CVTが故障する時って、予兆というか前兆みたいなのはあるの?
できれば完全に壊れる前に手放すとか車検をやめるとかを考えたいんだけど。
CVTを搭載する車が市販されて20年以上経ちますが、発売当初のものと比べると今では耐久性も乗りやすさも格段に向上しています。
とはいえ、故障に関してはAT車よりCVT車のほうが多く、僕自身も整備士としてお客様から相談や修理の依頼を受けることが多いです。
そこで今回は
・CVTが故障する前兆について実例を紹介しつつ解説
・CVTが壊れやすい原因や運転方法を知って故障リスクを下げる
こんなお話をしていきます。
また、
すでにCVTに故障の前兆が見られる車でも
運転方法を改善するだけでCVTの故障リスクを下げられるんです。
CVTが故障する前兆について
整備士を長くやってきた僕の経験としては、CVTがいきなり壊れるというパターンは意外に少なく、なんらかの前兆が確認できることが多いです。
ですが、一般的なユーザーさんはそれを故障の前ぶれと認識することは少なく、不具合がはっきりと分かるようになってから整備工場に相談します。
致し方ないことなのですが、走行中に車が動かなくなるような最悪のトラブルを避けるためにも、故障の前兆について知っておきましょう。
CVTから異音がする
エンジン始動時にモーターのような音がする
エンジンが冷えているときにCVTからモーターのような「ウィーン」といった異音がするケースが多発しています。
僕の経験ではダイハツの初期のCVTで確認することが多かったのですが、毎日エンジンをかけるような場合はあまり起きず、年間走行距離が少ないと発生しやすくなります。
車を動かさない期間が長い
原因として考えられるのは、CVT内部のフルードがほぼ完全に下がり切ることで油膜切れを起こすことです。
エンジンを止めた直後ではCVT内部を循環していたCVTフルードも内部に分散して各パーツの周辺に付着しています。
この状態でエンジンを再始動してもCVT内部ではフルードによる潤滑がスムーズにできるため、モーターのような異音は発生しません。
それに対して、長期間エンジンを始動させなかった場合は、エンジンをかけたときにかなり大きなモーターのようなうなり音がします。
このうなり音、だんだんと音が大きくなったり、音が鳴る頻度が増えたりすることもあり、CVT内部のスチールベルトが偏摩耗している可能性があります。
あまりにも長いあいだ車を走らせなかったり、一度の走行距離が極端に短いと症状は起きやすく、最終的にはモーター音のような異音が止まらなくなることもあります。
シフトをDレンジに入れると異音
この症状もエンジンを始動させたすぐに起こりやすい事例で、CVT内部のフルードが十分に温まって循環できていないときに起こりえることです。
故障の前兆として考えられますが、CVT内部の暖気ができている状態でも、PレンジからDレンジにセレクターを動かしたときに「ゴツン」とショックとともに異音がすることもあります。
この場合、CVT内部でCVTフルードが流れる通路を「ソレノイド」と呼ばれる電磁バルブで切り替えていて、そのソレノイドの動きが悪いのかもしれません。
原因としては、走行距離が10万キロを超えている場合や、CVTフルードを無交換のままで過酷な走行をさせてきたことが考えられます。
また、ソレノイドの動きが悪いとDレンジにシフトを入れても車が進み始めるまでにタイムラグが発生することもあり、アクセルを踏み足しているといきなり「ガンッ」と動力がつながります。
対策としてはシフトを入れてもワンテンポ長く待ってからアクセルを踏んでいくことで、過剰な動力をいっきに入力しないことでCVTへの負担を減らすことができます。
加速中に異音
軽自動車やコンパクトカーではエンジンは車体の右側、CVTは左側に搭載されている「エンジン横置きタイプ」が多いです。
走行中にアクセルを踏み込んで加速していくと「グワングワン」といったうなり音が連続して発生し、速度を落とすと静かになるケースもあります。
原因がCVTの場合、異音はエンジンルームの左側付近から発生していますが、車種によっては前側全体から聞こえる場合や、助手席の奥あたりから聞こえることもあります。
