エンジンからヘンな音がしてるから
車の買取査定なんて
安く買いたたかれてしまうでしょうね・・。
車の異音の診断をしていると、お客様からこんなご相談を受けることがあります。
この場合だと、カーライフアドバイザーとしてというよりも整備士として相談されるわけで、
両方のポジションにいる自分としてはなんともお答えしにくいこともあります。
今回は、エンジンから異音が出ている車は、買取査定の評価が大きく下がってしまうのか?
というテーマでお話していきます。
エンジンの異音は買取査定にどう響く?
エンジン内部からの異音は大幅なダウン
残念ながら、オイル交換を長期間しなかったことや、オーバーヒートが原因で、エンジン内部から大きな打音のような音が出ている場合は、買い取り査定の評価はかなり下がってしまいます。
エンジン内部からの異音が出ている場合、ほとんどはエンジン載せ替えをするしか選択肢がありませんので、高額な修理をすると利益が残せないような車種は「買い取り」よりも「廃車」を勧められてしまいます。
人気車種なら値段が付く?
ただし、走行距離が100,000㎞以下で、外装や内装がそこそこ綺麗な状態だと、エンジンを載せ替えすることで商品価値が上がるので、人気車種なら意外といい買い取り額になることもあります。
たとえば、アルファード、ヴェルファイアなどのスライドドアのミニバンなどや、ランドクルーザーやハリアークロカン四駆やSUVは、エンジンを載せ替えしてでも販売して利益が残ります。
海外では日本車の需要が高い
さらに、これらの車種の場合、東南アジアなどの海外でも人気のある車種なので、異音が出ている状態で海外に送ってしまって、現地で安い人件費で修理するということもします。
日本車は海外でも信頼性が高く、発展途上国では日本車のミニバンや四駆に乗れることはステータスなのです。
修理可能な異音なら少しだけマイナス
エンジンからの異音と言っても、様々な原因がありますが、その中でもかなり異音の原因になるのがベルトです。
ベルトには、発電機のベルト、エアコンのベルト、パワーステアリングのベルトなどがありますが、消耗品なので、異音が出ているならベルトを交換すればいいので、買い取り査定には大きな影響はありません。
ベルトから異音が出ているということで、整備工場でベルトの交換をしてもらえば、だいたい10,000円から15,000円くらいの修理費が必要になります。
修理せずに買取査定するほうが得?
ところが、ベルトから異音が出た状態で買取査定をしても、ベルトの滑りなどが原因で異音がしていても、買い取り査定額は5,000円くらいのマイナスで終わってしまいます。
つまり、査定額が下がらないように、お金を出してベルトを交換しても、さほど査定額が変わらないことも多いのです。
15,000円かけて車を修理したのに
買い取り査定は5,000円ほどしか変わらなかった
ということはよくあることです。
とくに、この金額の落差が大きいのが、タイミングベルトの交換などで、ウォーターポンプから異音が出ていたので、タイミングベルトもついでに交換してバッチリ修理した。
ところが、60,000円近くの修理をしたのに、車の買取査定はトータルで60,000円。
「え? 修理費だけ回収できて車はタダ??」
これもよくある話なのです。
部品や作業工賃には整備工場の利益が含まれている
つまり、トータルで60,000円の整備をしても、実際は作業工賃が30,000円、部品代金が30,000円、そのうちの35,000円くらいは整備工場の利益という内訳です。
ですが、買い取り査定をしている業者さんは自社で整備工場を持っていることもありますし、中古車販売業者も同じくです。
よその整備工場の利益が乗っかった車を割高では買ってくれないわけで、できるだけ自社で安くできる作業は、買い取り額のプラス評価とはならないのです。
発電機からウィーンと異音がしている場合
オルタネーターと呼ばれる発電機の内部にはベアリングが組み込まれていて、ある程度の走行距離になると、内部から異音が発生することがあります。
異音の音質としては、「ウィーン」というモーターのような音や、少し大きめのベアリングからの異音なら「ウォーン」と聞こえることもあります。
これらの異音は発電機の内部からなら、発電機をまるごと交換してしまえば解消されますが、新品の発電機なら10万円近く、リビルトの発電機を使っても7万円くらいはかかります。
なぜなら、発電機の交換には作業工賃が含まれますが、車種によっては、発電機を脱着するのに一苦労する場合もあります。
そのため、作業工賃だけで4万円近くかかることが結構あります。
自動車整備士の人件費ってけっこうバラつきがあるので、
他社の修理を割高だと考えてしまうケースも少なくないのです。
よその整備士の工賃を評価して査定額を上げたくないのも
査定士の本音でしょうね。
このような異音がしている場合は、当然買取査定の評価額には影響が出てしまいます。
ただし、エンジン内部からの異音のような致命的な損傷ではなく、自社の整備士を使って中古の発電機などを組み込んでしまえば、十分商品価値も出ます。
ということは、自社で修理できる異音の場合、わりと強気な買取価格を提示してくることもあります。
つまり、車を売ろうかと悩んでいるユーザーさんにとっては「うれしい誤算」なわけです。
異音の大きさと車の損傷度合いは関係ない?
