それ節約ですか?ユーザー車検のメリットとデメリットと安全性とは

ユーザー車検 検査ライン 車検について

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「今回はユーザー車検で終わらせたら車検費用は安くすんだよ」

と自慢そうにおっしゃる方もけっこうおられますが、

それ、本当に「安くすんだ」と言えるでしょうか?

自動車保険にお金をかけるように、検査にもコストをかけるべきではないでしょうか。

今回は安く済むけど高くつくかもしれない

ユーザー車検のメリットやデメリットについてお話していきます。

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ユーザー車検のメリットは安いだけ?

ユーザー車検はその車の使用者が自ら陸運支局や軽自動車協会の検査ラインに車を持ち込む検査です。

もちろんそのメリットは民間車検場やディーラーなどに払う車検の工賃を節約できることです。

他にもメリットはなくもありませんが、基本的には大幅に車検にかかる費用を抑えることができることに尽きます。

確かにこの金額は大きく、

ディーラーへ車検を依頼すると、それだけで基本工賃、検査ライン使用料、など、「人が動いたから」という理由で様々な手数料を支払うことになります。

ユーザー車検ではそれらを全部カットできるわけですから、小型車クラスでもそれだけで三万円以上は節約できます。

ですが、メリットはそれくらいで、プロの手を借りずに車検をすることの面倒な手続きや、整備が不十分となってしまうことのデメリットも非常に大きいです。

ユーザー車検はゆるい?

たとえば、ブレーキの検査では、検査ラインで制動力の測定をしていきますが、その瞬間だけブレーキがしっかりと作動すればいいだけです。

たとえば、ブレーキパッドが消耗していてほとんどない状態でもユーザー車検なら普通に合格できます。

もしもその翌日にブレーキパッドが完全に無くなって車がスピンしても不思議ではないかもしれません。

当然、検査をした陸運支局や軽自動車協会の検査官にはなんの責任も生じません。

「検査した時は正常だった」という記録が残っていますから。



ユーザー車検のデメリットは整備不足だけではない

整備をせずに車を持ち込んでもユーザー車検なら合格することもよくあります。

とくに新車から初めての車だと、走行距離も少ないうえに車が新しいので経年劣化もありません。

「状態がいいからユーザー車検を利用するんだ」とおっしゃる方も確かにおられます。

ですが、たとえば、新車から三年の車だと、メーカーの特別保証の期限も残っていますし、保証として無償で修理をしてくれていることもあります。

つまりユーザー車検だと、ディーラーとの付き合いがなくなってしまうことで、当然に受けられるはずの保証などを見逃してしまう可能性もあるのです。

僕自身も、ディーラーの整備士ではありませんが、車検で入庫した車に保証を受けられそうな不具合を見つけた場合はユーザーさんに、

「一度ディーラーさんに相談に行かれたら?」とアドバイスをしたり、場合によっては懇意にしているディーラーさんを紹介してあげることもあります。

ディーラー車検で保証期間が切れていたのに保証されるケース

車に対するメーカーの保証は、一般保証と特別保証に分かれます。

とくに特別保証はエンジン本体や、ミッションなど、高額な修理になる重要な部分です。

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これは、通常は五年または十万キロのどちらか早いほうの範囲で保証されるのですが、ディーラーに車検を依頼したときに、保証期間が少しだけオーバーしているケースでも保証として適用されるケースもわりとあります。

これは車だけではありませんが、メーカーとしてクレーム対応などをするとき、本来の保証期間を少し過ぎていても

「今回は特別に」と前置きしたうえで保証修理として処理してくれるケースがあります。

電化製品、携帯電話、住宅設備などなど。

結局はメーカーも企業として利益を出さないといけませんが、顧客離れを防ぎたい一面もありますし、イメージを守りたいというのもあります。

わずか数日の保証期間が切れているからと言って「規則は規則です」などとやってしまえば、そのユーザーは「こんな会社の商品、二度と買うか!」となってしまいます。

車も同じことで、まだ保証期間が残っているような新しい時期こそ、ディーラーとの付き合いをうまくやっておくことも大事なのではないでしょうか。

それぞれの店舗で店長や工場長が個人的な采配で「今回は大目に見よう」と判断するケースもあるのです。

ユーザー車検の安全性は最低レベル

ユーザー車検を知るうえで理解しておいていただきたいのは、車検は「整備」ではなく「検査」であるということです。

これはディーラーも町の整備工場でも全く同じことで、

「陸運支局や軽自動車協会の検査ライン」

「ディーラーの場内にある検査ライン」

「ディーラー以外の指定工場の中の検査ライン」

上記の検査ラインの部分こそが車検ですることの共通の「検査」なのです。

この検査は「道路を安全に走行する最低限度の性能や機能を有しているか」を確認しているだけなのです。

いつ壊れるのかという部分は関係なくて、「今は大丈夫か」という部分の確認ということで

車検直後の状態に対しても検査官は一切の責任を負わないということも覚えておきましょう。

検査官の業務はオーバーワーク?

国の出先機関である陸運支局や軽自動車協会では、毎日ものすごい数の車両の検査をしています。

ユーザー車検に持ち込んだことのある方なら経験しているかもしれませんが、まるで流れ作業のように車の検査が行われていて、

検査官もユーザー車検の車が入ってくるとちょっとムスッとすることもあります。

「やれやれ、素人が来たよ」といった感じで露骨に嫌な顔をする検査官もいました。

ですが、彼らの業務を見ていて思うのは「そりゃ、イライラするかもな」と、同じ資格をもつ自動車検査員として同情したくなることもあります。

そんな彼らの精神状態で、正確無比な検査ができるでしょうか?

実際に、マフラーから排気漏れしているのに合格したとか、ジョイントブーツが避けてても何も言われなかったとか、そんなことはしょっちゅうあります。

「見逃した」なのか「見落とした」なのかその両方もあるのかは彼らの立場ではないので何とも言えません。

ここでこの記事をお読みのあなたにお聞きします。

安全に関わる重要な部分のチェックを丁寧にしてほしいですか?それとも、とにかく車検に合格させて欲しいですか?

同じくらいのスキルや経験を持った検査官がいたとして、

一時間に二十台の車の検査をする場合と、

一日に二台の検査をする場合、

どちらがしっかりと検査できますか?

答えは言うまでもありませんよね。

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