オートマチックオイルを交換しないと故障原因に?寿命も短くなるの?

オートマチック オイルパン スラッジ オートマチック

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

オートマチックオイルは、車を走らせるための重要なフルードです。

ですが、

どれくらいのサイクルで交換したほうがいいのかが曖昧なオイルでもあります。

「オートマオイル? んなもん交換しなくても車は壊れないよ」

とベテランドライバーのオジサンが、

まことしやかに言い切っているのを聞いたことがあります。

今回は、オートマチックフルード(ATF)を交換しないとどうなるのかを

僕の整備士経験をもとにお話ししていきます。

スポンサーリンク

オートマチックオイルを交換しないとどうなる?

オートマチックオイル(以下ATF)にはさまざまな役割があります。

オートマチックトランスミッション(以下AT)の中にはギアと呼ばれる歯車が入っていますので、

スムーズに動くように滑りをよくする「潤滑性能」が求められます。

そのほかにも

力を伝える「動力伝達機能」

変速するための油圧ソレノイドの動きを維持する「油圧作動」

エンジンからの熱やAT内部の摩擦熱を逃がすための「冷却機能」

湿式クラッチを適度に滑らせる「摩擦特性」

などがあります。

これらの機能はATFの劣化とともに少しづつ低下していきます。

ATFを交換しないことで、それぞれの機能が低下していきます。

ATFの劣化が進めば燃費の悪化も見られる

まず、初期の状態では燃費が少しづつ悪化することが挙げられます。

ただ、ドライバーのラフなアクセルワークなどで燃費は変わってしまいますので、

かなりシビアに燃費の計測をしないとわからない程度の変化です。

油温の上昇で金属部品の消耗が早まる

オートマチックの内部には多数のギアやソレノイド、アルミ製のバルブボディなどの金属の部品で構成されています。

これらはATFの潤滑機能で摩耗を抑えてくれていますが、ATFの性能が低下することで油温が上昇しやすくなります。

油温が高いままだと、金属部分への潤滑性能が低下してしまうので

接触しているパーツ同士が摩耗するのが早まってしまう原因になります。

摩耗した金属粉が循環しはじめる

さらに摩耗した金属部品の削れカスがATの内部から下側にあるオイルパンへ溜まり始めます。

オイルパンとは、ATの下側にある、ATFをためておく容器のような部分ですが、いったんここに還ってきたATFが再度ATの内部に吸い込まれていきます。

ストレーナーと呼ばれるATFを吸い込む部分には簡易的なフィルターが装着されていますので、大きなゴミがAT内部に入り込んでしまうことはありません。

↓ これは僕が撮影した、200系ハイエースのATオイルパンです
オートマチック オイルパン スラッジ

オートマチック オイルパン スラッジ2

スポンサーリンク

↑ 底のほうに銀色の鉄粉のようなのが見えるでしょうか?
このあと、掃除をして新しいATFを入れて出庫したのですがすでに手遅れ、高速道路で不調になってしまいました。

ただし、細かい粒子状のスラッジはフィルターではキャッチできないため、AT内部に流れていくことになってしまいます。

油圧ソレノイドの動作不良

この場合、とくに大事なのが潤滑性能で、金属部品の保護性能が低下することでギアーなどから出てくる金属の削れカスなどが多くなってきます。

僕の経験ですが、この金属粉たちが、油圧のソレノイドの動きを悪くすることがあり、変速がスムーズにいかないケースがありました。

整備士の間ではわりと有名というか、メジャーというか、MC系のワゴンRなんかは、ATFの交換をおこたるとソレノイドの動きが悪くなったり、

最悪では動かなくなったりで、変速しなくなるトラブルが多かったです。

もちろん他の車種でもよくあることなので、ソレノイドの作動不良はよくあることです。

そうなるとシフトアップがスムーズにいかなかったり、変速ショックが大きくなったりすることがあります。

もしも定期的にATFを交換していれば、ある程度の金属粉などを外に排出していけます。

オートマチックが故障する原因にはオイル管理も含まれる

汚れたATFのままで走行すると変速がスムーズにいかないことでエンジンの力が「ガツン」と急激に伝わってしまうことがあります。

とくに追い抜きをかけるときのキックダウンをすることで、ATに負担をかけてしまうのです。

まさに不調が不調を呼ぶという状況になっていくのです。

オートマチックの寿命はどれくらい?ATFの汚れも関係してくる

オートマチックがどれくらいで不調になるのかどうかは、メンテナンスも関係していますが、使用条件にもよります。

重い荷物や、乗車定員いっぱいで人を乗せる場合や、高速道路での加速、上り坂などなど、

エンジンのパワーを多く受けることでオートマチックの中の消耗品が摩耗していきます。

もしもATFを無交換のままで使用し続けていると

過酷な条件だと、十万キロ走行を超えたあたりから、明らかに変速ショックや変速のタイミングがおかしくなってきます。

メーカー側は、オートマチックの保証期間を五年または十万キロとしていますので、ATFを無交換でいいと説明しても問題ないのかもしれません。

まとめ

当たり前すぎることですが、

エンジンオイルやオートマチックフルード、ギアオイル、ブレーキフルード、パワステフルード、

どんな油脂類でも、劣化しない油脂などありません。

使い続けると少しづつ劣化しますし、不純物が混入することもあります。

このことを踏まえて、長く愛車と付き合いたいなら、オートマチックのフルードも交換したほうがいいです。

ただし、かなり劣化した状態から交換するのではなくて、まだ使えるくらいの段階でフルードの交換をすることをお勧めします。

走行距離によっては、整備工場も「もう交換はしないほうがいいです」とやんわりと交換作業を断られることもあります。

 

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました