走行中にメーターの中のオイルのマークが
ちらちらと点灯したり、ふわっと点灯したりすることがあります。
「気が付いたらオイルのマークが点いたけど・・・?」
というお客様の相談もよくお聞きすることがあります。
いきなりこのオイルのランプがはっきりと点灯することはめずらしいのですが
はたしてこのオイルのマークが点灯したら、その結末は?
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車のメーターにオイルのマークが点灯するのはなぜ?
オイルのマークはなんのランプ?
油圧警告灯が正しい名称
オイルジョッキの形をしたランプは「油圧警告灯」と呼ばれる警告灯です。
このマークのランプが点灯するということは『オイルの量が足りていませんのすぐに対応してください』という、車両からのメッセージということになります。
ですが、『オイル量が不足』というのも正確ではなく、油圧が検出されないからこのマークが消えないということです。
赤色のマークは安全にかかわる警告灯
この油圧警告灯は、国産車でも外車でもすべて赤い色のランプとして点灯します。じつはこの赤い色というのは統一されています。
なぜなら、車にとって非常に優先すべきことがらや、運転手や乗員にとって安全に直結する状況に対しては赤い警告灯で表示することになっているからです。
黄色よりも赤色の警告灯を優先する
警告灯には黄色い警告灯もありますが、あえて色分けをしているのはドライバーにその警告灯の優先度を教えるためです。
つまりオイルのマークの警告灯は赤色ですから、最優先すべきだということになります。
オイルマークが点灯する原因とは
エンジンオイルの量が不足
このオイルのマークの警告灯が点灯する仕組みは、エンジンオイルの油圧が、オイルプレッシャースイッチという、エンジンオイルの圧力を受けて警告灯が消えるという仕組みなのです。
油圧が足りないということのほとんどの原因は、エンジンオイルの量が不足していることがほとんどです。
オイルの量が少なくなるのは、激しいオイル漏れや、オイル消費と言われる、エンジンオイルが燃えて減っていくことが原因です。
オイルポンプの破損や不良
オイルポンプとは、エンジン本体に組み込前ていることが多く、エンジンオイルをくみ上げる働きをする部分です。
なんらかの原因でオイルポンプが破損したり、オイルポンプを動かしているチェーンなどが切れた場合もオイルポンプが動かなくなります。
オイルポンプが仕事をしなくなるということは、エンジンオイルの量がきちんと入っていても、油圧が全く発生しませんので、とうぜん、油圧警告灯が点灯します。
オイルストレーナーのつまり
オイルストレーナーとは、エンジンの一番下側にあるオイルパンと呼ばれるエンジンオイルが溜まっている容器の中にあるフィルターの役割をする網目状の部分です。
網目状になっている理由は、エンジンの内部に不純物や異物を吸い込まないようにしているからです。
ところが、激しく汚れたオイルにはスラッジと言われるドロドロのヘドロのようなものがオイルパンに溜まります。
すると細かい網目状のオイルストレーナーの吸い口がすべて塞がってしまうことがあり、いくらオイルポンプがオイルを吸い出そうとしてもエンジンオイルが吸えなくなります。
オイルプレッシャースイッチの不良
オイルプレッシャースイッチは、エンジンブロックに直接セットされていることが多い、小さな油圧を検出する部品です。
構造はシンプルで、小さなバネ仕掛けで普段は内部の接点が「オン」になっています。この状態だと、オイルマークのランプまでの回路が繋がっているので、エンジンキーをオンにすると、オイルランプは点灯したままになります。
正常な状態だと、エンジンを始動すると、オイルポンプから送られてくるエンジンオイルによって、オイルプレッシャースイッチ内の接点が離れ、オイルのマークが消えるようになっています。
まれに、この接点が壊れて油圧がある状態でも接点が離れないままになり、オイルマークの回路が繋がったままになってしまうことがあります。
すると、エンジン内部の油圧は正常でも、油圧警告灯が点灯したままになることがあります。
