初代のホンダN-BOX(JF系)が発売されたのが2014年。
ヒットしたことでN-BOXがいろんなシーンで使われていることでオイル漏れなどの修理をすることも増えてきました。
今回は、N-BOXのCVTからのオイル漏れの中でもわりと多いデフのオイルシール交換について画像を入れつつ解説していきます。
・CVTフルードが漏れたまま走るとどうなるのか
・N-BOXのデフとはどの部分のことを言うのか
・交換作業の日数や費用はどれくらいなのか
こんなお話をしていきます。
N-BOX[JF1]CVTオイル漏れのよくある修理
ミッションとドライブシャフトのつなぎ目からオイル漏れ
N-BOXだけではありませんが、フロントエンジンが横置きでミッションと抱き合わせになっている、いわゆるFFと呼ばれるによくあるのがこのオイル漏れ。
ミッションケースから左右に伸びたドライブシャフトが前輪タイヤまで伸びていて、等速ジョイントのおかげでハンドルを切ったままでも駆動力が伝わる構造です。
N-BOXも例に漏れずドライブシャフトがミッション差し込まれている部分にあるオイルシールがゴムとしての弾力を失うと少しづつCVTフルードが漏れてきます。
ミッションがデフも兼ねているので「デフサイド」
整備士によってこのミッションに打ち込まれているオイルシールを「デフサイドオイルシール」と呼ぶこともあります。
N-BOXのような前輪駆動車ベースの場合、ミッションの内部に左右の回転差を吸収するデフの機能も備えており、「ミッション兼デフ」の左右にあるのでデフサイドというわけです。
N-BOXのミッションオイル漏れはあまり多くない
よくあるオイル漏れという表現をすると、「よく漏れる」と誤解されてしまいそうですが、決して他の車種とくらべて頻繁におきるトラブルではありません。
ある程度走行距離が伸びてきたらどの車にも起きることで、どちらかといえば街乗りがメインのような使用条件のほうが漏れ始めるのが早いようです。
おそらくですが、ストップ・アンド・ゴーが頻繁に繰り返されることでミッション内部の温度が上昇しやすく、CVTフルードの油温もあがりシールを傷めるのだと思います。
また、ミッション内のフルードが汚れやすい条件として、小旋回をする頻度も関係していそうです。
ハンドルをめいっぱい切って小回りをきかせた走行をさせると、左右のタイヤの回転差をミッション内部で受け止めることになり、CVTフルードの油温も上昇し汚れやすくなります。
デフサイドオイルシールの交換
N-BOXの場合、ミッション周辺が比較的にスッキリしているのでドライブシャフトが抜きやすく、オイルシールの打ち替えもわりとやりやすいほうです。
とはいえ、シールを打ち込むときに下手にやると余計にオイル漏れがひどくなるので、それなりに気を使う作業です。
できればオイルシールと同じくらいの直径のボックスレンチや古いベアリングのアウターレースなどが欲しいところです。
ちなみにですが、僕の場合は100円ショップで売っている小さなハンマーを当て物にして、短いハンマーをコンパクトに振りながらシールを打ち込んでいます。

このミニハンマーを使うというくだり、
たぶん整備士さんじゃないと
このニュアンスは伝わらないかもしれません
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CVTフルードが漏れたまま走り続けるとどうなる?
CVTフルードの漏れをそのまま放置しておくと、オイル漏れが少しづつひどくなり、そのぶんCVTフルードの量も減っていきます。
設計上、多少の安全マージンはあるもののフルードの量が下限を切ってしまうと、CVT内部でスチールベルトの冷却や潤滑ができなくなりミッション内部の焼付きになります。
その場合、運転手は「車が進まなくなった」「ものすごい異音が左前あたりからする」などの不具合に直面してしまうことでしょう。
ホンダのミッションオイル(HMMF)は黄色がかった無色透明なので、駐車場にオイルのシミができてもただのオイル漏れのように見えるかもしれません。
N-BOXのCVTオイル漏れ修理費用代はいくら?
作業工賃 | 9,000円~14,000円ほど |
部品代金 | 500円前後 |
CVTフルード補充 | 0円~3,000円 |
作業日数 | 半日~1日 |
ドライブシャフトを脱着する工賃に上乗せ
↑ オイルシールを交換するにはドライブシャフトを引き抜く作業が必要で抜いた途端ミッションフルードも出てきます。
N-BOXの場合はドライブシャフトを完全に抜いてしまった状態からデフサイドオイルシールの交換をします。
そのため、ドライブシャフトを脱着するための工賃に、オイルシール打ち替えの工賃が加算され、CVTフルードも抜けるので補充をする費用も発生します。
↑ 作業後にはCVTフルードを補充し、レベルゲージで量の確認をします。
ただ、整備工場によってはドライブシャフト脱着にともなうフルードの補充は少量なら交換工賃に含めてしまうこともあります。
車種によって抜け出すフルードの量も違いますし、それを計量するして請求書に反映させるのも事務仕事の手間が増えてしまうので定額にしてしまうのです。
作業後に試運転をすることも
明らかにデフサイドからのオイル漏れと断定できた場合でも、無事にオイル漏れが止まっているのか、逆にシール交換をしてオイル漏れの原因になってしまわないのかを試運転で確認します。
ここらへんは整備工場でもやり方やプロセスは多少違いますが、僕は試運転をしたあとで漏れの確認とサイドスリップの確認をしたい派です。
作業工賃が高いとか比較的に安いかというのは、どれだけ作業を丁寧に進めるかでも違ってきますが、作業者のさじ加減で調整することもあります。
つまり金額だけでは判断できないのも、オイル漏れ修理などの丁寧さが問われる作業です。

スチーム洗浄までやっている整備工場もあります。
【まとめ】オイル漏れ修理とフルード交換は同時作業がお得?
今回はN-BOXのミッションオイル(CVTFまたはATF)のオイル漏れ修理のお話でした。
N-BOXのほとんどのモデルはCVT搭載車で、オイル漏れ修理をしたあとはCVTフルードの補充をすることになります。
CVTフルードはJF系のN-BOXに関してはHMMFと呼ばれるタイプのフルードが指定されていて4万キロごとの交換が推奨されています。
今回のようなミッションからのオイル漏れの場合、デフサイドのオイルシールの交換をすることができないカーショップなどではCVTフルードの交換だけを勧めてくることもあります。
たとえ後日オイル漏れ修理でCVTフルードを抜く作業があったとしても、わりと「おかまいなし」でセールスしてくることがあります。
オイル漏れとセットでフルード交換をするほうが無駄がすくないことはいうまでもなく、ディーラーや本格的な修理もやっている整備工場に先に相談することをお勧めします。
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