エンジンオイルのランプがたまにつくことがあるんだけど・・・
それ、エンジンがかなりヤバい状態になりつつあります。
あ、でもホントに『たまに』なんだけどね
いやいや、その警告灯は一瞬でもついたらまずいんですけど・・・。
今回はエンジンオイルの警告灯のランプが点灯することがあるケースについてのお話です。
エンジンオイルの赤い警告灯のランプが点灯する理由にはいくつかありますが、
どれくらいの頻度でそのランプ点くのかでエンジンの寿命がわかる場合もあります。
5,000円から200,000円の修理費の違いは、このオイルランプが教えてくれるかもしれません。
車からの大事なシグナルを見逃さないために、普段から注意するべき簡単な方法も紹介します。
エンジンオイルランプがたまにつく原因
油圧警告灯のランプが点く仕組みとは
まず、エンジンオイルのランプが点く原因は、エンジン内部をエンジンオイルが循環していないことがほとんどです。
オイルランプが点灯する仕組みは、エンジンオイルを送るポンプが回転することで油圧が発生し、ただしい油圧が発生しているかどうかを「オイルプレッシャースイッチ」で検出しています。
わりと単純な構造のスイッチ
ほとんどのエンジンの場合、オイルプレッシャースイッチはエンジンブロックに直接取り付けられていることが多く、油圧がプレッシャースイッチにかかるとメーター内の警告灯が消える仕組みです。
正常なエンジンの状態ならエンジンがかかっている間は常にエンジンオイルがオイルポンプからエンジンのすみずみまで送られるはずです。
ところが、エンジンオイルが少なすぎたり、エンジンオイルが通過する油路が詰まってしまうと、オイルポンプからエンジンオイルが出てこなくなります。
油圧がギリギリ間に合わなくなる状況
エンジンオイルはあまりにも交換されないままだと、少しづつエンジンの内部で燃えてなくなっていきますが、レベルゲージの下側にも届かないくらいにオイルが減ると油圧が低下します。
普段はギリギリのオイルの量でなんとかオイルランプが点かないくらいのレベルでも、エンジンの回転が上がったりオイルパン内部のオイル量が偏ったときに一瞬だけオイルランプが点くこともあります。
ブレーキを踏んだらオイルランプが点いた?!
お客様から相談を受ける中で、エンジンオイルの警告ランプがブレーキペダルを踏んだときに一瞬だけ点いたこともありました。
ブレーキかけることでエンジンオイルが溜まっているオイルパンの中でオイルが車の前側に揺れて偏ることでオイルストレーナーからエンジンオイルを吸えないことが原因です。
カーブの途中でオイルランプが点くことも
ブレーキングがきっかけでエンジンオイルの油圧不足が起こりうるのと同じ理由で、エンジンオイルが少ない状態でカーブ中にオイルランプが点くこともあります。
どちらにせよ、エンジンオイルが縦のGや横のGでオイルポンプに送られなくなってしまうことが原因です。
オイルプレッシャースイッチの接触が悪いケース
エンジンオイルの油圧を検出してメーター内のオイルランプが消えるようにしているのがオイルプレッシャースイッチですが、まれにこのオイルプレッシャースイッチが内部で壊れていることもあります。
また、正常な油圧でも異常を検出するはずのプレッシャースイッチ内部の接触が悪いことでオイルランプが付いたり消えたり、たまに点くことがあります。
他にもオイルプレッシャースイッチに接続しているコネクターの端子の金具がゆるすぎてエンジンなどの振動でチラチラと付いたりすることもあります。
「油圧警告灯がたまにつく」は手遅れ?