原因としては、CVT内部の軸部分を支えているベアリングが摩耗していて、金属製の球状のパーツが傷んでゴロゴロと引っ掛かりながら回転していることが考えられます。
他にもCVTの心臓部分といえるスチールベルトとプーリーとの接触部分から異音がすることもあります。
これも初期のダイハツ製CVTでは起こりやすいトラブルで、CVTをまるごと交換する費用を聞かされたユーザーは「廃車!」と即決するパターンもあります。
走行中に振動がする
発進時のジャダー
大ヒットしたGD系の初代フィットは、発進時の「ガタガタガタ」という振動(ジャダー)がよく出ることで整備士の間では有名でした。
ほとんど同じプラットフォームで作られた同年式のモビリオなどでも同様の症状が出ていますが、走行不能になることはあまりないですが、「とにかく振動で気分が悪い」と不評なCVTでした。
ジャダーが発生し始めるまえに前兆として、「コツン」という小さな変速ショックのような振動がアクセルを踏んだときに出るようになります。
この振動が大きく、連続することで「コツン」から「ゴトゴト」へと変化していきます。
この車種の場合の対策としては、純正のCVTフルードを下抜きで抜いてしばらく走行、冷えたら再度下抜きして新油を注入を何度か繰り返すと改善されていました。
これは当時のホンダディーラーからアドバイスされていたやり方ですが、今では添加剤を入れることでかなり改善されやすくなっています。
とはいえ、経済的なコンパクトカーなのである程度の走行距離になると乗り換えになるパターンがほとんどです。
アクセルを踏んでも進まない感じがする
CVTの不具合としては典型的なものですが、エンジンの力がCVTの中で逃げてしまうとアクセルを踏み込んでもスピードが付いてこない違和感があります。
加速中に違和感がある
CVTでも過走行車でよくある典型的な故障の前兆がこの「滑るような感覚」です。
初期の症状ではあまり体感できませんが、しだいにアクセルを踏み込んでもスピードがついてこないような違和感があり、エンジンからの動力がCVT内部で逃げてしまうことが原因です。
この症状に関してお客様からは「エンジンが空回りするような」といった相談を受けることが多いのですが、それと気づかずに乗り続けているユーザーさんも多いです。
この症状が出始めた場合は走行不能になってしまう前兆でもあるので、CVTの載せ替えをすることになります。
お客様からCVTの違和感で相談を受けたとき、まずは症状を確認するために試運転をしますが、わかりづらいときは、より過酷な上り坂で試してみることもありました。
上り坂でエンジンが空回りする
平坦な道路ではCVTの滑りが確認できない場合でも、長い上り坂で加速させると症状が出ることもあります。
CVT内部でスチールベルトがうまくプーリーに力を伝えられずにパワーロスしている状態が運転手には滑るような違和感になります。
上り坂でさらにアクセルを踏み込んで加速するときにだけ症状が出る場合、ふんわりとしたアクセルワークで急加速をひかえることでCVTを延命させることもできます。
故障の前兆はどれくらいの時期で確認できる?
CVTの故障にはいくつかのパターンがあり、特定の車種によく出る異音や振動ではある程度の予測を立てることができます。
それに対して、ユーザーさんの車の扱いかたというか、使用環境でもCVTが故障する確率は変わってきます。
8万キロを超えたら予兆があるかも
初期のCVTを搭載したダイハツ車でよくあったのが、走行中にうなり音のような異音が発生する場合ですが、8万キロを超えたあたりで相談を受けることが多いです。
理由としてはCVTフルードを無交換のまま8万キロを走行していたり、近場をちょい乗りしかしないシビアコンディションなど、悪い条件が重なると起きやすいです。
ダイハツのCVTはダイハツが自社開発したもので、市販されたすぐは異音などのクレームが多かったです。
ただ、ダイハツでは5万キロ毎のCVTフルード交換を推奨しているので、フルードを交換しなかった場合はCVTだけに問題があるとはいえません。
新車から5年以上経ったら要注意
どのメーカーでも言えることですが、初度登録から5年経過した車はメーカーの特別保証が切れる時期で、CVTの保証も切れます。
