タントは10万キロでの交換部品が多い?車検でタイミングベルト交換が必要?

ダイハツタント 10万キロで交換する部品とは 車の買い替え

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初代のダイハツのタントは、2003年から販売されて以降、根強い人気がある、軽ハイトワゴンの先駆モデルです。

今や、子育て世代にとってファーストカーになりうる完成度を誇るタントですが、

軽自動車といえども、生活の足として乗り続けると知らないうちに10万キロくらい走ってしまっています。

今回は、ダイハツのタントに関して、10万キロ走行した状態ではどんな整備が必要なのか?

「そういえばタントってタイミングベルトの交換ってありましたっけ?」

こんなお客様からのご質問もかなりあります。

また、車検のときには「10万キロってまだまだ走れるんですかね?」

などといった、車の寿命や、乗り換えのタイミングについてもよく聞かれます。

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タントは10万キロでどんな交換部品がある?

スパークプラグの交換

ダイハツ車全般に言えることですが、ターボがついたモデルとノンターボとでは、エンジンに新車装着されているスパークプラグの種類が違うことがあります。

主にターボ付きのモデルのほうが上級グレードとなり、スパークプラグの交換も長寿命タイプの白金プラグやイリジウムプラグが使用されていることが多いです。

そのため、どの年式のタントでも、ターボがついているかどうかでプラグ交換の交換サイクルが違ってきます。

L350S/L360S型タント(2003~2007)

初代タント カタログ画像

この車両型式のタントの場合、エンジンは「EF」というエンジン型式のエンジンが搭載されています。
スパークプラグに関してはターボモデルとノンターボでは違う品番のスパークプラグが組み込まれていますが、どちらも標準タイプのスパークプラグはメーカー推奨では15,000kmごとの交換が推奨されています。

L350S/L360S型タント(2003~2007)
ターボ無し BKUR6E
ターボ付き BKUR6EK-9

L375S/L385S型タント(2007年12月~)前期型

左側のリアドアがスライドドアでピラーレスになることで開放感が得られ、まとまったデザインも相まって大ヒットとなったのがこのモデルで、結果的にこのモデルは長く作られることとなりました。

また、エンジンは「KF」というエンジン型式のものになり、使用されるスパークプラグも変更されています。

2007年12月から2011年6月に製作された前期型に相当するノンターボのモデルには通常タイプのスパークプラグが使用されているので15,000kmごとの交換が必要になります。

対して、ターボモデルにはイリジウムプラグが新車装着されているので、10万キロまで交換したことがない場合は予防整備として交換しておいたほうがいいでしょう。

L375S/L385S型タント(2007年12月~)前期型
ターボ無し LKR6C
ターボ付き ILKR7D8

L375S/L385S型タント(2010年~)後期型

後期型になると全車にイリジウムプラグが新車装着されています。おそらくディーラー系の整備工場なら10万キロごとの交換を奨めてくるでしょう。

ただ、10万キロでの交換は、やや遅めの交換と感じることもあり、できれば8万キロぐらいで点検または交換をしてしまってもいいでしょう。

交換する場合は、純正品番のイリジウムプラグでもいいですが、NGKやDENSOから出ている高性能で長寿命タイプのものに交換するのがおすすめです。

純正プラグとそれほど価格は変わらないものの、中心電極にイリジウム、外側電極に白金を溶着しているものは、さらに長寿命になっています。

L375S/L385S型タント(2010年~)後期型
ターボ無し ILKR6F11
ターボ付き ILKR7D8

LA600S/LA610S(2013~)

三代目タントとなったLA600系のタントには先代のL375Sと同じスパークプラグが装着されています。

LA600S/LA610S(2013~)
ターボ無し ILKR6F11
ターボ付き ILKR7D8

自分でDIYで交換することもそれほど難しくはないので、汎用の工具とプラグレンチを用意すればトライすることができます。

タント|10万キロ走行で車検にはいくらかかる?

