この記事は2026年9月8日にリライトしています
新車のカタログに記載されている燃費の数値。ところが、あのとおりの燃費で走れた方は少ないのではないでしょうか。
とくにハイブリッド車はカタログでは34㎞/Lとか記載されてますけど、ぜんぜん遠く及ばないこともあるでしょうね。
ではあのカタログ値は嘘なのか?
もちろんそんなことはありませんが、燃費の測定に関するカラクリもあって、あんな数値になっています。
今回は、ハイブリッド車にお乗りのお客様から実際にお問い合わせいただいた内容に基づいて
ハイブリッド車の燃費が良くなる運転方法などをご紹介します。
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カタログ燃費の測定方法でも違ってくる?
新車のカタログでの燃費の数値。あの測定方法の「10・15モード燃費」って聞いたことはあるでしょうか?
2011年まではこの測定方法で新車の燃費を測定していたのですが、この10・15モードがちょっと曲者でしてね。
詳しくは割愛しますけど、この古い測定基準だとアイドルストップ車とかハイブリッド車はやたらと測定値がいいようになってしまうのです。
まぁ、あまりメーカーのことを悪く言いたくはありませんが、少しでもカタログでの数値をよく見せたいから10・15モードに照準を合わせた設計をしてる、と見れなくもない部分もあります。
ですので二代目のプリウスや三代目のプリウスなどは10・15モードで測定した数値でカタログに乗せると、驚異的な燃費を叩き出しているわけですね。
こういう抜け穴のような燃費測定基準が今の時代やテクノロジーに沿ってないだろうということで
2011年以降は「JC08モード」という、新しい燃費測定の基準が採用されるようになりました。
まぁ、燃費の測定をするときなんかは運転に慣熟したテストドライバーが、少しでも燃費をよくするための運転をしているわけですから、僕ら一般ドライバーの運転とは違ってきますね。
ちなみにですが、夏場にエアコンをクーラーにすることで燃費はさらに悪化しますので、
僕自身の経験ではJC08モードよりも35%くらいは違うかなと考えています。
2018年以降はWLTCモード
ただし、現在の新車カタログ燃費は、2018年以降順次義務化された「WLTCモード(世界統一試験サイクル)」が主流です。
WLTCモードは「市街地」「郊外」「高速道路」の区分があり、実燃費との乖離が従来のJC08モードよりも大幅に縮まっています。
つまり、以前ほどはハイブリッドカーだけがいい燃費だと表示されることもなくなっています。
暖房を入れると燃費が悪くなる理由
多くのモデルでは冷却水が暖房の熱源になっている
ハイブリッドカーの強みはエンジンだけに依存しない走行をすることで燃費をよくすることですが、多くのハイブリッドモデルでは暖房の熱源はエンジンを冷却している熱の再利用です。
本来ならエンジン周辺の水温が適度に暖気された時点でハイブリッド走行に移行するのですが、必要最低限の暖気なので、室内を温めるほど冷却水は温まっていません。
つまり、寒い日の走り始めに暖房を使用すると、暖房の熱を取り出すためだけにエンジンがいきなりかかってしまうことになり、ハイブリッドシステムもエンジンの駆動力で走行するような制御をします。
寒い地域での使用では始動時の気温が低いほど、冷却水温を上げるためにより長い時間のエンジン走行が必要になり、結果的に燃費が悪化してしまいます。
電気での暖房が可能なモデルもある
ただし、現行のプリウスPHEV(60系)では、「EVモード」および「AUTO EV/HVモード」の選択時に、ヒートポンプシステムによる暖房を行います。
大容量バッテリーの電力を極力維持し、ガソリンエンジンを始動させずに電気で快適に暖房できるよう設計されています。
ハイブリッド車の燃費のいい走り方とは
ハイブリッド車といえど、燃費が悪くなる走り方はあります。
ざっくり言えば「急」のつく運転。
「急アクセル」「急ハンドル」「急ブレーキ」
エネルギーを無駄に使うわけで、危険な運転にもなりますから、いいことは一つもありません。
余談ですが、こんな運転をしていると車の故障原因や消耗品の寿命にも大きく影響します。
で、ここまでは車の運転の基本中の基本なわけですが、ハイブリッド車ならではの燃費のいい走り方も重要になってきます。
先に答えを言ってしまうと「回生ブレーキをいかに使うか」ということがハイブリッド車の走らせ方のキモになってきます。
先日、当工場のプリウスにお乗りのお客様がこんなことを言っていました。
客「ブレーキ踏んだら発電してくれるんでしょ?」
僕「はい、回生ブレーキといって・・・・」
客「だからぁ、ギュって踏むのよ、ブレーキを!」