もともとメーカーでも設計の段階で『5年10万キロの特別保証では故障しない設計』を意識しています。
もちろん丁寧な運転や定期的なメンテナンスで故障するリスクは違いますので、20万キロ近くトラブルなく走れることもあります。
CVTが故障しやすい原因や運転方法とは
CVTだけに限ったことではありませんが、運転手がそれと知らずにやってしまっていることが車の故障リスクを高くしているケースがあります。
逆を言えば、これから紹介する「良くない車の使い方」を意識して改善するだけでCVTの寿命を伸ばすことができます。
暖機運転をせずに高負荷な走行をする
油温が十分に上昇しないと、フルードの本来の機能が発揮できず、十分な潤滑ができない状態で摩擦部分に負荷をかけます。
CVTだけに限りませんが、内部に入っているフルードには適正な温度域があり、エンジン始動からいきなりアクセルを踏み込んで走行させると、内部のスチールベルトやベアリングなどの摩耗が早まる可能性があります。
急加速や急減速を多用する運転
CVTはスチールベルトが2つのプーリーの幅を変化させることでギア比を変化させているため、急加速をさせるとスチールベルトに負担をかけてしまいます。
また、急加速ほどではありませんが急減速をすることで、CVTの内部ではプーリーの幅を減速していく過程に合わせて変化させ、再加速に備える動きをしています。
つまり、プーリーとスチールベルトの接触するポイントが頻繁に変化するたびに負担がかかることになり、CVTの寿命に影響します。
一定のアクセルのままで巡行するような走り方のほうが
CVTにはやさしい運転といえますね。
重い荷物や乗車定員がつねに多い
いくらアクセルワークに気をつけて運転していても走行距離が増えることでCVT内部では各パーツの消耗がすすんでいきます。
なおかつ、どれだけの負担をかけてきたのかもCVTの寿命と関係してきますが、重い荷物や乗車定員が上限いっぱいの走行では、それだけ消耗も早まることになります。
CVTフルードを交換しない
メーカーによってCVTフルードの交換推奨距離はかなりバラつきがあります。
例えば、トヨタの場合はCVTフルードの交換を「無交換」またはシビアコンディションで「10万キロ毎の交換」と整備書などで指定されています。(※ダイハツからのOEM車は5万キロ毎の交換)
それに対して、ホンダの場合は初代フィットやモビリオ、軽自動車ではN-BOXを始めとするNシリーズでは、純正CVTフルードのHMMFを「4万キロ毎の交換」としています。
上記の2社の場合はとくに指定する距離に開きがありますが、CVTそのものの基本的な構造はよく似ています。
【関連記事】CVTフルードの交換時期や交換距離は?無交換で走るとどうなるの?
CVTフルードは「交換するリスク」と「交換しないリスク」がある
「CVTフルードなんてずっと交換しなくていい」
「CVTフルードは交換するべき」
この両方の意見を聞かされて混乱しているユーザーさんの多いはずです。
整備士として、また新車や中古車を販売する立場として、お客様からの相談にお答えするためにディーラーに問い合わせをしたり同業者の意見をもらったりしてきました。
CVTフルードを交換してしまったことで不具合が出てしまい、
大変なクレームに発展した事例も知っているだけに
「絶対に交換するのがいい」とは言い切れません。
なぜなら、CVTフルードの交換方法や使用するフルードのメーカーなどでも整備工場やディーラーでも違いがあり、なかにはかなりリスクの高いやり方をしているところもあります。
そのため、CVTフルード交換の知識があまりないようなところで交換作業をすることは故障を誘発することになり、無交換のままがベターな場合もあるのです。
なお、「CVTは交換するべきか?」というテーマに関しては別の記事をご覧いただければと思います。
【関連記事】「CVTオイルが無交換な理由を知りたい」というお客様にお答えしたときの話
【まとめ】燃費が悪い運転はCVTに負担をかけている
CVTが故障しやすい条件についてここまでお話をしてきました。
