信用できる整備工場の見つけ方とは?整備士が本気で思ったこと

整備工場 整備士の体験談

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怒った顔愛車のメンテナンスを任せていた整備工場から、

「ありえない!」

と憤りを感じるような対応をされてしまったとき、

ほとんどのユーザーさんは、

その整備工場を二度と利用することはないでしょう。

当ブログにお問い合わせを頂いた訪問者様から頂いたメールを拝見しながら

「よくもそんな対応をするもんだ・・・」

とその対応の酷さに驚きましたが、決して珍しい事例とも言い切れません。

そこで、信用のおける整備工場をみつけるにはどうすればいいのかというテーマで

自身も整備工場で整備士をしている一人として考えていきます。

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信用できる整備工場の見つけ方とは

ピットで作業をする整備士

いい整備工場に多い特徴

まず、僕が考えるいい整備工場の条件を挙げてみました。

これらの条件をより多く備えているほど、技術力と信頼性があると思っています。

・工場としての運営年数が長い

・認証工場、できれば指定工場

・設備がキレイ(古くてもよく手入れされている)

・床が汚れていない

・整備士と直接話せることをウリにしている

・話をしっかり聞いてくれる

・来客者にきちんと挨拶する教育がされている

・車好きが多い

・ベテランスタッフが多い

・入社した若い従業員も辞めない

・整備士が工具を大事にしている

・口コミからの集客を意識している

・生涯収益を意識した経営

・グーグルマップの評価は自作自演?

この中でもとくに大事だなと僕が思うのが、整備士とお客様の接点を多くしている運営スタイルの整備工場です。

整備士に接客させる意図とは

整備士は車を見ても人を見ない習性がある?

車のメンテナンスや修理をしているのはもちろん整備士ですが、整備士という職業に就いたからなのか、もともとの性格なのか、わりと癖のある人達が多いです。
(あまり人のことは言えませんがw)

極端に人見知りなタイプもいれば、非常に頑固で融通がきかない人、他人に興味を持たない人。

さらに、整備士として長く続けていられる人ほど、より個性的になっていく傾向にあります。

とくに「車に興味はあるけど、その車に乗るお客様には無関心」というタイプの整備士が多いです。

職業柄、ある程度は致し方ないのかもしれませんが、この考えが悪いほうに働くと、依頼された作業だけに目を向けるという狭い視点で業務をこなすようになります。

さらに、この考えのままで長年のあいだ仕事を続けていると、トータルでの顧客満足度に無頓着な整備士ができあがることになります。

たとえば、エンジンから激しい異音が出ているのに平気でエンジンオイル交換だけを終わらせてお客様に返したりする整備士がいます。

また、車検が近かったり、すでに車検が切れている状態なのに、自分の仕事が増えるのが面倒でなにも言わないような整備士もなかにはいます。

こういう思考をする整備士の特徴は、お客様との接点をほとんど持たないことが多く、

「自分は裏方だから」

とか、

「言われた仕事だけをこなせばいい」

という考え方からくるように感じます。

言い換えれば、『お客様からお給料を頂いている』という意識が薄いとも言えます。

整備士に名刺を持たせる整備工場

「職人気質」という言い方がありますが、整備士にもそれにちかい考えを持った人もいます。

そこで、顧客満足度を重視している整備工場は、利用客のリピートを増やすための施策の一環として、整備士に接客をさせるようなオペレーション、店舗運営スタイルをするように変化させています。

こうすることで、車にしか目を向けなかった整備士が、お客様と対面で話す機会が増え、車の不具合についての悩みや素朴な質問に直接的にに答えながら「人」に興味を持つようになります。

接客が増えると、時には厳しいお叱りを頂戴するこもありますし、人の話を聞かないような頑迷なお客様に呆れながら「人の振り見て我が振り直せ」な思考ができるようにもなります。