僕「はい・・?いえ、そうじゃないんですよ・・」
少し絶句してしまいながら、お客様にはなるべくかみ砕いてお話はしていきました。
回生ブレーキを活用するブレーキングとは
急ブレーキをしない
回生ブレーキはあくまでもブレーキとしては補助的なものだと考えてください。
万一の緊急ブレーキでは、ハイブリッド車といえども、「確実に車を止める」ということを優先しますので、タイヤの奥にあるブレーキパッドが物理的にディスクローターを挟んで制動力を確保します。
そのため、比較的に急ブレーキに近いブレーキングをする運転では、エネルギーを回収する時間が短くなってしまい、燃費に悪い運転をしていることになるのです。
エネルギーモニターで回生可能なブレーキングをマスターする
走行中のブレーキングにおいて最も重要なことは「安全に車を止めること」ですので、燃費うんねんよりも安全第一でブレーキを効かせることが大前提です。
そのうえで、ハイブリッドカーにはエネルギーの回収をリアルタイムで確認できる表示があります。
たとえばトヨタのハイブリッドカーなら「エネルギーモニター」が常に表示されている車種が多く、ブレーキペダルを踏み込んだときの回生ブレーキでのエネルギーの回収度合いを見ることができます。
ブレーキペダルを弱く踏んだままなら回収できるエネルギーもそれなりで、ペダルを強く踏み込んでいけば、Chargeよりに針が移行します。
さらにブレーキを強く踏み込んでいくと、回収できるエネルギーの限界を超えると、従来のブレーキシステムで摩擦熱に変換されてしまい、熱として大気に放出されてしまいます。
安全を確保したうえで、回生ブレーキで回収できる範囲内でブレーキ操作を行うことでより多くのエネルギーを回収できる運転をすることができます。
ハイブリッド車の運転方法のキモ
ハイブリッド車の燃費を少しでも良くするには回生ブレーキを活用することが大事だと説明しました。
これらを一言でいえば、車間距離を長くとり、安全運転をする、ということでもあります。
「つまり発進するときはモーター駆動だけで走ると燃費がよくなるんですよね?」
という質問がありそうですが、ハイブリッドカーにもいくつかの種類がありますし、得意な走行条件も少し違ってきます。
トヨタTHSⅡの場合
たとえばトヨタのTHS系ハイブリッドでは、発進時にモーターだけで長く走れば必ず燃費が良くなる、というわけではありません。
走行条件によっては、ある程度加速して早めに効率のよい走行状態へ移行したほうが、結果として燃費が良くなる場合があります。
この記事を加筆している2026年現在ではTHSⅡも第5世代まで進化し、回生システムだけでなく、エンジンそのものの燃費性能も向上しています。
瞬間的な「電費」が悪い状態で走行すると、あとでバッテリー充電のためにエンジンが駆動することになり、トータルの燃費が悪くなるわけです。
ただし、登坂やエアコンの作動、渋滞などでもその瞬間のベストな燃費走行は違ってきますが、基本的には「急ブレーキ」「急アクセル」をしない走行を意識するといいでしょう。
シリーズハイブリッドの場合
日産「e-POWER」の場合
日産のハイブリッドシステム「e-POWER」はシリーズハイブリッドと呼ばれる、エンジンは発電のみで駆動し、走行するための駆動力はモーターのみで走行します。
トヨタのTHSのようにエンジンとモーターの効率のいい部分を使い分けることができないぶん、運転方法で燃費をよくすることも限定的になります。
その中でもとくに有効と思われるのが「ワンペダル走行」です。走行モードをワンペダルに切り替えることで、アクセルペダルを離すだけで強い回生ブレーキが効きはじめ、より早い段階でエネルギーの回収をすることができます。
通常のブレーキペダルによる減速では、アクセルペダルからブレーキペダルへの操作を切り替える僅かな時間でも、回生モードに切り替わるロスが生じます。
ワンペダル走行ならアクセルペダルを離す、もしくはペダルを少し抜くだけでも回生モードに移行するため、より長い時間の回生が可能になります。
ホンダ「e:HEV」の場合
ホンダの「e:HEV」もシリーズハイブリッドに近いハイブリッドシステムですが、日産e-POWERと違って、中高速域ではエンジンで走行することができます。
また、ステアリングの横にあるステアリングパドルを使って回生ブレーキの強度を任意で調整することができます。
ブレーキペダルを踏み込んで回生ブレーキを強く作用させるのではなく、AT車やMT車のシフトダウンでのエンジンブレーキのようにパドル操作で回生ブレーキの強度を調整し、より多くのエネルギー回収を意識して操作できます。

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