車に関するカタログやバッテリーの性能の表記にもある「充電制御」と言う言葉。
これは直訳すれば充電を制御すると言うことになりますが、一体どういうことなのでしょう?
同じ車種の中でも充電制御車とアイドリングストップ車があることをご存知でしょうか。
お客様からよく受ける質問のなかでも
「充電制御用のバッテリーはアイドルストップ車にも合うの?」
という問い合わせも多くなってきています。
今回は充電制御についてのお話です。
「充電制御」の意味とは
充電を制御することのメリット
充電制御車とは簡単に言えば発電機がバッテリーを充電することを制御してしまう車のことをいいます。ではなぜ発電機がバッテリーへの充電を止めてしまうのでしょうか。
エンジンがベルトを介して発電機を駆動させるとき、エンジンは発電機を回すために頑張らないといけません。発電機を回すと言う事はそれだけエンジンに負担をかけていると言うことになります。
そのため発電機が常に仕事をしている場合燃費が悪くなると言うデメリットがあります。燃費を少しでも良くしようとすると発電機をギリギリまで仕事させないように制御してしまうことが重要になってきます。
つまり充電制御とは燃費を少しでも良くする技術の1つだと言うことです。
充電制御車の仕組みとは
基本はコンピューター制御で行う
充電制御車は車の運転状況に応じて発電機での充電をストップさせます。
基本的には燃費を良くすることを目的としていますので、バッテリーの充電状況が100%に近い状態だと発電機への充電を止めてしまいます。
つまりバッテリーの充電状況をコンピューターが測定し、充電が必要かどうかを判断しバッテリーに余力があるようなら発電機に仕事をさせなくするわけです。
充電制御は回生ブレーキ?
走行中にアクセルをオフにして、エンジンブレーキだけで車が進んでいる状態は、動力エネルギーを回収するチャンスとなります。
その時だけは発電機に仕事をさせ、本来なら失われるはずの車の動的エネルギーを発電機は仕事をさせると言うことで回収しています。
これはプリウスなどのハイブリッドカーに採用されている回生ブレーキと言うシステムと基本的には考え方は同じです。
アクセルをオフにして惰力で走っている時は、エンジンが発生させたエネルギーが失われていきますが、その失われるはずのエネルギーを何らかの形で回収します。
失われるはずのエネルギーを何らかの形で回収する、これがハイブリッドカーの回生ブレーキであり、充電制御車の充電制御なのです。
アクセル開度や消費電気で制御
アクセルを完全にオフにした状態だと回生ブレーキのように充電制御車も充電を制御してしまいます。
充電制御しないこともあり、エアコンをオンにしたりヘッドライト点灯させたりガラスのデフロスターをオンにしたりなど、消費電気の大きな操作をすることでバッテリーへの要求が多くなります。
この状態でさらに充電制御をしてしまうと、今度はバッテリーの充電量が減りすぎてしまいますので、充電制御はストップされます。
充電制御車アイドリングストップ 車との違い
アイドリングストップ車も充電制御をする
同じ車種の中でもアイドルストップをする車種としない車種があります。ただしどちらも充電制御車ではあります。
つまり充電制御車をさらに進化させたものがアイドリングストップ車だと言うことです。この2つの車両の違いは、アイドリングをストップさせるかどうかと言うことになります。
それ以外の充電制御に関してはかなり近いやり方をしています。
バッテリーも専用のものを搭載
また充電制御車には充電制御専用のバッテリーを搭載することになっていますが、それと同じようにアイドリングストップ車にはアイドリングストップ専用のバッテリーを搭載する必要があります。
もしもアイドリングストップ車に充電制御用のバッテリーを搭載するとバッテリーの寿命が非常に短くなってしまいます。ただし、充電制御車にアイドルストップ車用のバッテリーを搭載することは可能で、じつは保証期間も延長されます。
まとめ
充電制御車もアイドリングストップ車もどちらも燃費を良くするためのテクノロジーの1つです。
ただしアイドリングストップ車の方がバッテリーの要求がさらに厳しいと言う事と、専用の制御をする必要があるので同じ車種であったとしてもコンピューターの制御も違ってきます。
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