車の振動と異音の関連性とは?トラブルの前兆を解説

診断する整備士 車の振動

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車から発生する振動や異音は、なんらかの不具合の表れといえます。

この二つの症状が同時に発生した場合、かなり進行した故障の可能性があります。

では、車から異音と振動が同時にする場合の原因や対策は?

今回は「異音」と「振動」が、しかも同時にするケースでのお話です。

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異音や振動は故障のシグナル

エンジン 振動

振動しながらキュルキュルと異音がする

キュルキュルという異音の原因は、ベルトから鳴っているケースがほとんどです。

さらに、異音だけでなくエンジンの振動も同時に起きているとなると大きなトラブルになることもあります。

もしも電話だけでこんな症状について問い合わせをされたら、僕なら「補器類の不具合」を疑います。

補器類とはエアコンコンプレッサー、オルタネーター(発電機)、油圧パワーステアリングのポンプの3点を指します。

この補器類の中でもかなり怪しいのがエアコンのコンプレッサーが原因となるケースです。

エアコンコンプレッサーは壊れやすい?

エアコンコンプレッサーのベーンポンプ
補器類の中でもエアコンのコンプレッサーは非常に大きな力が加えられています。

冷房を効かせるための「冷媒」は、この場合フロンガスのことですが、フロンガスを高圧で圧縮して液状にしている場所がコンプレッサーです。

普段はコンプレッサーは表側のマグネットクラッチと呼ばれる部分と、エンジンとつながっているエアコンベルトだけで空回りしています。

冷房を効かせるために運転席の「AC」のボタンを押すことで、マグネットクラッチとコンプレッサーの内部が電磁石の力でつながり、そこでコンプレッサーがフロンガスの圧縮をし始めます。

ところが、コンプレッサーの内部が壊れていると、マグネットクラッチへの電源が供給されたとたん、壊れたままのコンプレッサーをエアコンベルトが強制的に回転させようとします。

壊れたコンプレッサーは回らない!

回転できないほどに壊れたコンプレッサーを、エンジンがエアコンベルトを介して強力に回そうとすると限界を迎えたベルトが滑り始めます。

これはベルトの張り具合が訂正な場合でも起きますので、ものすごく大きな音でベルトが滑りますので「キュルキュル」という異音でも、かなり甲高い音での異音となります。

「キュー」と連続音がし始めたら即エンジン停止?

エンジンと壊れたコンプレッサーがベルトでつながっていますので、エンジンも苦しそうに回転していますので、アイドリング中などは、「ブルブル」と振動することが多いです。

場合によってはキューと連続したベルトの滑る音がしますが、この場合はすぐに「AC」のボタンをオフにしてください。

もしもこれで音がピタリと止んだ場合は、そのまま自走することはできるでしょう。

タイヤ周辺からの異音と振動

ホイールバランス

走行中にガタンガタンと振動するケース

走行中にタイヤの回転と比例するように、ガタンガタンと異音がする場合は、タイヤそのもののトラブルの可能性が高いです。

これはフラットスポットと呼ばれるタイヤの接地面の凹凸が発生したことで起きる症状です。

この場合フラットスポットが原因でタイヤが地面に当たる瞬間に車体が揺れるほどの振動が発生することもあります。

特にフロントタイヤのフラットスポットがある場合は、ハンドルに手ごたえが伝わってくるほどのはっきりとした症状を確認することができます。

またこの場合はハンドルそのものがブルブルガタガタといった感じで左右に振動することもあります。

フラットスポットができたタイヤと言うのはタイヤの奥のカーカスと呼ばれる部分が破れていることがありますので非常に危険なケースもあります。

もしもこのような状態で高速道路を走ったりした場合、最悪の場合タイヤがバーストすることでハンドルがきかなくなり大きな事故につながることも考えられます。

また後ろ側のタイヤにフラットスポットができた場合は、車体の後ろ側から振動が伝わってきますが、運転席から最も離れた左後のタイヤでは症状が確認しづらいこともあります。

