車の振動には、単なる劣化による「へたり」である場合と、
あきらかに大きなトラブルの前兆である場合とがあります。
とくにエンジンは振動しやすい部分ですが、ブルブルと大きな振動になる場合や
そのあとエンジンが止まる場合は、どんどん症状がひどくなっていく可能性があります。
車のエンジンの振動が大きい原因
ゴム部品のへたりを疑う
車体(フレーム)とエンジンは直接ボルトなどで固定されているわけではありません。
エンジンのに直接つながっているのは「エンジンマウント」という、硬いゴムと固定用の金属部分で構成された部品です。
つまりエンジンマウントのゴムの部分にエンジンが乗っかっているようになっているわけです。
そのおかげで、エンジンの振動が車体に直接伝わることなく吸収されるのです。
エンジンマウントは消耗品
エンジンマウントの大事な部分は、そのゴム部分で、数万キロという距離や何年間という時間の経過で、ゴムの部分がちぎれてきます。
すると、エンジンの揺れをマウントゴムが吸収しきれなくなります。
つまりエンジンの振動が大きくなる原因の一つがこのエンジンマウントのゴムの部分のへたりなのです。
エンジン自体に揺れが発生しているとき
エンジンは正常な状態でも回転が低いときは多少の揺れを発生させます。
とくに軽自動車やコンパクトカーなどは、燃焼室という、ガソリンが燃える部屋の数が三つ(三気筒)しかない車種が多いので揺れは大きめです。
本来なら、燃焼室の中で爆発(燃焼)が起きるとそれが滑らかに連続していくので、アイドリング中の回転の振動は同じ間隔でおきます。
ところが、どれか一つの燃焼室のなかで異常な燃焼がおきたり、そもそもの燃焼が起きなかった場合、エンジンはブルブルと振動をするときがあります。
「失火」というよくあるトラブル
通常の場合、燃焼室の中でガソリンが燃えるとエンジンを回転させる力が生じます。
この燃焼と言う状態がきれいにつながることで、エンジンはなめらかに改善し続けます。
ところがガソリンに火をつけるための点火プラグと言う部品から正常な火花が飛ばない事で、エンジンがぐらぐらと揺れたりブルブルと小さな振動を起こすことがあります。
失火と言う状態は別名ミスファイアとも言い、ガソリンが燃えることなくエンジンの力が発生できない状態になっています。
例えば軽自動車などの3気筒エンジンで1気筒でも失火が起きると3つの燃焼室から均等に力が発生しないことになります。
この場合、エンジンは非常に不自然な回転をします。これが、エンジンがブルブルと振動する原因の1つなのです。
車から振動がブルブルと伝わるときの対処
走行できないケースもある
車からブルブルと振動が伝わってきたとき、まずすることは不具合がどれぐらい重大な状態なのかを確認することです。
もしもまともに走行できない場合は道路の途中でエンジンが止まってしまう可能性もありますので、まずは整備工場にたどり着けるかどうかの確認が必要です。
この場合の簡単な確認の仕方としては、まずは安全な場所で車を止めてしっかりとサイドブレーキを引き、シフトパーキングに入れておきます。
この状態でアクセルペダルを踏みこみ、エンジンの回転がどれくらいきれいに噴き上げて上がるかどうかを確認します。
もしもこの時エンジンがブルブルからガクガクガタガタといったより大きな振動に変化していった場合は、
エンジン内部の力が十分に発生できない状態になっている可能性が高いです。
この場合だと幹線道路では周りの車等と同じスピードで走行できることができないことがあります。
こんなときは車を走らせる事は諦めてレッカーサービスなどを手配するほうが間違いないでしょう。
もしもエンジンの回転がそれなりに維持できて、エンジンが止まりそうにない場合は走行できる可能性もあります。
ただしこの場合でも周りの車との距離を十分に保ちながら、エンジンが止まってしまった場合でもすぐに路肩側によれるように道路の左側など、すぐに退避できるようなつもりで車を走らせましょう。
車が振動したあと止まる場合
燃料系のトラブルの可能性も
車が振動した後、エンジンが止まってしまう場合いくつかの不具合の可能性が考えられます。
まず多いのが燃料系のトラブルです。
燃料系のトラブルとは例えば燃料ポンプと言うガソリンを送っているモーター出てきたポンプが燃料を送らなくなってしまうことがあります。
モーターは長年使用車が振動した後、エンジンが止まってしまう場合いくつかの不具合の可能性が考えられます。
まず多いのが燃料系のトラブルです。
燃料系のトラブルとは例えば燃料ポンプと言うガソリンを送っているモーターでできたポンプが燃料を送らなくなってしまうことがあります。
