車の異音でゴーとかゴーゴーと聞こえる原因を考えてみた

ハブベアリング分解状態 車の異音

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車のどこからか「ゴー」という異音が・・・

はじめは小さくて気にもしていなかったけど、

だんだん音が大きくなった気がする・・・

車の大きなトラブルには予兆というか前触れのようなものがありますが、

異音もその前兆である可能性があります。

今回は「ゴー」という音の質の異音について

ご自分である程度の目星をつけられるかもしれないというお話です。

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車がゴー異音を出す主な原因とは

走行中にタイヤの周りから異音がする場合

ハブベアリングの劣化や損傷

リアハブベアリング
車のタイヤの付け根の部分にはハブと言われる車軸にあたる部分があります。

家の家具に例えるなら、キャスターと言われる部分ががありますが、ここが滑らかに回転しないとコロコロとスムーズに家具を軽く動かすことができないのと同じで、

車の車軸となるハブの真ん中にあるハブベアリングも滑らかに回転しないといけません。

ハブベアリングは、何百キロもの重量を受け止めているので、かなり丈夫に作られていますが、それでも何万キロも走行しているとハブベアリングにもガタというか、真ん中の周りにあるボールの部分が傷んできます。

すると、ボールが回転するたびにゴロゴロと音がするのですが、この音が時速何十キロものスピードで走ると、「ゴロゴロ」が連続して聞こえて、ほとんど「ゴー」にしか聞こえないのです。

そのため、この症状を訴えるお客様の中には、「ゴー」ではなく「ゴーーーーー」と連続した表現をする方もおられました。

このハブベアリングは四つのタイヤのすべてにあるので、たとえば右前のハブベアリングが傷んでいる場合は、右のタイヤのあたりから走行中に「ゴー」っという音が聞こえてくるのです。

タイヤそのものからの音の場合

硬化したタイヤ
タイヤのあたりから聞こえる異音として、タイヤのゴムが劣化して硬くなっているために異音のように聞こえる場合もあります。

タイヤから聞こえる音のことを「ロードノイズ」といいますが、ロードノイズはタイヤのゴムが経年劣化で硬くなっただけ、うるさくなってきます。

つまりタイヤが古くなってくると自然にロードノイズも大きくなるので正確には異常な音ではありません。

もちろん、新しいタイヤに交換すればロードノイズも驚くほど静かになります。

ミッションからタイヤに響いてくる場合

ミッションとは別名「変速機」ともいいます。さらにミッションにもオートマチックとマニュアルがあります。

このミッションがエンジンにくっつくように配置されている車種がありますが、このタイプは、ミッションの中のベアリングの劣化した音がタイヤに伝わってくることもあります。

ほとんどの場合はドライブシャフトといわれる、タイヤにつながっている動力伝達用の部品のすぐ近くのベアリングからの異音が多いです。

この場合はミッションを下ろしてしまわないと修理できないケースもありますので、かなりの高額修理になるでしょう。

減速中にゴーと異音がする場合

ブレーキの残量が原因?

ディスクブレーキ
ブレーキを踏んで車を減速させているときだけ「ゴー」という音がする場合は、ブレーキに関する部分から異音が発生していることが多いです。

その中でも特に多いのがブレーキパッドが摩耗して使用限度を超えてしまったケースです。
ブレーキパッドはブレーキディスクを左右から挟んでブレーキを聞かせていますが、ブレーキパッドの方がすり減っていくようになっています。

とことん使い切ると、最終的にはブレーキパッドの使える部分がなくなってしまい、消耗部分の後にある硬い裏金の部分がディスクにあたるとディスクの方が削られるのでブレーキを踏むと「ゴー」という、かなりうるさい音がするようになります。

この場合の特徴としてはブレーキを踏んだ時にだけゴーという音がすることです。

ブレーキを踏まない時はスピードが出ていても低速でも異音がしない場合は、かなりの確率でブレーキパッドの摩耗限界を超えてしまっている可能性があります。

エンジンの近くから聞こえるケース

エンジンまわりからもゴーという音質の異音がすることはあります。たとえば、発電機(オルタネーター)、エアコン、パワーステアリングなどの補器類と言われる装置があります。

この補器類と呼ばれるポンプやコンプレッサー、発電機にもベアリングと呼ばれる回転を滑らかにするための部品が組み込まれていますが、

このベアリングが傷んでくるとエンジンをかけていると「ゴー」とか「ガー」という音質の異音がします。

また、これらのベルトを回しているのがエンジンなのですが、ベルトが回転している周辺の「アイドラベアリング」「テンショナーベアリング」と呼ばれる、ベルトが回している部分からゴーというような異音がすることもあります。

