ダイハツの低燃費な軽自動車の代表格といえばミライース。
ミライースに搭載されるエンジンは「KF」と呼ばれる型式のエンジンです。
このエンジン、燃費をとことん追求しているのはいいのですが、
アイドルストップなどが原因でスパークプラグに不具合を起こしてしまうケースもありました。
スパークプラグの取り外し方は比較的簡単にでき、
予防整備としてDIYでやってみるのもおすすめです。
当ブログのテーマの一つとして「車の維持費の節約」も込められています。
今回は自分でスパークプラグの交換をやってみては、というご提案です。
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ダイハツのディーラーでスパークプラグの交換を依頼すると、作業料金として、3000円~4000円くらいは請求されると思います。
整備士資格を保有するメカニックが時間を割いて作業をするわけですから、これくらいは相場だと思います。
ですが、スパークプラグの交換は、特別な工具や知識が必要なわけではありませんので、自分で作業をすることもできます。
節約できる金額としては、工賃がそのままカットできることと、長寿命タイプのイリジウムプラグもネットで安く購入できます。
この場合、ディーラーでプラグを購入する場合の三割くらいは少なくとも安く済ませることができるでしょう。
ミライースのDIYの定番のプラグ交換のやり方
DIYでスパークプラグを交換するための工具
今回はミライースのスパークプラグ交換を例にしていますが、基本的には必要な工具もほぼ同じです。
必ずこの工具じゃないとダメというわけではありませんが、僕が普段ミライースのプラグ交換をするなら使用している工具を紹介します。
●ラチェットハンドル(9.5sq)●エクステンションバープラグレンチ
●10㎜ボックスレンチ
●クイックスピンナー(これはなくてもいいです)
●軍手やメカニックグローブ
●マイナスドライバーの細いものがあると便利
これらの工具はカー用品店でも購入できますし、最近ならネットでそろえることもできますよね。
それに、高価な工具をそろえる必要なありません。
スパークプラグの外し方
↓まずはエンジンルームの中央に見える黒いエアクリーナーの手前のダクトを取り外します。
↓小さな樹脂のクリップを引き抜き、ダクトを両手で持ってグリグリと手前に引くと外れます。
↓むき出しになって見えているのがイグニッションコイル
↑イグニッションコイルを固定している10㎜のボルトを緩めます
↓次にイグニッションオイルに差し込んであるカプラーのツメを起こして引き抜きます。
↑細いマイナスドライバーがあれば便利ですが、指でつまんでも外せます。
↑イグニッションコイルを引き抜きます。
↑プラグレンチとエクステンションバーとラチェットレンチを使ってスパークプラグにあてがい、しっかりと正対させて緩めます。
もちろん左方向(反時計回り)が緩む方向ですね。
走行距離が多い車両の場合は、前述の僕の経験であったように固く締まっていることもあります。
あまりにも緩められない場合は無理をせず整備工場に相談したほうがいいケースもあります。
無事にプラグを外すことができれば、同じような要領で、2本目、三本目とプラグを外していきましょう。
ミライースに適合するイリジウムプラグ
当工場では長寿命タイプのスパークプラグを車検などでお客様におススメすることもあります。
とくに新車からイリジウムプラグや白金プラグを装着している車両には、純正の新車装着プラグよりも社外品のプラグをおすすめしています。
スパークプラグに関しては純正のプラグよりも社外品のほうが、値段もほとんど同じくらいで、より高性能なものが多いのです。
今回紹介する、NGKの長寿命プラグ「LKR6AIX-P」だと税別で2400円します。
基本的にディーラーなどの部品は定価のままが多いです。
ディーラーで購入
2400円×3本=7200円
ネットで購入(30%引きだと)
1680円×三本=5040円
差し引き2160円お得となり、工賃が3000円だとすると
5160円の節約ができる計算になります。
安い工具でもできることなのでトライしてみるといいですね。
このプラグの特徴ですが、中心電極はイリジウム、外側電極にはプラチナを溶着させてあるという、なかなかに贅沢な(?)ものです。
しかも、新車装着のプラグと200円しか変わらないので、断然こちらがお得感があり、ネットで購入ならさらに割安となります。
もちろん交換する場合は三本セットで交換しましょう。
スパークプラグの取り付け方と注意点
