「どうも軽自動車は好かんな・・・」
といっていた、六十代の男性のお客様がいました。
定年退職から数年、維持費のことなどを考えて
いたし方なく軽自動車に乗り換えました。
ところが、一年後の定期点検では
「まぁ軽自動車でも十分かな」
とおっしゃっていました。
これは車販売ではわりと「あるある」な話です。
定年退職をきっかけにライフスタイルが大きく変わると
必要になる車も変わってきます。
そのなかでもよく候補に入るのが軽自動車です。
今回は、定年を迎える方が、車の買い替えをするとき
・軽自動車のどこがいいのか?
・維持費が安い以外にどんなメリットがあるのか?
・買い替えするならどんな車種がいいのか?
といった疑問に対して具体的なお話をしていきます。
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定年後に軽自動車がおすすめな理由
ライフスタイルにマッチする多様性
↑ダイハツ コペン 引用元 ダイハツホームページ
ここ最近、売れている車といえばハイブリッドカーと軽自動車ばかりと言われて久しく、とくに軽自動車の販売台数は安定して伸び続けています。
自動車メーカーも軽自動車の需要に対してさまざまなモデルが投入され、ますます軽自動車がファーストカーとして認知されていくでしょう。
軽自動車の特徴やメリットとは?と聞かれれば「維持費が安いんでしょ?」と答える方が多いでしょう。
ですが、軽自動車を購入する方のなかには経済的にはまったく困っていないユーザーさんもかなりいます。
「コンパクトで運転しやすい」
「デザインもいい」
「意外と物がたくさん乗せられる」
などなど、維持費以外の理由で軽自動車を選択する方も非常に増えてきています。
この「あえて軽自動車を選ぶ層」が増えてきた背景には、軽自動車のラインナップが充実したことも一因といえます。
趣味車と割り切れるシンプルさ
↑スズキ エブリイワゴン スズキホームページより
軽自動車のなかには商用利用を前提にしている貨物タイプのものもあります。
大事なのはどんな車種を選ぶかではなく、どんな目的をサポートしてくれる道具になってくれるのか、ということです。
そう考えると、もっともいいグレードを選ぶ必要もありませんし、むしろ遠慮なく使い倒せるような質素なスタンダードグレードを選んでもいいでしょう。
中途半端な豪華さよりも趣味のためだけの車と割り切れるのも軽自動車のいいところです。
たとえば、軽自動車の中でも根強い人気の趣味車なのが箱バンと呼ばれる貨物車タイプのモデル。
これだと、後ろのシートを倒してしまえば広大なスペースができあがり、農業用の道具を乗せたままにすることや、釣り道具をどっさりと乗せる「走る道具入れ」として使うことができます。
住宅事情などで趣味に使う道具の置き場所に困る場合などは本当に重宝します。
軽自動車の性能に驚く!
↑スズキ ジムニー スズキホームページより
軽自動車がファーストカーとして考えられるようになってから、メーカーも軽自動車の開発コンセプトを多様化させてきました。
車体の軽量化やエンジンの高性能化、トランスミッションの多段化やCVTの採用など、「小さな高級車」にもなりうる車種も登場しています。
たとえば、スズキのジムニーは発売当初から本格的なクロスカントリーモデルとして不動の人気を博しています。
むしろ大型のSUVでは入っていくことができないエリアに行けたり、四駆としては軽量であるために、雪道でもスタックしにくいという走破性能も備えています。
カメラに目覚め、様々な自然の風景や、飛行機、船、建物など、自分の好きなものを撮りにいく趣味にはぴったりだと言えます。
また、ダイハツのコペンなどは、乗っているだけで楽しくなるような体感が楽しめるよう、オープンカーとしての魅力を盛り込んでいます。
動力性能もターボ車らしく、力強い走りを見せ、冬場でもオープンにしたくなるような工夫もなされています。
奥さまをとなりに乗せて高速道路のサービスエリアの食べ物巡りなどもいいかもしれません。
定年後の車の買い替えポイントとは
生活スタイルに合わせた車種選び
