CVT車にお乗りのお客様から
「オートマチックからのヘンな音が気になって仕方がない」
「なんか、モーターみたいなウィーンって感じの音がする」
と言った内容のお問い合わせが結構あります。
もともとCVTはうるさい方ですが、その中でも「ウィーン」と言うモーターのような音は、気持ちの悪い異音と聞こえても仕方ありません。
今回は僕が整備工場でお客様にお話ししているCVTからの異音に関する質問にお答えした内容をまとめてみました。
結論を先に言えば、故障ではないケースもかなりあります。
▼CVTに関するまとめ記事はこちら▼
【CVTまとめ】フルード交換・異音・運転方法などを解説
CVTの異音?ウィーン音の正体
異音の原因はスチールベルト?
中古車を販売する整備工場ではよく経験しているであろうCVTの異音の原因ですが、そもそも、「ウィーン」と言う音は異常な音ではないことも多いです。
CVTは、スチールベルトとプーリーが接触しながらエンジンの力をタイヤに伝えています。
当然ですが金属製のベルトですのでフルードが入っていない場合だと、ものすごい音がします。
中古車販売をしている整備工場は、CVT車の異音にはあまり驚きません。
特にエンジンをかけた直後に「ウィーン」と派手な音がしても
「いつもの音かよ」って感じで終わらせてしまいます。
エンジンをかけずに数日以上放置しておいたCVT車は久しぶりにエンジンをかけると大きなウィーンといったうなり音がします。
車種にもよりますが、とくに軽自動車はモーター音のような音が聞こえることが多いです。
金属ベルトの油膜切れ?
ではどうしてこのようなことが数日エンジンをかけないと大きくなってくるのでしょうか。
おもな原因としては、CVTフルードがCVTの中で完全に下がりきった状態で数日ぶりにエンジンをかけることでスチールベルトとフルードが馴染んでいないから大きくなりだすのです。
とくにCVTフルードをしばらく交換していなかったりすると、さらに大きな異音が鳴り出すことも多いです。
さらにスチールベルトの暖機が十分にできていないことで強調されます。
季節で言うなら、真冬の早朝などに久しぶりにエンジンをかけた場合などは近所迷惑になりそうな大きなモーター音がしてしまうこともあります。
これはCVTフルードの温度が低いことが原因で、しばらく走らさずに一分ほどの暖気をしてあげることで、かなり静かになります。
おすすめじゃないのは、音が大きい状態でいきなり走り出したりで、急加速をするのは、もっとよくないです。
モーターのような音がした時の対処とは
この場合の対処法としてはしばらくエンジンをアイドリングさせてエンジンやCVTミッション内部の暖気をしてあげてください。
暖気時間の目安は摂氏5度以下ですと30秒から1分は少なくともしてください。
その後走り出したとしてもなるべく急加速などをせずに暖気を続けるつもりで丁寧な運転をしてみてください。
丁寧な運転とは、「ふんわりアクセル」をこころがけ、「急アクセル」「急減速」をさけることです。
走り始めの暖気運転は「ならし運転」としても有効でCVTの寿命にも関係します。
CVTは正常でもモーターに近い音を出す?
軽自動車や小型車はとくにモーターのような音を発する
まるでモーターのような音がすると言うお客様からの表現はあながち間違っていません。
なぜなら音の発生する音質はモーターは金属部分などの接触するが面なのですが、CVTも「金属製のスチールベルト」と、同じく「金属製のプーリー」のこすれる音が原因となるからです。
とくに軽自動車や小型車の場合だと、このうなり音が甲高い場合が多いです。
それまでCVT車に乗ったことのないお客様だと、間違いなく「ヘンな音がする」と感じるはずです。
このモーターのような音を発しやすい条件としては、エンジンルームが冷えているときです。
とくに冬場の朝などにエンジンを始動すると、かなり大きな「ウィーン」というモーターのような音がして驚きます。
この場合はCVTの内部でCVTフルードが十分に暖まっていないことが原因なので、時間が許す限り暖気の時間をとってみてください。
エンジンを始動したすぐにCVTからモーター音がしたら
できかぎり暖気をすることで音が静かになる
CVTの異音の原因も同じ部分が多い
スチールベルトの異常磨耗が音の原因
CVTを搭載した車は、ユーザーの使用条件によってその寿命がかなり違ってきます。同じようなオートマチックだとしてもAT車よりも寿命の違いが大きいと僕も感じています。
それはCVTの心臓部とも言える金属ベルトとプーリーの接触面がいかにきれいに摩耗しているかによります。
例えば急加速を頻繁に行うユーザーの場合、スチールベルトの金属ベルトとプーリーの接触面が急激に変化すると言うことになります。
これが原因でスチールベルトとプーリーとの接触面が均等でなめらかな状態でなくなりやすくなります。
これによりスチールベルトの接触面にムラができ、そのムラがさらにモーター音を大きくしたような異音に変化していきます。
はじめは「ウィ――ン」と聞こえていた音が「ギュイー――ン」といった音質にまで変化していくこともあります。
モーター音を小さくする秘訣とは
モーター音を、少しでも起きにくくするためにできる事はいくつかあります。
まず第一にCVTのフルードの定期的な交換がおすすめです。
状態の良いCVTフルードは金属ベルトの異常摩耗を抑制させる効果があります。
また、異音の初期段階では添加剤を使用することでうなり音を緩和することもできるでしょう。
【関連記事】CVTからうなり音がするけど異音の原因は添加剤で解消される?
さらに、エンジンをかけた後の暖気を長めに取ってあげることでCVTフルードと金属ベルトのなじみが良くなります。特に寒い日のエンジン始動時はなるべく長めに暖気をしてください。
また、CVTをいたわると言う意味では急激なアクセル操作でオートマチックに負荷をかけるような運転を避けることで異音をおきにくくすることができます。
最後に・・・
まず知っておいて欲しいこととして、CVTからのモーターのような音がする場合、小さな音であればそれは異音ではありません。
ただし、うなり音のような音に変化していったり、同じ音質でも以前よりも明らかに音が大きくなっている場合はCVTフルード交換してみることをお勧めします。
ただし80,000キロ以上走行した状態でフルード交換をしたことがない場合は整備工場からはフルードの交換をお断りされる可能性もあります
そのためCVTフルードの交換は普段から早め早めに交換することが望ましいです。
もしもその車に長く乗りたいと考えるなら、CVTフルードの交換は20,000キロから40,000キロ、より過酷な運転をした場合は早めの距離での交換がのぞましいです。
また重い荷物を乗せていたり上り坂や高速道路加速していくことが多い場合はとくにCVTフルードの交換を定期的に行うことをおすすめします。
【関連記事】CVTフルードの交換時期や交換距離は?無交換で走るとどうなるの?
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