車からの振動が停車中に伝わってくるのはトラブルの予兆?

エンジンルーム1車の振動

信号待ちなどで車を停車していると、

いつもとは明らかに違う感じで車が揺れている・・・。

「ブルブル」「グラグラ」

表現のニュアンスは違えど、

とにかく運転席にまで振動が伝わってくるのは今までになかった感覚。

はたしてこれは故障なのか、単なる車の老朽化なのか?

今回は車を停車しているときに限定した状態での

振動の原因についてお話していこうと思います。

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車体に振動が伝わる原因

エンジンマウントは重要な部品

エンジンマウント トヨタ
車のなかでも振動を起こす場所としては、エンジン本体が最も振動も騒音も出す部位となります。

そのため、エンジンの振動が運転席に直接伝わると、運転手は「うるさい」「気持ちが悪い」といった、快適性に不満を持ちます。

そのため、自動車メーカーは、すこしでも運転手の疲れを軽減するために、エンジンの振動が伝わりにくい工夫をしています。

とくに重要な役割をはたしているのが「マウント」と呼ばれる硬いゴムでできた部品です。

エンジンを支えているマウントは「エンジンマウント」、オートマチックなどのミッションを支えているのが「ミッションマウント」です。

エンジンもミッションも、振動を発生させる主要な部位なので、この部分からの振動や音をうまく打ち消すことで、室内の静粛性は大きく向上します。

そのぶん、これらのマウントゴムが劣化したとたんに、車内には振動や騒音が入り込んでくるのです。

停車中の振動の原因はエンジン

車が停車しているときに動いている部分と言えばほぼエンジンのみといえます。

厳密にはエンジンと直結したミッションの内部も動いていますが、車が停車しているときに振動が起きる場合の原因のほとんどはエンジンからの振動だといえます。

この場合エンジンが揺れているのではなく、エンジンの揺れを吸収するエンジンマウントなどのゴムの部品が劣化していることが原因と言えます。

走行中の振動は別問題

今回は車が停車中の場合の振動に関するお話ですので、走行中の振動に関しては全く原因が違ってきます。

そのため車が止まっているのか走行しているのかということが判断をする上で非常に重要な要素となります。

例えば走行中の振動の場合はホイールアライメントの狂いやオートマチックミッションの内部の不具合なども関係してきます。

 

 

停車時にだけ振動が大きい原因

走行に関する部位は関係ないケースがほとんど

エンジンルーム
先ほど触れたように、走行中の振動は今回のお話とは全く変わってきます。

そのため停車中の振動に関係する部位として主にエンジンが原因になるというケースでお話をしていきます。

特に停車中にだけ振動が大きい場合は、エンジンそのものの不具合の可能性があります。

例えばエンジンオイルの交換距離をはるかにオーバーしてしまっている場合は、エンジン内部の抵抗が非常に大きくなります。

そのためエンジンの回転が非常にぎこちなくなってしまうことがあります。

つまり、この場合の直接の原因はエンジンオイルの管理不足による、エンジン不調が原因となります。

その場合はまずできることとしてはエンジンオイルを速やかに交換することと、普段のエンジンオイル交換と言う作業以外にエンジン内部の洗浄をしてくれるフラッシングと言う作業があります。

このフラッシングをすることによってできるだけエンジン内部の汚れを外に出してあげる必要があります。

その上でエンジンの回転が通常通りに回復した場合は何とか車を走らせられる状態に復帰させられたといえます。

ただしこの場合も一時的にエンジンの状態が回復しただけと言うケースもありますので、それ以降のエンジンオイルの管理はしっかりとしてあげる必要があります。

 

