められ、『0W-20』の粘度のものも登場します。
意外にも、トヨタはハイブリッドカーのパイオニアでありながらアイドルストップ車を出すのが後発組でした。
スタンダードなオイルは鉱物油
トヨタキャッスルオイルは鉱物油をベースとしていますが、部分合成油に変更されていっても「鉱物油」という表記のままでした。
どうやら100%化学合成以外は「化学合成油」という表記を使いたくないようでした。
100%化学合成のオイルも登場
現在、トヨタではプリウスなどのハイブリッドカーには『0W-16』、アイドルストップ車には『0W-20』などが使用されるようになってきました。
しかも部分合成油から100%化学合成に変更されていて、より摩擦低減効果を向上させているとのことです。
トヨタ純正オイルのPR動画 ↓
レクサスにも使用されているトヨタ純正オイル
これらの純正エンジンオイルは、トヨタの最高級プレミアムブランド「レクサス」にも使用されていることから、エンジンオイルとしての品質は、もはやかつての純正とは別物なのかもしれません。
なにせ、北米にも輸出される高級モデルですので、クレーム大国のアメリカの顧客を満足させなくてはなりませんので。
その他の純正オイル
ここしばらくのトヨタの純正オイルの品質へのこだわりには一種の「本気」を感じます。変化や改革を積極的に起こそうという気概のようなものでしょうか。
もちろん他のメーカーの純正オイルも、その時代に求められる性能に応えるようにラインナップされています。
いろんなメーカーの車のオイル交換をしていて感じるのは、そのメーカーが出す純正オイルにこだわる必要はないということです。
すこし「へそ曲がり」と言われそうですが、トヨタ車以外の車にトヨタの純正オイルを使用しても問題ありません。
もちろんその逆もしかりで、日産の純正オイルに「エンデュランス」というオイルが存在しますが、
かつてはスカイラインGT-Rのためだけに開発されたオイルなどと言われていましたが、今でも購入することができ、
かなり評価もいいようで、日産車以外に使用するユーザーさんもいます。
エンジンオイル交換はオートバックスが豊富
オートバックスでのオイル選び
オートバックスをはじめとするカー用品店でのオイル交換のメリットは、さまざまなエンジンオイルでのオイル交換を依頼できることです。
エンジンオイルにこだわりがあるユーザーさんも、とにかくランニングコストを重視しているユーザーさんも納得できる品揃えとなっています。
とくにドラム缶で仕入れるようなオイルの場合はコスト的にも安くできることもあり、安価で品質も安定したオイルでオイル交換をすますことができます。
じつは純正オイルでもオイル交換できる
意外かもしれませんが、純正オイルも取り寄せして作業を依頼することもできます。
・ディーラーが近くにない
・ディーラーは待ち時間が長いから嫌だ
・ディーラーとの付き合いで嫌な思いがある
こんな方ならオートバックスで純正オイルを交換するというのもいいかもしれません。
ネットでの予約もできて、メンテナンスの会員に登録することでオイル交換の工賃などを無料にできてお得です。
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