ハイブリッド車って何年乗れる?自動車整備士が感じたこと

ハイブリッドカー アクア ロゴマークハイブリッドカー

トヨタが初代プリウスを世に出して以来、ハイブリッド車はトヨタだけにとどまらず、いろんなメーカーからリリースされてきました。

さまざまな問題点を改善していきながら、今やハイブリッド車はタクシーなどのプロ仕様の用途にも採用されています。

そのいっぽうで、「ハイブリッド車って、壊れたら大変そう」とか

「ハイブリッドカーって、メインのバッテリーが壊れたらおしまいでしょ?」

といったイメージを持っているユーザーさんが多いことも確かです。

今回は、ハイブリッド車は一般ユーザーにとって何年くらい乗れるものなのか?

「もう寿命かな?」と判断するなら、どんな基準で決めればいいのかについて、普段からハイブリッド車の整備をしている立場から考えていきます。

ハイブリッド車が何年乗れるのかを左右する要素

トヨタ ハイブリッドシステム

ハイブリッドシステムの寿命とは

ハイブリッド車の重要な部分として、ハイブリッドシステムを構成しているメインバッテリーや専用のコンピューターがあります。

ほかにも、ブレーキで失われるはずの動力エネルギーを回収するための「回生ブレーキ」や、電動で駆動するウォーターポンプなどもあります。

このなかでも特に大きくて重要な構成部品といえば、やはりメインバッテリーといえます。

ただし、このメインバッテリーは車種によっても大きさが違い、「いかにエンジンに依存しない走行をするか」という点でも違ってきます。

メインバッテリーの寿命と価格

プリウス メインバッテリー2

ハイブリッド車に搭載されるメインバッテリーは、主に「ニッケル水素バッテリー」と「リチウムイオンバッテリー」の2つがあります。

一般的にバッテリーの寿命は、充電と放電を繰り返すことで短くなっていき、車の使用条件でもバッテリーへの充放電のサイクルは違います。

初代のプリウス(NHW10/11)に採用されていたメインバッテリーはニッケル水素バッテリーで、充放電が可能な回数が最も短くなっています。

ニッケル水素バッテリーの平均的な寿命は5年から7年ほど、充電可能回数は2000回ほどとなっています。

生産コストなどを考慮すると、その当時としては破格の価格で販売されていて、量産化と普及の観点からすればいたしかたなかったと考えられます。

ただし、電気自動車ではないので、エンジン動力をうまく利用することで充電回数を減らす工夫をハイブリッドシステムがマネジメントしています。

つまり、実際は初代のプリウスの場合でもニッケル水素バッテリーの寿命を少しでも伸ばす制御のおかげで10年近くは走行できるケースが多いようです。

また、別の記事でも書きましたが、トヨタにとってハイブリッド車は、その後の販売戦略上で非常に重要なモデルであり、メインバッテリーの保証を延長することもありました。

 

サボカジ  @整備士
サボカジ  @整備士

10年以上経ってる初代プリウスのバッテリー交換を、トヨタディーラーで無償で交換してくれたことには驚きました。

つまり、バッテリーに関する一般ユーザーの不安を払拭するためにも手厚い保障を打ち出したのではないでしょうか。

 

ハイブリッド車のエンジンは長持ちする?

ハイブリッド車の特徴といえば、エンジンとモーターの動力を交互に、または同時に使うことで効率のいい走行ができることです。

モーターで車を駆動させているときは、エンジンはお休みをしているので、じつはハイブリッド車はエンジンに負担をかけない車とも言えます。

とくに、停止状態から発進するさいは、いきなり最大トルクを発生できるモーターのおかげで、エンジンへの負担を大幅に減らすことに成功しています。

そこで、今回はハイブリッド車の寿命や現実的な耐用年数についてのお話ですが、車の寿命を考えるうえで外せないのがエンジンの健康状態ではないでしょうか。

上述したように、ハイブリッド車はモーター駆動をすることでエンジンへの負担を減らすことができます。

言い換えれば、エンジンが長持ちする制御ができているといえ、実際に整備士としてエンジンオイル交換をしてみて、オイルの汚れ具合が非常にゆるやかなことに驚かされました。

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つまり、ハイブリッド車はエンジンが長持ちする車種だと言え、ガソリンエンジンのみで走行する通常の車でも、オイル交換などのメンテナンスを怠らなければ20万キロくらい走行することができます。