車のエンジンから大きな異音がしているからと言って、それが買取査定の大幅なマイナスポイントになるとは限りません。
ベルトが滑って「キュルキュル」とものすごい音がしていても、ベルトを交換するか、ベルトの張りを調整すればいいだけです。
その一方で、エンジンオイルの交換を長期間してないことで、「カタカタ」とか「カンカン」といった、エンジン内部から異音がしている場合などはその車の評価は大きく下がってしまいます。
つまり、異音の音の大きさは買い取り額に関係ないのに、ユーザーさんが自分で思い込んでしまうことがよくあり、
ヘンな音がしてるから、この車ってあんまり価値がないんでしょ?
しょうがないよね・・・。
なんということでしょう・・。
自分から買い取り業者に
「安く売ります宣言」
をしてしまうとは。
すると査定士は当然のようにたたみかけてきます。
ですねー。
ちょっとこの大きな音はヤバいっすねぇ・・。
これは査定額としてはマイナスになっちゃいますよね~
などとたたみかけてきます。内心は舌なめずりしながら。
車検や修理をするまえに買取査定をしておこう
異音がするからといって、その車の買取査定額が大きく下がったりするとは限りませんし、かといって、異音を修理して査定に出しても、査定額が大きく上がるとは限りません。
なぜなら、異音の修理は買取したあとで自社でするほうが安く上がります。
え?! わざわざ下取り査定する前にお金出して修理してきたの?
他社の整備工場さんの修理にプラス査定は出しにくいんだけどなぁ・・・。
だって、どんな整備士がどんな整備をしてるかわからないこともあるし。
なんなら僕があとで修理したのに・・・。
と内心思ったケースもありました。
しかも、異音の原因が完全に解消できているとは限りませんので、よその整備工場の修理を信用せざるを得ないというのも、買取側としては少し不安だったりします。
まとめると・・・
エンジンなど、車から異音がしていて、修理するべきか悩んでしまうことがありますが、そんなときは少し別の視点で判断してみることも大事です。
とくに注意してほしいのがエンジンから異音が出ている状態で、
こんな状態なら、
異音が出ている車にお金をかける前に、あなたの車の買取査定額をネットで調べてみるといいでしょう。
エンジンから異音が出ているからといって、大幅な査定額のマイナスになるとか限りません。
「残念な車の売り方」とは?
逆に、やってはならないのは
・最近修理にお金をかけてしまった
・車検をしてしまった
・自動車税もすでに払ってしまった
・タイヤも全部交換してしまった
こんな状態で買取査定に出さないほうがいいです。
確実に投入したお金を回収できない状態ですので。
「やや難あり」なクルマを高くうるには?
車をうるなら、買い取り専門店に出すのが高価買取になる可能性が高く、ディーラーに下取りに出したりするのは、もったいない車の売り方と言えます。
ですが、一社だけの買い取り専門店の査定額を信じるのもリスクがあり、本当に損をしていない査定額なのかはわかりません。
そこで、整備士の僕がおススメするのオークション代行サービスのユーカーパックです。
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