ディーラーは整備工場のなかでもちょっと敷居が高いイメージがありますね。
もしもディーラーに車検を依頼してしまったら、どんなに高額な見積もりを出されても車検をするしかないのでしょうか。
場合によっては車検を断るとキャンセル料金を請求されることもあります。
ディーラーでの車検は途中で断ることはできるのか?
高額修理を知ってからキャンセルすることができるのか?
今回のお話はそんな疑問にお答えしていきます。
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ディーラーの車検を断ることはできる?
すでに点検が終わっている場合
基本的にはディーラーの車検の進め方は、代車を用意しておいて車を預かってしまうやり方です。
そのため、すでに車を預けて整備士が車の分解や点検を完了してしまったうえでのキャンセルとなると、断るのはかなり勇気がいりますね。
ただ、この状態からでも車検を断ること自体は問題ありません。ディーラーも商売でやっているので、お金を払う側としては、はっきりと「キャンセルしたいです」と断ってもいいのです。
ただし、点検が終わっている場合は、その状態に進めることでディーラー側にもコストがかかっている場合はキャンセル料金を請求されることがあります。
この場合でのコストとは、主に整備士が動いて車の点検をしてくれていることです。ちなみに代車を借りていたとしても代車そのものに料金を加えることは基本的にできません。
なぜなら、お金を取って車を貸す場合は「レンタカー登録」をした車でないといけないのです。
事前見積もりだと断りやすい
車検に合格する状態かどうかとか、できるだけ交換したほうがいい部品などを先にある程度出してくれるのが「事前見積もり」です。
事前見積もりはディーラーの場合は予約が必要なことが多いですが、基本的には無料でしてくれますので、もしも高額な車検になりそうならまずは事前にある程度の整備のプランを立てるためにも事前見積もりをしておきましょう。
もしも、事前見積もりをして作業内容を把握したうえで車検に取り掛かったとき、事前見積もりよりも大幅に見積もりが増えた場合などは断りやすいというメリットがあります。
ユーザー側としては
「これくらいの金額で車検が終わるっていうから受けたのに・・・」
という切り出し方をすれば車検のキャンセルも言いやすくなります。ただし、この場合でもキャンセル料金は請求されます。
車検の費用が高額になったら断るべき?
高いか安いかの判断を冷静にする
たしかにディーラーの車検のなかには非常に高額な車検の見積もりを「しれっ」と出してくる場合もあります。
売り上げが足らなくて困っている店長や工場長もいますから、あまりメカニックに詳しくなさそうなお客様に、やれ添加剤だ、やれワングレード上のタイヤだのと勧めてきます。
これらを全部依頼していたら、予定よりも十万円以上の車検になる可能性も十分にあります。
この場合、大事なのは高額になっている理由というか内容です。ただ単に高いタイヤが四本入っているとか、おススメな整備がどっさりと入っているだけなら、整備の内容を減らすなり、タイヤなら安いものに変更してもらうことも可能です。
ところが、オイル漏れだとか、タイミングベルト、オートマチック内部の不具合などからの高額修理なら、キャンセルして乗り換えしてしまってもいいかもしれません。
また乗り換えはせずに修理をする場合でも他の整備工場に同じ作業を依頼すれば随分と安く上がってしまうこともありますので、ここはハッキリと「予算オーバーだから」と切り出してもいいでしょう。
ただしこの場合はもう一度車検を依頼するという「出戻り」はできないです。
車検を途中でやめるときの注意点
上手な断り口上で切り抜ける
車検を依頼して、車も預けている状態から、高額な修理の見積もりの報告を受けたとき、乗り換えをするつもりだけどディーラーで新車を購入するつもりもなく、
中古車を専門店で購入しようという考えが頭によぎったとき、どうやってディーラーでの車検を断るべきなのか、すこし言葉が見つからないことがあるかもしれません。
そんなときは
「この車は親せきにあげるからいったん車検はキャンセルしたい」
みたいな断り方もできます。
もちろんベテランの整備士や営業さんは、そこらへんの事情というかパターンはわきまえているので内心は
「出たよ、いつものヤツ」
と思うかもしれませんが、本当に免許取りたての親せきの子供に車をあげることもあるので、「そうですか」とあっさりとキャンセルに応じてくれます。
ただし、やり手の営業さんならそこらへんはしっかりと見抜いていますので、どうにかして自社での乗り換えにできないかと、