この場合はこれらのベアリングを交換することで異音は消えますが、修理費用に関してはかなりの開きがあり、非常に交換が難しい場所にある場合は部品代金よりも交換作業料がはるかに高い場合もあります。

また、音の質としては、「ウォーン」とか「ウィーン」という感じの異音もありますが、これはハブベアリングなどからの異音とは違うケースと言えます。

車の後ろの方から異音がする

前輪駆動車の場合

エンジンも変速機も車の前側にある車種(前輪駆動車)の場合、重要なパーツのほとんどは車の前側にあります。

走行中に後ろ側から異音がする場合は、音の発生源は比較的絞りやすく、たいていは後ろのタイヤからのロードノイズ、または後ろのハブベアリングからの異音であることがほとんどです。

異音に気づくのは運転手よりも後ろの席に座っている同乗者が「なに、この音?」と言い出すケースが多いです。

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音の聞こえ方は、ハッチバック車のようなトランクルームと運転席がつながっているタイプの車種のほうがわかりやすく、

車全体から響いてくるように聞こえてくることも多く、運転手には後ろ側からの異音に聞こえないこともあります。

特に軽自動車などは前輪駆動車が多く、後ろのハブベアリングの耐久性もあまりないのでわりとあるトラブルです。

ワゴンRの後のハブベアリングの記事を書いているのでそちらをチェックしてみてください。

ワゴンRのタイヤ付近で走行中にゴーっと後ろから異音する!?原因はアレ!
ワゴンRはハイトワゴンの先駆者といえますが、背が高く車両重量があるだけに、足回りへの負担もやや多いといえます。 足回りの故障の予兆として多いのは異音や振動ですが、とくに異音は初期の段階から少しづつ出始めているので、意外と気が付きにくいことも多いです。 後部座席に人を乗せた時に「なんか変な音がするよ」と指摘されて意識し始めることも少なくありません。 今回は、スズキ車の定番(?)な異音の原因についてのお話です。

 

後輪駆動車の場合

リアディファレンシャル イラスト
タイヤを駆動する装置がが後ろ側にある後輪駆動車の場合は、「デフ」と言われる、エンジンの力を車の後ろ側から左右のタイヤに伝える装置の中のベアリングから異音がすることもあります。

このデフの中から異音がする場合は、走行中に「ウォンウォンウォン」といったうなり音がすることもありますが、場合によっては「ゴー」と聞こえることもあります。

後輪駆動車の場合、後ろから異音がするときに、後ろのハブベアリングからなのか、その奥のデフからなのかで判断に迷ってしまうこともあります。

その場合は車をリフトアップして、ハブベアリングやデフの近くに長いドライバーなどをあてて聴診器のようにして判断することもあります。

小さくまとめると

異音の原因を自分で絞り込むには、

ご自分の車が「前輪駆動」なのか「後輪駆動」なのかをまずは把握する必要があります。

ちなみに「四輪駆動車」は前輪駆動と後輪駆動の両方を足した車だと考えておきましょう。

 

 

車の異音でもゴーゴーは別かもしれない

足回り以外の可能性も疑ってみる

異音の音の質を言葉で表現するのは難しいです。

診断する整備士の側は「ゴー」と表現しても、依頼するお客様は「ゴーゴー」と聞こえているのかもしれません。

実際の実務では、異音の診断はお客様と一緒にその車に乗り込んで、異音を一緒に聞くのが一番誤解が少ないです。

ですが、文章だけで異音について診断するのは誤解を修正できないこともあります。

今回の場合は走行中の異音のなかでも「ゴー」と「ゴーゴー」の違いを考えていますが、

「ゴー」の場合は、おそらくベアリング系の異音だとおもいます。

「ゴー」とか「ゴーーーーー」みたいな、同じ異音が一定の音で続く場合はベアリングからの細かい音が連続して鳴っていると考えられます。

それに対して「ゴーゴー」の場合は、音が少し変化しながら鳴り続けている可能性があります。

ただ単に「ゴー」を「ゴーゴー」と表現する方もいますけど、

音の波形が変化しながら続いているのであれば、うなり音に近いかもしれません。

エンジンルーム

その場合はトランスミッション、つまり変速機の中の音や、エンジン内部の一定のサイクルで音が変化する可能性ある部分からの異音である可能性があります。

 

ゴーという車の異音の主な原因とは

ハブベアリング以外の可能性も

基本的には走行中にタイヤ付近の低い位置からのゴーという異音の原因は、かなりの確率でハブベアリングからであることが多いです。

軽自動車なら走行距離で70,000㎞を超えたあたりからハブベアリングの異音は増えてきますが、軽自動車以外の乗用車でも100,000㎞を超えると前側のハブベアリングから異音が発生することも珍しくありません。

