軽自動車はなぜ振動が大きいのか?その理由や振動対策を考える

軽自動車 モコ車の振動

軽自動車に乗り込んでみてまず感じるのは振動が大きいことではないでしょうか。

乗用車との比較でもまず感じるのは騒音と振動が大きいことですね。

今回は、なぜ軽自動車は振動が大きいのか、どうすれば振動を軽減することができるのか。

僕の場合、整備士としてというよりも、車の販売員としても考えていかなければならない課題です。

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軽自動車の振動が大きい理由

エンジンが三気筒であることは大きい

軽自動車のエンジンは、コンパクトに作らないといけないこともあり、三気筒エンジンがほとんどです。

この三気筒エンジンはどうしても振動が出やすいうえに、エンジンの回転も四気筒や六気筒よりもかなりスムーズさに欠けてしまいます。

三気筒ってどういうこと?

三気筒エンジン イラスト
↑ 参考サイト Wikipedia
三気筒エンジンのことをお客様に簡単に説明するなら、

『ガソリンが燃える部屋が三つしかないエンジンなんです』

という言い方をします。

ガソリンが燃える部屋とは、燃焼室のことを指しますが、ようはこの部屋が多いほど、気筒数が多いという言い方をします。

軽自動車のエンジンは、この部屋(燃焼室)が三つ「しか」ないと書きましたが、普通車なら少なくともこの部屋が四つあります。

この、燃焼室の数が三つから四つになるとどんな違いがあるのかというと、

エンジンが二回転する間に、ガソリンに着火させて燃焼させる回数が三回なのか四回なのか、という違いになります。(4サイクルエンジンの場合)

四回の燃焼が行われる四気筒エンジンは、それだけ細かく燃焼がリレーされていくので振動が起きにくいというメリットがあるのです。

普段、普通車に乗っている人が、軽自動車に乗り込んでエンジンをかけると、やたらとエンジンの振動が大きいというか、雑な回転をするように感じるのはそういうことです。

三気筒エンジンは四気筒エンジンよりも振動が出やすく、エンジンの回転も滑らかさに欠けるということです。

以前は軽自動車でも四気筒エンジンを搭載する軽自動車もありました。
ダイハツも作ってましたし、スバルなんかは四気筒エンジンだけを軽自動車に搭載していました。

とくにスバルの四気筒エンジンは、まるで「モーターのように回る」と表現する人がいるくらい、スムーズで高回転まできれいに老けあがるエンジンでした。

その分、振動も少なくて根強いファンも少なくなかったのですが、燃費で不利なことと、

製造コストが三気筒エンジンよりもかかってしまうことなどもあり、現在は軽自動車の四気筒エンジンは作られていません。

コストカットのために振動対策も犠牲になる?

価格競争の厳しい軽自動車

軽自動車の場合、新車価格で競合他社との価格競争もシビアです。

同じ排気量のエンジンで、ボディサイズも同じ規格で作られているため、新車の価格帯もライバルモデルと同じくらいにせざるを得ないのです。

たとえば、ワゴンRとムーヴはボディスタイルも4ドアのハイトワゴンというセグメント(区分)で競いあっています。

すると、グレードで差別化はされていますが、同じグレードのモデルならほぼ同じような価格がカタログに載ることになるのです。

結果的には価格をライバルに合わせるためや、利益を出すためにコストカットを突き詰めていくことになります。

たとえば、内装などの、ユーザーが直接触れる部分などは、手抜きをして質感を落とすと、販売台数に関わってしまいます。

そこで、なるべく見えにくい部分でお金をかけないように、部品の点数を少なくしたり、なるべく製造しやすいシンプルな部品を採用することもやります。

その中には、エンジンからの振動を吸収するエンジンマウントや、路面からの騒音を室内に入れないような静音処理も含まれることもあります。

軽自動車のエンジンマウントは弱い?

ダイハツ KF型RHエンジンマウント

別の記事で書きましたが、軽自動車のエンジンマウントの不具合はわりと多いです。不具合というよりは耐久性そのものと言えるかもしれません。

たとえば、普通車なら、エンジンマウントをアルミと硬化ゴムで作られていることも結構あります。

アルミのほうがコストはかかるものの、軽量なので余計な振動をだしにくいからです。

それに対して、軽自動車では、アルミを使ったエンジンマウントやミッションマウントはあまり使われません。

車の振動対策は、その車の質感を上げるために大事な要素ですが、ギリギリのコストで作られている軽自動車は、細かい質感にこだわることが難しいです。

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価格競争で負けてしまわないためにも、これらの「客に見えにくい場所」には『抜けるところは抜く』ということになってしまうのです。

そもそも三気筒化もコストカットの一環?