あれこれ提案をしてきますので、そこは「自分の一存では決められないし、もう約束しちゃったから」と、その場にいない誰かのせいにしてしまうのがいいですね。
キャンセル料金が発生するケースも
すでに分解や点検が完了してしまっている段階で車検を断る場合はキャンセル料金がかかることが多いです。分解に携わったスタッフの人件費がかかってしまっているので、ここは素直に応じるしかないでしょう。
もしも例外的にキャンセル料金がかからないとすれば、そのディーラーで新車の購入や車検する予定だった車も下取りや廃車にする場合は、サービスや値引きの一環として分解点検のキャンセル料金は請求されないことがあります。
まとめ
ディーラーでは、車検は完全予約制になっていることが多いので、車検をキャンセルされてしまうと無駄な労働をすることになり、別の車に充てるはずだった時間を浪費されてしまうことになります。
そのため、基本的には点検や分解を完了した後の車検を断る場合はキャンセル料金は請求されることが多いです。
ただし、車検の事前見積もりをしたうえでの車検なのに、見積額が大幅に上がった場合は、「こんなはずじゃなかった」と金額が予算オーバーになってしまったことを伝えたうえで断ることができます。
この場合、他のディーラーや中古車屋さんで次の車を購入するつもりだ、などと余計なことは言わないほうがいいでしょう。
コメント
サボカジさん初めまして。20代学生です。記事作成ありがとうございます。とても参考になりました。
ご相談があります。
先週ビッグモーターにて車検をお願いして見積もりをとった所12万円ほどでした。これくらいならと車検をお願いしましたが、納車日を過ぎても何も連絡なく、こちらから連絡した所、
「左ヘッドライトの配線に不具合があり、ヘッドライト自体の交換が必要なため納期が遅れてしまった」
と言われました。ヘッドライトの交換をする場合、部品代が追加でかかるそうなのですが、追加で費用を払う余裕がもうありません。いっそのこともう車検をキャンセルして売却・廃車しようと考えています。工賃などのキャンセル料はかかってしまうようですが、相場としてはどれくらいかかってしまうものでしょうか。
以下車検の内訳です。
・車検整備費用 45,510
・ブレーキオイル交換+部品 3,300+2,750
・ワイパーブレード取替+部品 1,100+10,340
・ハイビームバルブ交換+部品 4,400+4,950
以上、自賠責保険・重量税合わせて12万円ほど既に支払いました。
所有している車は、
Audi TT 8NBVR (2006年)
です。中古で60万円ほどで購入しました。
キャンセル料は高めにつくと予想しますが、高めの勉強料として受け止めます、、
今後はもっと慎重に検討するようにしたいと思います。
お忙しい中恐縮ですが、お手隙の際にご返信いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
Haoping様
当ブログをお読みいただきありがとうございます。
ご相談いただいた件ですが、
>納車日を過ぎても何も連絡なく、
>こちらから連絡した所、
>「左ヘッドライトの配線に不具合があり、
>ヘッドライト自体の交換が必要なため
>納期が遅れてしまった」
>と言われました。
↑
まずこの部分ですが、先にもらった見積書に載っていない作業内容を、ご本人に報告をしないままで車検を進めていることが問題ですね。
点検のどの段階で左ヘッドライトの不具合が判明したのかはわかりませんが、すぐさま報告をするべきです。
ですので、
・そもそも納期が遅れても報告がなかったこと
・ヘッドライトの不具合を事後報告にして車検をすすめたこと
上記の2点はプロとして「過失」だと指摘していいと思います。
ですので、先方にはそのことを伝え、
「追加の作業が必要になったら言ってほしかったし、その段階で車検をやめていた」
と切り出してから、なんとか当初の金額で車検を終わらせられないかと交渉してみてください。
また、すでにヘッドライトを注文してしまっている可能性もあり、外車は返品がきかないのでどうにかしてHaoping様に追加料金を支払ってもらおうとするかもしれません。
その時は「そんな高額な部品の発注は持ち主に了解をもらってからするべきでしょ?払えません」とはっきり言ってもいいでしょう。
また、
>以下車検の内訳です。
>・車検整備費用 45,510
>・ブレーキオイル交換+部品 3,300+2,750
>・ワイパーブレード取替+部品 1,100+10,340
>・ハイビームバルブ交換+部品 4,400+4,950
>以上、自賠責保険・重量税合わせて
>12万円ほど既に支払いました。
これは車検を依頼して作業をする前に支払ったのでしょうか?
