車を車検に出したときに、
「足回りのショックアブソーバーからオイルが漏れているから車検に合格しません」
と言われると驚かれる方が結構います。
そもそも、ショックアブソーバーってなんだろう?
ショックアブソーバーの中に入ってるオイルってなんだろう?
今回はショックアブソーバーからのオイル漏れが車検に合格しない理由や
オイル漏れを放置したらどうなるのかなどのお話です。
ショックアブソーバーから漏れているオイルとは
ショックアブソーバーの機能とは
ショックアブソーバーとは車のサスペンションの一部となっていて、走行中に車が路面から受ける衝撃をスプリングが受けています。
ところがスプリングが衝撃を緩和してくれても、そのままでは車の揺れがなかなか収まりません。
そこでショックアブソーバーと言われる、伸び側と縮み側にすばやく揺れを収める抵抗が必要となります。
ショックアブソーバーの構造は比較的単純にできていて、イメージとしては注射器のような構造だと考えてください。
もしも注射器の中にオイルが入っていたらオイルを押し出すときにかなりの重みが発生します。
その重みが衝撃を吸収した後の抵抗となって車の揺れが速やかに収まるようになっています。
ショックアブソーバーの場合は伸びる側と縮む側それぞれにオイルが行き来するようになっていて、小さなオリフィスと言われる通路オイルが通過することで適度な抵抗となっています。
つまりオリフィスを通過するオイルの種類によっては硬いショックアブソーバーにすることもできます。
このショックアブソーバーの中に入っているオイルはどちらかと言えば、パワステフルードや、オートマチックのフードに近い成分が使われています。
つまり潤滑ではなく油圧を受けるような液体だと思ってください。
ショックアブソーバーからオイルが抜けるとどうなる?
そもそも、ショックアブソーバーの中にあるオイルはなんのためにあるのかを考えるとおのずと答えはでてきます。
ショックのオイルが入っていない、または不足している状態では、ショックアブソーバーが伸びたり縮んだりするときに重みというか、抵抗がありません。
そのため、車を走らせていて、路面の段差などを乗り越えたときに、車の揺れがなかなか収まらず、しばらくのあいだ「ふわふわ」とした、まるで船に乗っているような気持ち悪い揺れを感じます。
とくに後ろ側のショックアブソーバーが抜けた状態だと、後席に座っている同乗者は、乗り物酔いになりやすいかもしれません。
ショックアブソーバーからのオイル漏れが車検に合格しない理由とは
どんな種類であれオイル漏れは車検に合格しない
車検に合格するかどうか基準は保安基準と呼ばれる、国が定める法令に基づいて決められています。
その保安基準の中で、オイル漏れに関しては車検に合格しないと規定されています。
つまり言い換えればどんなオイルでも車の中から漏れると車検に合格しないと言う、少しざっくりとした表現の仕方になっています。
もちろんガソリン家経由が漏れると言う事は非常に危険ですので最も厳しい基準で検査されていますが、燃料以外の油脂類に関しても、基本的には漏れていると車検に合格しません。
ショックアブソーバーからのオイル漏れは、漏れ出したオイルが引火するとか、オイル漏れしているショックアブソーバーが原因で危険に直結すると言うことはありません。
危険であるかどうかではなく『車に組み込まれた油脂は漏れてはいけない』という、わりと曖昧な理由なのです
ショックアブソーバーからオイル漏れしている場合の対処
殆どのショックアブソーバーは使い捨てというか、オーバーホールをすることはできないような構造になっています。
そのため内部に封入されているオイルが漏れ出した場合は、オイル漏れを修理することはできず、筒状のショックアブソーバーの部分をまるごと新品にするしかできません。
バイクやレース用の高性能なショックアブソーバーの場合はオーバーホールすることもできます。
まとめ
車検に合格するかどうかという基準は、危険かどうかに関係するように感じるかもしれませんが、意外にもオイル漏れをしているからというだけで、
ショックアブソーバーとしての機能が失われているかどうかはあまり関係ありません。
とはいえ、国の定める法令なので、ディーラーでも町の整備工場でも車検ではしっかりとチェックされています。
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