整備工場の「あるあるネタ」として、暑い季節になるとエアコンのガス補充がいきなり増えることです。
ところでこの記事をお読みのあなたは、エアコンのガスを補充することにどのように感じていますか?
基本的にはエアコンのガスは減る事はありません。
という事はエアコンのガスは、どこかから抜けていると言うことになります。
本来ならエアコンガスが漏れているなら修理が必要ですが、
ほとんどのお客様はガスの補充をされます。
今回はエアコンのガスの補充とガス漏れ修理、
どちらが安く上がるのかと言うお話をしていきたいと思います。
軽自動車のエアコンガス漏れ修理
エアコンのガス漏れが多い場所とは
エアコンのガスは基本的には減る事はありません。ではどこからガスは減っていくことが多いのでしょうか。
エアコンのガスが減ることが多いのがエバポレーターと言う場所で、エバポレーターとは冷たい風を作る場所で、常に除湿しているのでその部分が水分で濡れています。
そのため水分が原因でエバポレーターの一部が腐食してガス漏れが発生したりすることがあります。
また、車の前側に配置されているコンデンサーと言う部品がありますが、コンデンサーは家のエアコンで言う、「室外機」に当たる部分です。
コンデンサーとは、高圧に圧縮されたフロンガスを冷却する装置で、風が当たりやすくなるように車の前方に開講しています。
比較的に下のほうに付いているため、飛び石等が当たりやすくそこからガス漏れを発生させることが結構あります。
また交通事故などで車の前側部分を板金修理したことがある場合などは要注意です。
なぜならフロントバンパーのすぐ後ろ側にエアコンのコンデンサがありますので、事故の後遺症としてコンデンサーの継ぎ目から少しずつエアコンガスが漏れていることも結構あります。
軽自動車のエアコンは無理をしている?
エアコンはエンジンにかなりの負担をかける装置です。
配管部分に高圧がかかりますのでパイプとパイプの継ぎ目の部分から少しずつフロンガスが漏れているケースもかなりあります。
軽自動車なら、新車から三年経過したくるまなら、フロンガスは80%くらいまで減っていることもあります。
またガス漏れしている場所は1カ所とは限りませんし、フロンガスが漏れている場所は目視では確認することができませんので、漏れている場所を特定することも難しいです。
なによりも軽自動車のエアコンの場合は少ないスペースのなかにエアコンのパーツが押し込まれていますので、冷房としての効率も悪いですし、走行中の振動なども車格の大きな車両よりも負担が大きいといえます。
軽自動車のエアコンのガス補充
ガスの補充は単なる応急処置でしかない
エアコンガスは基本的には減ることはありません。エアコンガスを補充することは修理を先延ばしにしているだけに過ぎません。
それでも、ほとんどのユーザーさんはエアコンガスの補充を望みます。なぜならガス漏れを修理する事は非常に高額な修理となってしまうことが多いからです。
ガス漏れの修理をするには、まず全てのフロンガスを一旦抜いてしまう必要があります。
そのあとでガス漏れの個所の部品やパッキンを交換するのですが、一度エアコンの配管の中に空気が入ってしまっているので、「真空引き」という、配管内の空気抜きを真空ポンプを使ってします。
そのあと、真空の状態を保持できるかどうかを圧力計でチェックし、無事に密閉性が保たれていることがわかれば、フロンガスを規定量まで注入していきます。
ガス漏れの修理は、たった一か所の100円ほどのОリングを一つ交換するだけでも、上記のような「全量ガス抜き」「真空引き」「全量のガス注入」という工程が必要になります。
エンジンオイルの漏れ修理や冷却水の漏れ修理よりも、はるかに工程が多いうえに、フロンガスの料金もバカになりません。
これらの工程をお客様にご報告し、「ガスの補充なら値段も安いしすぐにできる」「ガス漏れ修理なら診断から入ってかなりの時間と費用が必要」という二つの選択肢を提示することになります。
すると、ほとんどのお客様が「とりあえずガス補充だけで」という選択をするのです。
軽自動車のエアコンガスの補充料金
ガソリンスタンドが得意な作業?
エアコンガスの補充は、少しの知識と簡単な道具があればどこでもできるようになります。
そのためメーカー直系のディーラーにエアコンガスの補充を依頼する人は案外少ないかもしれません。
とくにガソリンスタンドでは油外収益を意識しているので、クーラーガスチャージには力を入れているところもあります。
ただし、ガス補充だけならそれほどの知識は必要ありませんが、ゲージマニホールドという圧力計でエアコンの健康状態を判断するにはそれなりの知識と経験が必要になってきます。
ちなみにですがエアコンガスの補充の料金に関してはかなりばらつきあります。
一般的に多いパターンとしては、ガスの補充の技術料として3000円ほど、フロンガスの補充した分の料金としては、R134aタイプのフロンガスの価格は、1缶につき、約2000円ほどです。
最近の軽自動車なら400グラムほどガスが入りますので、ガス代だけで4000円ほどはかかると考えておいてください。
まとめ
結局のところエアコンのガス漏れ修理をしていると、安く上がるケースでも30,000円ほどの修理になります。
もしもコンプレッサー本体からのガス漏れなら、100,000円以上の修理費用がかかります。
それに対してフロンガスの補充は大体6000円とか7000位で終わってしまいますので、それで1夏を過ごせるのであればむしろ安いくらいとほとんどのお客様は感じているようです。
中には1週間ほどしかフロンガスの量が持たないような激しいガス漏れをしている車で来店された方がいましたが、「一週間で6000円は高くつきますよ」と説得し、本来のガス漏れ修理をおススメしたことがあります。
ようするに、ガス漏れのレベルによってガス補充かガス漏れ修理なのか、どちらが安く済むのかを考えてあげる必要があるのです。
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