オイルランプそのものがおかしい
非常に珍しいケースですが、運転席のメーターの中の警告灯などの回路がおかしくなって、他のランプの電源がショートしてオイルランプが点灯することもあります。
オイルのマークがチラチラ点滅するケース
走行中にオイルランプが点灯することがあります。しかもチラチラと点いたり消えたりして、気が付けばまた消えているという症状です。
ブレーキを踏むと点灯する
よくあるのがブレーキペダルを踏んで車を減速させているときにオイルのマークがチラチラと点灯するパターン。
理由としては、エンジンオイルが溜まっているオイルパンの中のオイルの量が少なくなっていると、車が静止している状態や、一定の速度で走っているときは、オイルストレーナーから、かろうじてオイルを吸い出すことができます。
車を減速させていくと、オイルパンの中のエンジンオイルも液体ですからオイルパンの中で揺れるため、一瞬、オイルストレーナーからオイルを吸えないくらいにエンジンオイルの液面が変化し、その一瞬だけ、油圧不足になってしまうことになります。
カーブを曲がっていると点灯する
上記のブレーキを踏んだ状態と原因は同じですが、カーブを曲がっているときだけオイルランプが点灯するのは、オイルパンの中のエンジンオイルがコーナリング中の横Gで外側に向けてかたよってしまうため、エンジンオイルが吸えなくなってしまうからです。
どちらにせよ、エンジンオイルの量が、レベルゲージでの最低ラインよりも少なくなるとこのようなオイルマークのランプがチラチラと点灯することがあります。
オイルマークを消すには
基本はオイルの補充
エンジンオイルの油圧が足りないことでオイルマークが点灯するので、オイルの量をレベルゲージで確認してみて、ロアレベル以下にまで減っている場合は、エンジンオイルを補充することでオイルのランプは消えるはずです。
エンジンオイルを補充しても消えない場合
もしもエンジンオイルの量が不足していなかった場合や、オイルを補充してもオイルのマークが消えない場合は、かなりマズい状況になっている可能性があります。
先ほど述べたように、オイルパンの底にスラッジとよばれるヘドロ状の汚れが溜まっていると、オイルストレーナーからエンジンオイルが吸えなくなります。
そのためエンジンオイルの量がが正常でも、オイルのマークが消えなかったり、チラチラと点灯することがあります。
この場合は、すぐにエンジンを止め、レッカーサービスで移動させる必要があります。もしもこの状態で走行すれば、油圧不足でエンジンが焼き付いてしまうでしょう。
オイルのマークが点いたまま走行するとどうなる?
エンジンオイル不足による焼き付き
オイルはエンジンの血液
エンジンオイルはエンジンの内部を常に循環して潤滑している、非常に重要なもので、いわば「エンジンの血液」といっても過言ではありません。
油圧警告灯が点灯しているということは、エンジン内部に正常にオイルが送られていないことになります。
一瞬でもこの状態になると、エンジン内部の重要な部分が潤滑不足になり、メタルと呼ばれる回転部分のベアリングの役割をしている金属部品が焼き付いてしまいます。
そのため、このオイルのマークが点いたままで車を走らせてしまうと、エンジン内部は再起不能なまでにダメージを受けてしまうのです。
エンジン載せ替えがほとんど
油圧が不足したままで車を走行させてしまった場合、エンジンに高い負荷とダメージをかけてしまうため、エンジンを構成するパーツの中でも、とくに重要なクランクシャフト、コンロッド、カムシャフトなどの軸受け部分にある「メタル」と呼ばれる部品が焼き付いてしまいます。
初期段階ではひっかき傷のような状態なのですが、エンジンが止まってしまうほどの状態までいってしまうと、メタルは高温、高圧にさらされ、変形したり溶けた状態にまでなっています。
この状態では、エンジンを降ろして内部のメタルを交換するのでは完全に復旧できないことが多いです。おそらく、エンジンそのものを丸ごと交換して載せ替えすることになるでしょう。
漏れたオイルが車両火災の原因に?