CVT内部に負担をかけない運転をするかどうかで、故障を遅らせることができますが、急加速や急減速、重い荷物や乗車定員が多いなど、これらは全部『燃費が悪くなる原因』と言い換えることもできます。
その点では、エンジン始動直後の高負荷な運転も燃費が悪くなりますし、CVTフルードが汚れたままでも燃費の悪化になることがあります。
これらすべてをトータルで考えると『燃費が良くなる運転はCVTにも優しい運転』であり、車全体にも負担をかけない運転ともいえます。
・急アクセル
・急ブレーキ
・急ハンドル
などの運転はどれも車に負担をかけます。
『急』がつく運転を控えるだけで車の故障を抑えることができます。
最後に・・
今回はCVTの故障の前兆についてのお話で、後半ではCVTの故障を少しでも遅らせるために悪い例を挙げてみました。
僕が整備士をしていて感じるのは、同じ車種で年式も走行距離も違いはないのにずいぶんと調子が悪い車があるということです。
CVTの故障は高額な修理になることが多く、コンパクトカーや軽自動車なら乗り換えになってしまうほどの大事件と言えます。
皮肉なことに、もっとも車両価格が安い軽自動車がもっともよく働いている「大事な生活の足」という家庭も多いようです。
子供の送り迎えや買い物、燃費がいいので通勤で使われることもあり、CVTにとっては加速と減速を繰り返す過酷な使用条件になっていることもあります。
今回の記事を参考にしていただき、安全でエコで経済的な車との付き合いを意識してみてください。
それだけで車をいたわる運転が自然にできようになっていますので。
【関連記事】CVTから異音が出ていても下取りや買取りはできる?高く売るコツとは
【関連記事】【CVTまとめ】フルード交換・異音・運転方法などを解説
コメント
初めてコメントさせてもらいます。2019年のデイズルークス Gターボに乗ってますが走行距離は4万キロ入ったとこで、回転数2000〜3000回転の時にハンチングみたいな症状が出始めディーラーに見てもらったところプラグ交換と言われ交換して車戻ってきてまた2000〜3000回転でガックンガックンなりカチッと音も鳴り、信号待ちで停止して動き出しや坂道アクセル踏んでもスピードが出なくなり、ディーラーに直ってませんと持って行ったところCVTが壊れてるとのこと、保証期間が過ぎてるので実費で交換になるのですが、4万キロでCVTが壊れるとかあまり聞かないのですが、当たり外れですかね、、、
りん様
コメントと情報共有をありがとうございます。
>2019年のデイズルークス
>Gターボに乗ってますが
>走行距離は4万キロ入ったとこ
↑
これは初度登録が2019年式ということでしょうか?
であれば、CVT本体はメーカーの特別保証の対象のはずです。
5年、または10万キロのどちらか早いほうですのでメーカー保証になりませんか?
車に備え付けてあるオーナーマニュアル(整備手帳)などを確認してみてください。
もしもそのディーラーの対応が要領を得ないようでしたら、
別のディーラーに相談してみるのもいいでしょうね。
それにしても、4万キロでCVT本体の不具合というのは
ここ10年くらいを振り返っても、僕自身は聞いたことがないです。
ターボモデルなのでトルクもあり、
NAモデルよりはトラブルになる可能性は多少高いのですが、これはあまりにも早すぎますね。
それから、ディーラーでプラグ交換をしたあとで症状が改善されていないということで、
プラグの交換にかかった費用は返金してもらっていいと思います。
始めてコメントします、平成23年式のスズキパレットSWを中古で購入しました、走行は9万キロくらいです、購入して2週間くらいですが、先日買い物で駐車場に入れる時にバックに入れたところ走行せず、CVT警告灯が点灯していました、シフトレバーも動かなくなり、バッテリー上がりの時に使用するボタンを押しながらシフトレバーを動かし、かなりタイムラグがありますが何とか走行可能でした、メーターにシフトポジションも表示せず、エアコンのパネルも表示しなくなり暖房もききません、アイドリングも不安定になりました、購入した整備工場で見てもらっていますが、ヒューズも切れてないしすぐわからないので、時間下さいとのことですが、考えられる事ってありますでしょうか?
