N-BOXのターボの寿命はどれくらい?オイル交換時期のおすすめは?

S07A ターボエンジン 車選びのヒント

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今回はホンダN-BOXのターボモデルのお話ですが、型式が「JF1」と呼ばれる初代N-BOXターボがメインです。

少し誤解を受ける記事タイトルですが、『N-BOXターボの寿命』ではなく、『N-BOXに搭載されているターボの寿命』についてのお話です。

軽自動車用 ターボチャージャー

僕自身、普段は整備士がメインですが、新車も中古車も販売する立場としては、お客様からのご質問に直接お答えする機会が多いです。

そのなかでも特に多いのが、「軽自動車のターボって弱いの?」「ターボの寿命ってどれくらい?」

といった、ターボの寿命に関するお問い合わせです。

そこで、今回は軽自動車のなかでも人気のあるホンダのN-BOXターボについてのお話をしていきます。

これからN-BOXの購入を検討している方や、すでにN-BOXのターボにお乗りの方のメンテナンスの参考にしていただければと思います。

先に結論をお話してしまうと、オイル交換などのメンテナンスを適切に行っていれば10万キロくらいなら故障する確率は低いです。

といいつつも「使用条件」「オイル交換の頻度」「稀なケース」なども知っておくといいでしょう。

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N-BOXのターボの寿命はどれくらい?

壊れたターボチャージャー
↑画像は別の車種のものです

普通の使用条件なら10万キロは問題なし

あとでご説明していきますが、N-BOXの場合は軽ターボ車のなかでも比較的ターボ本体のトラブルは少ないです。

なおかつオイル交換などのメンテナンスを推奨されているタイミングで行っていけば、ターボの寿命としては100,000kmくらいは問題なく走れるでしょう。

タービンの構造はわりとシンプル

ターボチャージャーという仕組みはかなり古くから採用されていて、もとは航空機から使われ始めた技術です。

エンジンの排気圧を利用してタービンを回し、同軸上にあるコンプレッサーを回転させてエンジンへの吸気を増幅させるというものです。

ターボの部品精度は非常に精密ですが、構造はシンプル、ゆえに壊れる原因も限られてきます。

年間走行が1万キロなら10年もつ?

メインカーとしての平均的な使用条件なら、年間走行は1万キロくらいですが、(※軽自動車は8000km)この条件で考えていくと、10万キロを走行するのに10年かかることになります。

とはいえ、単純にすべてのユーザーさんのN-BOXのターボが10年、10万キロの寿命かといえばそうともいい切れません。

さまざまな要素もあり、この記事の後半でお話しますが、タービンが壊れやすい条件もいくつかあります。

なお、軽ターボ車についての総括的な記事も書いていますのでこちらもご参考に。

【関連記事】軽自動車のターボは壊れやすいから要らない?!寿命はどれくらい?

エンジンオイルこそがタービンの生命線

オイルパンに溜まった大量のスラッジ

車のタービンがどれくらいの寿命なのかというお話になれば、ほとんどの整備士やエンジニアは口をそろえて「正しいエンジンオイルの管理が大前提」みたいなことを言うでしょう。

エンジンオイル管理はタービンの寿命に直結する

N-BOXのメンテナンスノートにもエンジンオイルの交換距離については「ターボ車について」というページを設けています。

つまり自然吸気のエンジンとターボエンジンではエンジンオイルの管理には違いがあるとユーザーにも周知させていることになります。

エンジンオイルを交換しないとどうなる?

N-BOXでタービンブローを経験したことはないのでなんとも言えませんが、別のターボ付き軽自動車と同じような結末になると思います。

たとえば、エンジンオイルを1万キロ毎に交換するような場合ではタービンが壊れる確率は、5000キロ毎のオイル交換の何倍ものリスクに跳ね上がります。

おそらく10万キロ未満でタービンからの異音やマフラーからの白煙、過給時の加速力の低下を体感するのではないでしょうか。

サボカジ@整備士
サボカジ@整備士

早ければ8万キロ未満ほどでターボが逝ってしまうでしょうね・・・。

N-BOXターボにおすすのエンジンオイルはこちら ↓

ホンダ車のターボは強い?

