メーターの中にはいろんなマークが表示されていますが、意外にもあまりよくわからないままで車に乗っているユーザーさんも多いようです。
今回は、”A”というアルファベットと矢印が組み合わさった、「アイドリングストップ」に関する意味とその使い方についてのお話です。
・そもそも”A”はなにを表すのか?
・”A”のマークがついた状態とは?
・メーターの中の”A”が点滅している意味とは?
・”A”の点滅を消すにはどうすればいいの?
こんな疑問にお答えしていきます。
車の「A」のマークはアイドリングストップのA
Aの下にOFFのマークも同じ意味
メーターの中に点灯することのあるAのマークはアイドルストップ機能に関する表示なので警告灯ではありませんのでご安心を。
この『Aのマークに丸が点いたようなマーク』はメーカーによって表記の仕方が違っていて、Aのマークの下にオフのマークが点いている場合もあります。
どちらかといえば車がユーザーに対してアイドルストップに関する制御をリアルタイムで知らせているだけです。
このマークがメーターの中に表示される車にはアイドルストップ機能があり、運転手の手が届くどこかに、このマークの「アイドルストップをしないようにするボタン」があります。
このボタンを押すことで、アイドルストップをしないようにすることができますが、エンジンをオフにすると「アイドルストップができる状態」に戻るようになっています。
つまり、この「A」のマークはアイドリングストップ機能が停止しているかどうかを知らせるための表示灯であって警告灯ではないのでご安心を。
ダイハツ車 ↓
マツダ車 ↓
アイドルストップ機能を停止させるメリットもある
渋滞時のノロノロ運転ではうっとおしく感じる
渋滞にハマったときにアイドリングストップ機能が作動すると、無意味なアイドルストップをすることもあり、わずらわしいと感じることもあります。
こんな場面ではエンジンを停止した直後にすこしだけ前進しなければならないこともあり、エンジンがかかったままのほうが渋滞中では運転をしやすいこともあります。
エンジン再始動の音が気になる場合
たとえば、静かな住宅街などで一旦停止を何度もしないといけないような場所だと、減速して車を停止させるたびにアイドルストップをするとうっとうしいですね。
そこで、このアイドルストップ機能を停止させるボタンを使って、一時的にアイドルストップをしないように運転手が制限することができるのです。
Aのボタンを押してもアイドルストップしないこともある?
エンジン暖気が最優先
アイドルストップは、どんな状況でもするわけではありません。
たとえば、車に乗り込んでエンジンをかけたすぐだと、エンジンが暖気されていないので、車のコンピューターが『暖気が完了していない』と判断してアイドルストップはしないようになっています。
では、なぜエンジンが暖まらないとアイドルストップをしないのかというと、エンジン内部や周辺が十分に暖まらないと燃費がよくありません。
つまり、エンジンをかけたすぐはなるべく早くエンジンを暖気させて、本来の低燃費な運転条件にする必要があるのです。
電気負荷が大きな場合
エンジンの暖気が終わっていても、アイドルストップをしない条件もあります。
エアコンを使っていたり、夜間だとヘッドライトや暖房などを使っていたりで、発電機がしっかりと仕事をしないといけない場合があります。
もしもこんな状態でエンジンを止めてしまうと、エンジンで回している発電機も止まってしまうことになります。
場合によっては、バッテリーの劣化が早まってしまったり、エンジンを再始動することができなくなることがあります。
坂道でもアイドルストップできなくなる?
