軽ワゴンのカテゴリーの中でも人気があるのがスズキのエブリイですが、
かなり燃費が悪いことも知られています。
自身もエブリイワゴンのユーザーなので、
今回はスズキのエブリイワゴンをメインにした燃費や航続距離などのお話をしていきます。
はたして給油ランプはどのタイミングで点くのかを実際に検証してみました。
スズキのエブリィワゴンの燃費はかなり悪い
軽ワゴン車の燃費はどれも悪い
「軽箱バン」などと呼ばれる軽自動車のなかでも最大級の車内スペースを確保できるカテゴリーの車たちは、どれも燃費が悪いです。
とくに乗用車としての用途に重きを置いた乗用ナンバーのワゴンは、ターボ付きが基本となっていることが多いです。
今回のお話のメインであるエブリィワゴンもターボ付きがベースで、もともと重い車両重量に加えてターボであることもあって、燃費は軽自動車の中では「最悪」に近いです。
DA64Wのエブリィワゴンの燃費
それでは、実際にエブリイの燃費はどれくらいなのかを、僕が乗っているDA64Wのエブリイワゴンを例に出してみます。
■走行距離 [107,000km] ■年式 [平成24年式] ■型式 [ABA-DA64W] ■グレード [PZターボスペシャル] ■変速機 [4AT] ■駆動方式 [2WD] ■タンク容量[40L] ■走行条件 [市街地走行がメイン] ■市街地走行 [12.5km/L] ■高速道路メイン [13.7/kmL]
ただし、
この燃費は低燃費走行をかなり意識した結果ですので、ラフなアクセルワークをしているとすぐに11km/Lくらいに落ちてしまいます。
とくに夏場の炎天下ではエアコンを使わざるをえないので燃費はかなり落ちてしまいます。
真夏の市街地の燃費では 10km/Lくらいになってもおかしくありません。
スズキのエブリィは給油ランプが点いてからどれくらい走れる?
エブリィの燃料警告灯が点灯するタイミングは?
今回は平成24年式のDA64Wをベースにした情報となります。
実際に10年ちかく乗っていて、燃料の警告灯が点灯した経験はあまりありませんが、今回はあえて給油ランプが点灯するまで走行してみました。
先に結論を述べると、トリップメーターで走行距離を測りながら給油ランプが点灯するのを観察してみると435㎞をカウントしたときに給油を促すランプが点灯しました。
つまり、ガソリンを満タンにしたときにトリップメーターをゼロにリセットしてから435㎞ほど走行したら給油ランプが点いたことになります。
そのあと4㎞ほど走行して439㎞走行でガソリンを満タンまで給油しました。
そのときの給油量は33.3リットル。
つまり燃料タンクの全容量が40ℓとなっているのでこの計算でいくと
40ℓ(全容量) - 33.3ℓ(給油ランプが点灯したときの給油量)
なので、だいたい7ℓほどは燃料タンクに残っているという計算になります。
このときの燃費を計算してみると
439㎞ ÷ 33.3ℓ = 13.18/ℓ
という結果になりました。
給油ランプが点いてから走れる距離
今回の検証で、給油ランプが点いた時点で、おそらく7ℓほどのガソリンが燃料タンクに残っていることになります。
ただ、人によって使用条件が違うので、ガソリン1ℓあたりの燃費も違うので、給油ランプが点灯してからどれくらいの距離を走行できるのかは個人差があります。
そのため、普段の燃費がどれくらいなのかを把握しておく必要があります。
10㎞/ℓ → 70㎞
11㎞/ℓ → 77㎞
12㎞/ℓ → 84㎞
13㎞/ℓ → 91㎞
■まとめると・・・
ざっくりといえば、給油警告灯が点灯しても50㎞くらいなら問題なく走行できそうですね。
ただし、ガソリンスタンドまでの正確な距離がわからない場合はギリギリまで走るとガス欠のリスクがありますので、多少の安全マージンは残しておきたいところです。
燃費測定で気をつけたこと
つねに給油口ギリギリまでの満タン
どの車でもそうですが、燃料タンクから給油口まではパイプ状の注ぎ口になっていて、給油口ギリギリまでガソリンを入れると、タンクの容量よりも多く給油することができます。
なるべく正確に燃費を計測するには満タンにするときの基準もそろえておく必要があります。
自分しか乗らない車なので、つねに給油のしかたは同じ条件で行っています。
タイヤはノーマル、トリップメーターで計測
タイヤの外径が変わるとそのぶん走行距離の計測に誤差ができますが、タイヤのサイズはノーマルのままで空気圧の管理も一か月に一回おこなっているのでタイヤの有効半径にバラつきはありません。
エブリィの燃料タンク容量はわりと大きい
エブリィは貨物車がベースなので、実用性を重視していることもあって航続距離を長くするために燃料タンクは軽自動車としては大きくなっています。
■エブリィワゴン 燃料タンク容量
DA64W系 → 40L
DA17W系 → 37L
でも実際はもっとガソリンを入れられる?!