現車もないのでわかりずらいと思いますが、考えられるところがあればご教授お願い致します。
戸ヶ瀬成一様
コメントをありがとうございます。
さっそくですが、いただいたご質問について考えられる範囲でお答えしていきますね。
>駐車場に入れる時にバックに入れたところ走行せず、
>CVT警告灯が点灯していました、シフトレバーも動かなくなり、
>バッテリー上がりの時に使用するボタンを押しながら
>シフトレバーを動かし、かなりタイムラグがありますが
>何とか走行可能でした
↑
この部分ですが、CVT内部やシフトのポジションを入れ替えるポジションスイッチ周辺になんらかの異常が発生したのかもしれません。
また、タイムラグが発生しながら走行できたということですが、CVT内部の油圧が切り替わりづらくなっているようです。
>メーターにシフトポジションも表示せず、
>エアコンのパネルも表示しなくなり暖房もききません、
>アイドリングも不安定になりました、
>購入した整備工場で見てもらっていますが、
>ヒューズも切れてないしすぐわからないので
↑
この症状ですが、メインのコンピューターが壊れている可能性があります。
以前はオートマチックのコンピューターはECUとは別にある車種もありましたが、エンジン制御もオートマチックの制御もひとつのモジュールのなかで行っていることが多いです。
いただいた情報だけではなんとも言えませんが、
・CVT内部のソレノイドなどの電子部品ががショートした
・電子部品のショートが原因でコンピューター内部もショートした
という連鎖的な故障なのかもしれません。
修理するとなると、CVTの載せ替えとコンピューターの交換になるような気がしますが、購入されたすぐということなので別の車を代替えとして用意されるかもしれませんね。
もちろん、この場合は戸ヶ瀬様が修理費を負担する必要もありませんし、修理が完了するまでは代車を用意してもらうよう要求してもいいでしょう。
以上、簡単ですがご参考になれば幸いです。
もしよろしければ、この件の結末がどのようになったのかを教えていただけると、他の訪問者様の参考になるので、またコメントをいただけると嬉しいです。
サボカジ
はじめまして
2012年式MH34S(ワゴンR)距離50,000キロの中古車を購入しました。
納車してすぐにディーラーで純正のCVTオイル交換をしたのですが、
作業後に、抜き取ったオイルが社外のものが入っており
違うフルードが混ざると不具合が出るかもしれません!と言われました。
現在純正オイル2リットルの2回抜きをしてあります。
違うメーカーのオイルが混ざるとダメなのでしょうか?
もう一度フルード交換をした方がいいのでしょうか?
教えてください
コバヤシ様
コメントをありがとうございます。
いただいたご質問ですが、
>納車してすぐにディーラーで純正のCVTオイル交換をしたのです>が作業後に、抜き取ったオイルが社外のものが入っており
>違うフルードが混ざると不具合が出るかもしれません!
>と言われました。
↑
この場合、中古車として購入時に入っていたCVTフルードはH34SワゴンRに対応できるCVTフルードなのかどうかが大事です。
もしも、純正以外のCVTフルードであっても対応できるフルードであれば純正のCVTフルードを混ざっても問題はありません。
僕も業務では社外品のCVTフルードを初めてのフルード交換に使用することがありますが不具合が出たことはありません。
問題があるのは、CVTに対応していないフルードが入っていた場合ですが、中古車として購入したすぐであれば、購入した販売店に「どんなフルードを入れているの?」と問い合わせをするといいでしょう。
かりに、間違ったフルードを入れてしまっている場合でしたら、その中古車販売店に保証として今回のフルード交換の代金を持ってもらってもいいかもしれません。
ちなみに、間違ったフルードが入ってしまった場合でもすぐに抜きかえを複数回したのであれば、ほぼ問題はないと思います。
ですので、
>もう一度フルード交換をした方がいいのでしょうか?
↑
こちらの質問ですが、
・対応しているフルードが入っていたなら必要ない
・非対応のフルードでも2回の抜きかえをしたならそれ以上の処置は必要ない
と僕は思います。
以上、参考になれば幸いです。
サボカジ
ありがとうございます。
中古車販売店は『下取り車の為どんなフルードを入れているのかわからない』との回答でした。
もう一度フルード交換をしようかと思いましたがアドバイスを聞いて
このまま乗って様子を見ようと思います。
この度はありがとうございました。
3児のヒーロー様より
↓
はじめまして。お時間ある時にご意見お願いします。約2年前にガリバーにて中古車でトヨタヴォクシーを購入しました。ガソリン車です。年式は27年式でその時点で約6万キロ走っていました。4ヶ月くらい前から運転席でのみ異音がしたので知り合いのネッツトヨタの方に見てもらいましたが、CVT一式取り替えた方がいいとのことでした。見積もりは約43万円と高額でした。ディーラーは買い替えをすすめましたが、そんなお金はないので修理を選択したところ、今度はCVT一式新品にしても周りの他のパーツや部品は9年経過のモノだから新品と古いもので予期せぬ不具合が起きるかもしれませんが大丈夫ですか?と、言われまして。そこは保証しかねるとも。そんなことありますか?その理屈だとCVT壊れたら全車走行距離等に関わらず買い替えなきゃいけなくなりませんか。
3児のヒーロー様
ご質問をありがとうございます。
こちらはCVTに関する内容ですので、
CVT故障の前兆について整備士が解説|CVTが故障しやすい原因や運転方法とは
のコメント欄に移動させていただきました。
いただいたご質問ですが、
>中古車でトヨタヴォクシーを購入しました。
>ガソリン車です。年式は27年式でその時点で
>約6万キロ走っていました。
>4ヶ月くらい前から運転席でのみ
>異音がしたので知り合いのネッツトヨタの方に
>見てもらいましたが、
>CVT一式取り替えた方がいいとのことでした。
現在の走行距離がどれくらいなのかわかりませんが、CVTの異音の場合は基本的にまるごと載せ替えになることが多いです。
ただ、CVT載せ替えの見積もりはそのディーラーだけで取った内容でしょうか?
