ホンダ・ライフ(JC1)の異音アイドリング中にキュルキュル音がした事例

ホンダライフ JC1 下回り 車の異音

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整備士として仕事をしていると様々な車の異音を経験することがあります。

特に多いのが止まっているときにに変な音がするといったアイドリング中に発生する異音の相談です。

今回はホンダのライフで実際にあったアイドリング中にキュルキュルと異音がするお話で、原因はちょっと意外なものでした。

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ホンダのライフでよくある異音

マフラーステー交換後

ほとんどの原因はベルトからのもの

エンジンからの異音でよくあるのがアイドリング中のキュルキュルと言うベルトからのものですが、キュルキュル音の原因のほとんどは、ベルトからの音が多いです。

経年劣化したベルトは硬化している

通常エアコンや発電機などを動かしているしているベルトは、ゴム製のベルトでエンジンから力をもらって回しています。

そのためプーリーと呼ばれる、ベルトとの接点の部分からキュルキュルといった異音の原因になることがあります。

やはり、ベルトもゴム部品なので、年月が経つと劣化して硬化していまうので、とくに気温が低いときやエンジンを始動した直後などに「ベルト鳴き」として音が鳴ることがあります。

ベルトの張りが不足していることも

ベルトは時間の経過で伸びてくることがあり、伸びたぶんだけ張りが不足することになります。
初期段階でベルトの張り調整をしておけば問題ないのですが、そのままで放置して走り続けると、ベルトが滑り異音がすることがあります。

とくに多いのがエアコンを作動させたときにエアコンコンプレッサー用のベルトがキュルキュルと「滑りかけの異音」を出すことです。

滑りかけということは、ほぼ滑っているような音も出していますが、断続的にベルトが滑っているのでキュルキュルという音に聞こえるのです。

 

アイドリング中にキュルキュルとベルトが滑るような音

ホンダライフ JC1 下回り

ベルト以外の原因でキュルキュルと聞こえる異音

ライフのキュルキュル異音といえばベルトという自分の中の先入観みたいなものが邪魔をして診断に迷った事例がありました。

金属が擦れてキュルキュル音?

そのライフに乗ったお客様は、エンジンをかけた状態で手招きして作業中の整備士になにか訴えていました。

お話を聞いていくと、エンジンルームの奥からへんな音がするとのことで、そのためあえてエンジンをかけたままだったのでした。

原因はマフラーのステーのクラック

ライフ 異音の原因

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アイドリング状態でボンネットを開けてエンジンルームからエンジン周辺を観察してみると若干エンジンの揺れが大きいと感じた以外はとくになにも感じませんでした。

エアコンが作動していたので、おそらくエアコンベルトの滑り、または、発電機ベルトの電力不足のベルトの鳴きかと思っていました。

ところが、「キュルキュル」だと感じていた異音は「ギュルギュル」に近い音の質でしかもかなり大きな音でした。

もっと固いものが擦れているような気がしてきたので、マフラーの連結部分や取り付け部分かと思い始め、車の下側に足を入れて安全靴でマフラーを押さえつけるようにしてみました。

すると、あれだけうるさかった異音がピタリと止んでしまったので、エンジンの揺れに関係していると思い、「エンジンマウントがちぎれてるのか?」と疑いました。

ライフのエンジンをかけたままでリフトアップし、下からマフラー周辺を観察していると、あきらかにマフラーの揺れと異音の「ギュルギュル」が同期しています。

熱いけど手で触ってみる

メカニックグローブをしていてもさすがにエンジンがかかったままのマフラーは熱いのですが、マフラーの揺れ方を変化させたくてグイグイといろんな部分を押してみます。

すると、エキゾーストマニホールドに近い部分を抑えると異音が少し変化します。

よくよく見ると、エンジン本体とフロントパイプのフランジをつないでいるステーの付け根が割れていて、クラック周辺が赤く錆びています。

異音は金属製のステーの擦れる音

金属部分が擦れたままでいると、表面のさび止めなどはすぐに剥がれてしまうので、錆びて赤くなります。

今回のような小さなマフラーステーだけでなく、トラックなどのリーフスプリング(板サス)が過積載などで折れているときも赤い錆びで発見できることがあります。

やはり実際に異音を再現させたままでトラブルシュートをするほうが、原因の特定は早いです。

お客様に直接お見せして、部品の手配をすることになり、無事に問題解決となりました。

アイドリング不調がマフラーステー破損の原因?

そもそも、ステーの強度にも問題あり

今回のホンダのライフのアイドリング中の異音ですが、アイドリング中のエンジンの揺れが大きくなったことで、マフラーが全体的にブルブルと振動していたことが原因だと考えられます。

結果的にエンジンに近い部分のステーにストレスが集中してしまい、折れてしまったというわけです。

ただ、ステーそのものを眺めていて、「ちょっと肉薄な部品かな・・」と感じたことは確かです。

走行距離が10万キロ以上だったので、いろんな部分の金属部品が折れたりひびが入ったりすることは珍しくないのですが、ほかの車種とくらべてやや強度不足なのかもしれません。

この部品は、注文するとかなり早く届いたので、かなり注文が多い部品ということになり、このステーが原因の異音もよく出ているのかもしれません。

とはいえ、エンジン破損や走行不能などに直結するようなことでもないので、リコールやサービスキャンペーンに発展するほどのことではないでしょう。

アイドリングが不安定だと折れやすいかも

同じ部分にばかり振動が伝わると、金属疲労などで折れることがありますが、アイドリング中にエアコンを入れているとエンジン回転が低くなり、振動が増えることがあります。

結果的に、街乗りや渋滞でのノロノロ運転が多いシチュエーションでの仕様が多いとエンジンがブルブルと振動する時間が多くなります。

言い換えれば街乗りが多い使用条件だとマフラーのステーも折れやすくなるといえるでしょう。

 

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