カタログなどに記載されているその車の燃料タンクの全容量は給油口のギリギリまで給油はしないと思うので、カタログでのタンク容量より少し多めに給油することができます。
エブリィの燃費を良くするコツ
エアクリーナーとプラグを交換したのがよかった?
7月の暑い時期なのでエアコンはかなり使いましたし、家族を乗せて走行もした瞬間もあり、「えらく燃費がいい??」と思っていました。
じつは数日前に目詰まりしまくっていたエアクリーナーエレメントと、107,000km無交換だったスパークプラグを交換したすぐでした。
燃焼効率と吸気の抵抗を改善したことで燃費が若干よくなっているかもしれません。
とはいえ、プリウスなどのハイブリッド車に乗っている同僚からは「燃費悪すぎ」と言われ続けていますw
タイヤの空気圧は高め
たかがタイヤの空気圧と感じるかもしれませんが、空気圧を半分にした状態で車を押してみるとメチャクチャ重くて押すのに苦労してしまいます。
それだけ、タイヤの空気圧が低くて潰れたままだと、大きな抵抗になってしまうので、タイヤの空気圧は常に高めに維持しておきましょう。
僕の場合、愛車のエブリィワゴンのタイヤ空気圧は、つねに前後とも2.7kgf/cm2くらいに調整しています。(※タイヤのサイズはノーマルの15570R13のままです)
車内に載せたままの荷物を減らす
エブリィは車内スペースが広いため、ついつい普段からいろんな荷物を載せてしまいます。僕も釣り道具やクーラーボックスなどなど、すぐに使わないようなものをそのままにしてしまいがちです。
とくに手洗い用の水タンクなんかは重いのでそれだけで余分にガソリンを消費してしまいます。
ゴルフバッグや仕事用の道具など、車の中がそのまま「走る物置部屋」となってしまっているユーザーさんもたくさんいますが、これをやめるだけでかなりの燃費対策になりますし、エンジンやターボをいたわることにもなります。
ターボチャージャーの使い所を意識する
アクセルペダルを「グイッ」という感じで踏み込んでいくと、エンジンの排圧が増えてターボチャージャーのブレードを高速で回転させることになり、相対するコンプレッサー側から強制的にエンジンへの吸気が行われます。
ターボ付きの車の場合、こんな感じで過給圧が上昇していくのですが、その瞬間はインジェクターから噴射されるガソリンの量もいっきに増量されます。
シンプルに言えば、ターボが効いているときは消費される燃料が一気に増えて燃費が悪化していることになります。
少しでも燃費を良くするためにはターボが仕事をしないようなアクセルワークを心がける必要がありますが、とはいえ「ターボ付きの車でターボを使うな」というわけにはいきません。
普段はふんわりとしたアクセルワークをしつつまわりの交通の流れに合わせつつ、加速が必要な瞬間だけターボの力を借りるようなイメージを持つだけでも燃費を向上させることができます。
とくにエブリィのように軽ワゴンのターボ車はタービンへの負担が大きいので、燃費が悪化する大きな原因となります。
加速中はエアコンをオフ??
