総額15万円の軽自動車は買ってはいけない!?中古車販売担当の本音

軽自動車15万円 軽自動車の選び方

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中古車雑誌や道路沿いの中古車屋さんで見かけることのある格安な軽自動車ですが、

とくに総額で15万円が乗り出し価格というすごくお得そうな軽自動車もあります。

僕自身は自動車整備士として20年以上、車の販売担当としてもやってきました。

たまにおもうのが「整備士としてはおすすめできないけど、販売員としては売っておきたいな」

と自分のなかのジレンマというか葛藤に悩むことがあります。

とくに整備士としてのいで立ちのまま中古車の販売をしていると

この中古車を売ったら自分の整備士としての信頼を失うかも?

と思ってしまうこともあります。

今回は、総額15万円で購入することができる軽自動車についてのお話です。

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総額15万円の軽自動車の内訳とは

中古軽自動車 展示場

車両本体価格は0円?

(車の総額)-(法定費用)-(車検基本料金)-(登録費用)  = (車両本体価格と利益)
150,000円-32,770円-30,000円くらい-5,000円ほど =  およそ82,230円
サボカジ
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先に述べておきたいのが、今回のお話はすべての中古車にはあてはまりませんし、中古車屋さんに対してのバッシングではありませんのでご理解ください。

まず、総額で15万円で購入できる軽自動車の価格についてですが、かなり重要な要素として

・車検を2年付けて販売しているケース

・車検が残っている状態で販売するケース

上記の2つのパターンがあります。

車検が残っているかどうかで、この車両価格が総額で15万円という価格の意味がずいぶんと違ってきます。

一時抹消をしているかどうかで違ってきます。

一時抹消している軽自動車とは

店頭に並べられている中古車の場合、「一時抹消」された状態でプライスカードが付いていることが多いです。

一時抹消とは、車の登録を抹消してしまい、車検もない状態になり公道を走ることができない状態になっています。

メリットとしては自動車税の納付義務や自賠責保険の加入義務もないので中古車を在庫として保管しておくうえで維持費がかかりません。

一時抹消した状態だと、その中古車がいつ売れるのかが予測できない場合でも、保管場所さえ確保できれば急いで販売しなくてもコストを最低限に抑えることができます。

サボカジ
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@整備士

いくら維持費がかからないとはいえ長期間も止まったままの車って、かなり調子が悪いので整備士としてはおすすめできない物件です。

中古車に関しても新車と同じように売れやすい時期があり、学生さんが地方で就職したから通勤用の車がとりあえず必要になるケースなどが多いです。

つまり、新生活のシーズンに手堅く売れることも多く、中古車としては売れ筋の車種でも今は売れない時期だから、とりあえず一時抹消して在庫にしてしまうのです。

車検付きで販売される中古車

格安軽自動車
店頭にならべられている中古車で『総額が15万円』とプライスボードに表示されている場合、車検が切れたままになっているものが多いです。

買い手が現れたら、売買契約を交わした買い手の名義に切り替えて車検も取得して納車するという流れです。

いいかえれば、「買ってくれたら車検も付けますよ」という状態で、車検に必要な法定費用も中古車の価格に含まれていることになります。

軽自動車の車検法定費用とは
・自賠責保険(24か月)25,070円
・重量税        6,600円
・登録印紙代      1,100円
上記の三点を指します
※重量税は年式で違ってきます
※自賠責保険は業者によって25ヶ月で契約する場合があります

乗用車タイプの軽自動車であれば車検に必要な費用はこの三点の合計となり 32,770円がおおよその費用となります。

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つまり、総額で15万円の内訳のなかに、この法定費用の32,770円が含まれていることになるのです。

さらに、車検をするということは車検にかかる分解点検などの「車検基本料金」も上乗せされています。

となると、車両の本体価格は総額で15万円なので

車検が2年ついた総額15万円の軽自動車の場合
(車の総額)-(法定費用)-(車検基本料金)-(登録費用)  = (車両本体価格と利益)
150,000円-32,770円-30,000円くらい-5,000円ほど =  およそ82,230円

ざっくりとこんな感じになってきます。

ちなみに車庫証明は軽自動車の場合地域によっては必要ないケースもあります。
車庫証明が必要な地域にお住まいの場合は別途請求されることが多いです。

車検の基本料金も利益といえなくもないですが、整備士の人件費で半分の15,000円くらいは必要となります。

中古車の利益はどれくらい出したい?