足回りが動くときの異音

走行中に車が凹凸を越える時に、車体の揺れを速やかに収めるためにショックアブソーバーと呼ばれる部品が装着されています。

このショックアブソーバーは、まるで注射器のような構造していて、内部に封入されたオイルが上下することで、

適度な抵抗を作ることで車体に発生した揺れを速やかに収めてくれるようになっています。

このショックアブソーバーが、ある程度の走行距離が伸びてくることで内部の抵抗がなくなってしまうことがあります。

すると走行中に凹凸を超えるとポコポコとかコトコトといった異音が発生することがあります。

しかもこの状態だと本来の揺れを収める機能がないため、車体の揺れが収まりが悪く場合によってはそれが振動と感じることもあります。

この場合ショックアブソーバーは消耗品のようなものなので、この部品そのものを交換するしか解消する方法はありません。

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ドライブトレーンからの異音

ドライブシャフト周辺
ドライブトレーンとは、車のエンジンから取り出した動力を最終的にはタイヤへと伝えるための装置のことをいいます。

例えばエンジンからオートマチック、そこからさらにドライブシャフトやプロペラシャフト、と呼ばれる様々な動力伝達装置にエンジンの力が伝わっていきます。

これらは基本的には回転するような物体で、もしもこの部分に何かしらの異常があった場合車体に干渉することで大きな振動や音を発生することがあります。

例えば、ドライブシャフトと呼ばれる部分は、オートマチックから取り出した動力が直接タイヤに伝わるようになっています。

その時にドライブシャフトが外れそうになっていたり、周辺に何かしらの異物が干渉した場合ガリガリとかゴリゴリといった大きな異音がすることがあります。

当然エンジンの動力を取り出しているので大きな力が伝わっているので、車体に干渉してる場合などは非常に大きな音がします。

この場合このような不具合を出す原因としては車が脱輪したり交通事故などによって足回りに大きな衝撃を受けたときなどに起こります。

まずはレッカーサービスなどを依頼し自走しないようにすることが重要だといえます。

最悪の場合ドライブシャフトが抜けたりすると、トランスミッション内部のオートマチックフルードが漏れだすこともあります。

もちろんこうなると、走行不能になったりオートマチックが壊れてしまったりすることにもなりかねません。

排気音がおかしいときの振動

排気マフラー まわり
排気音が普段と違う音を発生する場合、マフラーに何かしらの衝撃が加わったり、することで排気管が潰れてしまい排気がうまくいっていないことがあります。

例えば駐車場に車を止めようとした時誤って、縁石や輪留めの上を車が乗り上げてしまい、車の中央付近の下周りにある排気管が曲がってしまうことなどがあります。

排気管が本来の通路を確保できない場合エンジンの排気効率が非常に悪くなり当然エンジンの性能も落ちてしまいます。

するとエンジンが苦しそうに回転するため振動になることもありますし、排気管が車体のどこかに干渉してしまうことで形形とか言言といった大きな音が車体に触ってくることもあります。

 

 

複数のトラブルが重なった場合

エンジン不調とマウントのへたり

エンジンがなんらかのトラブルで本来の力を発揮できないときがあります。

エンジンが何らかの原因で不調を起こしている時アイドリング中にエンジンの回転が非常に低くなりブルブルと振動することがあります。

この時「エンジンマウントのちぎれ」などのトラブルも併発している場合、エンジンの揺れがさらに大きく増幅され、アイドリング時に「ガタガタ」とか「ゴトゴト」といった大きな振動や異音が同時にすることがあります。

つまり、異音や振動の原因はエンジンマウントでも、エンジン不調をきっかけに、症状が大きくなってしまうのです。

不具合が重なると車の調子がずいぶん悪く感じてしまい、「なんかこの車、調子悪いな・・」となってしまいます。

足回りのガタとタイヤの偏摩耗

これも整備士としての経験上、非常に多い事例といえます。たとえば、「タイロッド」と呼ばれるハンドルにつながった場所があります。

タイヤのすぐ近くにあり、運転手がステアリング操作をすると、最終的にはこのタイロッドがタイヤが取り付けれている部分を左右に動かしてかじ取り操作をしています。

ところが、タイロッドにガタができると、ハンドルを切っていない状態でも、タイヤが左右にカクカクと動いてしまいます。

初期段階のガタではとくに運転手にもわからないはずなのですが、タイヤの接地面にでこぼこができたような状態だと、タイロッドの小さなガタでも走行中の振動や異音の原因になることもあります。

 

 

異音と振動が確認されたら・・

車を自走させられるかの確認をする

まずは異音と振動の、どちらが不具合として大きいのかを確認してみることが大事です。

たとえば、異音は小さくても振動が大きいとか、その逆で異音が大きいけど振動は少しだけ、といった場合です。

この場合、エンジンの回転を上げることで異音も振動も止むようなら、トラブルとしては初期段階の可能性が高いので、やむを得ず走行したい場合は、控えめなアクセルワークで走ることはできるでしょう。

もちろん異音と振動の両方がひどい場合は、走行は諦めるべきで、すぐにレッカーサービスを手配してエンジンも止めておいたほうがいいでしょう。

最後に・・・

振動も異音も、車の不調の前触れであることが多いのですが、初期段階でもそれに気づくことができれば、大きなトラブルを未然に防ぐこともできます。

僕自身も整備士として、お客様の車でしてみることですが、お客様に了解を得たうえで、車内のラジオやオーディオなどの音をすべて消して走行してみることです。

車内を完全に無音の状態にすると、車から発せられるさまざまな音や振動にも敏感になることができます。

ふだん、なんらかの音楽などが車内に流れたままで車を運転している方が多いようですが、たまには完全に「音無し」の状態での走行も車との対話ができておすすめです。

 

◆車の振動に関するまとめ記事はこちら ↓

【まとめ】車から振動がする原因や対策とは?走行中と停車中では故障個所が違う?

 

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