エアコンのコンプレッサーを駆動させるとかなりエンジンに負担をかけるので、車を加速させているときは、ターボチャージャーがエンジンに加給圧をかけることとあいまって、その瞬間的には燃費が非常に悪くなります。
そのうえ、エアコンコンプレッサーにエンジンのパワーを取られてしまうので加速も鈍くなってしまいますし、コンプレッサーも高回転で駆動させるのでコンプレッサーの内部にも負担をかけてしまいます。
ちなみに、僕の場合はアクセルをオフにしてエンジンブレーキをかけているときや長い下り坂のときにだけエアコンのコンプレッサーを入れるという、かなりマニアックな燃費対策をしたこともあります。
ただ、こんな涙ぐましいことをしてもエアコンを入れたまま車のなかで休憩などしようものならまったくの無意味になりますね(笑)
エンジンオイルの管理と燃費の関係
「エンジンオイルを交換しないと燃費が悪くなる」
これは事実ですが、「どれくらい悪くなるのか」というと実際に数値化することは難しくなります。
今回はエブリィやエブリィワゴンにピックアップしたお話で、僕自身も8年以上新車の状態からエブリイワゴンに乗っているので、他のお客様の同一車種と比較したお話はすることができます。
エンジンオイルの管理に関しては整備士としてかなり気をつけたほうで、3000km前後で交換、オイルエレメントに関してはオイル交換2回に一回は交換するようにしてました。
お客様がお乗りの別のほぼ同年式のエブリィワゴンで、とくにエンジンオイルの管理がよくなさそうな方の燃費を効いてみると1Lあたりの燃費に2kmくらいに違いがありました。
とはいえ、走行条件やアクセルワークで燃費は大きく変わってきますので、あまり参考にはなりませんが、10km/Lを切ることがあるということなので、かなり悪化していると見受けられます。
太いタイヤは燃費の悪化につながる
エブリイワゴンでもグレードによって新車装着のタイヤのサイズが違っていて、
■PZターボ 155/70R13 タイヤ幅約155mm
■PZターボスペシャル 165/60R14 タイヤ幅約165mm
タイヤの幅(太さ)が約1㎝違っていて、カタログ上の燃費もそれぞれ違っています。
実際はオートステップや両側電動スライドドアなど、重量物も増えているので、燃費の違いはどちらかといえば、車両重量の違いが大きいです。
それでもタイヤの幅が違うことで燃費が悪化しやすくなることは間違いありません。
航続距離を競うソーラーカーなども可能な限り細いタイヤを装着して転がり抵抗の低減をはかっています。
もしもドレスアップのためにインチアップしたアルミホイールに交換してタイヤのサイズも変更しているなら、なおさら燃費の悪化につながることになります。
燃費を少しでも良くしたいならタイヤサイズは極力ノーマルのままにしておくことをおススメします。
「燃料満タンは燃費が悪くなる」のウワサ
ガソリンは1リットルの重量が約0.75グラムなので、タンク容量が40リットルのエブリィワゴンの場合、タンクが半分の20リットルだけの場合だと
0.75グラム × 20リットル = 15キログラム
つまり、燃料を半分にすることで15キログラムの軽量化ができることになります。
ただ、ガソリンを給油するために車を余分に走らせるための燃料消費ということが計算に入っていませんので、ガソリンスタンドまでの距離が遠い場合はかなり微妙になってしまいます。
そのうえエブリィワゴンは車両重量が重い軽自動車なので、車両重量が970キログラム、一人乗りの乗車でプラス55キログラム、トータルで1トンを超える車両重量に対しての15キログラムの軽量化ということになります。
どちらかといえば、すこし乱暴なアクセルワークをしてしまえば燃費はかなり変わってきますので、燃料の軽量化もあまり意味をなさなくなってきます。
まとめ
今回はエブリィワゴンの燃費と給油警告灯(給油ランプ)が点灯するタイミングについてのお話でした。
高速道路のサービスエリアのは50kmの間隔と決められていますので、つぎのサービスエリアまで走行できるだけの燃料が残っていることを前提に給油ランプが点灯するようになっています。
・DA64Wのエブリィワゴンの給油警告灯は約7Lほどで点灯する。
・燃費が10km/Lでも70kmほど走行できる
・高速道路のサービスエリアの間隔は50kmなので車の給油ランプもこれに準じている
とはいえ、過信は禁物で重い荷物や乗車定員でも燃費は悪化するので、早めの給油は大事ですね。
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