新型タント エンジン

それまでのメンテナンスでかなり変わってくる

10万キロちかく走行すると、「いっぱい走ったな・・そろそろ乗り換えかも?」と考えるユーザーさんも少なくありません。

車検でタントを担当することもよくありますが、ファミリーカーとして使っているケースも多く、車としての信頼性が10万キロ走行しても問題ないのか、といった感じのご質問をよく受けます。

整備士としてこういったご質問にお答えするときにいつも思うことは、「ケース・バイ・ケース」なのでなんとも言えないということ。

とくにタントの場合は街乗りをメインに使っているユーザーさんが多こともあり、かなりシビアコンディションに近い使用環境もあります。

そのうえ、オイル交換などの、基本的で大事なメンテナンスをどれくらいしっかりとやってきたかで、同じ10万キロ走行のタントでもコンディションがまるで違ってきます。

ゴム部品の劣化が車検に合格しないケースが多い

タントだけではありませんが、前輪駆動車の場合は車の前側に大事なパーツが集まっています。
足回りの部分にはたくさんの関節にあたるものがあり、そこを保護するために「ブーツ」と呼ばれるゴム製の部品が使用されています。

タントについているゴム製のブーツといえば、ドライブシャフトブーツ、タイロッドエンドブーツ、ロアアームブーツ、ステアリングラックブーツ、などがあります。

これらは左右対称になっているためにそれぞれ2個ずつありますが、必ずしも同じタイミングで裂けるとは限りません。

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ゴム部品は裂けると車検に合格しない

上述したブーツ類は裂けてしまうことで車検に合格しませんし、内部のジョイントがむき出しになってしまうことで、関節部分にガタができ始めます。
本来は車検を受けるときに修理するのではなく、裂ける直前くらいにブーツを交換してしまうことが理想的です。

ですが、車を運転しているだけではブーツが裂けてもまったく気付くことはできませんし、ほとんどの場合は整備士やメンテナンスをしたサービスマンが別の作業中に見つけることが多いです。

とくにタントの場合は、街乗りに使用することが多いことが想定されますので、ハンドル操作を頻繁に行うことでブーツがわりと早く裂けてしまうケースがあります。

水漏れはダイハツ車の定番トラブル?

水漏れの原因は経年劣化や過走行による樹脂やゴム部品の劣化が多いですが、10万キロを超えるころには年式、走行距離の両方の理由で水漏れが起きるリスクが出てきます。

定番のウォーターポンプからの水漏れ

タントに搭載されるエンジンは初代の「EF型」と、2007年以降のタントに搭載される「KF型」がありますが、どちらのエンジンもウォーターポンプから異音が出ることが多く、そのままにしておくと水漏れが発生することが多いです。

タイミングベルト交換がきっかけに

ウォーターポンプに関しては初代タントはタイミングベルトを10万キロをめどに交換することになり、そのときにタイミングベルトの奥に見えるウォーターポンプの交換をすることが多いです。

それに対して、2007年以降のすべてのタントに搭載されるKF型エンジンの場合、タイミングチェーンなので10万キロで交換することがなく、結果的にウォーターポンプに関してはなにかしらの異音や水漏れなどのトラブルが起きなければ交換をすすめられることもないのが現状です。

水ホースの連結部分からの水漏れ

ダイハツの定番といえば、冷却水の流れるゴムホースやパイプからの水漏れです。
リコールになるほどのトラブルは最近は少ないですが、樹脂製の三叉パイプが折れて水漏れをすることで対策品が出ることなどはありました。

 

サボカジ  @整備士
サボカジ  @整備士

20年ちかく前の話ですがミラとかムーヴとかで、この三叉パイプの折れをよく見かけることがありました。

タントの場合で言えば、ラジエーターにつながる太い水ホースのつなぎ目から冷却水がジワジワと滲んでくるパターンです。

この場合は、いったんホースを外してしまい、ホースを固定している「クランプ」とか「ホースバンド」と言われる部品を、より強力に締めつけるタイプのものに交換することが多いです。

ただし、経年劣化でゴムホース自体の弾力がなくなってしまっている場合は、ホースの交換をすることになります。

サボカジ  @整備士
サボカジ  @整備士

このトラブルも、早くて8万キロくらい、十年以上経過しているタントなら10万キロくらいで修理が必要になってくると思います。

10万キロを超えるとラジエーターから水漏れが・・

今でもタントでよくある水漏れといえば、ラジエーター本体からの水漏れで、とつぜんエンジンルームから湯気が立ち上がるような大きな水漏れになるケースもあります。

僕が経験したほとんどの場合は、ラジエーターの上部の「アッパータンク」と呼ばれる部分と「コア」と呼ばれる網目状の部品とのつなぎ目の部分からの水漏れです。

原因としてはゴム製のパッキンが劣化して硬化したりヘタったりすることでラジエーター内部からの内圧に耐えきれずに冷却水が漏れ出すパターンです。

この場合は、ラジエーターそのものを交換するしかないので、修理費もそれなりに掛かってしまいます。

サボカジ  @整備士
サボカジ  @整備士

余談ですが
僕が整備士を始めた当時は「ラジエーター屋さん」にラジエーターを出すと安い金額で修理をしてくれていました。
今は海外製のラジエーターが安く手に入るのでラジエーター屋さんも廃業してしまうところが増えています。

水漏れのサインはヘンな匂い?

