カーディーラーでは、そのメーカーの車しか整備をしてくれないのでしょうか。
もし仮に依頼したとしてもきちんとした作業してくれるのでしょうか。
ディーラーは他社の車を快く受け入れてくれることもありますし、いきなり門前払いをするケースもあります。
今回はディーラーで他社のメーカーの車の整備を依頼する場合の注意点などをお話ししていきます。
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ディーラーは他社の車の修理を嫌がる?
サービスフロントによって違いが出る
カーディーラーでは他社の車の修理を受けることもあります。他社メーカーでも国産車ならあまり抵抗なく出てくれることもあります。
特にカー用品店やガソリンスタンドでも受けているような、タイヤ交換、エアコンのガスの補充等は国産車なら喜んでしてくれるでしょう。
ただしディーラーの店舗にはそれぞれ「サービスフロント」と呼ばれる、もともと整備士をしていたサービス専用の受付がいます。
彼らは整備士だった経験をもとに、どのような作業を受注するかを決定している立場にありますので、現場からの苦情が上がらないような比較的にやりやすい作業だけを選別しているようです。
特に部品が手に入りにくいようなメーカーの作業をあまり受けようとしません。なぜなら車を預かったままでしばらく部品待ちになるような作業は受けたくないのが本音です。
また、タイミングベルトの交換など、交換する部品が多く、取り外す部品点数が多くなる作業だとサービスフロントがかなり警戒します。
特にSST(スペシャル・サービス・ツール)と呼ばれる特殊工具が必要な作業を受けてしまうと、後で現場サイドから苦情を言われるので、まず断ると思います。
ただし、カーディーラーの場合、営業さんとの力関係によっては、やや強引に他社の車の整備を引き受けてしますこともあります。
例えば、そこで新車を購入してくれているお客様がから別の車の整備の依頼をされることがありますが、営業さんに依頼が入ったときは、サービスフロントに頼み込んでくることもあります。
「あのお客さん、お得意さんだからなんとか受けてくれないかな」
などと、商売の駆け引きとして整備を受けてしまうこともあります。当然、あとで整備士たちはブーブーと文句を言っていますが(笑)
国産車でも旧車は断られる可能性大
そのディーラーが主に扱うメーカーの車なら断られることはまずありませんが、他社の車で「旧車」と呼ばれるレベルになると、整備を断られることが増えます。理由は「部品が手に入らない可能性があるから」ということです。
どれくらいの年式で旧車扱いされるかはあいまいですが、二十年前くらいの車なら整備は受けてくれますが、三十年前となるとお断りになるでしょう。
三十年くらい前の車になると、故障診断をする際の整備マニュアルなども入手できないことが多く、トラブルシュートなどはまず引き受けてくれないでしょう。
得意な断り方は「資料がないんでお手上げです」という決め台詞です。
ただ、ここ十五年くらいからは、整備マニュアルの電子化も進んでいますので、資料を入手しやすくなってきています。
外車でも例外で受けてくれることも
基本的に外車はほぼ受ける事はありませんが、同系列の会社なら受けることもたまにあります。
例えばマツダだとフォードの車と技術提携していたこともありますので、ほぼ同じプラットフォームを使った車の場合は車検も受けてくれることもあります。
スバルではオペルのトラヴィックという車を販売していましたが、もちろんこんな車種も例外と言えます。オペルの車とはいえ自社で販売した車ですから「診れません」「直せません」とは言えませんね。
当時のスバルディーラーのメカニックに聞いたら。「ホントに大変だった・・・」という苦労話しか出てきませんでした。
ディーラーで他社に車の車検は受けてくれる?
車検なら歓迎という体質
特に軽自動車などは特別な構造をしていることも少ないので、乗用車の車検をするのなら軽自動車の車検をする事はどこに特殊な技術は必要ありません。
車検とは国が定めた点検内容と基準(保安基準)を守れているかどうかということになります。
基本的なところに特殊なところが見受けられなかったらそのまま車検として受注されることもあります。
ディーラーは他社の車のオイル交換は受けない?
ディーラーの常識
国産車のオイル交換なら普通に受けてくれます。ただしオイルエレメントの交換は「対応できる部品がないので取り寄せか他社で」と言われることもあります。
基本的には決められた通りの純正オイルを使用するのが当たり前とされているディーラーのメカニックさんは、他社の車のオイル交換でも自社で扱うエンジンオイルを使ってきます。
とくに軽自動車などにはなんの躊躇もなく純正オイルを他社の車に入れます。というよりはわざわざそのためだけにオイルを取り寄せるということはしたくないというのもあります。
自社部品やエンジンオイルのほうが仕入れ価格も安いので、収益にも影響がでますので、基本的には他社の車でも自社の部品や部品屋から入ってくる社外品だけで対応することが多いです。
まとめ
収益よりも付き合いを重視している?
ディーラーでは他社の車の整備を受けることは現場側が嫌がりますので、基本的には積極的に入庫を促進するようなことはしません。
ですが新車を購入してくれたお客様や家族ぐるみで利用してくれている顧客へのサービスの一環として他社の車の整備を受けることもあります。
実際、ホンダのディーラーでトヨタの古いトラックの車検をやっているのを見たこともありますが、「営業が頼み込んでくるから・・・・」とかなり嫌そうにして作業をしていました。
もしもディーラーに他社の車の整備を依頼したいのであれば、カー用品店でも受けるような作業なら問題なく受けてくれるでしょう。
ただし、かなりの確率で外車は断られます。
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