軽自動車に搭載されるエンジンは三気筒が多いと上述しました。軽自動車には三気筒くらいのコンパクトなエンジンとの相性がいいことは確かです。

三気筒エンジンのほうが小さい分、軽く作れるので、軽量な軽自動車の前後の重量配分のバランスもとりやすいです。

ただ、それだけではなく四気筒エンジンよりも三気筒エンジンのほうがエンジンの製造コストが抑えられるというメリットもあるのです。

簡素化と手抜きに折り合いをつけた結果

「手抜き」という表現をするとメーカーのエンジニアさんに怒られそうですが、「効率化」とか「コストカット」と言えば罪悪感も薄れてきます。

安全上の確認が取れて、ある程度の耐久性が確保できれば、コストカットはどんどん進めていかなければならないです。

そのうえ、ライバルよりも早く市場に出していきたい、または強力なライバルモデルに遅れをとってしまったなら、本来の予定を前倒しにしてでも新型モデルを世に出さなくてはならない。

理想的なアプローチでものを考えるエンジニア側と、販売戦略で考える営業サイド、80点の出来でも納期を優先させるということも自動車メーカーではよくある話なのです。

軽自動車の振動対策とは

確実なのはタイヤのグレードアップ

タイヤ取り付け

車体に響いてくる路面からの振動や騒音。つまりロードノイズはそもそも発生しなければ静音や振動の対策も行う必要がなくなります。

物理的にタイヤと路面が触れることは避けられないのでロードノイズを発生させないことはできません。

それでも静粛性を高めたモデルのタイヤに交換することで、確実にロードノイズは小さくすることができます。

もちろん、古くなったタイヤなどはゴムとして硬化しているのでロードノイズは大きくなる一方ですので、安全対策も含めて早めに交換するべきです。

また、ドレスアップを狙ってホイールをインチアップすることもありますが、タイヤの扁平率を薄くするほどロードノイズは大きくなります。

そのうえ、扁平率の薄いタイヤは価格も上がりますので、同じような静音対策としてのタイヤ交換もコストが上がってしまいます。

基本的には静かな軽自動車を望む場合は、ホイールのインチアップは避けたほうが間違いないでしょう。

軽量化の弊害をデッドニングで解消

デッドニング

軽自動車のドアを開けたり締めたりしたときに感じるのが、ドアの重量感ではないでしょうか。

普通車のドアを閉めると「バタン」とすると、軽自動車なら「パタン」というくらいの重さの違いを音で感じるはずです。

軽自動車も側面衝突から乗員を守るための「ビーム」と呼ばれる太いパイプ状の骨格がドアの中にもありますが、車体を重くすると燃費やコストの面でデメリットになるので、極力軽量化も勧めなければなりません。

その結果、ドアの表面の鋼板がギリギリまで薄くされていたり、内張りの奥の鉄板部分もペラペラだったりします。

すると、車体に響くロードノイズや振動もそのまま伝わってきますので、なるべく振動が起きにくい「制振処理」をすることで、振動を抑えることができます。

そのなかでも、かなり効果的なのが「デッドニング」という制振の手法です。

デッドニングとは、重りのように重量のある制振用の素材をドアの内側などに貼っていくことで、本来の用途としてはオーディオの音質を向上させるためのものです。

ただ、鉛状の制振材を張り付けることで、細かな振動も起きにくくすることができるため、ドアや内装のビビり対策にもなるのです。

とくに軽自動車の場合はこのデッドニングの効果が大きいです。

基本的なメンテナンスも無視できない

エンジンルームの振動

今回は軽自動車に絞っての振動対策を考えてみました。

基本的なことは軽自動車でも普通車でも同じことではありますが、軽自動車の振動が大きいそもそもの原因は三気筒エンジンの採用による振動が発生しやすいことがまずひとつ。

さらに構成するそれぞれのパーツもコストカットがなされていることにより、制振対策が十分ではないことがふたつめの理由となります。

ここで重要になってくるのが、エンジンそのものの振動をなるべく発生させないことです。

そのためには、エンジンオイルを定期的に交換することで、エンジン内部のフリクション(抵抗値)を少しでも起きにくくすることも大事です。

また、スパークプラグやイグニッションコイルの点火系のトラブルは大きな振動を発生させますが、不具合を起きる前から振動は少しづつ大きくなってきています。

これらを抑制するにはスパークプラグを推奨値に従って交換することや、高性能なスパークプラグに交換することも、わずかではありますが、振動を起きにくくするための遠因にもなります。

また、エンジンを始動したら、すぐにエンジンに負荷をかける運転をするのを避け、暖機運転や、始動時の暖気もエンジンをいたわることになり、振動を出しにくいエンジンを保つ秘訣にもなるでしょう。

 

 

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この記事を書いた人
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