また、総額で15万円の軽自動車の場合でも販売した直後にクレームを受けて保証修理をせざるを得ないこともあります。
そのリスクに対する予算も多少は想定しておかなければなりません。

これらを加味していくと総額15万円の軽自動車でも利益は8万円から9万円くらいは残しておきたいです。

こんな感じで引いていくと車両本体価格は0円から1万円くらいでないと利益とのバランスが取れなくなってしまいます。

車検付きで15万円で販売できる軽自動車

では、0円から1万円くらいで仕入れることができる軽自動車とはどんな内容でしょうか。

・年式で言えば13年以上経過

・走行距離で10万km以上

・タイミングベルトが使われている古いタイプのエンジンが搭載されている

・タイヤなどの消耗品は「ギリでセーフ」くらい

・ボディまわりは小キズや小さな凹みもある

・不人気な車種や不人気なボディカラー

こんな条件が複数あてはまる軽自動車になることが多いです。

もちろん、お得な中古車も混ざっていることもありますが、すぐに売れてしまいそうな条件ならもう少し総額を上げてしまうかもしれないので、15万円では収まらない物件になります。

車検が少し残っている中古車は内容がいい?

これまでのお話をまとめると、車検を2年つけて販売している軽自動車の場合、法定費用と車検代で6万円を超える費用が車両価格に含まれます。

車の保管場所へのコストや人件費、利益、それからクレームが発生したときにマイナス計上する費用も想定すると車両本体の価格は1万円以下くらいになります。

車両本体価格の占める割合がアップする

それに対して、車検が残っている状態で総額15万円の軽自動車となると、その価格の内訳が違ってきます。

たとえば、車検が3ヶ月だけ残っている状態で納車するという条件で、総額15万円の軽自動車の場合だと、納車して3ヶ月で車検を受けなければならなくなります。

逆に考えると、同じ総額15万円の中古軽自動車でも法定費用や車検料金が含まれていない15万円では、車両本体価格の割合が違ってきます。

150,000円 - 5,000円ほど - 10,000円くらい =  およそ135,000円
(車の総額) - (登録費用) - (整備代金) = (車両本体価格と利益)

ただし、この中古車の場合は車検が3ヶ月後にひかえているのでそれにかかる費用を用意しておく必要があります。

【結論】車検付きの中古車はおすすめじゃない

軽自動車専用駐車場

中古車として販売されるときに車検をまるまる2年つけて販売している軽自動車の場合、一時抹消をしてからどれくらいの期間が経っているのかバラつきがあります。

もしかしたら、半年以上や一年近く在庫として放置されたままの軽自動車かもしれません。

車の場合、エンジンをかけて走らせていることでいいコンディションを維持することができますので、野外に置かれたままで数ヶ月も経過していると調子が悪くなっています。

それに対して、車検が少し残っている軽自動車の場合、わりと最近まで誰かがエンジンをかけて走らせていることが多いので、長期間放置されている可能性は低いです。

車検に関しては中古車として購入してから、自分で車検を安くしてくれる整備工場を探してそこに依頼してもいいわけですから、無理に車検を通してもらう必要もないのです。

ただし今回は総額が15万円の軽自動車という、かなり予算的に厳しい内容の中古車のお話をしてきましたが、50万円以上の中古車となると、車検のある・なしなどはあまり関係ないケースも多いです。

つまり、総額が低い中古車ほど、そこに含まれる車検の費用のウェイトが大きくなってしまうので、総額に対する車両本体価格の割合が著しく下がってしまうのです。

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