オートバックスの車検は厳しいのか、甘いのか?
そんな質問をされるお客様がおられます。
ディーラーなどと比べると
「どうせそんなに厳しくないんだろ?」
と思われるかもしれませんが、
そもそも車検に厳しいとか甘いという差はあってはならないものなのです。
ですが、実際は車検の判定に差がでてくることもあります。
オートバックスの車検は大丈夫じゃないという噂?
オートバックスは「陸運局指定工場」という、自社で車検の合否を決めることができる資格を保有しています。
そのためディーラーや町工場と比べても点検の内容に大きな違いはありません。
そもそも車検とは法定点検なので、分解点検する内容はあらかじめ決められていますので、その内容を省略したりすることはできません。
もしも違うことがあるとすれば、エアコンフィルターの交換や、フロントガラスの撥水加工など、車検の分解点検とは関係ない部分への追加のご提案が積もりにプラスされるだけです。
ですので「オートバックスでの車検で大丈夫か?」と思うのは主にネットなどでの口コミではないでしょうか。
車検の内容に対して不満があったり小さな不具合があった場合、お客様はその店に対して不信感を持ちます。
「オートバックスの車検はダメだ!」という意見があったとして、その根拠は自分の車の車検で起きた不具合などに対する、きわめて個人的で経験値の少ない意見ではないでしょうか。
とはいえ、車検の法定点検は整備士の経験や知識によってかなり違ってきます。
つまり、オートバックスだからダメと言うわけではなく、それぞれ個々の整備士の経験の違いが、そのまま点検の正確さとなり、そのまま評価の基準になります。
オートバックスの悪い噂や評判が広まる理由
もちろん整備ミスや点検ミスがあったとして、それがユーザーさんに知れてしまったときは、大変な不信感を持たれることになります。
その結果、「オートバックスに車検を頼んだらこんなことになってしまった」という評判が口コミで広がってしまいます。
ですが、口コミになってしまうそもそもの原因は、整備工場側の「説明不足」も非常に多いのです。
僕自身はオートバックスで働いたことはありませんが、オートバックスで整備士をしていた同僚はいます。
彼らの話を聞いていて、とんでもない不正をしているとは思えませんし、極端に技量が落ちるとも言い切れないと感じました。
ただ、車検の満足度とは、少なからず人間力というか、携わる人に対する評価がそのままその整備工場に対する評価にもなってしまうことが多いことは確かです。
そして、その人間力も過剰な仕事量に追われたり、劣悪な環境に身を置くと質が落ちてしまうこともあり、たしかにオートバックスでの業務は多忙で過酷だなと感じました。
これはオートバックスに限ったことではありませんが、ディーラーでも人手不足などでひどい状態の整備工場もあることは知っています。
つまり人間関係や職場環境が劣悪だと、いい人材でもそれだけでパフォーマンスを発揮できなくなるということです。
オートバックスの車検は厳しいのか?
オートバックスの車検は厳しいのでしょうか?
実際はそんな事はありません。なぜなら、車検は法定12か月点検よりも点検項目の多い点検を実施しています。
この内容は法律で決められた内容に基づいています。
また車検に合格するかどうかは保安基準に適合するかどうかに関係してきますが、この内容は自動車検査員の資格を持つ整備士が判断しています。
自動車検査員は、合格の署名の印を押す瞬間は「みなし公務員」となり、万が一不正をした場合、非常に厳しい罰則を受けることになります。
そのため車検の判断をする検査員は常に責任感を持って検査業務に携わっているため、曖昧な判定をすることができません。
僕も自動車検査員ですが、検査員って、わりと保守的というかナーバスというか、迷ったら「まず確認してから決める」という検査の進め方をしています。
さらに、車検の合否を決定する、「保安基準」も非常に複雑になっていますし、車の年式によっても規定が違ってくることもあるのです。
これらの判定基準を素早く判断しなければなりませんし、万一見落としなどをしてしまえば、重大な事故を起こしてしまうきっかけにもなりかねません。
検査員によっても解釈が変わることもある
車検の合否を決定するはずの保安基準も、検査員によって意見が変わることもあります。
そのため、同じ事例に関して、「普通に合格」と「ぎりぎり合格」みたいなことも多々あります。
そんなとき、多数の検査員がいれば、それぞれの解釈に対して意見を出し合ったりすることもできます。
オートバックスも含めて、自動車検査員の人数となると、一つの営業所で一人か二人くらいしかいないことも多いので、判断をする検査員の主観や経験値が大いに判定の厳しさに影響してきます。
オートバックスの車検のデメリットとは?
オートバックスだから車検が甘いとかイエローハットは厳しいとか、基本的にそんなことはありません。
ですが少ない人数で車検をする場合だと、どうしても車検を依頼されたお客様との問診やコミュニケーションに時間を割くことが難しくなってきます。
するとユーザーさんの意図をしっかりと聞き、作業を進めることが難しくなることも確かです。
ディーラーなどで車検を受けるときなら、依頼したい内容を依頼者から拾い上げる「サービスフロント」というポジションのスタッフがいます。
サービスフロントは元メカニックや、現役の整備士が業務を兼任することもあります。
オートバックスやイエローハットなどの車検の台数を多くこなさなければならないような整備工場の場合は、そこらへんがちょっと弱いのかもしれません。
つまり、お客様からのご依頼事項などが現場のスタッフにきちんと伝わってないケースなどが多いのかもしれません。
ただしディーラーとオートバックスでは車検の基本工賃なども全く違いますし、作業へのおすすめの仕方も随分と温度差があります。
つまり、細かい要望などはそもそも伝えるチャンスがないし、車検の基本工賃も安く設定していることもあり「安かろう悪かろう」という印象を与えてしまうこともあるのです。
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