車の前面にはラジエーターがありますが、
よくみるとそれはラジエーターではなくエアコンのコンデンサーだったりします。
ラジエーターにしろ、エアコンコンデンサーにしても、わりと低い位置にあるので、
走行中に前の車が跳ね上げた小石が飛び石となって当たることもよくあります。
とくに山道などでは、対向車が跳ね上げたものも飛び石になる可能性もあります。
もしもコンデンサーに飛び石が当たったらエアコンはどうなるのでしょうか?
▼ 関連記事▼
【カーエアコンまとめ】エアコンが冷えない・異音がする・臭いなどの疑問にお答えします
コンデンサーに飛び石が当たったら確認すること
まずは目視でコンデンサーを確認
コンデンサーはエアコンの冷媒となるフロンガスを冷やすための装置です。
そのため、ラジエーターとよく似た形状をしていて、フィンと呼ばれる冷却効率を上げるためのヒダのような部分がバンパーの奥に見えます。
コンデンサーはアルミでできているので比較的柔らかく、指で押してもフィンは簡単につぶれてしまうくらいの強度しかありません。
走行中、コンデンサーに飛び石が当たると小さな小石くらいでもフィンはつぶれますが、一部のフィンが潰れただけではとくに問題はありません。
まずは車を安全な場所に止めて目視でコンデンサーを確認してみましょう。
問題ない場合はフィンが部分的に潰れているだけのケースで、そのまま車を使用してもかまいません。
修理が必要な場合とは、コンデンサーの飛び石の後に小さな黒いシミがある場合です。これは、エアコンのガスが漏れている証拠なのです。
エアコンのガスが漏れ出すケース
飛び石の中には大きめの石などが当たってしまうことがありますし、かなりのスピードが出ている場合はコンデンサーに穴が開いてしまうことがあります。
さらに怖いのは対向車がダンプカーなどで、小石を落としながらすれ違った場合などは、対向車の車速も乗っていますので、コンデンサーにぶつかった場合は確実に損傷をうけます。
このような場合、コンデンサーの中からエアコンの冷媒となるフロンガスが漏れ出します。
ガスが漏れている部分はフロンガスと一緒にエアコンのコンプレッサーオイルもそこから漏れ出してきますので、少し濡れたようになっています。
コンプレッサーオイルは水のように蒸発することはありませんので、コンデンサーの損傷を受けた部分は黒いシミとそこに虫やほこりが付着しまままになっています。
コンデンサーからガスが漏れ出した場合
コンデンサーはもともとエアコンが作動している間だけ機能するものです。
エアコンコンプレッサーへの電源が入ると冷媒ガス(フロンガス)が圧縮され、コンデンサーの中を通過していくときに冷却されます。
そのため、エアコンを作動させている間は、コンデンサーの内部は高圧に圧縮された冷媒ガスが流れています。
そのため、飛び石などでコンデンサーに穴が開いてしまった状態でエアコンを作動させると、冷媒ガスの漏れ方が早まる可能性が高いです。
そのため、みるみるガスが抜けていき、最終的にはエアコンガスが不足することで、エアコンコンプレッサーに電源が入らないようになります。
エアコンガスが少ない状態でコンプレッサーが圧縮するとコンプレッサーが壊れることがあるので、
一定以下のガスの量になると、プレッシャースイッチから電源が入らなくなるのです。
軽自動車のコンデンサー交換費用
フロンガス、○リングの部品代 4000円ほど
コンデンサーの交換作業料金は15,000円~25,000円
ただし、一部の軽自動車はコンデンサーと周辺のパイプやリキッドタンクと呼ばれるフィルター部分が一体型になっているものもあり、その場合はコンデンサーの値段が跳ね上がり、およそ50,000円くらいはするケースがあります。
普通車のコンデンサー交換費用
これも車種によってかなりコンデンサーの部品代が違ってきます。
コンパクトカークラス
フィットやヴィッツなどのコンパクトカークラスだと、軽自動車と変わらないくらいの修理費、またはプラス10,000円くらいで終わることが多いです。
ミドルクラス
コンデンサーの交換をする場合、ほとんどはフロントバンパーを外すことになるのですが、バンパーの脱着にどれくらいの作業料金が発生するかどうかでトータルの修理費がかなり違ってきます。
フロンガス、○リングの部品代 4000円ほど
コンデンサーの交換作業料金が 15,000円~35,000円
おおよそこれくらいは必要だと思われます。
SUVなどの大型車クラス
例えばトヨタのランドクルーザーくらいの車格になってくると、コンデンサーの部品代も交換作業料金もかなり開きがあります。
さらにレクサスなどの高級車クラスになれば、バンパーの脱着費用も跳ね上がるので、ちょっとした外車並みの修理費が必要になってくるでしょう。
まとめ
飛び石などで車の前面にあるコンデンサーに傷ができた場合は、まずは目視で傷の状態を確認しましょう。
そのとき、傷の周辺が濡れたようなシミができている場合は、コンプレッサーオイルが漏れ出しているので、ガスも漏れているということになります。
その場合は、エアコンはできるだけ使わず、ただの送風や暖房はかまいませんが「AC」のボタンは押さないようにしましょう。
残念ながらコンデンサーの修理はできませんので、交換することになるのですが、フロンガスを抜いたり、
車種によってはバンパーを外したりする作業をするので、コンデンサーの交換にはそれなりの修理費が必要となります。
コメント