車のエンジンがかからない|「ガガガ」と「キュルキュル」の違いとは

エンジンスタート エンジンかからない

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おじさん 焦り
お客様

車のエンジンが「ガガガ」っていう音がしてかからないんです!

おばさん1
お客様

「キュルキュル」という音だけでエンジンがかかりません!

サボカジ
サボカジ
@整備士

お客様からこんな電話をいただくことがありますが、これだけでは情報が少なすぎて「たぶんアレかな?」とは思いつつ判断ができかねます。

電話のやり取りだけでその原因を推測するのは難しいですが、「ガガガ」「キュルキュル」それぞれの音の意味を知る必要があります。

今回はエンジンがかからないときのよくあるパターンを紹介しつつ、対処法についてもご紹介しておきます。

これらの音がしてエンジンがかからないとき、ユーザーさんはどう対処したらいいのか考えていきます。

整備士サボカジ
サボカジ
@整備士

はい、ですね!レッカーサービス呼びましょう(笑)

・・・となりますが、その前にできることもありますよ。

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エンジンがかからないまま「ガガガ」と音がする

イグニッションキーを回してエンジンをかける

とある整備工場にて|整備士とお客様の電話での会話

おばさん1
お客様

もしもし?エンジンがかからないんです!

サボカジ
サボカジ

どんな状態でしょうか?セルモーターは普段どおり回ってる音がします?

おばさん1
お客様

セルモーター?わからないけど「ガガガ」って音がしてます!

サボカジ
サボカジ

「ガガガ」ですか。それっていつもエンジンをかけるときに聞こえる「ガガガ」ですか?

おばさん1
お客様

え?どっちだろう・・?いつもどんな音してたっけ・・・。

サボカジ@整備士
サボカジ
@整備士

えっと・・「カチカチ」じゃないですよね?それだとバッテリーあがりが多いですが・・。

おばさん1
お客様

うーん・・たぶん違います。

まずは異音なのか正常な作動音なのかを確認したい

電話での問い合わせで多いのが「エンジンをかけようとしてもガガガという音がするだけ」という説明をするユーザーさんが多いです。

この「ガガガ」という音はなにを意味するのか、整備士としてはそこを把握しておかないとその後のアドバイスが違ってきます。

バッテリーあがりの典型例

廃バッテリーの見た目

セルモーターが正常に作動していない音

まずは「ガガガ」という音が明らかに普段エンジンをかけるときとは違う音の場合、バッテリーの電圧不足でセルモーターが回っていない可能性があります。

この場合の「ガガガ」の意味は、セルモーターが本来の力で回転できないときに発生する音です。

一般的に車のバッテリーが上がりやすい季節は「真夏」と「真冬」という説明をお客様にしています。

少しオーバーな言い方のほうがわかってもらいやすいのでこんな表現をしますが、そのほうがお客様にも伝わりやすいです。

ただ秋口にもバッテリー上がりが起きやすい傾向にあり、気温の変化が大きく関係しています。

秋から冬、急に寒くなった日の朝に起きるトラブル

バッテリー上がりが起きやすいパターンとして、気候が変わり気温が急激に下がった日の朝になりやすい傾向にあります。

バッテリーは周囲の温度が下がると内部に貯めておける電気の容量が下がってしまいます。

たとえば、20℃の気温で100%充電したバッテリーを氷点下の場所に置いておくだけでバッテリーの力は半減しています。

カーバッテリーの特性上、前日にエンジンがなんとかかかるくらいの力しか残っていない場合、気温が下がった翌日の朝にエンジンがかからなくなることはよくあります。

真夏のエアコンを酷使した日に起きることも

クーラーをいれたままにして車をとめていると、エンジンの回転はアイドリング状態のため、もっとも低い回転数のままになります。

多少のアイドルアップはされていても、走行中よりもエンジンの回転が低いので、クーラーで消費している電気を発電機でまかなえないことがあります。

エアコンはバッテリーをいじめる

つまりバッテリーに入ってくる電気よりも、出ていく電気が多いことで、バッテリーに貯めている電気がどんどん失われていくことでバッテリーが弱っていきます。

夏場のバッテリー上がりでよくあるのが、エアコンをガンガン効かせた状態から買い物などで車を止めていたらエンジンがかからなくなっていたパターン。

どちらにせよ、バッテリーが上がりやすいこれらの条件にあてはまるときは「バッテリーが上がったみたい」と考えて次の対処をする必要があります。

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救援を呼ぶしか対処方はない?

バッテリーが上がってしまっている状態では自力でエンジンを指導させることはできません。

焦って何度もエンジンをかけようとすると、バッテリーをさらに弱らせることになり、最終的にはハザードランプすら点かなくなってしまいます。

ごくまれにですが、少し時間をおいてエンジンをかけようとするとなんとか始動させられることがあるので、1分ほど待って再度エンジンをかけてみてください。

それでもエンジンがかからない場合は救援を呼ぶようにしましょう。

サボカジ
サボカジ

自動車保険に加入している場合、バッテリー上がりに対してロードサービスを受けられることが多いので、保険会社に連絡を取るか、JAFに加入しているならJAFが対応が早いです。