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オートマチックの負荷が原因のケース

例えば、信号待ちでオートマチック車ならドライブレンジにシフトを入れた状態で停車していることが多いと思います。

この場合だとエンジンはオートマチックを介して車を前に進めようとしています。

その結果エンジンの回転が普段のアイドリングよりも低くなることがあり、またエンジンの負荷が増えるため、エンジンからの振動が大きくなることがあります。

この場合の原因はオートマチックが悪いわけではなく、エンジンマウントと呼ばれる部品や、

ミッションマウントと呼ばれる部品の言われるゴム部品が下手ってしまったことが原因であるケースが多いです。

この場合はエンジンマウントの交換やミッションマウントの交換を考えてみる必要があります。

走行距離で言いますと大体70,000キロを超えたあたりからエンジンマウントのへたりは顕著に出てくることが多いです。

ただし車の使用条件によってエンジンマウントの劣化の仕方も随分と変わってきます。

例えば街乗りやエンジンを停車したままの状態が多い使用条件だと、エンジンマウントはブルブルガタガタと揺れることが多くなります。

そのためエンジンマウントや、そのすぐ近くにあるミッションマウントのへたりはかなり早まる可能性が高いです。

それに対して高速道路の走行や、幹線道路での巡航走行などの場合は、エンジンの回転が高いまま維持されていますのでエンジンマウントがぐらぐらと揺らされることも少ないです。

そのためエンジンマウントやミッションマウントのへたりはかなり緩やかといえます。

簡易的な診断方法とは

オートマチックの室内画像
エンジンマウントやミッションマウントのへたりを確認する方法として、ドライブレンジに入れたままで停車しているとき、

運転席にまで振動が伝わってくる場合、試しにオートマチックのシフトをニュートラルに入れてみてください。

この操作をすることで、オートマチックからのエンジンへの負荷がかなり軽減されますので、結果的にエンジンマウントへの負荷も減ることになります。

そのためエンジンマウントの1人この操作をすることで、オートマチックからのエンジンへの負荷がかなり軽減されますので、結果的にエンジンマウントへの負荷も減ることになります。

そのためエンジンマウントのへたりが、原因である場合は振動そのものがピタリと止むこともあります。

エンジンマウントの交換作業をまだしたくないと言う場合は信号待ちではシフトセレクターをニュートラルにして振動を軽減させると言う、1つのテクニックというか応急処置として、その場をしのぐこともできます。

 

 

アイドリングに関係なく振動する場合

エンジン不調のケースが多い

エンジンがアイドリングの状態では、エンジンマウントのへたりだけで、振動が大きくことはよくあります。

この状態だと、アクセルペダルを踏み込んでエンジンの回転を上げていくと、振動はピタリと収まっていきます。

ところが、エンジンそのものが不調で、そもそも正常な回転ができていない場合は、エンジンの回転が高い低いにかかわらずエンジンから振動が出ています。

点火系のトラブル

軽自動車のスパークプラグ
まずエンジンそのものの不調で振動が起きるケースとして非常に多いのが「点火系」と言われる制御のトラブルです。

エンジンが正常に回転していくためには、ガソリンに対して正確に点火、つまり火花を飛ばす必要があります。

もしもなんらかの原因で火花が飛ばなければ、せっかく燃焼室に送り込んだガソリンも、燃焼することなく排気されていきます。

すると、燃焼していない燃焼室だけは力が全く出ていないので、例えば四気筒のエンジンなら、四回に一回はエンジンから力が出ていないことになり、非常にぎこちなくエンジンが回転します。

このような火花が飛んでいない状態を「失火」とか「ミスファイヤ」などと言います。

失火が起きる原因としては、直接点火しているスパークプラグそのものが壊れていたり、スパークプラグに高電圧を流しているイグニッションコイル、最近は採用されることが減ったプラグコードなどが原因であることが多いです。

もちろん、不具合をおこしている部品を交換すれば、たちどころにエンジン不調は解消されます。

これらのどの部分が失火の原因になっているかどうかは、ある程度の知識を持っていないと特定することは難しいでしょう。

エンジン回転数の調整不良

停車中はエンジンの回転はアイドリングという、最低限の回転数を維持して、いつでも出力を上げられる状態になっています。

このアイドリング状態でのエンジンの回転を維持させているのが「ISCV」「アイドル・スピード・コントロール・バルブ」と呼ばれる部品です。

ある程度の走行距離になってくると、エンジン内部の吸入する空気に対して、カーボンと呼ばれるすすのようなものが、このISCVの通路の中に詰まり始めます。

すると本来のエンジン回転数を調整するはずの通路の中が詰まってしまうためコンピューターが、狙った通りの回転数を保持することができなくなります。

そのためアイドリング中だけエンジンがブルブルと小さく振動することがあります。

最近は、ISCVがそもそも付いていない車種も増えてきました。

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電子スロットルと呼ばれるワイヤレスのスロットルは、アクセルワークを完全にコンピューターが電子的に制御しているものです。