エンジンルームから白煙が出たら危険
エンジンオイルはガソリンや軽油ほど発火点は低くありませんので、引火するようなことにはなりません。ただし、エンジン内部の温度が異常に高温になった場合は、エンジンオイルが燃え始めることは考えられます。
とくに冷却不足などでエンジンがオーバーヒートを起こした場合や、エンジンルーム内で燃料が漏れていて、発火したときなどは、もともと漏れていたエンジンオイルが火種となって、車両火災の被害をさらに大きくしてしまう可能性はあります。
もしもエンジンルームから白煙が上がり始めたら、すぐにエンジンを止め速やかに車から離れましょう。
オイル漏れのマークが付いたときの対処法
まずは車を安全な場所に移動
なるべく早くエンジンを停止させる
オイルのマークが点灯するということは、エンジンに正常な油圧がかかっていないということになり、人間に例えるなら、血液が流れていないことになります。
そのため、このオイルマークのランプが点灯したら、まずは安全な場所に車を移動させ、エンジンを止めるようにしましょう。
この、エンジンをどれくらい早くストップさせられたかで、エンジン内部のダメージの大きさも違ってきます。
落ち着いて行動しよう
なるべく速やかにエンジンを止める必要があることは確かですが、慌てて路肩に寄せて車を停めることは、かえって後続車に追突されたりするリスクがあります。
また、場合によってはエンジンを一度止めたら再始動できないケースもありますので、車を停めた場所でそのままレッカーサービスを待つことになる可能性もあります。
なるべくですが、広い場所で、前後にスペースがあり、周りに車から認識されやすい場所に停めるほうが望ましいです。
あわてず、落ち着いてエンジンを止めてレッカーサービスを待てる場所を探しましょう。
まずはエンジンオイルの量を確認
オイルレベルゲージの場所
オイルのマークが点灯する場合の原因はオイルの量が不足していることが多いので、まず調べるべきは、レベルゲージを抜いてエンジンオイルの量の確認をすることです。
オイルの量を確認するレベルゲージは、基本的にはエンジンの上側から見える場所にあります。
指でつまめるようなフックのような形状をしていることが多いのですが、見つけにくい車種もありますので、車に付属しているサービスマニュアルなどを参考にするといいでしょう。
もちろんスマートフォンなどで検索してもいいので、
「車種名 + オイルレベルゲージの位置」
などのキーワードで検索し、画像検索にすれば、レベルゲージの位置を掲載してくれているブログなどが見つかることもあります。
レベルゲージでのオイル量の確認方法
レベルゲージを見つけたら、ティッシュペーパーや広告紙などを用意し、レベルゲージを引き抜いてみましょう。
エンジンオイルの量を確認するには、レベルゲージをいったんきれいにふき取り、先端部分に何も付着してない状態にしておきます。
オイルの量はレベルゲージの先端部分に見える、上限の『フルレベル』と下限の『ロアレベル』の間くらいまでにエンジンオイルが付着してきたらOK。
ただし今回のようなオイルランプが点灯するような場合は、まずエンジンオイルがレベルゲージの先端にも付着してこないでしょう。
この時点で、オイルのランプが点灯した原因はエンジンオイルの量が足りていないということになります。
オイルの量が正常ならさらに深刻な状態
もしもレベルゲージで問題ないレベルまでエンジンオイルが入っていたとすれば、オイルの量が不足していないことになります。
もともとこのオイルのマークはオイルの油圧の警告灯ですから、本当に油圧がない、または弱くなっていることになります。
可能性として高いのは、オイルストレーナーなどの、オイルの通路が汚れたオイルやスラッジなどで詰まってしまっていることです。
この状態だと、エンジンをかけることはあきらめて、速やかにロードサービスを呼ぶしかありません。
ほんの少しだからとエンジンをかけてしまうと、すぐさまエンジン内部の焼き付きを引き起こしてしまいます。
不足したオイルを補充
走行可能なオイルレベルとは
オイルランプの警告灯(油圧警告灯)が点灯して、その原因がオイルの量不足だった場合、とりあえずエンジンオイルを補充することで車を走らせることはできます。
そのためには、最低限でも不足しているだけのエンジンオイルをどこかから調達する必要があります。
最低限のオイルの量とは、レベルゲージの下限であるロアレベルにまで入っていれば、エンジンが焼き付くリスクは避けられます。
ただし、なるべくエンジンの負担をかけないような低負荷な運転をするようにしなければなりません。
また、自動車用のエンジンオイル以外のオイルを代用することはできません。
近くのガソリンスタンドを探すのがベスト
セルフのガソリンスタンドが増えてきたこともあり、ガソリンスタンドに相談してもエンジンオイルを入手できないこともあります。
それでも、こんなとき、道路沿いに最も多くあって、なおかつエンジンオイルを調達できるとなればガソリンスタンドである可能性が高いことは確かです。
他にも、ホームセンターやバイク屋さんなどでも車のエンジンに使えるエンジンオイルを調達できるかもしれません。
また、オイル漏れ用の添加剤がホームセンターで購入できることもあります。
ロードサービスを呼ぶ
かりにエンジンオイルを補充したとしても、オイル漏れやオイル消費が原因でエンジンオイルの量が減ってしまっていた場合、そのまま走行していると、他の不具合が発生することもあります。
たとえば、エンジンオイルを補充したことで、エンジン内部の大量の汚れが浮いてきて、結果的にはオイルストレーナーを目詰まりさせてしまうこともあります。
できれば、車を走らせることはあきらめて、レッカーサービスを依頼するほうが、リスクを抱えたまま車を走らせることがなくておすすめです。
ちなみにですが、ロードサービスはJAFに依頼してもいいのですが、任意保険に加入している場合は、付帯しているサービスとして、無料のロードサービスを呼ぶこともできます。
ディーラーなどの整備工場へ
ロードサービスを依頼しても、どの整備工場に運んでもらうかという、目的地は自分で決めないといけません。
ふだんから懇意にしている自動車整備工場があるなら、そこまで運んでもらうのがベストと言えます。
またはその車を扱っている自動車ディーラーに運んでもらうのもいいでしょう。
オイルマークが消えたあとに考えるべきこと
オイルが減る理由は漏れだけじゃない?