さきほどのラジエーターの場合などは、広い面積に大量の冷却水が付着することで、ボンネットの前側あたりかから湯気が立ち込めることがあります。

初代のタントではよく経験しましたが、それ以降のタントでもちょくちょく見かけますが、「白い煙が出た!」と相談に来るお客様は少なく、ほとんどの場合は水漏れの初期段階で整備士が発見することが多いです。

それでも、匂いに敏感な運転手さんなら、エンジンルームに冷却水のあの独特の匂いがしていることに気付くことがあります。

とくにエアコンの風の流れを「外気導入」にしていると、エンジンルームに近いところから外の風を室内に取り込んでいるので、「なんか甘い匂いがする」「ツンツンした匂いがする」といった相談を受けることがあります。

タントの水漏れのまとめ

・タントのエンジンは2種類ある

・初代タントはEF型エンジン

・2007年以降のタントはすべてKF型エンジン

・EF型のタントはウォーターポンプからの水漏れが非常に多い

・EF型エンジンにはタイミングベルトがあるので10万キロで
ウォーターポンプとセットで交換してしまうことが多い

・ダイハツ車全般にいえる水漏れはゴムホースの連結部分から

・タントの全車によくあるトラブルはラジエーター本体からの水漏れ

・10万キロを超えるとこれらの水漏れのリスクが大きくなる

タントのオイル漏れと車検の関係

エンジンオイルを交換しないままで走ってしまうとオイル漏れの原因を作ってしまうことがあります。

初代タントのオイル漏れ定番

初代タントのオイル漏れ修理でとくに多かったのがオイルエレメントの付け根部分からのオイル漏れです。

このオイル漏れの場合は10万キロ以下の走行距離でもよく起きるのですが、エンジンオイル管理がいい場合でも10万キロを超えると修理が必要になってきます。

また、EF型のエンジンの場合はタイミングベルトがついていますが、その奥にあるカムシャフトやクランクシャフトのオイルシールと呼ばれる小さなゴムの部品からオイル漏れをすることがあります。

本来なら10万キロ毎の交換を推奨されるタイミングベルトの交換の際に必要に応じて交換することが多いのですが、先にオイル漏れ修理だけでタイミングベルトを外してシールを交換するケースもあります。

KF型エンジンを搭載するタントの場合

二代目以降のタントだと、KF型のエンジンが搭載されていますが、このエンジンのオイル漏れといえば、シリンダーヘッドカバーガスケットからのオイル漏れです。

オイル漏れに関して言えばKF型エンジンは比較的にトラブルの少ないエンジンで、エンジンオイルの交換をこまめにしているなら10万キロくらいは問題なく走ることができます。

車検に合格しないようなオイル漏れとは

エンジンオイルはガソリンのように引火するような可燃性はありませんが、エンジンオイルが漏れ出すと揮発することなくエンジン周辺にベッタリと付着したままになります。

自動車整備工場でも、国からの車検の認可を受けている「陸運局指定工場」では、自動車検査員の資格をもつ整備士が車検の合格を判断することができます。

オイル漏れの場合、どこまでが車検に合格なのかが、かなり曖昧ですが、地面に滴るような状態だとほぼ確実に車検には合格しません。

ここまで述べてきたようなオイル漏れも、放置しておくと滴るような漏れに発展してしまうこともあります。

タントは10万キロでタイミングベルトの交換が必要?