あまり知られてないことですが、上り坂など車が傾斜している場所で停車しているときもアイドルストップをしないようになっています。
なぜなら、坂道発進をするときは、運転手がブレーキペダルから足を離した瞬間に後ろに下がってしまうことがあるからです。
もしも後続車がギリギリ後ろに停車していたら、そのままバックしてぶつかってしまうことになり、運転手は慌てながらアクセルを踏まなくてはなりません。
この状態は危険ですし、急発進をすることも安全運転とはいえません。
バッテリーの電圧が下がっている場合
アイドルストップ機能の制御の中で最も重要なことが、車が走行不能な状態になってしまわないことです。
たとえば、エンジンが再始動できないくらいバッテリーが弱っているのに車が勝手にアイドルストップをしてしまうと、そのままエンジン始動不能になってしまいます。
そのため、アイドルストップ車はバッテリーの電圧に対して厳しく監視をしていて、コンピューター(ECU)がバッテリー電圧の低下を検知するとアイドルストップはしなくなります。
さらに、この状態は、エンジンが再始動できなくなる可能性もあるので、ユーザーに対していつもと違った表示をすることがあります。
アイドルストップをしないようにすることもできる
エンジンを停止して再始動すると、基本的にはアイドルストップをするようになっている車がほとんどで、それが嫌だと思うユーザーさんも少なくありません。
社外品ですが、アイドルストップ機能を止めたままにするための配線キットも販売しています。
Aのマークが点滅する場合の対処法
バッテリー劣化が最も多い原因
上述したように、バッテリーの電圧が低いと車のコンピューターが判断すると、アイドルストップはしなくなります。
車種にもよりますが、バッテリー電圧が低下するとコンピューターが「バッテリーを交換してください」という意味でAのマークを点滅させることもあります。
また、別の車種ではアイドルストップと書かれたマークが点滅することもあります。
これは「現在の条件ではアイドルストップしませんよ」とユーザーに伝えることで、燃費や始動性の悪化に対する、少し強めの表示(アラート)になっています。
Aマークの点滅を消す方法は2つ
電圧の低下を解消すれば消える場合
アイドルストップをしないようにしてしまうということは、バッテリーがかなり弱っているからだと思われるかもしれません。
しかし、このAのマークが点滅する条件というのはかなりシビアな場合も多く、少し車を動かさない時期が長いと、自然放電でバッテリー電圧が下がっただけでも点滅することが多いです。
この場合は、バッテリーを直接充電するか、または車をしっかりと走らせて発電機で充電させることで点滅しなくなることもあります。
点滅したら消せなくなる場合
バッテリーの劣化によるエンジン始動不能は、車のトラブルの中でもかなり多いです。
そのため、アイドルストップ車の場合は、エンジンを止めるという制御には複数の条件をつけて万一の走行不能にならないようになっています。
また、ユーザーに対してもバッテリーの劣化に対してはしつこいくらいの注意喚起をしなければならず、結果的にバッテリーが回復しても点滅が消えないような設定になっている場合もあります。
この場合は、バッテリーを新品に交換するしかAマークの点滅を消すことができないこともあります。
バッテリー交換後にはリセットが必要なことも
アイドルストップ車にとって、バッテリーの寿命は非常に重要な要素です。
そのため、バッテリーを交換した場合は、コンピューターに対して「バッテリーの交換をしたよ」というリセット作業をする必要があります。
このリセット作業はメーカーや車種によって違いますが、外部診断機を使ってECU(メインコンピューター)のバッテリー交換履歴を消去する方法が多いです。
マツダ車のリセットが少しやっかい
国産車のなかではマツダ車のバッテリー交換後のリセット作業がちょっと手間がかかります。
もしも、このリセット作業をしていないと、せっかく新しいバッテリーに交換してもアイドルストップをしないままです。
メーターの中の気になる場所のマークが点滅したり付きっぱなしになるのはユーザーにとっては気になることです。
それだけ、自動車メーカーはアイドルストップ車のバッテリーへの監視はシビアにしているといえます。
シートベルトをしていないとAが点滅する車種もある
ミツビシ車とニッサン車のなかには、運転席のシートベルトをバックルにセットしないままで走行していると”A”のマークが点滅したままの場合もあります。
ミツビシ車でアイドルトップ付きは全車?
おそらくミツビシ車はシートベルトを締めないと”A”のマークが点滅したままになってしまうようで、「シートベルトを締めないとアイドルストップしませんよ」という、ややおせっかいな仕様みたいです。
日産のデイズやミツビシのEKワゴンなど
日産と三菱が共同開発したデイズとEKワゴンでは、シートベルトを締めていないとメーターの中の”A”のマークが点滅したままになります。
アイドリングストップマークは理解されにくい?
アイドリングストップマークだけではわかりにくい・・・
アイドリングストップ機能は、環境に配慮しつつ燃費を向上するためのものですが、エンジンを止めるという、ややリスクがある機能でもあり、ドライバーへの注意喚起も必要です。
『エンジンが止まった状態です』
『アイドルストップがオフになっています』
『アイドルストップができない状態です』
そもそも、これらの内容を「Aのマーク」だけでドライバーに伝えようとするのが不親切というか、ユーザーさんへの誤解や無関心を生んでしまうように感じます。
できれば、メーターの中に文字としてのメッセージを表示させたり、カーナビと連動して音声で伝えるような機能がもっと増えればいいのに、と個人的には思います。
じつは説明書に書いてある・・?
今回のメーターの中の”A”マークについては、車の取扱説明書のメーター内の表示に関する項目で説明されています。
とはいえ、あんな分厚い説明書を車の納車のときに読破するようなユーザーさんはまずいません。
車の販売もする僕としては、これくらいの説明は販売担当者が先に説明をしておいてもいいのかなと思ったりします。
もしも車を新しく買い替えしたときは、納車の時にしっかりと聞いておくのもいいでしょうね。
コメント
不安が解消されました。
ありがとうございます。
コメントをありがとうございます。
お役に立てたようで幸いです。
今後もいろんな方の車に関する
不安を解消できる記事を書いていきます。