スタッドレスタイヤは万能ではありません。
雪道では高いグリップ力を発揮しますが、夏用タイヤと同じような運転をすることはできません。
また、空気圧の調整の仕方で、タイヤは随分と乗り味が変わってきます。
スタッドレスタイヤならではの空気圧の調整や雪道での走行方法の注意点も大事なのです。
今回はスタッドレスタイヤをより実用的に使用するための空気圧の調整や
手軽に空気圧を調整するやり方なども紹介します。
また、お仕事として運転をしている、のっぴーさんのブログもとても参考になりますのでご紹介しておきます。
スタッドレスタイヤの適正空気圧は路面状況で違う?
「雪道では空気を抜く」は間違い?
スタッドレスタイヤも常に進化しています。
かつてはゴム質を冷間時でも柔らかくする技術がなかったため、新雪ではタイヤの空気圧を落として接地面積を多くする必要があるなどと言われていましたが、
今のスタッドレスタイヤなら、こまめな空気圧の調整も必要がありません。
ただし、何度かシーズンを通して使ったスタッドレスタイヤの場合、ゴムが硬化してきていますので、雪道でのグリップを補う意味で空気圧を少し下げるのは有効ですね。
舗装路での空気圧の推奨値は?
つねに雪道を走行しない場合はタイヤの寿命を延ばす意味でも、スタッドレスタイヤの空気圧はやや高めに調整しておきましょう。
空気圧を高くしておくことで燃費を向上させることもできます。圧雪路では低く、舗装路ではやや高めで、めんどくさい時は指定されたとおりの空気圧がおすすめです。
空気圧は抜いて調整なら簡単
空気圧を上げるにはコンプレッサーなどで圧縮された高圧のエアタンクなどが必要になります。逆に、空気圧を下げるにはボールペン一本あればできてしまいます。
エアバルブの奥に見えるバルぐコアをツンツンとつついてあげると空気を抜くことができます。
もしも新雪路でグリップが足りないと感じたら空気圧を自分で抜いてその場を切り抜けることもできる、サバイバル術のような感じで覚えていていただくといいです。
また、簡易的に空気圧を測定できるエアゲージを車に準備しておくと空気圧を抜きすぎることもなくていいです。
もちろん小型のエアコンプレッサーを車に常備しておけば完璧ですけど。
スタッドレスタイヤでの雪道の走り方とは
「急」のつく運転は厳禁
いくらスタッドレスタイヤとは言え、雪道でのグリップは乾いた路面で夏用タイヤを走行する場合とは全くグリップのレベルが違います。つねに緊張感をもって運転するくらいの緊張感が必要になります。
「急制動」「急旋回」「急発進」といった車の挙動は簡単にスタッドレスタイヤのグリップの限界を迎えてしまいます。
とくにブレーキングに関しては、雪道でABSが作動すると余計に制動距離が伸びることがあります。これは雪道ではABSでの制御が必要以上にタイヤのロックをさせなくするためです。
なかにはABSをキャンセル(機能しないようにする)するほうがいい、などと過剰な意見もあります。
できれば安全な場所でABSの作動を確認してみてABSとの上手な付き合い方を習得するほうが現実的ですね。
アイスバーンは重大事故の原因に
アイスバーンとは雪道がいったん溶け始め、再度凍結した状態を言います。
たとえば前日の昼間に積雪してその後、自動車などに踏みしめられた雪道が、一夜明けて明け方に凍結する場合などはこのアイスバーンになっていることがあります。
この状態は雪が降ったすぐの新雪など比較にならないくらい、非常に滑りやすい状態となり、
ドライバーの目にはごく普通の踏みしめられた雪道のように見えることで、不用意にスピードが乗った状態で進入してしまうこともあります。
もしもこの状態で急制動や急旋回をせざるを得ないことになると、車体はあっさりとスピン状態などのコントロールできない状態に陥ってしまいます。
対向車線にはみ出してしまったりすることで周りの通行車両を巻き込む多重事故にもなってしまいます。
橋脚の上だけ凍結しているという落とし穴
雪道を安全に走るためにはスタッドレスタイヤの性能を過信しないことが大事なのですが、雪道には路面の状況が部分的に変化していることがあります。
たとえば、山影などで日陰の部分だけ雪道が凍結していることもあります。
また、気を付けなければいけないのが、橋脚などの橋の上だけが雪道のまま凍結していることがあります。
これは橋脚の上だけは風通しがいいため、凍結してしまうことがあるためで、十分注意していても橋の上に差し掛かった時にいきなりスピンするようなこともまれではありません。
また、橋脚が少しカーブしている場合などは非常に車の挙動が不安定になるため特に注意が必要です。
スタッドレスタイヤで一般道を走るときの注意点
上記の雪道の走り方に対して、乾いた路面でのスタッドレスタイヤの走り方は、グリップ力も剛性も夏用タイヤに劣ることを意識するということです。
スタッドレスタイヤは接地面のゴムが柔らかく、雪道にしっかりと吸い付くことでグリップするわけですが、
乾いた路面では、そのゴム質の柔らかさが仇となり、まるで芝生の上を走るようなフワフワした安定感のない走りになってしまいます。
そのため、乾いた路面でのスタッドレスタイヤは、一言でいうなら「レスポンスが悪い」タイヤと言えます。
ハンドリングや急制動で気持ち悪く感じることがありますので、なるべく空気圧を高めにしておくことをお勧めします。
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