タイミングベルトとタイミングチェーンの違い

タントに関しては、タイミングベルトが組み込まれているエンジンと、タイミングチェーンになっているエンジンの2つが存在します。

ダイハツの軽自動車に搭載されているエンジンは「EF」と呼ばれる型式のエンジンから「KF」と呼ばれる次世代のエンジンへとバトンタッチされています。

初代タントはタイミングベルト付き

2007年ごろからほとんどのダイハツ車がKF型エンジンを搭載するようになり、タントに関しても初代タント(L350/L360)に関しては全車ともEF型エンジンを搭載しているので、必ずタイミングベルトついています。

そのため、10万キロをめどにタイミングベルトの交換をする必要があり、実際はタイミングベルト以外にもその周辺にある部品をまとめて交換することが多いです。

タイミングベルト、タイミングベルトテンショナー、ウォーターポンプ、カムシャフトオイルシール、クランク、エアコンベルト、オルタネーターベルト、パワステベルトなど

これらの部品をまとめて交換することが必要になるため、タイミングベルトの交換作業にはかなりの修理費用と時間がかかってしまいます。

ディーラーでこれらの作業を依頼すると、おそらく80,000円くらいの費用がかかるでしょう。

二代目以降のタントはタイミングチェーン

搭載するエンジンがEF型からKF型になったことでタイミングベルトの交換が必要なタントは初代のモデルだけになりました。

つまり二代目以降のタントはタイミングチェーンなので、10万キロごとに交換をする必要はなくなったのです。

タイミングチェーンは切れない?

たまにお客様から質問をされることがあるのですが、

タイミングチェーンて交換しないの?切れたりしないの?

こんな質問をされることもあります。

僕が知る限り、国産の車でタイミングチェーンが切れたという事例は聞いたことがありません。

ただし、タイミングチェーンはエンジンオイルで潤滑して性能を維持しているので、エンジンオイル交換をサボっていると、チェーンが伸びてエンジン不調になることはあるようです。

【まとめ】ダイハツのタントと10万キロでの交換部品

タントはフルモデルチェンジを繰り返しながら使いやすい道具として進化していますが、それぞれのモデルによって修理の内容が違うことがあります。

今回のお話のテーマは、走行距離が増えて10万キロちかくになったときに、どんなメンテナンスや修理が必要になるのかということでした。

10万キロという距離は、車にとってはメーカーの特別保証である、5年または10万キロの節目となる距離です。

それまでのメンテナンスにもよりますが、今まで故障しなかったような部分のトラブルが出始めるのも10万キロを超えたあたりといえます。

トラブルをなによりも嫌うユーザーさんなら、乗り換えをする時期でもありますが、気に入ってタントに乗っているユーザーさんにとってはなかなか踏ん切りがつかないかもしれません。

とはいえ、予想ができるトラブルや高額な修理を知っておくことはとても大事で、予防的に整備を先に済ませておくこともできます。

今後の修理プランや乗り換えのタイミング

タントは人気車なので、走行距離が多い場合でも買取額が他の車種よりも期待できます。

そこを踏まえた上で、車検や整備をして乗り続けるのか、乗り換えをしてしまうのかを決めるのもいいでしょう。

とくに修理費が大きなトラブルとして異音やエアコンの不調などは10万キロくらいの走行距離ではかなりの確率で発生してしまいます。

お得な車の手放し方としては、「トラブルの直前に人気車として売ってしまう」といえます。

普段は整備士ですが、カーライフアドバイザーとしてお客様に車の買い替えのアドバイスをすることがありますが、とくにほしい車種がないというお客様には「人気車を買っておけばリセールバリューが高いですよ」とアドバイスをするくらいです。

そういった意味ではタントに乗っているというだけでかなりのアドバンテージがあるといますが、さらに「今すぐ買い取りたい」とタントを探している業者を見つけることでさらに高い査定が期待できます。

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コメント

  1. 匿名 より:

    イリジウムプラグですが、10万キロ持つのは普通車の話であり、常に高回転を多用しがちな軽自動車は10万キロも持ちません。

    持って5万キロ。その前に交換したほうがいいくらいです。

    • サボカジ サボカジ より:

      匿名様

      コメントをありがとうございます。

      軽自動車にイリジウムプラグが新車装着されることが多くなりました。

      おっしゃるとおり、「10万キロまで持つ」というフレーズは1500ccクラス以上の車が対象ですね。

      この記事でも述べていますが、イリジウムプラグ装着の軽自動車では8万キロくらいの交換がいいと感じています。

      とはいえ、使用条件でもかなり摩耗具合も違ってきます。

      おっしゃるとおりベストなコンディションを目指すのであれば
      5万キロでもいいのかもしれませんね。

      ちなみに整備士としてこれまでたくさんの車のプラグを点検してきましたが、

      10万キロを無交換で走行している軽自動車もけっこうありましたが、

      意外と問題なく走れているケースもありました。

      僕自身も自分の軽自動車のイリジウムプラグは9万キロくらい放置していましたw

      ただし、イグニッションコイルへの負担などを考えるとオススメはできませんが。

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