ターボチャージャー搭載エンジン

やや語弊がある言い方かもしれませんが、僕の整備士としての経験上、ホンダの軽自動車のターボモデルは比較的に故障が少なかった印象です。

バモスターボ、ライフダンクなどのタービンブロー

JF1のN-BOXが登場するまではホンダの軽自動車といえばライフ、ゼスト、バモスなどがメインでした。

それぞれにターボ付きのモデルがラインナップにあり、販売台数はスズキやダイハツほどはないものの一定数は市場に出ています。

国産車の車検整備全般をこなしてきたため、これらのホンダのターボ付き軽自動車の車検や整備をかなりやってきました。

なかにはエンジンオイルの管理があまりよくないユーザーさんもいましたが、ターボから異音が出たり白煙が出るケースは他のメーカーより少ないと感じています。

単純に登録されている台数が他のメーカーより少ないことは確かですが、確率として少ない走行距離でのタービントラブルはあまり経験していません。

N-BOXのターボの故障も少なめ

NBOXターボエンジン

ファーストカーとして使われることが多くなった?

N-BOXはデザインの良さやスライドドアの使い勝手の良さもあり、2000㏄クラスのミドルカーなどからファーストカーとして乗り換えるユーザーも多いです。

そのためファミリーカーとしてメインで使用するようなケースも多く、高速道路での快適さも求められ、ターボモデルが選ばれることが多いです。

つまりファーストカーとしてそれなりに負荷をかけた使用条件をされているケースも多いということになります。

年間で15,000キロ走行のN-BOXの場合

高速道路での走行も含みつつ、年間に1万5000キロちかく走行するような使用条件のN-BOXユーザーさんもおられます。

そのN-BOXもターボモデルですが、タービンの不具合などもなく快調に走っていますが、メンテナンスに関してはしっかりと管理されています。

同じような条件で別のメーカーの軽ターボ車だと、さらにタービンに関するトラブルが多く、やはりN-BOXは比較的にターボの寿命は長いのかもしれません。

まれに不良品のタービンもある

珍しい事例ですが、少ない走行距離でオイル交換などのメンテナンスも問題ない場合でもタービンが原因で加速しないこともあります。

この場合、タービンはメーカーの一般保証に該当するので3年または6万キロの範囲なら保証で交換しれくれます。

ただし、中古車として購入した場合や、オイル交換を長期間していないような場合は保証を受けられないこともあります。

整備士サボカジ
整備士サボカジ

ちなみに僕が新車から乗っているエブリィワゴンは、走行15,000キロ未満のころにタービンからオイル漏れがおきました。もちろん保証で交換してもらいましたけど。

ターボの寿命を大きく左右する要素がある

N-BOXを含め、軽ターボ車はまわりの乗用車の走行ペースに合わせて走ろうとするとターボに依存した走り方をすることが多くなります。

とくに早い流れのなかに合流するには瞬間的な加速が必要になり、アクセルをしっかりと踏み込んでターボに負担をかけることにもなります。

タービンにもいろんなタイプがあり、軽自動車に使われるタイプのものは、高回転で高い圧縮をかける『高回転・高過給タイプ』のタービンが多いです。

なぜなら、軽自動車の場合は660ccという小さな排気量でタービンを回すため、エンジンの回転が低いと十分に排圧が上がらず、十分な過給圧が得られません。

そのため、エンジンの回転を上げ、それにともなってタービンも高回転にすることで過給圧を確保しています。

「急加速」を多様するとタービンへの負担も増える

つまり軽自動車のターボは負荷がかかりやすいのですが、とくに急加速をするような使用条件だと、タービンの寿命も短くなることは確かです。

余談ですが、軽自動車のターボと対象的なのがディーゼルエンジンのターボですが、排気量が大きく、低い回転でも過給圧を上げることができます。

ディーゼルエンジンのターボが壊れることはかなり少なく、相性がいいと言われています。

サボカジ
サボカジ

結局は、どれだけタービンに仕事をさせたかどうかが、タービンの寿命に直結してるわけです。

N-BOXのタービンは兄弟車よりも寿命が短い?

ホンダ NBOXカスタムターボ 走行中

N-BOXはけっこう重い

N-BOXのターボは比較的に長持ちするかもしれないというお話をしましたが、同じエンジンを搭載する兄弟車よりターボの寿命は短いかもしれません。

同じターボエンジン搭載モデルで車両重量の違いをホンダ公式サイトから引用、比較してみました。

車両重量比較※すべて2WDモデルで比較
JH1 N-WGNターボ 840kg
JG1 N-ONEターボ 850kg
JF1 N-BOXターボ 960kg

上記のような車両重量の違いがあり、同じ660ccのターボエンジンでもN-BOXは他のモデルより100kg以上も重いことになります。

この重量の違いはエンジンへの負担の違いとなりターボ車の場合はそのままタービンへの負担が増えることにもなります。

電動スライドドアはさらに重い

N-BOXには両側オートスライドドアの仕様もありますが、スライドドアを動かすためのモーターなどの機構が増えるため、10kgの重量増となります。

他にもリアシートをスライドシートにすることでさらに10kgの重量が増えることになります。

N-BOXは空気抵抗も大きい

ホンダの「Nシリーズ」の中でもN-BOXは最も全高が高く、他のモデルよりも走行中の空気抵抗も増えてしまいます。

車両全高比較※すべて2WDモデルで比較
JH1 N-WGNターボ 全高 1655mm
JG1 N-ONEターボ 全高 1545mm
JF1 N-BOXターボ 全高 1780mm