一般的にはエンジンオイルが減っていく原因なら「エンジンオイルがどこかで漏れているからでしょ。」と考えがちですが、整備士としての経験上で言えば「NO」です。
オイル漏れが原因でエンジンオイルが漏れているのであれば、いつも駐車している駐車場にはオイルの溜まりができるくらいのエンジンオイルがこぼれています。
エンジンオイルが燃えて無くなる「オイル消費」という現象
無事に車を整備工場に預けることができたら、次に考えるべきことは、そもそものエンジンオイルが不足している警告灯が点灯した原因です。
整備工場からの点検の報告を待つしかない場合もありますが、ある程度のエンジンが受けたダメージや、油圧警告灯が点灯した理由を教えてくれる場合もあります。
少し意外に思うかもしれませんが、エンジンオイルの量が不足する原因としてはオイル漏れに起因するケースは比較的少ないです。
もっとも多いのがエンジンオイルがエンジンの内部から燃焼室に入り込んで燃えてなくなっていくという「オイル消費」が原因でオイルの量不足になることのほうが多いです。
もしもオイル消費を起こしているエンジンだと、マフラーから白煙が出ていることが多いです。
これは、エンジンオイルが燃えている場合によくある症状です。ただし、冬場の朝などでマフラーから、もわもわと出てくる白い排ガスは、単なる水蒸気なのでオイル消費ではありません。
このオイル消費という現象は、エンジン内部のバルブステムシールやピストンリングなどが摩耗してしまっておきる現象です。こうなってしまう原因のほとんどはオイル交換をあまりにもサボってしまうことで起きます。
本来なら100,000㎞以上はもつであろうステムシールが、劣化したエンジンオイルのために潤滑不足になり、急激に老化したように弱っていくのです。
非常にもったいないと整備士の僕はいつも思います。
新車で購入すれば、コンパクトカーでも200万円以上とか、ミニバンやミドルクラスなら400万円以上するような車のエンジンが、たった数千円のエンジンオイル交換をしなかったことでエンジンだけが短命になってしまうわけです。
エンジンオイル交換をきちんとしているお客様の車は、15万㎞以上走っていても大きなオイル漏れもなく、エンジンの音も非常にいいです。
ハイブリッドカーも含めて、エンジンオイル交換は車の維持費の節約には欠かせない作業と言えます。
オイル管理は予防整備になる
エンジンオイル交換の頻度を見直そう
エンジンオイルの油圧警告灯が点灯することがきっかけで、知らないうちにエンジンのコンディションが悪くなっていることに驚かれるお客様もおられます。
高額なエンジン載せ替えの費用を聞くなり引きつった顔をする方もおられますが、起きてしまったことはもとに戻りません。
前向きに受け止めるとすれば「次からはこんなことは起きないように気を付けよう」という、経験則にしてしまうことでしょうか。
オイル交換のために整備工場やディーラーやカー用品店に行くのも結構めんどくさいですよね。
そこで、オイル交換とついでで、なにか用事というか、済ませるべきことを一緒に終わらすパターンを作ってみてはいかがでしょうか。
オイル交換に行くときは一緒に本を持って行って、ふだん、本を読みたいけど時間がないという問題のためにオイル交換と読書をセットにしてしまうとか。
あくまでも本好きの僕の、ちょっと無理のある提案ですが、なにかしらのヒントにしていただければと思います。
スマホのアプリで手軽に管理
エンジンオイルの交換のサイクルって、意外と頻繁にくるというか、ガソリンみたいになくなると走れなくなるものでもないので、忘れてしまいがちです。
そこで、普段つねに持っているスマートフォンでマイカーのオイル交換の管理をしてみてはいかがでしょうか。
ここではあえてどのアプリがおすすめであるかなどは紹介しませんが、スマホを使えばオイル交換のサイクルの管理もできやすいです。
