車の購入は家の次に大きな買い物で、
オートローンを利用して購入する方もかなりいます。
それだけの大きな買い物をするので失敗はできませんし、
できるだけお得に購入したいですね。
また、現在乗っている車をどうするのか?
まだまだ乗れるのなら、あと二年くらい乗ったほうがいいのか?
下取りに出すにしても
車を購入するところにそのまま出してしまっていいのだろうか?
今お乗りの車を手放すタイミングも判断材料にしたいですね。
今回は、整備士とカーライフアドバイザーも務める僕からの
車の買い替えのタイミングについてのお話です。
車を買い替えするタイミングは人それぞれ
今乗っている車のコンディションも大事
僕自身も「カーライフアドバイザー」と整備士を兼任していますので、車の買い替えのタイミングについてはよく質問を受けます。
とくに車検を担当すると、かなりの確率で質問を受けるのが
「この車ってあと何年くらい乗れると思います?」
という質問です。
つまり、今乗っている車の状態によっては次の車検は受けずに乗り換えを視野に入れようかなと考えておられるようです。
ですが、「あと何年乗れる?」という質問は、整備士の僕にとってはかなりあいまいというか、焦点の定まらない質問といえます。
なぜなら、車は部品が入手できる間はいくらでも修理することができます。
エンジンですらリビルト品や中古品で見つかりますし、小さな部品だって走行に影響を与える重要な部品ならかなり長い期間部品として設定されています。
オイル漏れや警告灯などの高額修理が発生すると乗り換え?
エンジン警告灯やオートマチックの不具合、大掛かりなオイル漏れの修理などでご相談に来店されたお客様からも買い替えについて質問されることもあります。
この場合も、
「この車って、あとどれくらい乗れそうです?」
という質問を受けることが多いです。
この場合、
「修理費はかかりますが、部品があればいくらでも乗れますよ」
という回答はお客様の質問の意図と少しズレていて、
おそらく「いつまで乗れる?」という質問は、
「何年くらい乗ったら買い替えしたほうがお得なの?」という、
得か損かみたいなことを総合的に判断してほしいってことなのだと思います。
そして、これらの質問に対しての僕の回答はいつもだいたいこんな感じです。↓
・車は「10年」「10万km」を走ったら乗り換えもあり
・高額修理と車検が重なったら乗り換えを検討してみる
・大きな事故で大破してしまったら乗り換えが合理的
・13年経過した車は自動車税が上がりコスパが悪くなる
・自動車税を納める前に修理や車検が重なった場合は手放すのもあり
他にも乗り換えを検討するためのいろんな要素があるのですが、
車検で来店されたお客様にはおおむねこんな話をさせていただいてます。
車の買い取り価格が高騰する事例も
特定の車種だけが買い取り価格がグンっとあがるときがあります。ここ数年で多くなったことですが、海外からの需要が大きいようです。
少し前のことで恐縮なのですが、ダイハツのストーリアという車だけが中古車の市場で値段が上がったことがあったようです。
理由は海外(たぶん中東だった)からの「向こうではこの車のデザインがウケている」というオファーがあってのことだそうです。
車には罪はないのですが、ストーリアはぜんぜん人気が出ないままで終わってしまった不人気車種でした。
ちょっと独創的というか、日本人には受け入れられないデザインで、
通常の下取りに出せば二束三文、「屑鉄扱い」として買い取りされてしまいます。
ところが、いきなりポンっと買い取り価格が跳ね上がることがあるわけで、もしもたまたまこのストーリアに乗っているオーナーさんなら「即売り」してもいいのかもしれません。
あの当時は車の買取価格をネットで簡単に検索するなんてことはなかったわけで、安く買い取った業者さんもビックリの「ラッキーパンチ」なわけです。
・意外な車種が高価買取りになっていることもある
・ネットで買取額をチェックすると「即売り」になることも
車の買い替えは何年がお得なのか
買い替えをリスク回避とする場合
当然のことながら、新しい車ほど故障のリスクは低いです。
また、新車から三年以内の車の場合なら、ディーラーでの一般保証を受けられますし、エンジン、オートマチックなどはメーカーの特別保証が五年十万キロのどちらか早いほうでカバーされています。
新車から何年経過したら乗り換えがお得になるのかは故障のリスクと買い取り価格のバランスも大事となってきます。
三年経過
初めての車検を受けるかどうかという状態です。
この三年という時期のポイントは、メーカーの一般保証が切れる時期であるのも大きいです。
四年目に入ると小さな故障がポツポツと出る時期でもありますので、車のもっともおいしい時期である三年を過ぎたなら買い取り価格もそれなりにいいので、