空気抵抗が増えるということは同じ加速をするうえでもエンジンに負荷がかかることになり、タービンの負荷も同様に増えてしまいます。

とくに高速道路では空気抵抗の違いは大きく、空気抵抗は速度の二乗に比例するため、時速100km/hで走行する場合は一般道よりも遥かに空気抵抗の負担が大きくなります。

サボカジ
サボカジ

時速50キロと時速100キロでは

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空気抵抗は4倍になるという計算ですね。

N-BOXターボにおすすのエンジンオイルはこちら ↓

 

N-BOXターボのオイル交換時期はどれくらい?

オイル交換

メーカーの推奨距離は5,000kmごとの交換

N-BOXのメンテナンスノートにはターボ車についての取り扱いが記載されていて、エンジンオイルの交換に関しては5,000kmごとでの交換としています。

サボカジ
サボカジ

以前は軽ターボ車は通常で5,000kmごと、シビアコンディションでは2,500kmごとの交換を推奨していたこともありました。
軽ターボ車 シビアコンディションオイル交換距離

↑ちなみにこの画像は古いスズキ車のメンテナンスノートのものです。

オイルエレメントの交換は10,000kmごと

オイルフィルター(オイルエレメント)の交換については10,000kmごととしていて、エンジンオイル交換の2回に1回のペースでの交換を薦めています。

整備士がお薦めするN-BOXのエンジンオイルの交換サイクルは?

N-BOXターボにおすすのエンジンオイルはこちら ↓

N-BOXのターボなら上記のように5000kmごとの交換をメーカーは指定していて、実際にホンダ系のディーラーでも同じように薦めています。

では、すべての自動車整備士が同じ意見かと言えばそうでもありません。

できれば4,000km未満で交換して欲しい・・・

別の記事でもお話したことですが、軽自動車はエンジンオイルが汚れるのが早いです。

なぜなら、軽自動車はエンジンの排気量が小さいため、エンジンの回転を常に高く維持下走行をするためエンジンへの負荷が高いのです。

ましてや軽ターボ車のなかでも重量があるN-BOXならなおさらエンジンオイルは汚れやすく、メーカーの推奨値よりも早めの交換が望ましいです。

整備士としていろんな車のエンジンオイル交換をしてきましたが、やはり軽自動車のほうがエンジンオイルは汚れています。

できれば軽ターボ車なら3,000kmを超えたら交換をおすすめしたいのですが、5000kmごとの交換では遅いと感じます。

あいだをとって4,000km前後でのエンジンオイル交換、オイルエレメントはオイル交換の2回に1回での交換をお薦めしたいです。

ですが、シビアコンディションに該当するような走行条件ならもう少し早めでもいいのかもしれません。

【関連記事】軽自動車はターボ付きならオイル交換の頻度は超重要!添加剤も必要?

ターボ車よりモーターアシスト車がおすすめな人もいる

軽自動車を選びながらもパワフルな走りを望むなら、ターボエンジン搭載車を選ぶことが必須と言えます。

そのいっぽうで、エンジンオイルの管理を気にせずにターボ車に乗っているユーザーさんがいることも確かです。

パワフルな走りや、上り坂での加速にこだわりつつエンジンオイルの管理が面倒なら、ハイブリッドカーがおすすめかもしれません。

スズキ車には発電機をモーターとして駆動力のアシストにするタイプの軽ハイブリッドカーがあり、エンジンへの負荷も少なく済みます。(最長30秒間のモーターアシスト)

そのためターボ車のように加速力を得るかわりにエンジンオイルの管理をシビアにする必要もありません。

整備士サボカジ
整備士サボカジ

だいぶ皮肉っぽい言い方になっちゃいました。

ですが、ターボ車とエンジンオイルの管理は

切っても切り離せないことは確かです。

N-BOXターボにおすすめのエンジンオイル

N-BOX おすすめエンジンオイル

ホンダ純正オイルもなかなか

各自動車メーカーの純正オイルのなかでも、かなり質が高いと感じているのホンダ純正エンジンオイルです。

実際に数値などを計測したわけではありませんが、以前は各メーカーの純正オイルを4L缶で扱っていたこともあったのでそう感じています。

ホンダ車ばかりを乗り継いている先輩の整備士もエンジンオイルはホンダ純正をそのまま使っていました。コスパがいいのかもしれませんね。

N-BOXターボに適合するホンダ純正オイル
ULTRA LEO API SN以上 SAE 0W-20
ULTRA LTD API SN以上 SAE 5W-30
※ホンダ公式:N-BOX車両仕様データより引用

