エンジンオイル交換をするのはメンテナンスの中でも基本的なものになります。
ただし、営業車のように使用頻度があまりにも高い車の場合は、
整備工場へメンテナンスに持ち込む時間を取れないことも確かです。
また、短期間に過酷な使用をしながらもメンテナンスをすることができない状況(僻地での使用やサーキット走行)でも、
エンジンオイルには耐久性や安定した性能が求められます。
シビアコンディションンに良いエンジンオイルの条件とは
シビアコンディションをカテゴライズする
一般的にシビアコンディションは「シビアな使用条件」という解釈になっています。シビアな状況とは、エンジン、オートマチック、シャーシへ高負荷をかける使用条件をいいます。
それに対して、まったく逆の意味でシビアな使用条件もあります。それが、「あまりにも走らなさすぎてシビア」な使用条件です。
具体的に述べると
・一回の走行が8㎞以下の距離
・エンジン冷却水の水温が完全暖気になる前にエンジンを停止する
・主な使用が時速30㎞以下、またはアイドリングがほとんどである
上記のような使用条件はシビアコンディションに該当します。
高負荷な使用条件に向いているエンジンオイル
エンジンオイルの性能を表すなかで、特に大事なのが「オイルの粘度」です。
たとえば
10W-30
10W-40
という二種類のエンジンオイルがある場合、違いは右側の数字の「30」と「40」の違いですが、この数字の意味は、ざっくり言うと
「エンジンオイルの温度が高温になっても本来の粘度を保つことができるか」
ということを数値で示しています。
単純に10W-30よりは10W-40のほうが、よりエンジン周辺の温度が高温になってもエンジンを傷めないような潤滑性能や清浄分散作用などを安定して発揮できることになります。
とうぜん、この場合ではシビアコンディションに適したエンジンオイルは10W-40の粘度のほうがいいということになります。
また、5W-30と10W-30というエンジンオイルの場合だと、左側の「5」と「10」の数字の意味としては、常温でのエンジンオイルの粘度がどれくらい柔らかいかを示しているのですが、
5Wのほうが柔らかいオイルなので、エンジンの内部を保護するという「対摩耗性」では10Wのほうが少し硬めで優れています。
最近のエコカーで推奨されているエンジンオイルは
0W‐20などのように、
極端に柔らかい、水みたいにシャバシャバなエンジンオイルはピストンリングやバルブステムシールなどへの保護に若干の不安があります。
僕なら少し硬めのオイルを選ぶと思います。
劣化に強いエンジンオイルは
エンジンオイルは大きく分けると「鉱物油」と「化学合成油」の二種類があります。それぞれの成分や細かな特性は今回は割愛しますが、耐久性に関しては化学合成油に軍配が上がります。
ただし、コストがかかるので化学合成油はずいぶんと値段が上がり、鉱物油の二倍くらいの価格になると思います。
化学合成油の場合は、製造工程で不純物を取り除くことで劣化を遅らせることができます。
また、化学合成オイルはエンジンオイルの性格ともいえる粘度を自由に変えることができるので、「5W-50」のように非常にワイドレンジにしたり、
「0W‐20」のようにエコカーやハイブリッドカーに適したサラサラのエンジンオイルを作ることもできるのです。
今回のテーマとしてはシビアコンディションに強いエンジンオイルということになると、高温にも耐えることができて劣化が緩やかな化学合成油系のエンジンオイルが向いていることになります。
また、鉱物油と化学合成油の中間の「半化学合成油」もあり、エンジンオイル交換のコストを抑えたいのなら半化学合成のエンジンオイルを選ぶのもいいでしょう。
添加剤で強化されたエンジンオイル
化学合成油や半化学合成油には添加剤が含まれていて、その添加剤の種類にもよりますが、より過酷な状況でも安定した性能を発揮することに特化したオイルもあります。
より多くの性能を求めるとコストも上がるためエンジンオイルとしての価格も高くなってしまうことも確かですが、エンジンオイルとしての高いパフォーマンスとその維持を求めると、価格にも反映されるという感じです。
まとめ
シビアコンディションでも十分な性能を長い期間発揮できるエンジンオイルとなると、ベースオイルは化学合成系が適していて、コストも視野に入れるなら半化学合成油も検討する価値があるでしょう。
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