車のトラブル|ブレーキを踏むとエンジンが止まる原因とは

ブレーキ踏むとエンジン止まる ブレーキ

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走行中や信号待ちでブレーキを踏むと、そのままエンジンが「ストン」と止まることがあります。

あわててエンジンを再始動しようとしても、AT車の場合はセレクターをPレンジやNレンジに入れないとエンジンがかからず、かなり慌ててしまいます。

さらにエンジンがすぐにかからないこともあり、交通状況によってはかるくパニックになってしまうかもしれません。

僕の整備工場にもこんなトラブルに関する相談や診断の依頼がよく来ますが、調べた結果の原因も様々でした。

比較的に走行距離が多い車に多い症状ですが、なかには走行距離が5万キロ未満の車でも起きる可能性があります。

今回は、ブレーキを踏むとエンジンが止まる原因についてのお話です。

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ブレーキを踏むとエンジンが止まる原因は様々

スロットル周辺のトラブル

スロットル周辺

「ブレーキを踏んでエンジンが止まる」とユーザーさんから相談を受けた場合、僕ならまずは走行距離を確認します。

走行距離が10万キロを超えて、年式も10年近く経過しているような車なら、スロットル周辺のカーボンの詰まりなどを疑います。

スロットルチャンバーにカーボン

エンジンの回転を制御するためにスロットルと呼ばれる重要なパーツがあり、アクセルペダルを踏み込むとチャンバーが開閉して吸い込む空気量を調整します。

ブレーキペダルを踏んでいるときは、アクセルペダルは放してオフになっているわけですが、この状態ではスロットルチャンバーは全閉にちかい状態です。

完全に閉じてしまうとエンジンに空気を吸えないのでエンジンストールしてしまうのでスロットルが少し開いた状態になっています。

ISCV付きスロットルボディ

サボカジ
サボカジ

↑ エンジンが止まる原因のなかでもとくに関係してくるのがスロットル周辺に関するトラブルで、過走行車では一番に疑うくらいの部分です。

エンジンによってはISCV(アイドル・スピード・コントロール・バルブ)と呼ばれる、アクセルをオフにしている状態での流入空気を制御する部品も付いています。

比較的に古いエンジン、2010年以前のエンジンなら、スロットルは電子化されておらず、ISCVが併設されているエンジンが多いです。

どちらにせよ、アクセルペダルを放している状態では、スロットル周辺やISCVにカーボンなどの燃えカスが付着していると、本来の空気を取り込めなくなります。

すると、エンジンがぶるぶると苦しげに振動しながらエンストしてしまうことになるのです。

エンジンコンディショナーなどで解消することも多い

この場合はスロットルやISCVの通路をキャブコンディショナーやエンジンコンディショナーで洗浄してあげればエンストしなくなることも多いです。

スロットルポジションセンサーの不良が原因

スロットルポジションセンサー

スロットルポジションセンサーと呼ばれる部品がスロットル周辺についている車種が多いです。

このセンサーは、アクセルを完全にオフにしまっているかどうかを検出しているもので、減速中にスロットルをオフにすると燃料カットが入ったりするための制御などに使います。

アクセルペダルを放している状態で、このスロットルポジションセンサーの信号が異常だと燃料カットなどの制御がご動作することがあり、エンジンが止まる原因になることもあります。

実際の診断では、これらの症状を完全に確認して部品交換をすることもありますが、消去法でスロットル周辺の部品を交換してしまうこともあります。

サボカジ
サボカジ

スロポジセンサーは安いこともあるので

診断が難航した場合は見切り発車で交換することもあります。

吸気系のトラブル

バキュームホースが抜けた状態

バキュームホースの裂け

エンジン周辺には、エンジンで発生した負圧を取り込むホースが何本もつながっていて、たとえば、ブレーキを踏む力を増幅してくれるマスターバックにもエンジンの負圧を取り込んでいます。

ところが、経年劣化などでバキュームホースが熱や硬化で裂けてしまったり抜けていることがあり、そこから負圧が逃げてしまうとエンジンが止まるころもあります。

ただし、バキュームホースの裂けや抜けの場合、アイドリング中のエンジン回転数が高すぎたり低すぎたりすることもあるので、運転手が違和感をもつことで発見できることもあります。

エアクリーナーダクトが裂けていることも

本来はエンジンに空気を吸い込む場合、エアクリーナーを通過して綺麗にフィルタリングされた空気だけが取り込まれます。

その空気はエアフロメーターやバキュームセンサーなどの、流入した空気の量を測定するセンサーがあり、そのセンサーから送られてくる情報をもとにエンジンコンピューターがエンジンの回転などを制御しています。

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ところが、エンジンマウントのヘタリやゴム部分の劣化が原因で、エアクリーナーボックス周辺の吸気ダクトの蛇腹部分が裂けてしまっていることがあります。

すると、エアフロメーターやバキュームセンサーで計測したのとはまったく違った経路で空気を吸い込むことになり、制御プログラムの範囲から外れてしまい、エンストすることがあるのです。