上記の2つの純正オイルの違いは粘度の違いですが、燃費を重視したいなら0W-20のULTRA LEOを、ターボの耐久性を重視したいなら5W-30のULTRAがおすすめです。

サボカジ
サボカジ

個人的には粘度が5W-30のULTRA LTDを入れたいですね。

ただし、ホンダ純正オイルの場合、N-BOXターボならエンジンオイルは3リットル未満で足りるので4L缶以下のラインナップがないのが残念です。

なので、このあと紹介する、さらに高品質なカストロールエッジの3L缶がほぼ同じ価格で購入できてしまいます。

カストロールEDGEがよく売れている


お客様がエンジンオイルをネットなどで購入してきてエンジンオイルの持ち込み交換をすることもあります。

やはりよく売れているのはカストロールで、某ディーラーでもCVTフルードはカストロールを使っていたりします。

品質への信頼性や様々な車種に使われてきた実績を考慮し、ここではカストロールのエンジンオイルをお勧めします。

サボカジ
サボカジ

そういえば

僕自身もインプレッサWRXに乗っていたときはカストロールをよく入れてましたね。

カストロールEDGE 5W-30がおすすめ

上述したようにホンダ純正のN-BOXターボモデルに適合するエンジンオイルは2種類の粘度になっています。

ULTRA LEO API SN以上 SAE 0W-20
ULTRA LTD API SN以上 SAE 5W-30

そのなかで、整備士の僕が個人的にお薦めしたい粘度はターボをいたわるという意味で5W-30のほうです。

これと同じ粘度のカストロールのエンジンオイルなら、CASTROL EDGE 5W-30がおすすめです。

DIYにもうれしい3L缶がある

N-BOXのターボモデルならエンジンオイルだけの交換なら2.4Lほど、オイルエレメントを交換した際でも2.8Lほど必要です。

そのため、4L缶なら余ってしまうことになりますが、3.0L缶なら残ったエンジンオイルをキープしたり捨てることもありません。

サボカジ
サボカジ

エンジンオイルって、できれば缶を開封したら

そのまま全量を使い切りたいですしね。

 

まとめ

ホンダ NBOXカスタム パールホワイト
今回はホンダのN-BOXのターボモデルについてターボの寿命やターボの寿命に大きくかかわるエンジンオイル交換の交換時期についてのお話でした。

・整備士の経験上ではN-BOXのタービンは10万キロくらい大丈夫

・急加速を多様するような運転方法ならタービンの寿命も短くなる

・エンジンオイル交換を4,000km前後にしておけばタービン寿命は10万キロ以上

なお、N-BOXに関する長期交換部品や車検に関しては別の記事を参照ください。

【関連記事】N-BOXは10万キロ走行でどんな交換部品がある?車検は高くつく?

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コメント

  1. タカハシ より:

    記憶が正しければ昔のターボは推奨交換距離が5000kmでシビア3000kmとかだったような気が??
    今さっきダウンサイジングターボの新型レヴォーグ(2.4T含む)、新型アウトバック(1.8T)、新型WRX(2.4T)の説明書を調べたところ、交換推奨距離がNAと同じ10000kmになっていました
    エンジン性能?が上がったせいなのでしょうか?
    今のところターボ車は所有したことはありませんが、もし所有したら3000kmとかNAよりもさらにシビアに変えていきそうな気がします(まぁお財布と相談も必要ですが笑)

    • サボカジ サボカジ より:

      タカハシ様

      >記憶が正しければ昔のターボは
      >推奨交換距離が5000kmで
      >シビア3000kmとかだったような気が??

      そうですね。僕も気になったので古いスズキ車のメンテナンスノートを調べてみました。

      画像はこの記事の中に加筆しておきましたが、
      スズキ車の場合はターボ車は5,000㎞毎の交換を推奨で
      シビアコンディションは2,500㎞となっていました。

      それに比べて今のオイル交換の推奨距離はずいぶんと
      ニュアンスが変わってきていますね。

      おっしゃるとおり、エンジン性能が上がったことで
      オイル交換の管理も以前よりシビアにしなくてよくなったのかもしれませんね。

      とはいえ、メーカーの保証に対する考え方も
      変わってきたようにも思ってしまいます。

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