この場合はアイドリングのエンジン回転数すらもこの大きな電子スロットルで細かく制御しています。

そのため大きなチャンバーの通路で小さな通路を制御しているのでエンジン回転が不安定になるケースもかなりあります。

この場合の原因も同じくカーボンがスロットルの通路の中に溜まってくることで、空気の流入量を正しく制御できていない状態といえます。

アイエスCVの場合も、電子スロットルの場合も、どちらもカーボンを除去することでエンジン回転数は本来の制御に解消されることがほとんどです。

ただしこれらの作業はガソリンスタンドやカー用品店ではすることができずディーラーや本格的な整備工場で相談をするしか方法はありません。

燃料系のトラブル

いくら点火系が正常に火花を飛ばしても、そもそもガソリンが燃焼室に送られてこなければエンジンは正常に回転できないどころか、回転を維持することすらできません。

燃料が正常に送られないトラブルを、私たち整備士は「燃料系のトラブル」などと呼んでいます。

ディーゼルエンジンにもありうるトラブル

上記の点火系のトラブルは、ディーゼルエンジンには関係のないトラブルです。そもそもディーゼルエンジンは高圧に圧縮された燃焼室に燃料を噴射することで自然に着火させていて、点火するスパークプラグはついていません。

燃料が送られないトラブルの原因とは

車 燃料ポンプ
ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ともに共通しているのは、何らかの装置を使って、燃料タンクから軽油やガソリンといった燃料を燃焼室まで送っているということです。

この機能を果たしているのが「燃料ポンプ」または「フューエルポンプ」という、燃料を燃料タンクから汲みだして送っているポンプです。

エンジンが常に振動するようなトラブルには、この燃料ポンプのトラブルもかなりあります。
ただし、燃料ポンプが完全に止まってしまうと、数秒後にはガス欠をおこした状態になりますので、エンジンは完全にストップします。

ところが、燃料ポンプが「ときどきストップする」という、中途半端な壊れ方をしている場合は、一瞬だけガス欠に近い症状を見せながらも、燃料ポンプが再び動き出すと、エンジンの回転が回復します。

このような状態だと、運転席にいると、まるで不整脈をおこしたようにエンジンが苦し気に止まりそうになることがあります。

燃料ポンプ以外の原因

僕自身が整備士として経験した、ちょっと珍しいトラブルとして「燃料の質が悪い」ということがありました。

つまり不純物が混ざった汚れた燃料を燃料タンクに入れてしまったことが原因で、燃料ポンプの入り口などにあるフィルターが詰まってしまうトラブルが起きます。

このトラブルになると、燃料フィルターを交換しないと不調は解消できませんが、フィルターが燃料ポンプと一体型になっているタイプも増えてきています。

結果的には燃料ポンプそのものを交換しないといけなくなります。

警告灯が点灯している場合

エンジン不調による車の振動のなかでも、メーターの中に警告灯が点灯している場合は、大きなトラブルの可能性があります。

エンジンマークなどの警告灯が点灯した場合

エンジン警告灯とパワステ警告灯
警告灯とは、なんらかの不具合を車のコンピューター(ECU)が異常として検出したときに点灯するドライバーへのシグナルです。

走行に支障がない不具合もありますが、エンジンの振動を伴う場合はかなり重大なトラブルの可能性があります。

できるだけ安全な場所に移動して、レッカーサービスを依頼するほうが望ましいでしょう。

ただし、どうしてもすぐに止まれないような状況なら、なるべくスピードを出さずに周囲の交通状況に合わせて走行するようにしましょう。

もちろん速やかに整備工場などに入庫するのが望ましいです。

オイルランプのマークが点灯している場合

オイルプレッシャーランプ警告灯1
この場合はほぼ間違いなくエンジンオイルの油圧が低下していることが原因でエンジンが振動しています。

油圧の低下とは、

・エンジンオイルの量が極端に少ない

・エンジンオイルの通路が詰まっている

という、主に二つの原因が考えられます。

この場合はできればエンジンを止めてレッカーサービスなどで整備工場に移動してもらうほうがいいでしょう。

そのままエンジンを止めずに車を走らせてしまうと、最悪の場合、走行中にエンジンが焼き付いて止まってしまうことになります。

 