ですが、ディスクパッドが限界を迎えた場合のゴーという音もこのタイプの異音の原因では結構多いです。

しかも、ブレーキペダルを踏まなくても異音がすることもあるので一概にはハブベアリングだと言い切れないこともあるのです。

たとえば、ディスクブレーキのディスク側が部分的に錆びているような場合だと、「シャラシャラ」といった異音がしますが、ブレーキを踏んだ時だけゴーという音がすることもあります。

錆びて荒れたブレーキディスクローター

特に電話対応でお客様からの問い合わせがあった場合では、それだけの情報ではどちらとも言い切れないです。

タイヤが原因で異音に聞こえることも

タイヤからのロードノイズもハブベアリングの異音に聞こえることがあります。

とくにハイグリップタイヤなどは、タイヤの溝のパターンが粗くて、溝の間隔も大きいので、この手のタイヤが古くなると、ものすごくうるさいです。

これは実際にあった話ですが、お客様から「後のハブベアリングが悪いと思う」と相談を受けて試乗してみると、後ろ側の一本のタイヤだけ、ものすごく古いタイヤが付いていた、なんてこともありました。

他のタイヤよりもそのタイヤだけが極端に大きなロードノイズを発するのでハブベアリングかと思ったようです。

 

 

まとめ

車から異音がしたら・・・

今回は主に走行中からのゴーという異音に関するお話でした。

この異音の原因は主にハブベアリングであることが多いのですが、もしもハブベアリングが悪い場合だと、タイヤの取り付け部分に大きなガタができている可能性があります。

「ガコガコ」とか「ゴキゴキ」といった大きな音でなければ、すぐに車が止まってしまうとか、ハンドルが効かなくなるとかの大きな事故につながる可能性は低いです。

ですが、そのままで放っておくと、どんどん状態は悪くなっていきますから、なるべく早く整備工場に診断を依頼する必要があります。

 

ただ、こういった診断を要する修理の場合、整備工場を選ぶ必要があります。

メンテナンスや車検を主にやっている整備工場やガソリンスタンドでは

「ウチではわかりかねるのでディーラーさんがいいかも・・・」

などと逃げ腰になって診断を受けてくれないこともあります。

 

まずは電話をして異音の診断を引き受けてくれるかどうかを確認しておいてもいいでしょう。

また、診断をしてくれる整備士に具体的に異音の詳細を伝えることで診断がスムーズにいくこともあります。

「走行中に」

「前側から」

「ブレーキを踏んだら」

「タイヤの近くから」

など、断片的でもいいので、

自分の言葉で症状(異音)が出るときの状況を把握して説明できるようにしておきましょう。

 

 

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コメント

  1. 前期ステップワゴン より:

    はじめまして
    記事読ませていただきました。
    大変勉強になります。
    私のrg1の16万キロ走行の車のフロントからも、時速30kmを超えた辺りからゴーゴーと断続的に音がしてました。
    修理に出すと、ハブベアリングだと言う事で交換しましたが、余り変化が有りません。
    この記事を読んで、パンクの為フロントの一本だけ違うタイヤを履いているからかと思っています。
    交換時期は全タイヤ同時期くらいなんですが。

    • サボカジ サボカジ より:

      前期ステップワゴン様

      コメントをありがとうございます。

      >私のrg1の16万キロ走行の車のフロントからも、
      >時速30kmを超えた辺りからゴーゴーと
      >断続的に音がしてました。
      >修理に出すと、ハブベアリングだと言う事で
      >交換しましたが、余り変化が有りません。


      たしかにタイヤからのロードノイズとハブベアリングの異音は似ていて判断にこまることもありますね。

      ただ、一本だけが違うタイヤということで、タイヤの位置を変えてみるのも異音の特定にはいいと思います。

      故障診断では、わりと消去法で絞っていくことが多いです。

      • 岡田剛 より:

        はじめまして。
        いろいろ参考に成ります。
        私は2004オデッセイの
        RB1の16万km越えを
        前所有者が若干車高を
        下げた中古の(タイヤR18
        )のスタイルが気にいって乗っていますが、タイヤを変えても轟音が速度に比例して大きくなり、
        タイヤハウスのデッドニング施工を検討しておりました。しかし、
        ほとんどのショップで
        取り扱っておらず
        有ったとしても
        高額な上に業者いわく
        タイヤハウスのデッドニングだけでは効果も
        期待うすいとの事でした。

        そこで今回ベアリングの件は初耳で4本交換は
        無謀でしょうか?

