新品のタイヤは最も性能がいい。あなたはこんな誤解をしていませんか?
とくにスタッドレスタイヤの場合は安全に関わる大事なことですので、
新しいスタッドレスタイヤにした場合は必ず慣らし運転をしましょう。
慣らし運転の必要性は?
どんな方法ですればいいのか?
期間や距離は?
今回はそんな疑問にお答えしていきます。
スタッドレスタイヤにも慣らし運転が必要な理由
夏用タイヤでも同じことが言えるのですが、スタッドレスタイヤも新品からの慣らし運転は必要です。
タイヤは熱が入ると劣化が進んでしまいますが、特に新品の時は、その後のタイヤの寿命に影響してしまいこともあります
スタッドレスタイヤの場合は、夏用タイヤとは違った理由で慣らし運転が必要になってきます。
「皮むき」と呼ばれる膜を取る運転が必要
新品タイヤの表面には、製造工程で型を抜くときにスムーズにタイヤが外れるように、タイヤと型の間に薬剤が塗布されています。
この部分は、タイヤのゴム部分を覆っているため、この状態で車に装着しても本来のグリップがありません。
実際に新品のスタッドレスタイヤの表面を観察してみると接地面がツヤツヤとワックスを塗ったように光っています。
これがその「膜」なのですが、スタッドレスタイヤは特に濡れた路面でのグリップはそれほどありません。
そのうえ、このツルツルした膜が剥がれていない状態では非常に滑りやすくなっています。
もしも雨の日などで、マンホールや橋のつなぎ目にある金属部分などでブレーキングをすれば、簡単にスリップしてしまうでしょう。
ホイールとタイヤの密着を安定させるため
ホイールのリムと呼ばれる部分と、タイヤのビードと呼ばれる部分が密着することで空気が漏れることがなくなります。
新しいタイヤをホイールに組み付けたすぐは、しかりとタイヤとホイールが馴染んでいないことがあります。
すると、少しづつ空気が漏れたりする原因にもなります。これは、空気圧を高めに充填してしばらく走行していると自然に馴染んできます。
これも慣らし運転が必要な理由なのです。
急のつく運転がよくない理由
新しいタイヤには熱が入っていませんが、いきなり急ブレーキや急アクセルをすると、タイヤに偏った熱の入り方をさせてしまいます。
これによりタイヤの寿命が短くなってしまうことも少なくありません。
また、新しいタイヤには、そのタイヤに設定されたグリップ力もありません。そのためタイヤのグリップ力を過信すると事故のもとになるだけでなく、タイヤの偏摩耗にもつながってしまうのです。
スタッドレスタイヤの慣らし運転は何キロぐらい?
タイヤの慣らし運転は夏用も冬用も同じくらいでいいと考えられます。同じホイールに夏用タイヤとスタッドレスタイヤを交互に組み込んでシーズンを乗り切る方もおられます。
個人的には、タイヤとホイールを毎回組み替えるやり方はおすすめではありません。
なぜなら、タイヤもホイールから外すときや、組み付けるときにも、少しづつ傷んでいますから。
さて、新品のスタッドレスタイヤを組み込んだら、どれくらいの慣らし運転が必要なのでしょうか。
各タイヤメーカーのホームページを参考にしてみました。
タイヤメーカーからの回答
(対象は軽、小型車、乗用車、軽トラック)
ブリジストン
・時速60キロ以下で200㎞以上走行する
ヨコハマ
・時速80キロ以下で少なくとも100㎞以上走行する
・高速走行を避けること
・急発進、急ブレーキ、急ハンドルを避ける
・交換後、一週間のちに空気圧を調整する
・交換後、一か月後のちにホイールナットの増し締めをする
ダンロップ
・時速80キロ以下で少なくとも100㎞以上走行する
トーヨータイヤ
・ドライ路面を数百キロ程度走ること
ミシュランタイヤ
・時速80キロ以下で100㎞以上の走行
それぞれのメーカーで共通すること
上記のタイヤメーカー別の慣らし運転の方法ですが、内容が違うところもありました。
ただ、間違いなく共通していることは「慣らし運転は必要」という認識なのです。
それは、タイヤの寿命を延ばすという意図もありますが、ユーザーの安全にかかわる意味もあります。
まとめ
それぞれのタイヤメーカーで、スタッドレスタイヤの慣らし運転の距離や方法に多少のばらつきがありました。
ただ、どのメーカーでも共通していえることは慣らし運転は必要という認識です。
本格的な冬の到来とともにスタッドレスタイヤの出番となりますが、その時に慣らし運転が完了していなければ、
新品の滑りやすい状態で雪道を走行することになってしまいます。
タイヤメーカーの慣らし運転の方法を参考に、僕がお薦めするスタッドレスタイヤの慣らし運転とは
・交換時から100㎞から200㎞以上走行、街乗りが多い場合は多少短めの距離でOK
・表面の「皮むきは」前後とも目視で確認できれば早めに終わらせてもよい
・走行は時速80キロ以下での走行をこころがける
・「急ハンドル」「急アクセル」「急ブレーキ」は避ける
・交換時から一か月ほどしたら空気圧をチェック、すぐに雪道を走るなら少し圧を下げる
・もしも整備工場によることができるなら、ホイールナットの増し締めを依頼する
などなど。
以上、スタッドレスタイヤを購入した方のお役に立てば幸いです。
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