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エンジン内部の汚れによるケース

おそろしい油圧不足

焼き付いたエンジン
エンジンオイルを定期的に交換していかないと、エンジン内部には「スラッジ」とよばれるドロドロの不純物がどんどん蓄積されていきます。

正常なエンジンオイルでなければ、エンジンの回転をスムーズにさせることができないこともあり、これもエンジンから振動を発生させる原因となります。

この状態は、スラッジが原因でエンジンオイルがエンジン内部を循環できないという、エンジンにとって非常によくない「油圧不足」という症状を起こしています。

また、エンジンオイルを長期間(長距離)交換してしていないと、劣化したエンジンオイルが原因で、エンジン内部の密閉性を保っている「バルブステムシール」と呼ばれる部品が摩耗してしまうことがよくあります。

すると、ステムシールからエンジンオイルが燃焼室に混入しはじめ、燃料と一緒に燃えていく「オイル消費」という現象が起き始めます。

そのため、オイル漏れを起こしていないのにエンジンオイルがどんどんなくなってしまいます。

この場合、すぐにでもエンジンオイルを交換する必要があるのですが、ただ単にエンジンオイルを交換するだけでなく、オイルエレメント(フィルター)もかなり詰まっていますので、一緒に交換してあげる必要もあります。

エンジン内部の洗浄は是か非か?

エンジンオイルパン内部のスラッジ
エンジンオイルが非常に汚れている状態なのだから、エンジン内部も汚れているわけで、「エンジンフラッシング」というエンジン内の洗浄もかなり有効です。

ところが、エンジンオイルの汚れがひどすぎて、オイルパンというエンジンの下側にあるエンジンオイルをためておく部分のそこに大量のスラッジが蓄積していることがあります。

エンジンフラッシングをすることで、このスラッジを大量に排出することができればいいのですが、オイルパンの形状によっては、オイルドレン(排出口)からうまくスラッジが出てこないことがあります。

この場合、エンジンフラッシングでエンジン内部の汚れを大量にオイルパンへ剥離させて送りこんだものの、オイルドレンから排出できないままになります。

この状態で新しいエンジンオイルを入れてエンジンをかけたとたん、オイルストレーナーとよばれるエンジンオイルを吸い出す部分がスラッジで詰まってしまうことがあります。

エンジンオイルはきちんと入っているのにエンジン内部ではエンジンオイルが循環できなくなって、いきなりエンジンが焼き付きという、最悪の結果になることもあるのです。

これは僕自身の苦い経験で、お客様に大変ご迷惑をおかけしてしまいました。

汚れすぎたエンジンに内部の洗浄をおすすめすることには大きなリスクを伴うということです。

この場合は、お客様もご自身のオイル管理の悪さを認識していたので、「やっぱりダメか」といった感じでご理解いただき、エンジン載せ替え作業をすることになりました。

軽度の状態ならエンジン上部のオーバーホールという選択肢もあるのですが、たいていはエンジン全体に何らかのダメージを受けているので、このようなケースならエンジンそのものをごっそりと交換してしまうのが早くて確実なのです。

 

 

まとめ

今回は車が停車した状態での振動が大きいというトラブルに関してのお話でした。

結果的に、停車中の振動の原因のほとんどはエンジンに関係することなので、エンジン本体の不具合が大きな要素となってきます。

まとめると

停車中の車の振動の原因はは

・エンジンマウントのへたり

・エンジン回転数の制御不調

・エンジンオイルの管理不足によるエンジン内部の汚れ

・点火系統の不調

・寒冷時でエンジンが冷えている状態

などが考えられます。

重大なトラブルの前兆でもありますので、

まずは自分で判断せずに整備工場に相談をしましょう。

 

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この記事を書いた人
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キャリアは、自動車整備士として20年以上

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