また、自分用の名刺を会社から用意されることで、お客様からご指名を受けたり、感謝されることで、顧客満足への責任感も芽生えるきっかけにもなります。

自分が修理している車の向こう側には必ず「人」がいて、その車には家族や大切な人が命を預けている。

そう考えるようになれば、いい加減な仕事はできなくなりますし、名刺を渡して顔や名前を覚えられるようになればなおさらです。

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整備士が大事にしたいと思うお客とは

ネプロス工具

メカニックのパフォーマンスを引き出すひとこと

語弊があるといけないのですが、プロとしてお客様からお金を頂戴して仕事をする限り、仕事のクオリティに差をつけることはできません。

頂いた報酬に見合う仕事をすべてのお客様に対して平等にしなければなりません。

ですが、その上で、

「このお客様になら、言ってもいいかな」

とか、

「このお客様の車を触るときはいい意味で緊張するなぁ」など、

特別な感情を抱くお客様もいます。

特別に丁寧な仕事をするわけでもなく、別の仕事を手抜きするでもなく、ただ内心は「いい仕事をしてあげたい」と思うだけですが、その感情がプラスアルファの結果を出すこともあります。

あるいは、その整備士の人格が優れているのではなく、整備士にそういう感情をもたせたお客様がすごいのかもしれません。

ではプラスアルファの結果とはどんなことでしょうか。

例えば、僕自身の経験ですが、ある常連のお客様の車のオイル交換をしていて、車に乗り込み、少し移動させようと車を発進させたとき、一瞬だけブレーキから異音がしたような気がしました。

車内はテレビの音声が流れていたので、「気のせいかな?」と思ったのですが、少しお節介を焼きたくなるお客様でした。

普段から『ちゃんと休憩してる? 時間はかかってもいいからね。』と整備士を追い立てるようなことをしないお客様だったので、

「〇〇さん、なんかブレーキがヘンかもしれません」

と断りを入れて、タイヤ・ホイールを外して点検をすると、果たしてブレーキパッドの摩耗限界のセンサーがほんのすこしだけディスクに触っていました。

オイル交換のために車を動かそうとしながらも、どこか不具合がないかを気にして報告するというのは、仕事に追い立てられている状態ではなかなかできないこともあるのです。

他にも、エンジンの点検をしながら、タイヤのパンクを発見したこともあります。

いつも高速道路をバンバン走るお客様なので、「空気圧、大丈夫かな?」とタイヤを見るとなんだか一本だけ潰れているように感じた、空気圧ゲージをあてるとやっぱり一本のタイヤだけ空気圧が低い。

「あれ?もしかして??」といった流れです。

もしも、

「もっと早くしろ!」

「もっと安くしろ!」

みたいなことしか言わないお客様の車の場合だと、とにかく時間を守らないとお叱りを受けるため、気持ちに余裕が持てなくなることも確かです。

依頼された作業だけをプロとして遂行するという、ビジネスライクな心理状態では「気配り」といった感情がなりをひそめてしまうのでしょう。

ただ、これは整備士だけに限ったわけではなく、どんな職業のプロでも、多かれ少なかれありえることでしょう。

もしかするとお医者様でも、そういった感情をもつかもしれません。

「できません」と切り出す勇気

ここでいう人間力が備わったスタッフで構成された整備工場なら、難しい診断などを依頼されたとき、その要望に対して、二つの答えを用意していると思います。

一つは、「なんとかやってみます」というトライする姿勢、

二つ目は、「当店では対応はできません」とハッキリと言い切ってしまうことです。

他の職業の場合はまた違うかもしれませんが、車の修理をする整備工場の場合だと、頑張ってもどうにも対応できない要望があります。

最初から対応できないような仕事には、「できないものはできない」と断ることも大事で、お客様の貴重な時間とお金を無駄にしなくて済みます。

しかし、「面倒な仕事はしたくないけど利益はほしい」と考えるような、いい加減な仕事をしてごまかしてしまう整備工場もあるようです。

セカンドオピニオンもときには必要

僕の場合だと、依頼された仕事のないようが、自分たちの整備工場としての設備や特殊工具、知識などでは、依頼された仕事に対応できないと判断した場合はお断りすることがあります。