定年退職するまでは、社会人としても車を利用することもあったかもしれませんし、
子育て世代としてもある程度家族を乗せることを前提にした車種選びをすることが多いと思います。
よくお客様から聞くのが、
「定年を迎えてから、車に乗る回数が減ったし距離も短くなった」
というのです。
定年直後はなにかと活動するのですが、二年もすると、すっかり落ち着いてきて、生活のパターンも決まると車に乗る回数も時間も減ってくることが多いです。
また、人を乗せる回数も減ったとも聞きます。
生活スタイルが変わることで車の使い方も変わることは自然に起きることです。
そうなると2000ccクラスのミニバンや普通車だと、一人乗りの移動にはややコスト高な乗り物になってしまいます。
「燃費もよくない」「無駄に大きい」「駐車場でも少し気をつかう」など、気軽にお出かけをするには取り回しがよくないデメリットも気になってきます。
よりアクティブになれる車選び
定年を迎えてから出不精になったという方は非常に多いです。
仕事以外の外とのつながりをほとんど持ったことがない男性が定年を迎えると、ほとんど自宅から出ることがなくなり、食事を作る奥さまの負担もふえ、夫婦関係が悪化することもあるとなっています。
今まで関わることのなかったコミニティにいきなり参加するのもなかなか勇気がいります。
外でする趣味やボランティア、のための車選びをすることもいいきっかけになるでしょうし、ハイキングや山登りなどを始めやすい車なら気軽にでかけることもできるようになるでしょう。
軽自動車にすると維持費が大幅削減できる
やはり軽自動車のメリットを説明するうえはこの維持費の安さは外せません。
日本車でスタンダードなのが2000ccクラス前後のミニバンやセダンを選択することが多いでしょう。
これらの車種を軽自動車にすることで年間に20万円以上の維持費の差が出てきます。
軽自動車と普通車の維持費の年間の差額はガソリン代、車検、重量税、自動車税に車検とのときに交換するであろうタイヤやオイルなどのパーツなども含めて合計を出すとさらに維持費は膨れ上がります。
これだけの維持費を軽自動車に乗り換えるだけで削減でき、浮いたコスト分を新たな趣味に使うこともできるわけです。
整備士としての視点でも、普通車のほうがなにかと修理する際にも部品代や作業料金が軽自動車よりも割高になることは否めません。車が古くなるとさらに差がひろがるかもしれません。
定年後の乗り換えあるあるな残念話
カーライフアドバイザーとして、車の乗り換えのアドバイスをすることもよくあります。
そのときに、「今までは家族に遠慮して我慢していたけど、高級車に乗りたかったんだ」
こんなご要望をいただくこともあります。
ですが、実際に高級車に乗り換えると、家族が遠慮してあまり乗り込んでこなかったり、ほとんど走らせるよりも洗車をしているだけ、という観賞用の車になってしまっていることもあります。
走らないわりには税金なども高いので「意外と乗らないままで手放してしまった」というパターンもあります。
かつてのスポーツカーブームや、憧れの高級車への「いつかは所有したい」という夢も、かなえてみると違和感だらけというのもあるあるな話なのです。
定年後の車としておすすめな軽自動車とは
ライフスタイルに合った車種選びが大事
↑ダイハツ タント ダイハツホームページ>>
「おすすめな車を教えて」とお客様に聞かれることがよくあります。そこで僕が切り出すのは「まずあなたのことを教えてください」と答えます。
なぜなら、「おすすめの車」とか「いい車」というのは、その人によって違ってくるからです。
とにかく維持費にこだわるという方ならひたすら低燃費なモデルを選んでおけばいいのですが、なにかしらの付加価値を求めるのであれば、
その人にとっての便利とか魅力的とかがわからないとおすすめもできないのです。
お客様からのお話を聞いていても、「今までの生活スタイルと定年後ではどんな風に変化していくのか?」なかなかしっくりこないという方も多いようです。
そこで、僕がいつもカーライフアドバイザーとして、お客様と一緒に車種選びから入るときによくする質問をご紹介します。
その車にご家族を何人乗せますか?