セルモーターが回っているケースもある

セルモーターリビルト品と故障品 比較

セルモーターの音が「ガガガ」と聞こえることがある

エンジンをかけるときの音を思い出してもらうとイメージしやすいですが、正常な状態でもセルモーターの回る音がガガガと聞こえる車種もあります。

エンジンがかかるまでの音を連続させると、はじめにガガガという音が聞こえてからエンジンが始動していて、普段と同じ音がしているかどうかが重要です。

キーを回してエンジンをかける車の場合

イグニッションキー

イグニッションキーを回してエンジンをかけるときに、キーを回した状態で「ガガガ・・ブオーン」という音のあとにエンジンがかかる場合、「ガガガ」はセルモーター(スターター)の音です。

ボタンを押してエンジンをかける車の場合

エンジンをかけるにはリモコンキーが室内にある状態で、ブレーキペダルを踏みながらスタートボタンを押します。

普段であればそのあとでセルモーターが回りエンジンが掛かりますが、その時の音が「ガガガ・・ブオーン」と聞こえるかどうかが大事です。

普段と同じ音かどうかがポイント

今回はユーザーさんからの電話での問い合わせをイメージして、トラブルの原因を推測する手順を考えています。

「エンジンがかからない」というだけでは原因を絞り込むことは難しく、まずセルモーターが正常に作動しているかどうかを確認する必要があります。

そこでユーザーさんから聞き出したいのが

いつもと同じガガガという音はするが、そのあとエンジンがかからない」

いつもと違ったガガガという音がしてエンジンがかからない」

このふたつのどちらなのかが非常に重要なのです。

ここで「いつもと同じガガガ」という音がする場合は、セルモーターは正常に回転していることになり、エンジンがかからない原因はかなり多岐に分かれます。

その場合はレッカーサービスで車を整備工場まで運んでもらうしかないですが、電子部品のトラブルが原因の場合は少し待つとなにごともなかったようにエンジンがかかることもあります。

エンジンかからない状態で「キュルキュル」と音がする

車と悩む女性

セルモーターは正常に作動している・・?

セルモーターが作動するときの音を「キュルキュル」と表現される方が多く、エンジンがかからない原因はバッテリーやセルモーターではないと仮定できます。

ただし、「キュル・・ル・・キュル・・ルル・・」みたいな、重々しくて音が安定しないときはバッテリー上がりであるケースが多いです。

では、セルモーターが問題なく作動していてエンジンがかからない場合、具体的にどんな原因なのか、典型的な例を紹介しておきます。

火花が飛んでいない場合

現在の車は電子制御でエンジンを動かしているので、いくつもある電子部品のどれか一つでも壊れるとエンジンがかからなくなります。

セルモーターが元気よく回るのにエンジンがかからない場合は電子部品が原因でスパークプラグから火花が飛んでいないことがよくあります。

走行距離や年式で発生リスクが違う

電子部品が壊れる確率は経年劣化やエンジンからの熱で起きることが多く、走行距離が多い車や、年式が古い車で発生しやすいトラブルです。

燃料が出ていない場合

目詰まりした燃料ポンプ

セルモーターが回るのにエンジンがかからないケースとしては燃料ポンプが作動していなかったり、燃料ポンプに電源を供給しているリレーなどの故障の可能性があります。

キーをオンにした直後に燃料タンク付近から1秒ほど「シュー」とか「ピュー」という音がしている場合はポンプは作動していますが、音がしない場合はポンプの作動不良を疑います。

オンとオフを繰り返すとミラクルが起きる?

燃料ポンプが作動しない場合、ポンプ本体のモーターが動いていないことが多いですが、イグニッションスイッチを入れたり切ったりすると一時的に作動することがあります。

作動音がし始めたらしめたもの。そのままセルモーターを回してみるとエンジンがかかることがあります。

一度エンジンがかかると、はずみが付いたようにポンプが正常に動くことがありますが油断せずにすぐに整備工場で点検してもらう必要があります。

プラグがかぶった状態

NBOX プラグ交換10

僕の経験で多かったのがJF1やJF2のホンダ・N-BOXのプラグかぶりです。

エンジンをかけようとボタンを押してもセルモーターが勢いよく回り続けるだけでエンジンがかからないことがあります。

原因はスパークプラグに余分な燃料が付着して火が飛ばなくなる「プラグかぶり」でした。

この状態ではやみくもにエンジンをかけようとせず、少し時間をおいてからエンジンをかけてみると、少し回転が乱れながらもエンジンがかかることもあります。

バッテリーが新しい場合はこのやり方で始動させることができますが、寒い時期やバッテリーが弱っているときは救援を呼ぶ方が確実かもしれません。

【関連記事】N-BOXのエンジンがかからない時がある?!セルは回るのに始動不良な原因

 

まとめ

古いバッテリー
今回のお話は、エンジンがかからないときの症状として

・ガガガという音がしてかからない

・キュルキュルという音がしてかからない

この2つのケースで原因と対処法を考えてきました。

基本的には「ガガガ」はバッテリーあがりの可能性が高く、「キュルキュル」はバッテリーとセルモーターは正常なケースが多いです。

バッテリーあがりの場合はロードサービスを呼んでエンジンをかけてもらえば自走できますが、セルが回っている場合はなにかしらの故障の可能性が高いです。

そのため、救援というよりもレッカーサービスで整備工場に車を運んでもらい、原因を調べる必要があります。

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