その場合は懇意にしているディーラーを紹介することもありますし、ほとんど付き合いのないお客様の場合は「対応できません」といきなり断ることもあります。

例えで言えば、町の小さな病院で診察を受けたら「紹介するからすぐに専門医に見てもらってください」と言われるような感じでしょうか。

患者が自らの意思で病院を移ることをセカンドオピニオンといいますが、車の場合も複雑な作業や難しい診断の場合も同じです。

整備工場の評価は「人間力」で決まる

信用できるかどうかというのは、コンプライアンスな部分を遵守しているのかも大事ですが、やはり技術力と、そして人間力ではないでしょうか。

信用できる整備工場は、人材育成にも力を入れていますし、チームとしての個々の人間力に対してもマネジメントをする人たちは意識しています。

「人間力」という表現には、はっきりした定義は無いようなのですが、

僕が考える仕事での人間力とは、

「常識的である」

「向上心がある」

そして、「仕事愛」だと思います。

「仕事愛」とは仕事のクオリティを良くしたいと考える精神ともいえますが、いい意味でのプライドなのかもしれません。

労働環境が悪いといい仕事はできない

自動車整備士 作業

仕事に集中できる職場作り

とはいえ、いくら整備士とお客様の距離を近づけるような工夫をしても、整備士が「接客」という不慣れなことにトライできる心の余裕というか、ポジティブな気持ちになれるかどうかは、職場環境にもよります。

人間関係がひどくてストレスばかりだとか、休憩も取れないくらい作業に追われる、またはサービス残業が横行していて、毎日、長い時間拘束されるなどなど。

このような労働環境だと、だれしも仕事に対してネガティブな感情ばかりを持ってしまいます。

つまり、従業員にいい仕事がをさせようという、雇用者側の経営方針や理念も、信用できる店舗になっていくうえで重要な要素だと思います。

 

最後に・・・

基本的な作業や対話を大切にしているかどうか

もしもあなたが、「信用できる整備工場を見つけたい」とお考えなら、まずはオイル交換などの基本的な作業を依頼してみるといいでしょう。

初めて利用するときに、しっかりと店内やスタッフの対応、料金や作業時間への説明がしっかりできているか、などをチェックしてみてください。

きちんとしているお店は、お客様の「時間」と「お金」を大切にしようとします。

そのうえで、作業を担当した整備士が直接報告をしてくれるかどうか、またこちらから質問をしても嫌な顔をせずに答えてくるかどうか。

異音診断などの、どの整備工場も敬遠しがちの作業についても整備士に直接聞いてみるといいでしょう。

もしも診断作業を受けてくれそうなら、話をしてくれた整備士を指名して依頼するのもいいでしょう。

生涯収益を意識した整備工場は信用できる?

一人の顧客が一生で落とすトータルの利益を「生涯収益」といい、LTV(Life・Time・Value)と表現することもあります。

多くのお客様が長く利用していただけることで、整備工場の運営は持続させることができます。

自動車の整備工場は大きな利益を上げることは難しいですが、車という生活に欠かせないツールに深く関わることができ、多くのユーザーから少しづつ利益をいただくような商売をすることができます。

このような考え方をした経営者が運営する整備工場なら、一時的な利益よりも生涯収益に重きを置くため、ユーザーの信用を失うような商売はしません。

 

今回は、自分の想いを出しすぎて、まとまりの悪い記事になってしまいました。

ある読者様から頂いた相談メールを何度も読み返しながら、

「仕事とは?」

「プロとは?」

「職業倫理とは?」

などと考えさせられました。

もしもこの記事を読んでくださった方が、

「信用できる整備工場はどこにもないかもしれない・・・。」

と整備工場に不信感を持っているのであれば、参考にしてみてください。

 

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