これは室内空間にどの程度のウエイトを求めているかをざっくり聞き出すための質問です。一家に一台きりの車を購入する際はこの部分が特に重要になってきます。
それに対し、家族構成が奥さまと二人だけとか、別の車があるから使用用途は使い分けすることができるか、というのも大事な要素になってきます。
五年後、あなたと家族はどんな生活をしていますか?
車を購入する際に「現在」ももちろん大事なのですが、車という大きな買い物をするときに、五年とか十年というスパンで生活様式の変化を考えてみる必要がありますよ、ということです。
たとえば、すでにお孫さんがおられるお客様の場合、「そういや五年後には孫が二人とも中学生になってるよ」という方だと、
「後ろのシートを広めにとれる車種はいかがでしょう?」みたいな質問もすることができます。
それに対して、これから家族を乗せる回数はどんどん減っていく、というお客様には、二人乗りくらいの使用用途であれば少しコンパクトな軽自動車をおすすめするかもしれません。
また、家族と同居しているので大きなミニバンはすでにあるから自分は好きな車に乗ることができるという場合だと二人乗りのオープンカーなんかはけっこう外向的になれておすすめだったりします。
あなたにとって譲れないことは?
これは個人の趣味なども含めると、大きなウエイトを占めているかもしれません。
趣味が釣りなので、釣り道具が乗せやすい車種がいいとか、後席に小さなお子様を乗せることが多いから、後ろのドアはスライドドアがいい、なども大事な判断材料になってきます。
他にも雪の深いエリアに行くことが多いとか住んでいるということ4WD(四輪駆動車)でないと困るという方もいるでしょう。
まずは今後のライフスタイルを描くこと
なによりもお伝えしたかったのは、「いい車の条件」とはその方のライフスタイルによって全く求めるものが違うということです。
車という、何年も、時には十年以上の付き合いをする大きな買い物をすることに、もっともっと興味を持った方が満足度も高い買い物ができます。
そのためには「自分との対峙」というか、自分のしたいことや、周りの家族、友人にしてあげたいことなどをリストアップしてみるといろいろとアイデアも浮かんでくるでしょう。
整備士としておすすめしたくなる軽自動車
ホンダ N-VAN
↑ ホンダ N-VAN ホンダホームページ_
この車の特徴といえば、なんといっても思い切りの良さと言えるでしょう。
このホンダのN-VANは、左側のスライドドアとフロントドアの間の柱、Bピラーと言いますが、この部分がなくなっているため開口部が非常に大きくなっています。
そのため大きな荷物の取り出しなども簡単にでき、後席のシートをたたむことでフルフラットにすることができます。
ひたすら貨物車としての使い勝手の良さや燃費の良さなどをプロ仕様として突き詰めた形としてこのようなレイアウトになったと思います。
プロ仕様とは言いつつ、一般ユーザにとっても使い勝手が良いケースが多く、趣味車として割り切ってカスタムするにはいいベース車になると感じました。
使い方によっては非常に遊び心に富んだ仕様にすることができます。
また、燃費性能の良さも見逃せません。低燃費を狙って設計されたエンジンとCVTの組み合わせ、さらにアイドルストップ機能も装備されています。
ただ、アイドルストップ機能が鬱陶しいという方もかなりいますが、後付けのパーツを取り付けることで、アイドルストップしないようにすることもできます。
ダイハツ コペン
↑ダイハツ コペン 引用元 ダイハツホームページ
ダイハツのコペンのウリは、実際に所有しているオーナーさんの声にもあるように「最高の遊び道具」であることに特化していることです。
じつは、オープンカーの面白い効果として、オープンにして走るときは服装にも気を付けるようになるということです。
やはりフルオープンすると、道行く車や人からもドライバーは丸見えですから、自然と恥ずかしくない格好にしようと思うんだそうです。
ちょっとお洒落なキャップを買ってみようかなと思ったり、サングラスも欲しいなと思ったり。
開放的な車に乗ることで意識が随分と若々しくなることは間違いないです。
また、オープンにするこの非常に簡単にできますので、めんどくさくないところも非常に大事な要素です。