燃料ポンプは長年使用することで内部のモーターが正常に動かなくなることがあります。
そうなると燃料エンジンに送らなくなるので、まるでガス欠を起こしたようにエンジンがぐらぐらと揺れたりブルブルと小さな振動を起こしながら次第に大きな揺れに変化していきます。
最終的にはエンジンがそのまま止まってしまいます。
燃料系のトラブルでエンジンが止まった場合は、いちどエンジンが止まってしまうとエンジンの再始動が難しくなります。
具体的にはスターターボタンを押したりイグニッション気を回してセルモーターを回そうとしてもエンジンがかかる気配がしません。
かなりしつこくスターターを申し続けることで燃料ポンプがなんとか動き出すと、エンジンがかかりそうな兆候が見えることがあります。
そのままスタート思うしつけることで正常にエンジンはかかることもありますが、
一度エンジンが止まってから一切かからなくなるケースもありますので、燃料のトラブルは非常に恐ろしいケースです。
センサーなどの不具合の場合
今の自動車は、コンピューター制御で管理されています。
エンジンの回転の調整もコンピューターが自動的に判断して、エアコンを入れたりヘッドライトをつけたりした場合の、電気負荷をかけた場合にも適切なエンジン回転数を自動調整しています。
エンジンの周辺には、センサーと呼ばれる様々な電子部品が組み込まれています。
例えばエンジンが今どの位置にいるのかと言うクランク角センサーや、エンジンの上側にあるカムシャフトの位置を認識するためのカム角センサー等です。
これらのセンサーが不具合を起こすと、エンジンが突然不調になり場合によっては振動を発生させた後止まってしまうこともあります。
またエンジンに吸い込む空気の量を測定する、エアフローメーターやバキュームセンサーなどの
重要な部品が不具合を起こした場合も、エンジンに振動が起きたり場合によってはエンジンがそのまま止まってしまうこともあります。
まとめ
車の振動が大きくなるという症状にはいくつかの原因があります。
まず大きく二つに分けると、
・トラブルではなく部品の劣化や老朽化によるもの
・なんらかの故障が発生していることで起きる場合
上記のどちらかに分類することができます。
部品の劣化や老朽化で車の振動が増えた場合
「車が古くなったり走行距離が増えたんだからしょうがない」
というだけでは片づけることはできないケースもありますが、新車のころのように振動が少ない状態にするにはかなりの費用を考えないといけないケースもあります。
そんななかで、「マウント」といわれるゴムでできている部品を交換することで、かなり振動を軽減することができるケースもあります。
走行距離が10万キロを超えているような場合は、エンジンを支えている「エンジンマウント」、
ミッションを支えている「ミッションマウント」、この二つの部品たちを交換してみることをおすすめします。
ただし、車種によってはこれらのマウントを交換するだけでも非常に難易度が高く、交換作業料金が高額になるケースもありますので、まずは整備工場に相談してみるといいでしょう。
なんらかの故障で振動が起きる場合
この場合は、エンジンが吹け上がらなくなったり、停車中の振動が異常に大きかったり、場合によっては「ガタガタ」とか「カンカン」といった異音を伴うこともあります。
これらの症状にはさまざまな原因があり、整備工場でくわしく点検や診断を依頼することをおすすめします。
車からの振動には大きなトラブルの前兆であることも多く、そのまま車を走らせ続けるとエンジントラブルなどによる走行不能になってしまうことも考えられます。
自分で判断しないことが大事
エンジンの振動は車が少しずつ劣化していくことで大きくなることがあるため、その車を毎日使っているドライバーはその変化に気づきにくいことがあります。
そのため、同乗者のほうが「なんかヘン」と先に感じることもあります。
こんな指摘を受けたら、振動が起きている状態をなるべく覚えておいて、整備工場で説明してから調べてもらうことも大事です。
「エアコンを入れているときに」
「ドライブレンジに入って停車中に」
「ハンドルを据え切りしているときに」
など、具体的に症状が起きている時の状況を整備士に伝えると、
故障診断がスムーズにいくときも多いです。
◆車の振動に関するまとめ記事はこちら ↓
【まとめ】車から振動がする原因や対策とは?走行中と停車中では故障個所が違う?
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