ブレーキパッドはタイヤがすり減るのと同じ理由で、使えば使うほど摩耗していきます。
ブレーキの残り具合は、タイヤを外して目視で確認する必要がありますが、
車種によっては嫌な金属音がすることで
ドライバーにディスクパッドの残量が限界に近いことを知らせてくれる場合もあります。
ブレーキパッドの磨耗限度とは
ブレーキは簡単にはすり減らない
一般的に自動車のブレーキパッドはどれぐらいの耐久性があるのでしょうか。
ブレーキパッドは車の「走る」「曲がる」「止まる」の中でも最も重要な部分です。
そのため自動車メーカーでもブレーキに関しては一切の妥協していません。
もしもブレーキの耐久性が非常に低かったとすれば、それはたちまち悲惨な交通事故の原因を大量に作ってしまうことになります。
ところでブレーキパッドの摩耗限度はどこで決まるのでしょうか。
ブレーキパッドは、ディスクローターと言う円盤状のパーツを左右から挟むことによってその摩擦力を生かしブレーキをきかせています。
日本車の場合、ブレーキパッドとディスクローターではブレーキパッドの方が柔らかくなっているので、消耗品としてはブレーキパッドが摩耗していきます。
センサーがディスクに触れば限界
日本車はディスクパッドにセンサーと呼ばれる針金のような部品が組み込まれています。
ディスクパッドが摩耗し、センサーがディスクローターに触ることで、耳障りな音がするようになっています。
音質でいえばキーキーという金属が擦れるような耳障りな音です。
このセンサーのディスクに触れるまでの距離が概ね1ミリから1.5ミリと言われています。
新品の状態のディスクパッドが10ミリから11ミリほどありますのでこの1.5ミリと言う数値はほぼ使用限度だといえます。
つまりセンサーの役割は、ドライバーにブレーキの残量が残り1割ぐらいしかないことを知らせるためのものです。
ブレーキパッドの摩耗限度とはまさにこのセンサーがディスクローターに当たったときの瞬間を出していると考えられます。
もしも、ディスクパッドが限界を超えて摩耗してしまった場合、
ディスクパッドの裏側がディスクローターを削り始め、ディスクローターも交換しないといけなくなってしまいます。
ブレーキパッドの交換はどれくらいの距離?
交換距離に大きな差が出る理由とは
ブレーキパッドの交換はどれぐらいの距離で必要になるのでしょうか。
実は、ブレーキパッドの減り方には大きな個人差があります。
なぜなら同じ車種でも走行する条件や使用方法が違えば当然としてブレーキパッドの減り方も変わってきます。
例えば同じ乗用車だとしても常に人を4人乗せた状態のものと常に運転手1人でしか走らない状態だと同じだけブレーキを踏んでも車体が受けている重量は違ってきます。
そのため、より重いものを乗せたブレーキの方が減り方が早いといえます。
また、街中を走るようなブレーキと、アクセルを頻繁に使い分けるような場面ではブレーキの使用頻度はかなり高くなります。
そのため街乗りが多い車両はブレーキの減りが早くなります。
オートマチック車とマニュアル車で減りが違う?
今では当たり前のようにオートマチック車がメインになってきていますが、かつてはマニュアルトランスミッションの車の方がより多く走っていました。
オートマチック車の場合はエンジンブレーキの効き方がかなり甘く、その分フットブレーキの依存度がかなり高いです。
それに対してマニュアルトランスミッションの車の場合は、フットブレーキ以外にエンジンの抵抗を利用したエンジンブレーキをよく使っています。
しかも、エンジンブレーキはシフトチェンジをすることでより低いギアに入れることで非常に強いエンジンブレーキをきかすことができます。
これは僕の経験ですが全く同じ車種であったとしてもマニュアルトランスミッション車と
オートマチックトランスミッション車ではブレーキパッドの減り方が2倍以上の違いが出たことも稀ではありませんでした。
車格ではなくブレーキの容量で決まる?
自動車のブレーキパッドの減り方は、車種によってもかなり違ってきます。
例えば全く同じ使用用途で常に1人で乗ると言う条件を添えた場合でも、ブレーキパッドの減り方にかなり違いが出る場合があります。
なぜならブレーキパッドは様々な車種と共通して使用されることがあるため、少し車格が上の車種に対して、少し容量の負けるブレーキキャリパーを採用してしまった場合、
ブレーキのすり減り方が非常に速くなってしまうことがあります。
例えばとても古いお話で恐縮なのですが、初代のスズキ ワゴンRは、少し前にリリースされていたセルボモードと言うアルトの兄弟車のブレーキパッドを流用していました。
そのため全く同じブレーキキャリパーとブレーキパッドを使っているにもかかわらず、ワゴンRはセルボモードよりもブレーキの減りがかなり早かったのを覚えています。
ワゴンRとセルボモードでは前側のブレーキパッドの減り方が2倍以上の差が出ることも稀ではありませんでした。
それはワゴンRの車両重量がセルボモードよりもはるかに重量があったのでディスクブレーキの能力が足りなかったのが原因です。
ブレーキパッドは1mm何キロ走れるのか
一般的な平均値で言いますとブレーキパッドのすり減り方はごく普通の運転条件だと、
1ミリで約10,000キロ走れます。
もしもその計算で行くならば残量が10ミリあるブレーキパッドはセンサーが当たるまで8.5ミリほどは使えると言う計算にはなります。
ブレーキパッドの交換費用はいくら?
前と後ろでブレーキパッドの値段が違う理由
ディスクブレーキは、軽自動車や小型車クラスの車の場合は前側にしか採用されていません。
後ろ側のブレーキは昔ながらのドラムブレーキが採用されていて、それでも車両重量を十分受け止めるだけの容量があります。
中型車クラス以上の車だと、後ろのブレーキもディスクブレーキが採用されています。
ただ、前後ともディスクブレーキが採用されていても、前側と後側ではブレーキパッドの大きさが全く違います。
そのためブレーキパッドの交換費用は前側のブレーキの方が部品代が高くなっています。
軽自動車のブレーキパッドの交換費用は?
軽自動車の場合だと
ブレーキパッドの価格が一台分で7,000円から10,000円ほどで、
ワゴンRやムーヴくらすだと
ブレーキパッド 8,000円 交換作業料金 4,000円前後です。
コンパクトカーのブレーキパッドの交換費用は?
トヨタのヴィッツ、日産のノート、マーチ、ホンダのフィットぐらいのコンパクトカーだと
ブレーキパッドの一台分の価格が8,000円から11,000円くらいです。
交換の作業料金は前側なら軽自動車と同じく 4000円前後でしょう。
ミドルクラスのブレーキパッドの交換費用は?
プリウスも含め、マークx、日産のティアナ、スカイラインなど、
このクラスのブレーキパッドの交換費用は
前側のブレーキパッド一台分9,000円から13,000円くらい
交換の作業料金が4000円前後
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