次に、新しいスパークプラグをエンジンに取り付けていきましょう。
本来ですと、エアガンがあればプラグのついている穴(プラグホール)の中を軽くエアブローしてあげることが望ましいです。
なぜなら、シリンダーヘッド側のねじ山に付着した粉状の金属粉を飛ばすことができて新しいスパークプラグがスムーズセットできます。
だたし、やらなくても基本的に問題はないです。
それでは新しいスパークプラグを取り付けていきましょう。
プラグレンチ、エクステンションバー、そしてクイックスピンナーという組み合わせにして、取り付けを始めます。
プラグレンチにイリジウムプラグを取り付けたら静かにプラグホールに差し込んで、ゆっくりと手で締めこんでいきます。
手で締めていきながら、ギュっっと当たって締められなくなったらOK。
同じ要領で隣のプラグホールにもプラグを手で締めていきましょう。
三本とも手締めでセットできたら、今度はラチェットを使って本締めしていきます。
ここで大事なのは、それぞれの工程を連続してやっていくことで、テンポよくしかも締め付けトルクにばらつきができないのでおすすめです。
新品のスパークプラグの締め付けトルクとは
本来はトルクレンチを使ってやる作業なのかもしれませんが、ほとんどの整備士さんは僕も含めてスパークプラグに関しては、自分の手の感覚で締めています。
スパークプラグの締め付けトルクに関してはプラグのネジ径によって違います。
プラグのネジ径 締付トルク
φ18mm 35~40N・m(3.5~4.0kgm)
φ14mm 25~30N・m(2.5~3.0kgm)
φ12mm 15~20N・m(1.5~2.0kgm)
φ10mm 10~12N・m(1.0~1.2kgm)
φ8mm 8~10N・m(0.8~1.0kgm)
今回のミライースの場合、プラグのネジ径は12mmですので本来の締め付けトルクは
φ12mm 15~20N・m(1.5~2.0kgm)となります。
スパークプラグを手の感覚で締め付けるやり方
取り外したプラグと新品のプラグのガスケットをよく観察してみてください。
古いほうのプラグのガスケットはつぶれて薄くなっていますね。
この金属製のガスケットのおかげで燃焼室の圧力が外に漏れ出さないようになっています。
新しいプラグもこのガスケットが適度につぶれながら締まっていくおかげでしっかりと燃焼室の密閉性を守ってくれるのです。
そのため、新しいスパークプラグと、いったん外した使用済みのスパークプラグでは、締め付けていくときの感覚がすこし違います。
新品のものはガスケットがつぶれながら締まっていくので「ぐにゅ」という感覚があります。
それでは新品のスパークラグの締め付けをしていきましょう。
ラチェットレンチでガスケットが密着するまで軽く締めていきます。
コツリととまったら、そこがガスケットが密着した状態です。
この状態でラチェットレンチを水平方向にしてみると、
この位置は、時計でいうなら3時の位置にハンドルがありますよね。
今回の12mmの新品のプラグだと、ガスケットが当たった状態から180度の角度で締めていきます。
180度で締めるなら、時計の3時の位置から9時の位置まで締めることになります。
実際に締めていく場合だと、ラチェットレンチを30度締めて、また30度戻して、また30度締める。
これを3回繰り返すと90度締めたことになります。
つまり30度×6回=180度となります。
この感覚を覚えたら、テンポよく残りの二本のプラグも締めていきましょう。
ここまでできればプラグ交換のキモとなる作業は終わったようなもの。
あとは外した部品たちを丁寧に確認しながらもとにもどせば完了です。
すぐにエンジンをかけてみたい気持ちはわかりますが、少しだけ我慢。
もう一度エンジンルームの中をよく観察しておきます。
・部品の戻し忘れはないか
・工具を置き忘れていないか
・カプラーなどを差し間違えてないか
などを落ち着いて確認しましょう。
しっかりと見直して、「大丈夫!」と確認できればエンジンを始動してみます。
もしもなにかしらの問題があればエンジンがグラグラと揺れるような状態になってしまいます。
エンジンがスムーズに回転しているようなら作業完了となります。
自分で作業をすることで、車に対する愛着も沸いてきますね。
以上、今回のお話は終わりです。
コメント
φ12mm 15~20N・m(1.5~2.0kgm)
匿名さま。
締め付けトルクのご指摘、ありがとうございました。
記事の加筆修正をいたしました。
情報を発信する者として気をつけてまいります。