縁石に乗り上げてしまったり、脱輪をしてしまったことで車の足回りが曲がってしまうことがあります。
人の心理として「たぶん大丈夫だろう・・・」と考えてしまうのですが、
そのままで車を走らせてしまうほうがあとあと高くついてしまうこともあります。
では、足回りが曲がってしまった時などはディーラー以外には相談できないのでしょうか?
足回りが曲がった状態でも車検に合格できるのだろうか?
今回はそんな疑問にお答えしていきます。
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車の足回りが曲がったらまずすること
自走できるかどうかを簡単にチェック
足回りが曲がってしまうほどの衝撃が車に加えられた場合、足回りだけがダメージを受けているとは限りません。
場合によってはフレームという、車の骨格の部分にまで損傷を受けているケースもあります。
まずは車を平坦な場所に止めて、足回りに衝撃を受けた最も近いタイヤのあたりを注意深く観察してみてください。
たとえば右前のタイヤ付近に衝撃を受けて、足回りが曲がってしまったと感じたならまずはタイヤとホイールをよく観察してみてください。
タイヤとホイルをまっすぐ眺めてみると普段とは違った方向に曲がってしまっているように見えた場合は要注意です。
走って違和感を感じることもあればさらに深刻な状態?
また車を走らせてみて、ハンドルポジションが下の場所よりも大幅に変わってしまっていたら、
それはサイドスリップやキャンバー角が変わってしまっている可能性があります。
そのほかにも真っすぐ車が走ろうとしなかったりする場合は、前輪の左右のキャンバー角が左右非対称になってる可能性もあります。
車の足回りをぶつけたときの点検費用はいくらほど?
ぶつけた場所でずいぶんと違ってくる
フロントタイヤ付近をぶつけて足回りが曲がってしまった場合は、ハンドル周りにもダメージを受けている可能性があります。
ほとんどの車は、ハンドル操作を受ける部分の構造として「ラック&ピニオン」というタイプを採用しています。
このタイプの場合はステアリングのギア比を決定しているギアボックスといわれる部分にも損傷を受けている可能性があります。
正確には、ギアボックスの両端についているサイドロッドとかタイロッドと呼ばれる部分にガタができてしまうことがあるのです。
点検費用の概算
フロントタイヤ周りをぶつけてしまった場合は、タイヤの直進性を調べるための、サイドスリップといわれる項目を点検するのが簡単で基本的な点検です。
サイドスリップは車検でも測定するのですが、それ単体で調べてもらうのなら、ディーラーなら3000円くらい、一般整備工場なら2000円くらいで点検と調整をやってもらえるでしょう。
また、ロアアームを強打して曲げてしまった場合だと、キャンバー角というタイヤと地面の角度の基準値が狂ってしまっている可能性があります。
この場合はサイドスリップでは測定することができず、キングピンアングルを簡易的に測定することができない場合は、本格的な四輪ホイールアライメントテスターで測定する必要があります。
四輪アライメントテスターでの測定は、ディーラーでもできないことも多く、タイヤ専門店やチューニングショップ、大手の板金整備工場で測定してもらうことができます。
測定するだけの費用に関しては12000円~20000円くらいでしょうか。
さらにアライメントが狂っている場合は1輪につき3000円から5000円ほどの調整作業料金が必要になることが多いです。
車の足回りのアライメントのズレは車検に通らない?
車検で調べるのは簡易的な項目だけ
車検でかならず測定するアライメントといえば、唯一、フロントのタイヤの横滑り量、別名サイドスリップを調べるくらいです。
サイドスリップがずれてしまっている場合は、車検に合格しません。
その場合は少々の数値のズレなら調整する機構がありますので、合格するレベルまで調整をすることができます。
ところが、足回りが大きく曲がってしまうくらいの損傷なら、サイドスリップの調整では不十分で、アライメントが三次元的に大きく狂ってしまっていることが多いです。
その場合だと、曲がってしまったロアアームなどを丸ごと交換してしまう必要があります。
つまり、車検に合格させるもっとも簡単な方法はサイドスリップテスターの調整ですが、大きなアライメントのズレはロアアームやナックル、ストラットの交換も必要になってくることがあります。
上記の作業を完了しないと車検に合格できないケースもありますので、かなりの費用と時間が必要となってきます。
まとめ
足回りが曲がってしまうことでホイールアライメントが狂ってしまうことが多いです。
この状態では車としての本来の性能を発揮できないだけでなく、緊急ブレーキの時などに車の挙動が安定しないこともあります。
そのため、足回りに損傷を受けてしまった場合は、すぐに整備工場に相談にいく必要があります。
四輪ホイールアライメントテスターを保有していない整備工場でもサイドスリップテスターはあるので、
まずは民間車検場やディーラーに相談に行くといいでしょう。
やってはならないのは、『車検が近いから、それまではこのままで乗る』などの「先延ばし」にしてしまうことです。
いつもお世話になっている整備工場がないのであれば、まずは
・代車を貸してもらえる
・足回りの修理に関するアドバイスがしてもらえる
・中古部品や持ち込み部品の交換にも対応してもらえる
こんな整備工場を探すといいでしょう。
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