 

サボカジ
サボカジ

あくまで僕の経験ですが、エアフロメーター(Lジェトロ)のほうがデリケートというか・・・。

エンストとかを起こしやすいイメージで、日産やスバルはLジェトロが多かったですね。
トヨタがよく採用しているDジェトロのほうがエンジンストールせずに持ちこたえてくれるような。

点火系のトラブル

ミライースプラグ交換06

イグニッションコイルの不良で失火

かなりの車種でダイレクトイグニッションという、各気筒にイグニッションコイルを配置する方式が採用されています。

4気筒のエンジンなら4本、一部のホンダ車のようにツインプラグタイプなら各気筒に2本ずつイグニッションコイルが付いています。

イグニッションコイルは熱に弱く、エンジン上部(シリンダーヘッドカバー)に差し込むように付いているので、突然に不具合を起こすことがあります。

すると、イグニッションコイルからスパークプラグに高電圧が供給されなくなり、「失火」と呼ばれる状態になり、エンジンがブルブルと振動します。

ブレーキを踏むとマスターバックが働く

失火してエンジンの回転が不安定になっているときにブレーキペダルを踏み込むと、マスターバックが作動します。
すると、エンジンの力で発生した負圧がマスターバックでブレーキパダルの踏力として奪われ、さらにエンジンに負荷をかけ、エンジンが止まってしまいます。

正常な場合だと、エンジンが回転して作り出された負圧(吸気のエネルギー)はマスターバックで使用されても回転が落ちることはあっても、エンジンが止まることはありません。

スパークプラグが原因で失火することもある

イグニッションコイルよりは単純で丈夫に作られているスパークプラグですが、プラグそのものが原因で失火することもあります。

この場合もイグニッションコイルの時と同じように、ブレーキペダルを踏み込むとエンジンが止まってしまうことがあります。

エンジンオイルを交換しないままで走行していると、エンジンオイルの燃えカスがスパークプラグに付着し、異常燃焼を起こしてスパークプラグが内部で断線します。

燃料系のトラブル

目詰まりした燃料ポンプ

まれに古い軽トラックなどで、ブレーキを踏むとストップランプの電圧の影響で燃料ポンプの動きが悪くなりエンストすることもあります。

電装系のアース不良なども関係しているのかと思いましたが、燃料ポンプを交換することで解消されました。

ようするに燃料ポンプが力尽きる寸前だったということでしょう。

ブレーキを踏んで減速するとエンジンが止まることもある

2AZ型エンジン 上部

マスターバックの負圧がきっかけになる?

先述してきたように、吸気系や点火系などのトラブルが原因でエンジン不調を起こした状態では、少しの負荷がかかっただけでエンジンがこらえきれずに止まってしまいます。

ブレーキペダルの奥にあるマスターバックは、運転手がブレーキを踏み込んだときに、エンジンの力を借りて軽い踏力でもブレーキが効くためのものです。

ブレーキを踏み込んだだけでエンジンの回転が下がるほど、マスターバックはエンジンに負荷をかけるので、今にも止まりそうな状態のエンジンに負荷をかけてしまいます。

エンジン不調が原因でとどめはマスターバック

つまり、もともとなんらかの原因でエンジンが止まりそうな状態でブレーキペダルを踏み込むと、エンジンが止まるという流れになります。

エンジンが焼き付く寸前でもエンストする

エンジンオイルを交換しないまま長期間を走行し続けると、エンジンの中にほとんどエンジンオイルが入っていないことがあります。

すでにその状態ではエンジンルームからは、かなり激しい異音が出ているはずですが、エンジンを潤滑するギリギリの量しかオイルがありません。

その状態で走行中にブレーキを踏んで減速すると、オイルパン内部のオイルが前方に偏り、ストレーナーからオイルを吸うことができずエンストすることがあります。

クランクシャフトのメタルなどに致命的な損傷を受けていて、少しでもエンジンオイルの潤滑が遅れるとそのままエンストしてしまいます。

たいていは、そのままエンジンが再始動できず、レッカーサービスのお世話になることが多いですが。

ガス欠寸前でも起きる

半分の燃料ゲージ

ブレーキペダルを踏み込んで減速することで燃料タンクの中のガソリンも大きく偏りますが、燃料ポンプに異物が付着しているとエンストすることがあります。

たとえば、タンク内部にサビが発生していたり、管理状態の悪い燃料を入れてしまうと、燃料ポンプのフィルターが詰まってしまいます。

車が減速して前方にGがかかったときに燃料ポンプ周辺のゴミやサビなども動いてポンプをつまらせることもあります。かなりレアなケースですが。

 

まとめ

今回はブレーキを踏むとエンジンが止まる原因についていろんな可能性を考えてみました。

共通するのは、ブレーキはたんなるきっかけであって、本質的な原因ではないことが多いということです。

エンジンやその周辺のセンサーなどになんらかの問題があり、ブレーキペダルを踏むことでエンジンに負荷を加えることになります。

そこで耐えきれずにエンストというパターンが多いです。

 

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