普段から当たり前のように使っているカーエアコンですが、どんな仕組みで冷えたり暖まったりするのかご存じでしょうか。
また、教習所では車の運転方法は教えてくれますが、エアコンに関しては視界確保以外の使い方などは教えてくれないですね。
今回は、意外と知らない、カーエアコンの仕組みや構造、正しい使い方などを解説していきます。
カーエアコンの仕組み
暖房は冷却水の熱を再利用
車の暖房はエンジンを冷却する冷却水を室内に1部だけ取り入れて、その水温の温度を取り出して暖房にしています。
そのため本来ならラジエーターなどで冷却されて失うはずの熱を利用するのであまり熱損失やエネルギー損失にはなりません。
ただしエンジンが暖まるまでの間は冷却水の水温も上がっていないのでエンジン始動直後は暖房が効きにくいというデメリットもあります
冷房は冷媒装置で冷やされる
暖房は車の熱を利用するのに対して、冷房はフロンガスと言う冷媒を使ってエンジンの動力を利用しながら強制的に冷たい風を作っています。
その仕組みは簡単に言えば気化熱と言う現象を利用しています。
気化熱とは簡単に言うならば注射をする時肌にアルコールを塗るとひんやりとしますよね。これはアルコールが蒸発していくときに一緒に肌の温度も奪っていくからです。
この現象を利用して冷房もフロンガスを圧縮し圧縮されたフロンガスがエキスパンションバルブと言う細いノズルのようなところから噴射される時に気化熱を発生させます。
このようにして気化熱を利用するには暖房よりもはるかに大掛かりな装置が必要となってきます。
まずはフロンガスは圧縮するエアコンコンプレッサー、続いてコンプレッサーで圧縮されて液化されたフロンガスを冷却するコンデンサーがあります。
さらにコンデンサーは後になっているのでそのコンデンサーを冷却するための電動ファンが装着されています。
さらに足分されてきかされたフロンガスを一時的にきれいにするためのリキッドタンクと呼ばれるいわばフィルターのような部分もあります。
そこから圧縮されて浄化された液化フロンガスは運転席の室内にあるエバポレーターと言う部分のすぐ隣にあるエキスパンションバルブの狭いノズルの先端から一気に噴射されます。
その結果エバポレーターは強制的に冷却されます。
エバポレーターは熱交換器になっていますのでエバポレーターのフィンの間をブラモーターから風を通しそこを通過した風は冷たくなって運転席及び助手席の噴き出し口へ送られます。
これでフロンガスのサイクルは一旦終わりです。後は同じようにエバポレーターを通過したきかされたフロンガスはまたエアコンコンプレッサーに送られそこで圧縮されると言う流れになっています。
よくエアコンガスは減るのですかと言う質問を受けることがあるのですが、上記のようにフロンガスは基本的には減る事はありません。
実際はそれぞれの配管の継ぎ目から少しずつロスしていくことが多いです。
カーエアコンの構造
冷房と暖房を適度に聞かせるためのエアミクスチャードア
カーエアコンの暖房には車の冷却水からの熱い風が送られてきます。
その一方でエアコンコンプレッサーで圧縮されたフロンガスが冷媒となり、エバポレーターで冷たい風が作られています。
この2つの暖かい空気と冷たい空気を適度に混ぜることによって運転手にとって暑くもなく寒くもないと言う温度調整が成り立ちます。
それを調整してくれているのがエアミックスドアとか、エアミクスチャーダンパーと呼ばれる部分です。
ここはマニアルで操作をするタイプのエアコンなら、冷たい風と暖かい風の調整つまみがありますよね。
このつまみを動かすことでエアミックスドアの角度が変わります。
暖かい風のほうにエアミックスチャードアのフラップと呼ばれる板のような部分が大きく開けばより暖かい風を多く取り込みます。
同じようにエバポレーターのほうにエムミクスチャードアのフラップがより開けはより冷たい風が運転席に送られてきます。
またエバポレーターは非常に冷たくなるためそこを通過する風は結露と言われる水分を凝固させる現象のおかげで湿った空気でも湿気を取り除いてくれる効果があります。
カーエアコンの正しい使い方
デフロスターの使い方
冬場の窓ガラスが曇った状態などでは暖房をかけつつもエアコンのスイッチを入れることで、曇ったガラスの曇り取りをするために乾いた風を作ってくれるという効果もあります。
この機能をデフロスターとか、デフォッガーなどと呼んでいます。
特にフロントガラスの内側からの曇りは視界が悪くなることで非常に危険な状態になってしまいます。
そこで速やかに家窓の曇りを取るためにエアコンのコンプレッサーから圧縮されたフロンガスがエバポレータを冷却しその部分を通過した所出された乾いた空気がフロントガラスの内側に吹き出しされます。
こうすることであっという間に曇った窓ガラスをクリアにすることができます。
そのため冬場でもエアコンのACスイッチは使うことがあるということを覚えておいてください。
外気導入と内気循環の使い分け
フロントガラスのすぐ前川にある外の空気を取り入れるダクトがあります。
普段はワイパーゴムのすぐ近くにあって見えづらいのですが、走行中の走行分をこのダクトからうまく室内に取り込むことができるようになっています。
外側の空気を取り込む必要がある場合とは、例えば室内の温度がかなり上がっている状態では速やかにエアコンを聞かせる場合は外側の冷たい空気を取り込む方が素早く室内を冷やすことができます。
また室内の空気が非常に湿度が高い場合などは外側の乾いた空気を取り込むことで車内の湿った空気を乾いた空気に換気することができます。
それに対して内気循環の機能を使う場合は車外の空気が後になっているような夏場の場合だと外の空気を取り込むことでエアコンの効きが悪くなってしまうケースがあります。
こんな場合は車内の空気をひたすら循環させる方がエアコンが安定して効くことになります。
また、内気循環にしておくことで前方を走るディーゼルエンジンの黒煙混じりの空気を車内に取り込みたくない場合などは、外側からの空気の流入をシャットアウトすると言う意味で使うこともあります。
まとめ
最近の車の場合はオートエアコンになっているケースが多く、オートのボタンを押せば車が自動的に車の中を快適にしてくれます。
これはエアコンアンプと呼ばれるエアコンを制御する専用のコンピューターがあり、そのコンピューターの判断で外気導入を選んだりしてくれています。
ですがたまに不適切に感じる操作をしていることもありますし、前方の臭い空気が社内に入ってくることを運転手がマニュアル操作で防ぎたいこともあります。
要するにオートエアコンに任せっぱなしにするのも良いのですがそれぞれの機能の意味を知ることでさらにカーエアコンを便利に快適に使うことができるのです。
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