先に全額を払ってからでないと作業を進められないのであれば、まだ自賠責保険の証券も発行してないでしょうし、車検証の更新もしていないはずです。
上記の前提であれば、使ってしまった部品は返品できないので買い取らないといけませんし、部品交換の作業量も難しいですが、車検の整備費用の45,510円は全額支払わなくていいと思います。
当然、法定費用の自賠責保険料や重量税は車検の更新をしていないなら全額返金されると思います。
あとは整備費用45,510円の一部をキャンセル料として差し引き、残りを返してもらえるかどうかですが、ここは先方にも手落ちがあったことを強調して交渉してみてください。
ちなみに、僕の勤務する整備工場では、車検をキャンセルする場合は分解点検をしたあとなら3000円+税を請求しています。
作業を進めている段階でキャンセルを申し出てきた場合は、返品できない部品はお客様の買い取り、作業が完了している部分は作業料金も請求する、という感じです。
ただ、整備工場側に非がある場合は部品交換の作業料金もいただかないケースもありましたね。
以上、なにかしらの参考になれば幸いです。
サボカジ
サボカジさん、お忙しい中ご返信ありがとうございます。
サボカジさんのアドバイスを元に、本日ビッグモーターへ行ってきました。
整備士さんに聞いたところ、
「ヘッドライト部分を分解して配線のどの部分でショートしているか調べていたため、遅れてしまっていた。」
とのことでした。しかしまだどこの部分で配線が死んでいるかわからないとのことでした。
そこで、
> 当初の金額で車検を終わらせられないか
を申し出たところ、
・ヘッドライトの部品の追加注文はまだしていない
・ヘッドライトの配線を再度確認して、修理できそうであれば、見積もり時の金額で行えます
とのこと。
・ヘッドライトの追加注文するかどうかの確認は明日またさせていただきます
とのことでした。
> 先に全額を払ってからでないと作業を進められないのであれば、まだ自賠責保険の証券も発行してないでしょうし、車検証の更新もしていないはず
確認したところ、まだ自賠責・車検証も発行していないようでした。
キャンセルをする場合、キャンセル料はハイビームバルブとワイパーブレード「部品代のみ」で大丈夫とのことでした。約1万五千円ほど。こちらは交換作業もしてしまっていたので、返品はできなそうでした。
今後は、
ヘッドライトの追加注文が必要な場合→車検をキャンセルして売却・廃棄
当初の料金で車検可能な場合→車検をお願いする
の予定でいこうと考えています。
キャンセル料は高い勉強代として、今後の糧にしていきます、、
2年乗った愛車で、手放すのは惜しいですが、、
初めての車検で不安な中、サボカジさんのアドバイスで冷静に対応できました。
お忙しい中ありがとうございました!
Haoping
Haoping様
初めての車検、わからないことが多かったと思います。
いきなりの愛車とのサヨナラは寂しいですし、愛車の車検が予定どおりに完了できるといいですね。
またなにかあればコメントくださいね。