        又、どこでも交換可能な
        レベルでしょうか?
        費用はどの位かも気になります。

        良かったらご指導ください。

        • サボカジ サボカジ より:

          岡田剛 様

          いただいたご質問ですが

          >タイヤを変えても轟音が速度に比例して大きくなり、
          >タイヤハウスのデッドニング施工を検討しておりました。


          走行中の異音ということで、タイヤを交換しても異音に変化がないなら原因は他にあるようですね。

          また、当記事をお読みいただき「ハブベアリングかも?」とお感じになったようですが、僕もその可能性が高いと感じます。

          ハブベアリングからの異音かどうかの確認のやり方ですが、車をリフトアップしてタイヤを回転させてみるのが確実なやり方です。

          このやり方だと、タイヤが地面に設置していないのでロードロイズは発生せず、他の音をダイレクトに聞くことができます。

          交換作業は油圧プレスを使いますのでメンテナンスショップでは難しく、ディーラーや自動車整備工場に依頼していただくとして、

          交換費用に関しては

          ・フロントハブB/G交換 片側30,000円~35,000円ほど

          ・リアハブB/G交換  片側25,000円~30,000円ほど

          ざっくりですがこれくらいになるのではないでしょうか。

          以上、ご参考になれば。      サボカジ

          • 岡田 剛 より:

            ご丁寧に有り難うございます。
            早速、ディーラーに相談した所
            やはりハブベアリングの可能性
            を同意していました。

            一応、見積りをとった結果
            フロント、リア 計4本
            工賃税込みで約12万円弱でした。

            重い出費ですが、愛車が快適に
            なり、そして安全を優先し
            交換しようと思います。
            少しでも静粛性が上がる事を
            期待しています。

            しかし、中古ショップや
            カーショップ、ディーラー等
            ハブベアリングの可能性は
            どこも指摘しないのは利益に
            ならないからですかね•••

            (タイヤハウスのデッドニングすら考えましたが扱う店舗が有りませんでした)

            今回の件は初耳だった事から
            急な展開ですが有益な情報を
            有り難うございました。

          • サボカジ サボカジ より:

            岡田様

            お役に立てたら幸いです。

            >しかし、中古ショップや
            >カーショップ、ディーラー等
            >ハブベアリングの可能性は
            >どこも指摘しないのは利益に
            >ならないからですかね•••


            ハブベアリングの交換には専用の工具や油圧プレス、専門的な知識も必要になります。
            なによりも異音診断はどこの整備工場でも時間ばかり取られるのであまりやりたがらないのも現実です。

            どこの整備工場も人手不足でスケジュールがぎっしりです。

            またなにかお困りのことがあればご相談ください。

            今回の異音の原因がハブベアリングかどうかの報告もよかったら教えてくださいね。 サボカジ

          • 岡田 剛 より:

            本日、ハブベアリングの交換を
            致しました。結論から言うと
            ゴーゴー音は約70%削除されました。
            (残り30%は共鳴音が室内後方から
            有ります)

            今回の作業はディーラー泣かせの
            ヒドイ圧着によりベアリングの
            ナックルが外れず、結局ナックル
            ごと外しディーラー負担で部品追加
            にて対応して頂きました。

            更にハンドルの曲がり
            調整も無償でしてくました、

            総評として
            静音と安全の面で概ね良かったと
            思います。

            タイヤの転がりもスムーズになり
            ハンドルもやや軽くなりました。
            これで少しは燃費向上したら
            有りがたいです。

            そしてディーラーには
            見積りにはない部品追加や
            工程追加、ハンドルの曲がり調整、
            見積り額の端数切り捨てなど
            結果的には1~2万円程度?の
            負担をして頂いて感謝です。

            お陰で予算通りちょうど
            12万円で済みました。

            急な話では有りましたが
            無事に終わって良かったです。

            古くも長く走っても
            更に愛着が湧きますね。

            改めてこの度は貴重な情報を
            有り難うございました。

          • サボカジ サボカジ より:

            岡田様

            ハブベアリング交換作業の結果をご報告いただきありがとうございます。

            ハブベアリング交換でゴーゴー音は70%減ったとのこと、のこりの異音も気になるところですね。

            18インチのタイヤなのでロードノイズは多くなりますが、タイヤのパターンを静かなタイプにするとかなり違ってきますよ。

            >今回の作業はディーラー泣かせの
            >ヒドイ圧着によりベアリングの
            >ナックルが外れず、結局ナックル
            >ごと外しディーラー負担で部品追加
            >にて対応して頂きました。

            そうですね、ナックルからハブベアリングを出すときにナックルが再使用できなくなることもあります。

            僕もベアリングのインナー側が外れずにアセチレンガスで切断することもありますね(笑)

            整備士としてはなかなか緊張しますし、作業時間も予測できないことが多いので、積極的にユーザーさんにオススメしない理由でもあります。

            また、ハンドルポジション?でしょうか、調整もしてくれたとのことで、タイヤの偏摩耗も改善されることもあります。

            これからも大事に乗ってくださいね。 

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