軽自動車に乗っている方がよく感じるのは家エアコンを入れた途端、
ものすごく走りが悪くなると言うことではないでしょうか。
さらにエアコン自体もあまり聞きが良くなって、特に渋滞にはまった時などは
ほんとにこれ冷房効いているの?と言う位効きが悪い事は無いでしょうか。
今回は軽自動車のエアコンがどうしてこんなに気が悪いのかをご説明しています。
軽自動車のエアコンの効きが悪い理由
軽自動車の排気量がネック
ご存知のように軽自動車のエンジンの排気量は660 CCとなっています。
この排気量と言うのはエンジンの馬力だけではなくトルクと呼ばれる低い回転でも力を発揮できるかにかなり影響してきます。
カーエアコンの冷房をしっかりと聞かせるにはフロンガスの圧縮を効率よくしないといけません。
特に低回転域でエアコンの効きを良くするには圧縮比を高めるしかありませんが、軽自動車の場合あまりにもエアコンコンプレッサーの容量を大きくしてしまうと車の排気量に対するコンプレッサの負担が大きくなりすぎてしまいます。
こうなると走りに大きな影響が出たり燃費が非常に悪くなったりしてしまうので排気量とエアコンコンプレッサーの容量はある程度のバランスを取らないといけません。
そもそも軽自動車のエアコンはそれほど冷房が効くような設計にはなっていないのです。
軽自動車の生産コストも関係している
軽自動車は一定の価格対応されないとライバルに価格競争で負けてしまいます。
そのためそれぞれの機能に対してコストがギリギリに達成できる位の品質に落としています。
軽自動車のエアコンコンプレッサーはベーンポンプタイプと呼ばれる、比較的ローコストに作れるコンプレッサーを採用していることが多いです。
このタイプのポンプは回転数が下がると能力が落ちてしまい、能力が安定しないデメリットがあります。
部品点数が少ないぶんコストを抑えられるコンプレッサーが採用されているのも軽自動車ならではなのです。
軽自動車のエアコンがうるさい理由
軽自動車の電動ファンの形状
軽自動車の場合、冷房を使うためにACスイッチを入れるといきなり「ブーーーン」とエンジンのあたりから電動ファンの音が聞こえてきます。
それにしても軽自動車の電動ファンの音はどうしてあんなにうるさいかお分かりになるでしょうか。
軽自動車の電動ファンはスペースの関係で直径が小さくコンパクトにできています。
小さなファンなのでその分回転数を増やして風の量を増やしています。その結果、やたらと大きな風切り音がするようになってしまうのです。
また、もともと容量の小さいコンデンサーを冷やす時間も長めに取らないといけないので、電動ファンが回転している時間も長めになりがちです。
アイドルアップも無視できない原因
エアコンのスイッチを入れると、エアコンコンプレッサーとエンジンがベルトを介してつながるので、エンジンの力をおおきく奪われます。
アイドリング中だと、エンジンの回転がガクンと落ちてそのままエンジンが止まってしまいそうになります。
そのままでは発進するさいに、もたついてしまったりエンジンストールしてしまうこともあるため、
エアコンコンプレッサーのマグネットスイッチへのスイッチング信号が入ると同時にエンジンのアイドリングも300rpmほど上昇するようになっています。
アイドルアップをすることでエンジン周辺の音も大きくなってしまいますので、これもうるさくなってしまう原因となります。
軽自動車はエアコンを使うと大幅にパワーダウンする
5馬力の意味
エアコンのコンプレッサーを駆動するには約5馬力の力が必要と言われています。
軽自動車の最高出力は最もハイパワーなモデルでも64馬力、実用的なモデルだと50馬力にも満たないので、
この5馬力をエアコンに奪われるというのは、3000㏄クラスの車の200馬力から5馬力を奪われるのとは意味あいが違います。
50馬力の軽自動車にとっては5馬力をエアコンに奪われるということは10%のパワーを奪われることになります。
これは運転していてもハッキリと「走らなくなった・・」と体感できるレベルです。
アクセルワークでコンプレッサーをキャンセルできる
すべての軽自動車がそうなっているわけではありませんが、クーラーを使用中にアクセルをいっきにガバッっとひらくことでその瞬間だけはエアコンのコンプレッサーへの電源を切ってしまう機能があります。
燃費の向上というよりは、加速が必要な時のパワーダウンを防ぐという、ドライバビリティの向上のための軽自動車ならではの苦肉の策といえます。
高速道路などの合流の際は、遠慮なくアクセルを踏み込むことで若干の加速力の向上になるので試してみてください。
ただ、長い上り坂などの高速道路では加速したい間はエアコンを切ってしまうほうが手っ取り早いと僕自身は思っています。
そのほうがコンプレッサーを高回転域に放り込んでしまうこともありませんし、コンプレッサーをいたわることにもなるとおもいます。
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