ハイブリッド車ならさらにエンジンが長持ちするということは、一般ユーザーさんは、メンテナンスさえ守れば、エンジンの寿命などを気にすることはないでしょう。

メーカーによってハイブリッドシステムにも違いがある

ご存知のように、ハイブリッドカーとして世界で初めて量産車をリリースしたのはトヨタ自動車です。
そのぶん蓄積されてきたノウハウは後発組のメーカーよりも抜きん出ていることは確かです。

ホンダやマツダなどもトヨタのハイブリッドシステムを拝借してハイブリッド車を出していることもあり、本家のトヨタはさらに先をゆくものをすでに開発しています。

そのなかには耐久性や効率をより向上させるための改善も含まれているので、結果的には車としての完成度も一歩先を行っているといえます。

つまり、ハイブリッドカーを作っているメーカーとはいえ、耐久性や燃費性能もかなりばらつきがあるといえ、エンジンやモーター、メインバッテリーの耐久性もメーカーで違ってくるのです。

新車からのメーカー保証となる「三年または6万キロ」の一般保証と「五年または10万キロ」の条件はどのメーカーもしっかりとクリアできています。

では、それ以上の走行距離ではどうなるでしょうか?これは車の使用条件でもずいぶんと違ってきますが、20万キロくらいは問題なく走行できるでしょう。

ただ、メインの駆動用バッテリーはかなり弱っているためエンジンが駆動する時間が次第に長くなり、それに比例して燃費を悪くなっていきます。

少しの距離を走行する程度の使用用途なら、バッテリーをかばうようにエンジンが仕事をしてくれるので寿命を迎えたとはいえない走りをします。

中古車としてハイブリッド車を選ぶ注意点

基本は年式と走行距離

少しでも状態のいい中古車を見つけるなら、走行距離が少ないものを選ぶことが重要です。
また、走行距離が少なくても低年式のものを選ぶと、経年劣化などで故障の確率が上がってしまいます。

ハイブリッド車でもまったく同じことが言えるため、予算が許す限り「高年式」「低走行距離」を選ぶことが望ましいです。

「後期型」を選ぶのがベター

また、より多くの台数を販売している車種のほうが、ユーザーをとおしてたくさんの走行データや改善点をフィードバックしていて、さらにブラッシュアップされていきます。

整備士としては「前期型」よりも「後期型」を選ぶほうが完成度が高いと思っていますが、中古車で購入する際もわずか一年の年式の差で後期型になっていることもあります。

車検やメンテナンスが特別だと不便?

ハイブリッド車の場合、ユーザーさんが持っているイメージとして、「なにか故障とか不具合とか出たらディーラーじゃないと対応できないんでしょ?」と考えるのではないでしょうか。

たしかに、車両に接続する外部診断機はディーラーでしか扱えないものも多く、ディーラー以外の整備工場では汎用の診断機しかつかえません。

そのため、不具合が出たときの初期診断ではディーラーでしか解消できない事例も増えています。

ですが、車検での点検や基本的なエラーコードの確認や消去には専用の診断機でなくともできることが多いです。

一般整備工場も危機感をもっていて、ハイブリッド車の整備や車検が扱えなくなると、普及が進んでいくに従ってディーラーの一人勝ちになってしまうことを恐れています。

中古車販売も兼ねている整備工場なら、販売したハイブリッド車の保証やメンテナンスのために外部診断機を買い揃えています。

まとめ

ハイブリッド車は何年くらい乗れるのか

ハイブリッド車はエンジンに負担をかけないぶん、エンジンの耐用年数は「二十年、二十万キロ」は問題ないと言えます。もちろんメンテナンスは必須ですが。

また、駆動用のメインバッテリーの性能が劣化してモーター駆動する時間が少なくなってもエンジンがそれをカバーするので、バッテリーが完全に不調にならない限り問題なく走行することができます。

もしも乗り換えを急遽するという事態があるなら、やはり多いのは交通事故による大破や台風などの自然災害による水没などの全体への致命的なダメージでしょうか。

すこし古いデータですが、日刊自動車新聞によると日本における国産車の買い替えサイクルは「12年ほど」と言われていました。

それに対してハイブリッド車のメインバッテリーの寿命は、ニッケル水素バッテリーからさらに寿命がながい「リチウムイオンバッテリー」も採用されることが多くなりました。

メーカー側のサポートにもよりますが、むしろ通常のエンジン車よりも長く乗れるのかもしれないと
思います。

 

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この記事を書いた人
サボカジ

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キャリアは、自動車整備士として20年以上

カーライフアドバイザーとして5年以上です。

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