シートベルトの警告灯が点かないようになったままの車を見かけることがありますが、シートベルトの警告灯が点灯しないと車検に合格できません。
(※平成6年4月1日以降の製作車)
ところが、「点灯しない」のもダメなのですが「点灯したまま」もダメなのです。
今回はシートベルトの警告灯に関するトラブルのお話です。
▼ 車の警告灯のまとめ記事はこちら▼
車の警告灯一覧 | マークが点灯したときの原因や対処法を解説
シートベルトの警告灯つく仕組み
回路はいたって単純
まずシートベルトの警告灯がきちんと点灯したり消えたりするしくみはかなりシンプルで、警告灯の裏側の電球の部分には常に12ボルトの電源が来ています。
小学校の理科の実験で習った乾電池と電球の回路のことを思い出していただければわかりやすいかもしれません。車の鉄でできたボディーの部分は、ボディーアースといい、すべて乾電池で言うところのマイナス側になっています。
シートベルトの警告灯の電球を理科の実験の電球に例えると、乾電池のプラス側の端子から電球までは既に回路がつながっています。
後はマイナス側に回路が接続されれば電球が点灯するのですが、シートベルトのバックルの部分がそのボディーアースになっています。
そのため、シートベルトバックルに差し込むことでこのボディーアースが切断されるような仕組みになっています。
シートベルトの警告灯がつかない原因とは
考えられるのは2つの原因
シートベルトがの警告灯が点灯しない原因として、メーターの中での単なる球切れの可能性が考えられます。
メーターの中には小さな電球が入っていて、寿命もあるので内部のフィラメントが切れて点灯しなくなります。
少し皮肉な話ですが、シートベルトの警告灯の電球がよく切れるドライバーは、普段からシートベルトをあまりしない可能性があります。
なぜなら、シートベルトの警告灯がいつも点灯しているということは、シートベルトをしていない時間が長いということになるからです。
もちろん、エンジンをかけたまま車中で休憩を取ることが多いような方は別ですが。
もう一つ、シートベルトの警告灯がつかない原因はバックルと呼ばれるシートベルトの差し込む場所が壊れている可能性が高いです。
高くつくかもしれないバックルのトラブル
シートベルトをきちんとすることで警告灯の電球への回路が切断されると言う仕組みですが、バックルの中で壊れていることが多いのでバックルそのものの交換が必要になります。
ちなみにですが、この症状が多いのミツビシの軽トラックとかミニキャブバン、スズキのキャリーなどがちょくちょくありました。
ただ、スズキのキャリーの場合は、バックルが悪いのでそこだけ部品が必要なのですが、シートベルトとのセットでしか部品の設定がないとのことで22000円くらいしたと思います。
不正で点灯しない細工をしているケース
シートベルトのバックルからの配線は運転席のシートの真下にカプラーで接続されています。
そこを抜いてしまえばシートベルトの警告灯は点灯しなくなります。たまに中古車で買ったすぐだ、というお客様の車でこんなことがありました。
販売した中古車業者もシートベルトの警告灯のことをチェックせずに販売してしまったようです。
もちろん現在の持ち主がそれと知っていて自分でやっていることもありました。こちらが指摘すると少し残念そうにもとに戻してくれますが、この手の小細工はほとんどの整備工場では通用しません。
シートベルトの警告灯が消えない原因
原因はこれまたバックルの可能性
バックルが原因でシートベルト警告灯が点灯しない症状は前述したとおりです。
今度はバックルの内部でアースに落ちたままでシートベルトをしても警告灯が点灯したままになるケースがあります。
ユーザー車検で車を持ち込んだときなどは結構厳しくチェックされますので、しれっと黙っていても厳しい検査官なら
「あれ?ちょっとシートベルトしてみて」と言ってきます。
メーターからの配線がショートしているケース
古い車にたまにあるトラブルですが、メーターからシートベルトバックルへの配線がどこかでボディーアースに接触してしまったり、接続カプラの中で緑青などが原因でショートしていることで起きることがあります。
もしもこのトラブルが原因だと、修理はかなり大変なことになる場合があります。まず、配線図を用意し、考えられる配線をたどっていかなけらばならないので、地味で根気がいる診断をしなければなりません。
こういったトラブルシュートは整備工場がもっとも嫌がる診断の一つで、時間がかかってもその時間すべての診断料金を請求すると大変な金額になるので、お客様に請求しにくいのです。
以前、僕がこの手のトラブルシュートを引き受けたときは丸一日かかって8000円くらいしか請求しなかったように思います。
しかも車が古すぎて配線図がディーラーでもないと回答があり、手探りで修理をしていましたが、最後には配線を引き直すという方法で車検に合格できるようにしました。
まとめ
シートベルトの警告灯は走行して22㎞/h以上で走行するとピーピーとうるさくなりだすタイプのものも増えてきましたし、
メーターのなかでしっかりと文字で警告されるタイプの車もあります。
シートベルトは大きな事故での死亡率にかかわる重要な安全装置ですのでしっかりと着用していきたいですね。
間違っても警告灯が点かないような細工をしないようにしましょう。
また、シートベルトの警告灯が点灯しない状態になると車検に合格できませんので早めの修理をおすすめします。
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コメント
質問です
GF-L700S ダイハツミラに乗ってるのですが、エンジン始動してシートベルト警告灯はつくのですが、少しシートベルトをせずに走行してると勝手に消えます
そういう仕様もあるのでしょうか?
井上様
コメントをありがとうございます。
まずどの車種にも言えることですが、シートベルトの警告灯は、シートベルトをしないことには消えることはありません。
車種によっては警告音だけが鳴らなくなることもあるかもしれませんが、警告灯は必ず点灯したままになります。
そのため、井上様のミラの場合ですと、バックルのなかの接触不良やメーター内のなにかしらの不良が原因でこのような症状になるとおもいます。
以上、ご参考になれば。