その下取り金で次の車の購入の大部分に充てるという考え方もいいでしょう。
五年経過
メーカーの特別保証期間が終了したということで、今後はリコール以外の修理はすべて自費で行わなければなりません。
また、五年経過の車は、モデルによって買い取り額に大きな開きが出始める時期でもあります。
たとえば、軽自動車ならNBOXやタントのカスタムモデルなら、かなりの高価買取が期待できます。
それに対して不人気車だと、驚くくらい安い買い取り価格を提示されてしまってがっかりすることもあります。
もしも人気車種に乗っているなら、手放すにはいいタイミングといえます。なにせメーカーの保証期間は過ぎてしまっているので。
七年経過
三回目の車検となるとかなりの整備が必要になってくるとこも。
すでにタイヤは二回は交換していて、ブレーキパッドもないし、ベルト、スパークプラグ、バッテリーなど、
前回の車検でどれだけの整備をしたかでこの三回目の車検の費用が大きく変わってきます。
買い取りに関しては、実用的な車種なら意外といい値段が付きます。軽自動車でハイトワゴン系とか、軽トラック、普通車ならミニバンなど。
三回目の車検を受けるまえに一度車検の事前見積もりをしてみて、かなりの整備が必要となれば手放してしまうのもいいでしょう。
なにせ、車の買い取りには車検が残っているかどうかはそれほど大きな査定の差が出ません。
とくに買い取り専門店に出すなら車検を受ける前に売ってしまうほうが断然お得です。
九年経過
走行距離によるのですが、長期交換部品、タイミングベルトとか長寿命タイプのスパークプラグなどの交換が必要になってきます。
タイミングベルトは無い車も増えましたが、冷却水を循環させているウォーターポンプの交換などは必要になってくるでしょう。
また、機械損失も増えて、燃費が悪くなったり、エアコンの効きがかなり悪くなったりと、乗っていて不満に感じる部分も増えてくるかもしれません。
実は、九年経過した車の中でも実用できなモデルで、なおかつ特定のメーカーなら、ほかのメーカーよりも買い取り査定がかなり有利な場合があります。
とくにトヨタ車の場合は、ほかのメーカーよりも頭一つ抜きんでて査定額が高いことがあります。
中古車販売業者がオークションで中古車のヴィッツだけを狙い撃ちで買いまくっていることもありました。
十年で車の技術革新は大きく進んでいる
十年前の車と現在の車を比較するといろんな装備や性能の向上が見られます。とくに車の買い替えに大きく影響しそうなのが「燃費」の違いです。
まだまだ乗れる状態とはいっても、燃費が倍近く違えば、買い替えをすることはたんなる支出でななくなるかもしれません。
とくに年間走行距離が多い方なら、新しい車にすることで、むしろ節約になるのかもしれません。
一般的な車の買い替えサイクルとは?
実用車の場合の買い替えサイクル
少しまえのデータですが、日本車の平均的な買い替えのサイクルが約12年とちょっとなのだそうです。(自動車新聞より)
確かに僕自身が乗り換えの商談をしていて反応がいいのもこれくらいの車齢のお客様です。
十年経過した車は買い取り額にはほとんど変化がありません。
十一年だろうが十三年だろうが、ほとんど最低の買い取り額です。
ですが、修理をしてまだなんとか走れそうなのは十年過ぎくらいでしょうか。
十三年経過で自動車税が増税されることや、十四、五年を過ぎたあたりから純正部品が入手できなかったり、高額な部品が壊れたりというトラブルが続きます。
スーツを着た販売員がお客様に言い寄ってきて「これからどんどん壊れますよ。今が買い替えのチャンスです!」
みたいな話をしても、お客様のなかには「どうせ販売のためのトークだろうよ」と警戒していますが、
整備士の姿の僕がお話すると、「やっぱそうだよなぁ」とすんなり納得していただきやすいです。
それまでの整備のやり方というか、コストと手間をかけている車なら、まだまだ実用に耐えるくらいの信頼性を備えている車もあります。
なかには強い車もありますし、トラブルが続く車もありますので、故障が多いという評価の車ならすこし早めに買い替えに踏み切ったほうがいいでしょう。
まとめ
車を買い替えるサイクルとは、その人、その家庭によってベストな買い時、売り時があります。
子育て世代や住宅ローンとの関係で車の買い替えはあと少し、とおっしゃるお客様もおられました。
家族構成が大きく変わったから今の車では使い勝手が悪いから買い替えを考えるのも大事な要素です。
車検や高額な修理が重なったり、
有利な買い取り価格なども買い替えに踏み切るタイミングとしては悪くないです。
そのため、車の買い替えを考えるときに、自分の車の買取額を調べてみると
「ベストな買い時」や「いい売り時」がわかることもあります。
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