ここが億劫だと手軽さがなくなってしまいますので、開発陣もそこをよくわきまえていて、非常にお金をかけた作りになっています。
いつも出入りしているダイハツの販売担当の営業さんから聞きましたが、「コペンに関しては値引きは一切してませんので」ときっぱりと言われました。
スズキ ジムニー
↑スズキ ジムニー スズキホームページより
スズキのジムニーは、デビュー当時からセンセーショナルな話題をさらっていました。何代もモデルチェンジされながら、走破性能や快適性を追求してきました。
そして、現行型のジムニーは発売当初から非常に高い評価をうけ、一時は受注してから納車までが一年待ちという、ヒットとなりました。
「最近の車には欲しい車がない・・・・」
そう、おっしゃっていたお客様が飛びつくように注文したのがこのモデルです。実は僕自身もかなり欲しいのですが、値段も軽自動車としてはなかなかのプライスです。
ですが、ジムニーならファーストカーとしても十分に手有する喜びと実用性がありますし、少し背の高いクロカン四駆は、運転席からの見晴らしもよくて、意外にも街乗りで快適だったりします。
もちろん、四駆としての走破性能は折り紙付きで、下手な重量級のSUVではかなわないような走破性能とコンパクトなボディのおかげで運転のしやすさも光ります。
とくに狭い山道などを走っていると対向車とすれ違う時がありますが、ジムニーならスイスイとかわしていくことができます。
秋の紅葉巡り、渓流釣り、ハイキングなど、ジムニーがあればどこでもいけるという気持ちにしてくれます。
スズキ|ジムニーの新車見積もりはこちら⇛
最後に・・・
定年後に車を選ぶとき、維持費などのランニングコストに目が行きがちです。
その一方で、「今まで家族に遠慮していたから、一度は高級車に乗ってみたい」という、叶わぬ夢を取り戻したいと考える方もおられます。
ですが、新しい生活をよりアクティブに、ワクワク感をもって、惜しげもなく使いこめる軽自動車を選ぶのも気持ちを切り替えるにはいいのではないでしょうか。
軽自動車に対するイメージはどんどん良くなってきています。
安全性能も、受動的な衝突安全に関しては車体のサイズの関係上、普通車にはかなわない部分もあります。
ですが、それを補うように能動的な安全装備が充実してきました。
誤発進抑制機能やレーダーサポート、車線逸脱防止機能などの新しい技術も軽自動車に盛り込まれています。
そのぶん、車両本体の価格もコンパクトカーと並ぶほどになってしまっているきらいはありますが、
気軽に乗れてお洒落もできる軽自動車は、ますます魅力的に進化していくでしょう。
たとえば、
「安全装備はどんどん進化してるんだから、車は定期的に買い換えたい」
とお考えなら、車を購入するのではなく『リースで乗る』という選択肢もあります。
リース契約での乗り換えが増えてきた
リース契約なら、乗りたい期間だけを契約することができるため手軽に車を換えることができます。
カーリースでおすすめなのが、NHKやTBS、日経新聞でも取り上げられている定額カルモくんです。
カルモくんのメリットは国産車をすべて取り扱っていることで、軽自動車のどのグレードでも利用することができることです。
年金受給者ではカーリースの審査が通りにくいと言われていますが、車のグレードを落とすことで審査に合格しやすくなり、理由はマイカーローンとまったく同じです。
つまり月々のリース料金と収入とのバランスが取れていないとリースの審査にも通らないことが多いのですが、今回のお話のような軽自動車であれば比較的に審査が通りやすいプランになります。
定額カルモくんでは、頭金なしボーナス月払いなしのプランも選ぶことができ、税金や車検などもリース料に含まれているので大きな出費が発生する月がないことがメリットです。
↑ カルモくん公式ページより引用
軽自動車なら、グレードを最上級のものにしなければ頭金なしの月1万円台のプランにすることも可能です。
個人事業主として経費計上することもできるので、お仕事で使用する方にもリースはメリットが多いです。
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