DIYでブレーキパッドの交換をする際に、意外と苦戦してしまうのがブレーキキャリパーの奥にあるピストンの戻し作業です。
プロの整備士なら準備できる、ブレーキキャリパーのピストン戻しがない場合はどうにかして汎用の工具で対応しなければなりません。
もしもこの時にピストンが固着していると、作業が進まなくなるどころか元に戻せないような状況にもなってしまいます。
今回はブレーキパッドの交換の際に必要となるピストン戻しに使える代用品に関するお話です。
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ブレーキパッドのピストンが固着する原因
過走行車や雪国仕様の車は危ない
ブレーキパッドを、動かしているピストンは、ブレーキマスターからの油圧を受けブレーキフルードがリストを均等に押し出すことでブレーキが効くような構造になっています。
ところが長年の走行による度重なる熱の影響でピストンがうまく動かなくなることがあります。
またブレーキフルードの交換が定期的に行われなかったり、年間走行が極端に少なかったり、多かったりする場合もピストンが固着することがあります。
さらに凍結防止剤が使われるような積雪が多い地域では凍結防止剤に含まれる塩分のせいで、ピストンが固着することもあります。
ブレーキパッドのピストンが戻らないときの対処法
ブレーキを踏んでピストンを動かしてみる
もしもブレーキパッドの交換中にピストンが固着して戻せなくなった場合の対処法があります。
ブレーキマスターからの油圧はかなり強力なので、ピストンが固着気味になっていて押し戻すことができない場合は、運転席に座りブレーキペダルを少し踏み込んでみてください。
つまりブレーキマスターの力でピストンを戻すのではなく、さらに押し出してやることで動きを良くすると言うやり方です。
『押して駄目なら引いてみろ』の逆バージョンですね。
ただしこれは1人でやるとうまくいかないケースもありますので、できれば助手を運転席に座らせて、ピストンの動きを見ながらやってみてください。
もしも2ポットキャリパー等の場合は片側のピストンに外したブレーキパッドなどを挟みこませ、もう片方のピストンを単体で動く状態にしてブレーキペダルを踏み込んでみてください。
ただしとことんブレーキを踏みすぎてピストンが脱落してしまうと元も子もありません。
そのためこの作業は慎重にやってみてください。
もしもこれでベストが押し出されるようになると、今度はこの状態からウォーターポンププライヤなどを使ってリストを戻してみて下さい。
すると、不思議なことにベストを押し出す前の状態よりもさらに奥にリストが戻せるようになることが多いです
特に年間走行が少ない車の方が、特になりやすいのですが、同じ位置にリストが止まったままでいることでを保っているシールと呼ばれる部品が硬化する現象です。
ブレーキパッドのピストン戻しの代用品
プロの整備士もたまにやる?
ブレーキパッドの交換に使う定番の工具と言えばウォーターポンププライヤーです。
そのまま直接ピストンを挟んでしまうとピストンに傷をつけてしまうからと、嫌がる整備士もいますが、
ピストンにウエスをかませてからウォーターポンププライヤーを使うやりかただと、こんなトラブルはありません。
キャリパーの点検窓からドライバーを差し込んでこねる
↑ ディスクパッドとブレーキディスクの間に割り柄ドライバーなどを差し込んでこねていくと時間はかかりますがピストンをある程度戻すことができます。
少しでもピストンが戻っていればウォーターポンププライヤなどのジョーが届けばこっちのもの。
時間はかかりますがプライベーターなら汎用の工具でなんとかするやり方として覚えて置きたいところです。
プーラーを使ってピストンを押し込む
↑これはピストンを戻すためにステアリングホイールプーラーを流用するやり方で、意外とやりやすいのでおすすめです。
やりかたは簡単で、使用済みの古いディスクパッドをピストン側にあてがい、そこに上図のようにプーラーをセットするだけ。
あとはゆっくりとプーラーを締め込んでいくとピストンを戻していくことができます。
とはいいつつ、実際はブレーキピストンツールも自分で持っていますので、ふだんはプーラーを使ったりすることはありません。
2ポットキャリパーにもプーラー作戦は使える
2ポットキャリパーのディスクパッドを交換するときにもこのプーラーが活躍します。
↑ これと同じやり方をプーラーで行うこともできます。あてがうのが少し手間ですがしっかりセットできればあとはグリグリと締め込んでいくだけ。
このステアリングホイールプーラー、近所のアストロプロダクツで購入しましたが、とにかく値段が安くて丈夫なので助かってます。
価格も安いのでプライベーターにもおすすめのツールです。
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