今回はスズキのエブリィワゴンのプラグ交換についてのお話です。
僕自信もエブリィワゴン(DA64W)のユーザーですが、まだまだ乗り続けたいので
メンテナンスはしっかりとやっていきたいと考えています。
エブリィのプラグ交換はターボ車とノンターボ車では作業性も違います。
また、搭載しているエンジンも同じ型式でもヘッド周りを変更していることもあって
使用しているプラグも違ってきます。
これらはエブリィワゴンだけでなくエブリィバンにも共通する部分ですので、
「参考になった」と感じていただけるエブリィユーザーさんも多いと思います。
エブリィのターボモデルのプラグ交換時期
DA64Wエブリイワゴンのプラグ交換時期
DA64系のエブリィワゴンやエブリィバンの場合は長寿命タイプの「LKR7BI8」という外側電極と中心電極の両方が耐久性の高いものになっています。
メーカーの推奨する交換時期は?
DA64系のエブリィの場合、エンジンは「K6A」という、比較的長く作れられていたエンジンで、2年または40,000kmのどちらか早い方での交換となっています。
別の記事でも書いたのですが、軽自動車の場合、まったく同じ品番のスパークプラグであっても、普通車よりは早めにプラグ交換をするほうが現実的だと感じています。
その理由は、排気量が小さな軽自動車の場合、エンジンの回転を上げることで出力を得ているため、同じ距離を走行したとしても普通車よりも点火プラグが火花を飛ばした回数が多くなるからです。
シビアコンディションなら早めの交換がおすすめ
一回の走行距離が8km未満のような使用条件はシビアコンディションになりますので、メンテナンスの基準も少し変わってきます。
整備士としての経験上、長期間スパークプラグを取り外すことがないと、固着してしまって緩まないことがあり、一回の走行距離が少ないとスパークプラグがくすぶってしまったままになることがあります。
スパークプラグには「かぶりグセ」と呼ばれる不具合があり、一度でもカブってしまったプラグはカブりやすくなることがあります。
DA64系エブリィのプラグ品番は?
年式によって適合するプラグの品番が違う
エンジン型式がK6Aでも年式によってシリンダーヘッドの形状や仕様が変更されたことで適合するプラグ品番が違っています。
そのためDA64系のエブリィでも『前期型』と『後期型』ではシリンダーヘッドの形状が変更されたことで適合するプラグも変わっています。
[DA64エブリィ前期型]平成17年8月~平成22年5月
この年式のエブリィの場合、使用するスパークプラグの品番が『KR7AI』という、高性能だけど寿命が短いタイプのプラグが組み込まれています。
余談ですが、この時期のスズキ車によく採用されていたKR7AIというスパークプラグは「なんちゃってイリジウムプラグ」と整備士が注意しているスパークプラグです。
なおKR7AIのどこがダメなのかについては別の記事を参考していただければとおもいます。
■関連記事 KR7AIのイリジウムプラグは買ってはダメ!互換性のある適合品がおすすめ!
https://kuruma-lifehack.com/spark_plug_kr7ai_compatibility/
今回はDA64W(エブリィワゴン)とDA64V(エブリィバンターボ)の、お話ですが、基本的な交換方法などは参考になると思います。
ちなみに、KR7AIよりもDCPR7EIX-Pで交換するほうがはるかにコスパがよくなります。
[DA64エブリィ後期型]平成22年5月~平成27年2月
シリンダーヘッドがより低燃費よりに改良されたことで、スパークプラグもロングリーチ化されました。
ロングリーチ化とは、スパークプラグのネジ部分が長くなっているタイプのスパークプラグを採用することで、シリンダーヘッド周辺の形状が設計上の自由度が上がります。
バルブ挟み角度、冷却効率、シリンダーヘッドの剛性アップなどのメリットが期待できます。
結果的には燃費性能や出力アップや熱対策などで従来のヘッドよりも進化しています。
NGK品番ならLKR7BI8
エブリィワゴンの場合、新車装着プラグはこの「LKR7BI8」が使用されています。
ただ、定期的なメンテナンスとしてスパークプラグを交換するなら同じNGKの中で少しでも高性能なものに交換するほうがいいでしょう。
スパークプラグを脱着する手間は同じなので、どうせ交換するならより高性能で長寿命なほうがコスパがよくなるはずです。
デンソー品番ならIXU22HPR
デンソー製とNGK製とでは品番に違いはあっても、基本的に適合品番が同じなら性能も同等といえます。どちらのプラグを組み込んでも問題はありません。
ただ、「IXU22HPR」と「LKR7BI8」を混在して組み込むことは整備士としてはあまり好きじゃないというか、たぶん問題はありませんがお勧めしません。
DA64Vエブリーバンターボのプラグ交換時期
2年または40,000kmごとの交換
メーカーの交換推奨距離を整備手帳で確認してみました。
エブリィバンの場合は貨物車という扱いになるのでまったく同じエンジンを搭載していてもワゴンとバンではメーカーによるスパークプラグの交換推奨距離も違っています。
結果的に2年なので車検毎の交換、または40,000kmごとの交換を推奨しています。
ただ、この交換時期に関してはかなり厳しいと感じていて、もちろんこのサイクルで交換してもいいのですが、「どれほど車に負荷を書けているか」ということを参考にしつつ交換時期を遅らせてもいいのかもしれません。
エブリィバンは過酷な使用条件になりがち
エブリィバンは商用車として宅配や様々な分野の作業車として使用されていることが多いです。
そのため、荷物を満載にした状態で高速道路をアクセルべた踏みで走行したり、休憩のために長時間アイドリングさせたまま停車していたりと、エンジンには過酷な使用条件になることが多いです。
そのため、スパークプラグに関してもファミリーカーとしての使用用途よりも消耗が早くなるケースがほとんどで、交換のサイクルも早めのほうが望ましいです。
エブリィバンといえど、ファミリーカーに近いような使用用途で年間走行距離も1万キロに満たないような場合なら、エブリィワゴンに近い交換距離でもいいのかもしれません。
エブリィのプラグ交換をしたら効果は実感できる?
燃費がやや改善した?
自分のエブリィワゴン(DA64W)でプラグ交換をしてみました。
走行距離が107,000kmだったので、とくにエンジンの調子が悪いとか燃費が悪化していると感じていないのですが、予防整備の意味で交換をしました。
純正の「LKR7BI8」ではなく、同じNGKの「LKR7BIX-P」という、より高性能なものを組み込んでみることに。
結果的には燃費が若干よくなったように感じていますが、使用条件をきっちりと揃えて検証しているわけではないので、正確な比較ができていません。
プラグ交換作業をしたのが7月の下旬で、連日のように猛暑日が続き、エアコンの使用頻度も高いこともあります。
そのためクーラーを入れたとたん燃費は悪化しますし、アイドリングのままでエアコンを効かせながら休憩をしたりで、測定が難しい時期です。
それでも新車のころから燃費は測定し続けていたので、少し悪くなっていた燃費が改善されたように感じています。
今後も燃費に関しては測定し続けていきますので、具体的な数値が取れれば記述していきます。
エンジンの始動性もよくなった・・・?
このエブリイワゴンは新車から乗っていたので、わりと変化には気が付くはずですが、スパークプラグを交換したことでほんの少しだけエンジンの始動性がよくなった気がします。
プラグ交換をする前よりもクランキングしたときのエンジンの初爆がスムーズだと感じました。
結果的にバッテリーの負担も少し軽減されるかもしれませんが、これを言うと元も子もないのですが、エンジンの始動性に大きく関係してくるのはやはり「バッテリーの健全性」が大きいです。
つまり、多少くだびれたスパークプラグでも、バッテリーがバリバリなら、難なくエンジンは始動できてしまいます。
イグニッションコイルへの負担は確実に減る
取り外したスパークプラグをチェックしてみると、外側電極の先端部分が斜めにカットされたように摩耗していました。
こんな状態ではイグニッションコイルから高電圧が供給されても火花が飛びにくくなるので、イグニッションコイルに負荷をかけることになります。
イグニッションコイルのメーカーでも、スパークプラグの状態とイグニッションコイルの不良には関連性があると、はっきりと述べています。
イグニッションコイルが原因で失火が起きたような状態なら、かならずスパークプラグもセットで交換することが前提という説明書も添付されているくらいです。
まとめ
今回はDA64系のエブリィのターボモデル、エブリィワゴンとエブリィバン(ジョイポップターボ)のスパークプラグ交換についてのお話です。
これまでのお話をまとめてみると
■エブリィのスパークプラグの交換時期は?
エブリィワゴン → 2年 または40,000kmのどちらか
エブリィバン → 2年 または40,000km
ただし、バンの場合はより負荷の高い走行条件の場合はさらに早めの交換がおすすめ
■エブリィワゴンの新車装着プラグ品番
DA64系のエブリィワゴンとターボ付きのエブリィバンは同じスパークプラグ「LKR7BI8」が装着されている
■スパークプラグを交換した効果
・燃費が若干よくなる
・エンジンの始動性が「気持ち」向上する
・イグニッションコイルの寿命が長くなる
・長期間プラグを脱着しないままにすると固着して緩まなくなる
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