車のエンジンは精密に作られていますので、大きな力を受け止める「メタル」と呼ばれる金属製のベアリングの役割をする部分はつねにエンジンオイルで潤滑されています。
すでにダメージを受けている可能性が高い
ほんの一瞬でもエンジンオイルが切れてしまうと、メタルは金属同士が直接触れてしまい、引っかきキズのような跡が残ってしまいます。
エンジンオイルのランプとは別名で油圧警告灯でもあり、このランプが点いたということはエンジンオイルの油圧が間に合わなかった瞬間があったということになります。
エンジンを始動したときに異音する
エンジンオイルのランプが点灯したり、チラリと点いたような状態は、その都度エンジン内部にダメージを受けていることが多く、それでいて運転手にはわからないこともあります。
とくに運転席とエンジンルームが離れているような車の場合は、エンジンから発するわずかな異音には気が付かないものです。
それでも異音が顕著に出ることがあり、それが朝などにエンジンを始動したときです。
エンジンが冷えているときは、バルブやメタルなどの金属パーツの接触している隙間が大きく、エンジン内部からのメカニカルノイズが大きくなります。
エンジンが本当に調子良くなるのは「温間時」です。
冷えたままの「冷間時」はどのエンジンもメカノイズが大きいです。
もしもエンジンオイルのランプが点灯したことがある場合は、エンジンが冷えているときにエンジンをかけてみて、できればエンジンルームの近くでエンジンの音を聞いてみるといいでしょう。
「カタカタ」とか「コンコン」などの金属部品がぶつかるような音が大きくしている場合は、クランクシャフトやカムシャフトのメタルにダメージを受けている可能性があります。
メタルとは、シャフト部分の軸受けにあるベアリングのような役割をする部品で、これを交換するにはエンジンを降ろすことが多いです。
【関連記事】エンジンから異音がする車の買取り査定額が意外と高いワケとは
最悪のエンジン焼き付きを回避するために
残念ながら、すでにダメージを受けているエンジンをもとに戻すことはできませんが、今よりも悪くならないようにすることはできます。
とはいえ、すでに手遅れになっていることもあり、エンジンが冷えているときにエンジンから打音が出ているときは整備工場に相談にいくことをおすすめします。
もしかしたら
「エンジン載せ替えが早い」
と言われてしまうこともありますが・・・。
エンジンオイル交換は定期的にする
まずはエンジンオイルの量を本来のレベルまで補充するか、オイルパンから下抜きで全量を抜きかえしてして、その状態でオイルランプが点くかどうかを確認します。
もしその状態でも油圧不足でオイルランプが点いた場合、さらに深刻な状態になっている可能性があり、車をそのまま乗ることはやめて整備工場に預けることになります。
ただし、「たまにつく」という段階であればおそらくまだエンジンが助かる可能性はあるので、エンジンオイルの量を定期的に確認しつつオイル交換も以前よりもしっかりと管理する必要があります。
メーターの周りに物を置いたらアカン!
エンジンオイルの油圧警告灯はメーターの中で赤く点灯するのですが、メーターの前にボールペンとかレシート、手帳やスマホなどを置いたままにしている方がわりとおられます。
メーターにはエンジン警告灯やABS、サイドブレーキの戻し忘れの警告灯もありますが、エンジンオイルの油圧警告灯も点灯するようになっています。
これらの警告灯は車の状態をドライバーに知らせるための大事な情報で、走行中はつねにメーター内の情報には気をつけて運転することが大事です。
警告灯などの情報にまったく気がついていない運転手さんもおられますが、そもそも「警告灯ってなに?」という人もいて、教習所で教えないのかなと思ったりします。
なかにはメーターの前に
可愛いぬいぐるみとかを置いてる方もおられました。
まとめ
今回はエンジンが焼き付いてしまう前の段階だといえる「エンジンオイルランプがたまにつく」という状態についてのお話でした。
ただし、エンジンオイルを補充してオイルランプも点かなくなったとはいえ油断は禁物で、エンジンオイルがエンジン内部で燃えてなくなっている状態です。
これを「オイル消費をしている」とか、ベテランの整備士は「オイルを喰っている」などと表現をしますが、エンジンオイルの減り方がどんどん早まっていくこともあります。
本来はエンジンオイルの交換を正しいサイクルで交換していれば、エンジンオイルが減り始めるということにはなりません。
その意味では、すでにそのエンジンは健康な状態とは言えず、「要経過観察」の持病を抱えているのです。
この状態がさらに進行した状態になると、エンジンオイルのランプが点いたり消えたりしはじめ、さらにはランプが点きっぱなしになります。
エンジンが焼き付いて止まってしまうのも時間の問題で、路上で車が動かなくなるという非常に危険な状況かもしれません。
これらに関しては別の記事でご説明をしていますので、危機管理の意味でチェックしてみていただければと思います。
【関連記事】エンジンオイルのランプが一瞬だけ点いたり消えたりする原因とは
【関連記事】車がオイル漏れしたままでも高く売ることができる意外な理由とは
コメント