「オイル交換 管理 アプリ」みたいなキーワードで検索してみるといいでしょう。
シンプルなオイル交換の管理方法もある
ちなみに僕自身のオイル交換の管理のやり方はもっとシンプルで、オイル交換をしたら車のトリップメーターの「B」をリセットしています。
トリップメーターの「A」は燃費測定のためにガソリンを満タンにしたらゼロにしています。
すると、ガソリンを満タンにするたびに、トリップメーターを「A」から「B」へと表示を切り替えていくので、オイル交換をしてから何キロ走っているのかという確認をガソリンを給油するたびに確認することができるのです。
ガソリンを給油するたびに
「あ・・そろそろオイル交換か・・・」
といった感じで少し早めに気づくことができて便利です。
オイル漏れの修理費は高い!
部品代500円、作業料7万円?!
オイル漏れ修理には、簡単にできる部分もあれば、たいへんな作業になる部分もあります。
どんな場所からオイル漏れが起きるかは車種や走行距離によっても違ってきます。
ある程度の走行距離になってくると、エンジンのいろんなところからオイル漏れが始まることは確かですが、それがエンジンの奥の部分だと修理にかかる費用が跳ね上がるときもあります。
たとえば、「リアクランクオイルシール」と呼ばれる部品があります。
その言葉通り、エンジンの後ろ側のクランクシャフトの端っこに打ち込まれている小さなゴム製の部品です。
このオイルシールは、どのエンジンにも必ず使われている部品なのですが、エンジンとミッションの間にあります。
もしもこのオイルシールからオイル漏れがはじまれば、修理をするにはミッションを降ろす必要があります。
たかだか1000円どころか500円ほどの小さな部品の交換をするためにミッションを降ろすことになるのですが、作業工賃が軽自動車で4万円から5万円くらい、乗用車クラスなら5、6万円ほどは行くでしょう。
もしも四輪駆動車だったらミッションを降ろすのはもっと大変ですので7万円くらいかかるかもしれません。
リアクランクオイルシールからのオイル漏れは珍しい事例ではなくて、走行距離にして12、3万㎞ほど、年式でいえば10年以上経過しているなら5万㎞ほどでもオイル漏れが起きる場所です。
もしもオイル交換の管理が悪ければもっと早くオイル漏れが始まることも珍しくありません。
なかにはリアクランクオイルシールからのオイル漏れが原因で車検に合格しなくなり、車の乗り換えになったこともあります。
いっそ廃車に・・?
慢性的なオイル漏れを放置していると、漏れたエンジンオイルがさまざまなゴム部品を痛めてさらに別のオイル漏れや水漏れの原因を作ってしまうこともよくあります。
なによりも、オイル漏れを放っておくと、エンジン回りがべたべたになってしまうため、どの部分からのオイル漏れなのか判別がつきにくくなります。
そのためオイル漏れの診断をするためにはいったんエンジン回りを洗浄したりと、時間も費用も掛かる作業となります。
走行距離も多く、年式も古い車の場合、複数のオイル漏れをユーザーにお見せしたら、
「もう廃車にしようかな・・・」
という話が出ることも珍しくありません。
オイル漏れをしている車でも高く買い取ってくれる?
車の買い取り業者さんのなかには、事故車や低年式車、水没車などを高く買い取ってくれるところもあります。
オイル漏れをしていて、車検にも合格しなかったし、エンジンの状態もよくない。
こんな状態の車でも、いきなり廃車にしようと考えるのはもったいないです。
基本的にオイル漏れは車検に合格しませんので、高額な修理でも遅くても車検と同時にやらなければなりません。
車のオイル漏れがひどくて困っているという方はそちらの記事もチェックしてみてください。
【関連記事】車がオイル漏れしても高く売ることができる意外な理由とは
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