今回のお話の対象となる車種は
タント、ムーブ、ミラ、ミライース、ソニカ、エッセ、
ムーブコンテ、ミラココア、タントエグゼ
などに関する情報です。
ダイハツの軽自動車のなかでも主要なラインナップとなる車種には、
「KF」と呼ばれる型式のエンジンが搭載されています。
じつはこのKFエンジン、まったく同じ原因で「ブルブル」と振動を発生させる、
ちょっと「困ったちゃん」なエンジンです。
ダイハツのKF型エンジンの定番トラブル
エンジンマウントの耐久性の問題
このKF型エンジンだけではないのですが、エンジンの前側、つまりエンジンルームの右側にあるエンジンマウントは、エンジンを支える上でかなり重要な部位です。
なぜなら、エンジンの前側には補記類と呼ばれる、発電機(オルタネーター)、エアコンコンプレッサー、パワーステアリングポンプも隣接して付いています。
そのため、それぞれの補記類にエンジンの動力を割かれると、振動の原因になりやすく、もっとも近い位置にある、このエンジンマウントにはかなり負担をかけることになります。
ところが、このKFエンジンに関しては、この場所にあるエンジンマウントのゴム部分の肉厚が比較的に薄いです。そのうえ、車体とエンジンの距離が離れ気味なのか、エンジンマウントの劣化が早いです。
異音をともなう場合は末期症状?
エンジンの振動だけならまだしも、アイドリングでドライブレンジに入れたままでいると「カタカタカタ」とか「コンコンコン」といった大きめの異音がする場合もあります。
エンジンマウントからの異音だとわからないと、まるでエンジン内部が焼き付きを起こしたような音に聞こえ、ドライバーさんはかなり焦ってしまいます。
この異音の原因は、エンジンマウントのゴムの部分が潰れてしまい、エンジン側の金属部分とボディ側の金属部分が直接触れてしまうことでおきます。
つまり、エンジンマウントの重要な部分である、硬質ゴムが機能していないわけで、エンジンの揺れと振動がモロにドライバーに伝わってしまうのです。
ついにメーカーが保証延長を決定
ダイハツも、この件に関しては多くのお客様のクレームや、販売協力店、整備工場からの要望などもあり、通常なら一般保証の三年または60,000kmのどちらか早い方となります。
それに対して、保証期間延長の対象となった車種に関しては
走行距離にかかわらず、新車として登録した日から9年となりました。
車種などの詳細はダイハツ公式ページを参照ください。
↓
【外部リンク】ソニカなど8車種 エンジンマウントの保証期間延長
それでもマウントは強くない
メーカー保証で交換してもらったエンジンマウントは「対策品」といって、もともと装着されていたものよりも耐久性などを強化されてものに変更されています。
ただ、エンジンと車体の距離が変わるわけではなく、エンジンマウントの数が増えるでもないので、エンジンマウントへの負担が大きいことに違いはありません。
そのため、
・街乗りが多く、ストップ&ゴーを繰り返す
・アイドリング状態でエアコンを入れたままの時間が長い
・急発進や急減速を頻繁にする運転をする
このような運転や使用条件をすることで、エンジンマウントのへの負担は多くなります。
じつは車検にも合格しない?
ダイハツのKF型エンジンの右側のエンジンマウントの交換は、メーカーの保証が切れてしまっている場合は自費で交換することになります。
とくに完全にゴムの部分が千切れてしまっている場合は車検に合格しないので、車検ではエンジンマウントを交換することを前提にされてしまいます。
自費で修理する場合の費用と日数
ディーラーと町の整備工場では作業工賃に関して基準が違うことが多いです。
いわゆる「レバーレート」と言われる、整備士が作業にかかった時間に対しての「時間工賃」の係数が違います。
今回のダイハツのKF型エンジンのマウント交換だと、
交換するエンジンマウントは純正品しかないので、部品代金は全く同じなので、作業料金の違いだけとなります。
まとめ
KF型エンジンの場合はエンジンマウントの強度というか、厚みと面積の両方に問題があったため、特に振動が起きやすいです。
ただし、ほかの車種やエンジン型式では問題がないかといえばそうでもありません。
しかも三気筒エンジンの軽自動車だからエンジンの振動が多いので軽自動車限定のトラブルというわけではなく、
常用タイプの車種でも走行距離が増えてくればわりと定番(?)のトラブルです。
コメント