全部のディーラーとは言えませんが、乗り換えをさせたいがために高めの見積もりを出してくるところもけっこうあります。
さらに、
>今度はCVT一式新品にしても
>周りの他のパーツや部品は
>9年経過のモノだから新品と
>古いもので予期せぬ不具合が
>起きるかもしれませんが大丈夫ですか?と、
>言われまして。そこは保証しかねるとも。
↑
こんなことを言われたということですが、この説明をしたのは整備士でしょうか?それとも営業側のスタッフでしょうか?
たしかに高額な修理が発生した場合、僕も走行距離などを加味したうえで乗り換えをおすすめすることもあります。
CVTを載せ替えしても、エンジンの状態が良くない場合は高額修理がさらに待っていることを伝えた上で車全体のコンディションの説明をしています。
ですので、
>そんなことありますか?
>その理屈だとCVT壊れたら
>全車走行距離等に関わらず
>買い替えなきゃいけなくなりませんか。
↑
おっしゃるとおり、「CVTの寿命がクルマの寿命」ということはありません。
EV車のメインバッテリーならまだしも、ガソリンエンジン車ならそれぞれの部品を交換することはできます。
ですので3児のヒーロー様が、あとどれくらいその車に乗りたいのか、現在の走行距離がどれくらいなのかで判断されるといいと思います。
かりに、現在の走行距離が20万キロちかいなら、僕も「CVTの載せ替えだけじゃ済まないかも」と乗り換えをすすめますね。
老婆心で言うのもなんですが、ヴォクシーなら多少のCVT異音が出ていても海外に輸出すれば利益がでるクルマです。
「車の販売」と「人気車の買い取り」の両方を考えてアプローチされているのかもしれません。
できれば別の整備工場に相談してみてもいいかもしれませんね。
以上、参考になれば幸いです。
またなにかこの件でご質問などあればこちらの記事のコメント欄に書き込んでくささいね。
早速のお返事ありがとうございます。
購入から約2年経過しており、走行距離は8万キロです。1年に1万キロ走ってる感じですね。
ディーラーとのやりとりは基本的に営業の方とですが、曰く整備士さんに話を聞いた上で僕と話してるそうです。
本日、また営業の方から電話が来て修理の方向で話をしようとしたら、昨日お話したことに付随して、CVT一式新品にしたことで他の古い部品等がパワーに負けて特に足回りに負荷がかかることがありますと。なのでCVT一式のみならず、足回り等も新品に替えた方がいいという話になり、総額70万超えの見積もりを提示されたんですよね。ちょっとよく意味がわからなくて。
ちなみに他の懇意にしてる自動車屋の整備士さんにも見てもらいましたが、がっつり見てもらってなくて、ディーラーとの相見積もり程度なんですよね。きちんとした指定工場とかがいいですかね?
個人的には、子供が小さいので今はミニバンにこだわりたく、しかしチャイルドシートが取れる4年後くらいには買い替えは考えています。
長くなり申し訳ありません。
3児のヒーロー様
>CVT一式新品にしたことで他の古い部品等が
>パワーに負けて特に足回りに負荷がかかることがありますと。
>なのでCVT一式のみならず、
>足回り等も新品に替えた方がいいという話になり、
>総額70万超えの見積もりを提示されたんですよね。
>ちょっとよく意味がわからなくて。
↑
この話は整備士の僕でもかなり意味がわかりませんね。
やはり、どうにかして走行8万キロのヴォクシーを「安く」買い取りたいだけなのでは?と思ってしまいます。
医療の世界でも『セカンドオピニオン』は常識です。診断をしてもらったところに作業を依頼する必要も、その店で提案されたことをすべて受け入れる必要もありません。
ですので、
>購入から約2年経過しており、
>走行距離は8万キロです。
>1年に1万キロ走ってる感じですね。
↑
この走行距離でCVTから異音が発生するのは珍しいと思います。
CVTの載せ替えまで検討されているのであれば、信頼できそうな整備工場を探してみてください。
事情を説明したうえで、「だめもと」にはなりますがCVTフルードの交換を依頼してみてはいかがでしょうか。
もちろん作業を依頼する整備工場には
・CVTからの小さな異音が出ていて気になっている
・フルードを交換してダメならCVTの載せ替えを考えている
・現在の年間平均走行距離は1万キロほど
・できれば大きな費用をかけずに4年くらい乗りたい
上記のことを伝えた上で作業を受けてもらうことが前提です。
40万円以上の修理を覚悟しているのであれば、試してみる価値はあると思います。
もしも現在の走行距離が15万キロなら載せ替えの一択ですが、8万キロならフルード交換で異音を緩和できる可能性があります。
そのうえで、多少の効果が見られたならそのまま乗っていただいて、たとえば3年ほど乗ることができたなら、そこで1年早く乗り換えするのもいいかもです。
つまり、高額修理をせずに済んでいるわけで、言葉は悪いですが「逃げ切り」という感じです。
ちなみにですが、以前書いた記事にこんな記事もあるのでよかったら参考にしてみてください。
【関連記事】信用できる整備工場の見つけ方とは?整備士が本気で思ったこと
以上、なにかしらの参考になればと思います。
本当に勉強になります。整備工場選びの記事も読ませていただきました。参考にします。
実は1月に妻が運転中に警告灯が点いて、(確かエンジンのやつとふらつきのだったかと。黄色です。)それでディーラーに見てもらって、ついでに異音のことを話したらその時にフルード交換してるみたいなんですよね。点検表にCVTフルード 7.4とありまして。これってされてるのかなと。直接聞いてはいませんが。フルードって他の整備士さんが見たら替えたばっかりなのか、古いままなのか見分けつくんですかね?
仮にされてるとしたら音の大きさとか変化は特に無いですね。ものすごく不快で大きな音量ではないんですけど。逃げ切りも考えてますけど、車が止まると言われたら少しこわいですね。これ、止まるまでに段階とかありますか?現状ヴゥーというマナーモードみたいな小さい音のみですが、これでも急に止まっちゃったりするものですか?
絶対に70万は払いません!(笑)
3児のヒーロー様
>ディーラーに見てもらって、
>ついでに異音のことを話したら
>その時にフルード交換してるみたいなんですよね。
>点検表にCVTフルード 7.4とありまして。
>これってされてるのかなと。
↑
点検記録に記載されているのであればCVTフルードの交換はしているとおもいますね。
これまでいただいたお話をまとめると
CVTフルードの交換をしたディーラーは、高額なCVT載せ替えなどの見積もりを出してきたのと同じディーラーということでしょうか。
もしも同じところなら、自分のところでCVTフルードの交換をしているにも関わらず、なにくわぬ顔でCVT載せ替えの提案をして、さらに総額で70万円の見積もりをだしてきたことになります。
このことについて問い合わせをしてみるてもいいでしょうね。
「勧められるままに整備をしたのにどうして?」
という感じで、クレームめいた言い方は避けて相談する感じで切り出してみてはいかがでしょうか。
>仮に(CVTフルードの交換を)されてるとしたら
>音の大きさとか
>変化は特に無いですね。
>ものすごく不快で大きな
>音量ではないんですけど。
↑
たしかに変化はなかったことになります。
CVTに関しては異音ではないケースもありまして、僕も新車から一ヶ月のヴォクシーのお客様に「ヘンな音がする」と相談をうけたことがあります。
このまま走りながら様子をみてもいいかもしれません。
もしも明らかに異音が大きく顕著になってきた場合は大きなトラブルの前兆かもしれませんが、変化がなければそのまま乗ってみてもいいです。
>現状ヴゥーというマナーモードみたいな
>小さい音のみですが、
>これでも急に止まっちゃったりするものですか?
↑
異音は大きなトラブルの前兆であることが多いですが、短期間で大きな変化がなければ、少し様子をみてもいいです。
機械的なトラブルに関しては徐々に悪くなっていくことが多く、回転するスチールベルトやベアリングからの異音がメインです。
このようなケースではいきなり車が走行不能になることは少ないと思います。